【スポーツ業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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スポーツ業界を目指す人の中には、ESの書き方で悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
スポーツに関するサービス、商品の提供を広く行っているスポーツ業界。
その中でも大きく3つの分野に分けられ「スポーツチーム」「スポーツメーカー」「スポーツ施設」など、それぞれ異なる特徴を持っています。
スポーツ用品の販売や広告収入、施設の運営など、各分野の収入源も様々です。
これらを踏まえ、スポーツ業界のESでは何をアピールするべきなのか、質問に対しどのように答えるのが適切なのかを探していきましょう。
本記事では、実際にスポーツ業界のESで出題された質問と、突破した人の解答ポイントを基に、詳しい解答例を交えてご紹介していきます。
ご自身のES対策の参考にしてみてください。
スポーツ業界の採用動向や面接対策については下記で紹介しています。
目次
スポーツ業界のES設問例
1学生時代に最も力を入れて取り組んだこと(2020年 アシックス)
2ミズノに入社して挑戦したいこと(2020年 ミズノ)
3オンラインストア、店舗を見て感じたことおよび改善提案(2020年 デサント)
4自覚している性格について(2020年 ヨネックス)
5困難や課題を解決したエピソード(2022年 ライザップ)
設問例1:学生時代に最も力を入れて取り組んだこと
この設問では、学生生活の中でどのようなことに熱意、力を注ぎ、何を学んできたかが問われています。一般的に「ガクチカ」と呼ばれ、多くの企業のESで質問されやすいテーマです。
またアシックスでは、「目標達成のために行ったこと」や「経験からどのような教訓を得たのか」といった設問も一緒に出題されるようです。回答の際は他の設問との一貫性を意識すると良いでしょう。
ガクチカに関する回答では、以下の3つのポイントが重要です。
- 注力して得られた成果、経験について
- 注力した理由、目的について
- 経験、実績から何を学んだのか、その価値について
ガクチカのテーマに関しては、必ずしもスポーツ関連の話題でなくても良いでしょう。大切なのは「どんな経験をして、何を学んだか」という点です。
自身の取り組みから得られたものを明確に示し、仕事に活かしていく意思をアピールしましょう。
回答例
私が最も注力したのは、IHTAのメディカルトレーナー認定資格の取得です。高校時代に整体院で受けた施術がきっかけで、作業療法、理学療法の分野に興味を抱き、資格取得を目指しました。
理解度を深め正確に知識を定着させるため、整体院でのアルバイトを行うことで実践経験を積みました。勤務時間と学習時間の配分に苦労することもありましたが、学習計画を詳細に立てることで解決しました。
認定試験を受験する日を1年後と明確に定め、そこから必要な学習、重要課題を逆算して学習を行い、実践と復習を反復しました。
座学と実践を繰り返した効果もあり、試験当日のテストではとてもスムーズに解答できました。学習開始からちょうど1年後に資格を取得し、自分で立てた目標を達成したことは私にとって貴重な成功体験です。
この経験から、学習における計画の大切さ、学習後の実践の重要性を学びました。入社後の仕事においても、「計画」「学習」「実践」の3点を軸に効率的に学んでいきたいと考えています。
回答では、「注力したこと」「得られた結果」「結果からの学び」の3点を意識しましょう。
その上で、得られた経験や学びをどのように仕事に活かしたいかを考え、回答の中でアピールできると理想的です。
設問例2:ミズノに入社して挑戦したいこと
この設問では、入社後の明確な目標や仕事に対する目的意識について問われています。業務内容や職種の特徴などをイメージし、具体的な挑戦目標を伝えると良いでしょう。
テーマを考える際は、以下のように分類して考えるのがおすすめです。
- 知識面(学びたい分野、専門知識など)
- 仕事面(携わりたい業務、職種など)
- 技術面(身に着けたい技術など)
仕事における目標設定を明確にすることで、モチベーションや意欲の維持に繋がります。目標に基づいた行動は自分自身の成長に影響し、仕事の成果にも関係してくるでしょう。
スポーツ業界の仕事を通じて何を得たいのか、どのようになりたいのか、自分が求めるものについて考えることが大切です。
また、社会や集団といった「周りの環境」を踏まえ、他者に対しての価値提供や貢献を軸に挑戦したいテーマを考えてみても良いでしょう。
回答例
貴社の優れたスポーツ施設をアジア全体に広め、生涯を通してスポーツを楽しめる社会の実現に挑戦したいと考えている。
