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【造船業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!

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造船業界ES書き方ガイド

造船業界を目指す人の中には、ESの書き方で悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

造船業界では様々な種類の船を製造しており、乗船客を乗せて航海する旅客船や海上輸送の要であるコンテナ船など、目的に応じて船の特徴も異なります。

 

燃料価格や旅行需要によって市場景気が揺らぐ中、環境問題とも向き合いながら高い技術力で船を造っています。

海を渡ることができる船は日本産業のグローバル展開に必要不可欠な移動技術です。

造船業界は船を造ることで国内企業の海外進出を支えているともいえます。

 

では、造船業界のESでは何をアピールするべきなのか、質問に対しどのように答えることが適切なのでしょうか

 

本記事では、実際に造船業界のESで出題された質問と、突破した人がどのように回答したのかを、解答例を交えて詳しくご紹介していきます。ぜひご自身のES対策の参考にしてみてください。

造船業界のES設問例

造船業界で頻出されるES設問例

1入社後に達成したい目標(2022年 今治造船)

2学業で注力したこと(2019年 常石造船)

3志望理由と携わりたい事業・職種(2022年 三菱重工業)

4事業について興味を持った点・聞きたい点(2017年 ジャパン・マリンユナイテッド)

5今まで最も注力したこと(2022年 川崎重工業)

設問例1: 入社後に達成したい目標

当社へ入社後、達成したい目標についてお書きください。(400字以内)(2022年 今治造船)

この設問では、入社後の明確な目標仕事に対する目的意識について問われています。

業務内容や職種の特徴などをイメージし、具体的な目標を伝えると良いでしょう。

 

テーマを考える際は以下のように分類して考えることがおすすめです。

  • 知識面(学びたい分野、専門知識など)
  • 仕事面(携わりたい業務、役職など)
  • 技術面(身に着けたい技術、造りたいものなど)

仕事における目標設定を明確にすることで、モチベーションや意欲の維持に繋がります。目標に基づいた行動は自分自身の成長を高め、仕事の成果にも関係してくるでしょう。

仕事を通じて何を得たいのか、どのようになりたいのか、自分が求めるものについて考えることが大切です。

 

また、社会や集団といった「周りの環境」を踏まえ、他者に対しての価値提供や貢献を軸に考えてみても良いでしょう。

回答例

私の目標は、電気を原動力とする自動車運搬船を開発することです。ガスや原油を必要としない次世代の船を造りたいと考えています。

近年は複数の国産車メーカーが電気自動車の開発に注力しており、カーボンニュートラル社会の実現に取り組んでいます。しかし、自動車を輸送する船はガスや原油を動力としているため、輸出の際などに間接的に温暖化への影響が及んでしまうと考えます。

そこで、電気で動く船を造り、自動車流通のサイクル全体で環境に配慮した構造を実現することが私の目標です。自動車販売は日本の主力産業の1つであるため、国産車の輸出を後押しできるような船の製造は、日本国において価値のある取り組みだと考えます。

この目標を、国内建造量で高いシェアを誇る貴社で実現するために志望いたしました。一早く電気駆動船舶の製造を成功させ、新しい船舶製造の担い手になりたいと考えています。(376文字)

☝️ポイント

自分の目標とその理由を明確にした上で、その価値についてもアピールできると理想的です。また、その目標を志望企業で実現したい理由なども考えることで、志望理由との一貫性に繋がります。

設問例2:学業で注力したこと

学業で力を注いだことについて教えてください。(2019年 常石造船)

この設問では、どんな分野の学業に注力してきたか学習過程で意識したポイントや工夫した点などが問われています。

解答においては、得た学びや学業に対する向き合い方などを伝えるのも良いでしょう。

 

意識すべきポイントは以下の通りです。

  • どんな点に注力したか
  • 注力した理由、工夫した点
  • 得られた学び、成果について

上記のような点を意識して解答を考えましょう。

実際の仕事では複数の業務を同時に抱える場合もあり、注力すべきポイントを自分で見極めて取り組む必要も出てきます。

 

過去の経験において、なぜそのポイントに注力したのか、どんな基準で判断したのかなどを思い返してみましょう。

回答例

私が学業で最も注力したのは、物理学の運動エネルギーに関する学習です。大学で運動力学に関する研究室に所属し、位置エネルギーと運動エネルギーをテーマに省エネ運動機関の研究開発に取り組みました。

運動エネルギーの学習に取り組んだ理由は、省エネや脱炭素化などに注目がある現代において、より小さいエネルギーで動作する乗り物の実現に価値を感じたからです。

研究においては、ジェットコースターを基にして運動機関の開発に取り組みました。重量や体積などあらゆる点に着目して改善を重ねた結果、省エネ稼働が可能な模型の開発に成功し、学内の研究開発コンテストで最優秀賞を獲得しました。

この経験から、研究開発に大切なのは多角的に対象を捉えることと、実在するモデルケースを踏まえて試行錯誤を重ねることだと学びました。

この学びを貴社の船舶製造にも活かしていきたいと考えています。

☝️ポイント

注力した内容について、具体的なエピソードを伝えるようにしましょう。テーマについては、学習内容以外にも学習方法や時間管理などを軸にしても良いでしょう。

設問例3:志望理由と携わりたい事業・職種

当社を志望する理由を、携わってみたい事業や職種と合わせて教えてください。(2022年 三菱重工業)

この設問では、企業についての理解度・熱意が問われています。

志望企業を目指す理由は人それぞれですが、以下のように分類すると回答の軸を考えやすいでしょう。

  • 仕事内容(職種や働き方など)
  • 事業内容(過去の実績や事業展開など)
  • 経営状況(売上高や成長率など)
  • 利用体験(自分が顧客として利用したサービスなど)

上記のように企業について様々な角度から注目し、志望企業でやりたいことは何か、自分が何を求めているのかを深く考えてみましょう。

 

なぜ他の企業ではなくその企業なのか、自分の考えや軸を明確にし、具体的に伝えるのが大切です。

携わりたい事業職種を基にして、志望理由全体を考えるようにするとスムーズでしょう。

なぜその企業に興味を抱いたのか、魅力に感じる点などに着目してみましょう。

回答例

私は、貴社の舶用機械の研究開発に携わりたいと考え、志望いたしました。貴社は船舶の製造に加えて、MET過給機やファンスタビライザなど様々な舶用機械の開発を行っており、高い技術力と知見を備えた企業だと考えます。

そうした環境で技術者として働き、船舶製造の発展に貢献できる人材になりたいと考えています。現在の造船業界は燃料価格により市場が不安定になる側面があり、こうした課題を省エネ稼働が可能な船舶を製造することで解決するのが目標です。

これを踏まえ、船舶の動力源を担うMET過給機の開発業務に取り組みたいと考えます。効率的に推進力を産み出