大学時代にシンガポール留学をした際、スポーツをする環境が十分に整っていない印象を受けた。シンガポールは1年の半分以上が雨季であるにも関わらず、大学や寮に屋内のスポーツ施設が少なく、余暇時間をスポーツに有効活用できていなかった。
そのためスポーツを通じて健康を増進するという考え方が一般に広まっておらず、それが健康寿命の短さに関係している可能性が高いと考えている。
貴社は、生涯スポーツ推進のノウハウを持っているため、周辺諸国のスポーツ基盤作りについて学び世界で挑戦したいと考えている。
入社後は、スポーツ施設サービス事業部でスポーツの「場」の提供をテーマに深く学び、いずれは自分の語学力や対話力を活かしてそのノウハウを海外に発信していきたい。
志望企業の事業内容に着目し、自分の「やりたいこと」「実現したいこと」との共通点、関連性を考えましょう。企業の特徴、事業と具体的に紐づけることで、志望度の高さもアピールできます。
設問例3:オンラインストア、店舗を見て感じたことおよび改善提案
この設問では、サービスについて客観的な視点を備えているか、顧客側と店舗側の2つの目線を持っているかが問われています。
企業の利益向上に必要なのは、顧客満足度と利益率をいかにして高めるか、常に考え実行していくことです。
回答においては、志望企業のサービスについて徹底的にリサーチを行い、「良い点」と「改善点」の両面で自分の意見を述べるようにしましょう。
一般消費者に対し提供されているサービスなどがある場合は積極的に利用し、実体験を踏まえた回答ができると説得力が増します。直接サービスに触れる方法を探してみるのもおすすめです。
回答例
様々なシーンに応じたコーディネート写真が掲載されている点が好印象であった。商品単体の写真のみでは、実際の着用時のイメージが掴みづらく、購入を控えてしまう可能性がある。
その点、全身のコーディネート写真があることでユーザーそれぞれの環境に合わせたイメージが掴みやすく、より多くの人に商品の魅力が伝わる工夫だと感じた。
また、トップページのメニューバーが商品主体では無く、「メンズ」「レディース」「ジュニア」などユーザーの属性主体である点も魅力的である。商品検索の際、最初にユーザー属性で絞り込むことでストレスフリーな検索ができると考える。
改善案としては、商品検索時の一覧表示の時点で、サイズ在庫を小さく表示する機能を追加したい。現時点では個別ページまで移動しないとサイズごとの在庫状況が確認できないため、少々扱いづらい印象があった。
この点を改善できれば、より扱いやすくまとまったオンラインストアになると考える。
回答においては、良い点と悪い点の両方を明確に示すようにしましょう。
また、サービスの入口から出口までの一連の流れ(商品検索から購入までの流れなど)を捉え、全体像を踏まえて考えることも大切です。
設問例4:自覚している性格について
この設問では、自己理解ができているか、自分について客観的な視点を持っているかが問われています。
仕事や職種を選択する際に重要な要素の1つが「自己理解」です。仕事では成功、失敗様々な結果が伴いますが、その結果に自身の性格が関係する場合もあり、働く上で自分自身を把握することは必要不可欠と言えます。
職種によっては性格により適性度が左右されるものもあるため、自分の性格を理解した上で志望し、最適なポジションを選ぶことが大切です。
自分自身の人間性を正しく把握することが、活躍の期待できる仕事、職種選択に繋がります。
また企業側としては、自己理解ができている人材(自分の長所・短所が把握できている人)を採用したいと考えるため、自分について詳細に理解していることをアピールしましょう。
回答においては、「志望企業の業務に適した性格は何か」という視点を踏まえて自分の性格に注目して考えましょう。
性格を裏付ける具体的なエピソードを記載することも大切です。
回答例
私は、几帳面な性格であると自覚しています。「やるべきこと」や「課題」を残したまま放置するのが非常に苦手で、優先的に着手して解決しようとする傾向があります。
学業においても理解できない点がある場合は放置せず、納得いくまで思考、挑戦を続けてきました。この性格のおかげでこれまでに解決できた課題や得られた成果が複数あり、良い影響をもたらす性格だと捉えています。
一方で、1つの事を完璧にこなそうとするために他の物事に手が回らなくなる場合もあり、その点は課題だと考えています。
入社後の仕事においては、就業時間や担当業務などの制約もあるため、物事の優先度を見極める力を身に着ける必要があると感じています。
業務遂行の順序を自分で考え、計画的に取り組むように工夫することで、自分の性格を活かして成果を産み出したいです。まずは実力の把握と業務の理解に注力し、「今自分がやるべきことは何か」を意識して働きたいと考えています。
回答においては、まずは「自分の性格」を明確に定義し、その長所と短所を考えてみましょう。良い点、悪い点の両面を踏まえた上で、どのように仕事に活かせるかを示すことが大切です。
設問例5:困難や課題を解決したエピソード
この設問では、「課題解決力があるか」「物事の本質を見極める力があるか」が問われています。
入社後の業務では、困難な状況や複数の課題に直面する場合もあるため、そうした際に課題点を見極めて対処する能力があるかどうかは重要なポイントです。
回答においては以下の点を意識すると良いでしょう。
- 困難や課題の本質的な点は何だったか
- 解決のためにどのような工夫をしたか
- 経験から学んだこと、今後の課題解決にどう活かせるか
回答文の最後では、経験からの学びを今後の課題解決に活かしていく意思をアピールできると理想的です。
回答例
最も困難だったのは、バスケ部のマネージャーとしてチームのサポートに励んだ経験です。高校時代バスケ部に所属していた私は、試合で怪我をしてプレイヤーを退き、マネージャーに転向しました。
私の所属するチームはバスケ専門の指導者が不在だったため、チームの戦績が伸びない時期が続いていました。そこで私は、自身のプレーヤー経験を活かしてマネージャー兼監督としてチームを支えることを決意しました。
はじめは何をすべきか全く分からず、チームに貢献出来ず悩むことも多々ありました。しかし、プレイヤーとして培った知識と経験を活かして思考し、プロチームや強豪高校のプレー分析や練習メニューの改善を行いました。
その結果、歴代初の県大会準優勝という記録を残すことができました。
この経験から、チーム活動ではポジションに関わらず、過去の経験を活かして最善を尽くすことが大切だと学びました。ポジションが変わっても過去の学びを活かせると実感した出来事です。
課題や困難をどのようにして乗り越えたのか、意識した取り組みや工夫した点などを具体的に記載できると良いでしょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうかを判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
1強み:あなたの強みは?
⇩
2強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
⇩
3強みを表す具体的エピソードは?
⇩
4強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
⇩
5強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
- アピールする強みに再現性を持たせること
- 学生時代に頑張ったことと混同しないこと
- 書き出しと締めの部分を意識すること
スポーツ業界はどんな人材を求めているのか
- 挑戦したい目標や夢が明確な人
- 客観的な視点を持っている人
- 自己理解度の高い人問
- 題解決力のある人
挑戦したい目標や夢が明確な人
スポーツ業界では、仕事をする上での目標設定や夢が明確な人が求められます。スポーツに通じる仕事で何がしたいのか、何を得たいのかを明確に示せる回答を考えましょう。
挑戦のテーマについては、志望企業の特徴や事業内容に関連した内容を意識することが大切です。
客観的な視点を持っている人
スポーツ業界には大きく3つの分野があり、それぞれビジネスモデルに違いはありますが、基本的には利用者、消費者を意識したサービス内容が一般的です。
そうしたビジネスで利益向上に必要なのは、顧客も含むマーケット全体を客観的に見る力で、それを備えた人材が求められています。
自己理解度の高い人
仕事をする上では、自分の役割を的確にこなすことが重要です。様々な職種、担当の人がそれぞれ自分の仕事をきちんとこなし、それらが噛み合うことで企業の事業は成立しています。
このような環境下で活躍するために必要な要素が「自己理解」です。自分の性格や特徴を的確に理解し、相応しいポジションで能力を発揮できる人材が求められます。
問題解決力のある人
企業の業務では予想外のトラブルが起こる場合もあり、そうした際に的確に対処できる人材が求められます。
物事を整理し論理的に捉え、最善の改善策を提案する力をアピールしましょう。目の前の課題の本質を考えることが大切です。
近年のスポーツ業界は、コロナウイルスの感染拡大に伴いフィットネス事業が縮小しつつあるなど、実害が目立つ事業分野も存在します。
一方で国内メーカーの中には、海外展開を進める企業もあり挑戦的な取り組みも行っています。
少子高齢化が進む日本国内の需要には限度があるため、海外市場の開拓は注目が高く、今後の動向についても詳細にチェックしておくのがおすすめです。
志望する際はスポーツ業界の仕事に対する思いや熱意をしっかりとアピールし、海外展開にも挑戦していく意思を伝えると良いでしょう。
企業研究やES対策を十分に行って業界への理解を深めた上で、完成度の高いESに仕上げてみてください。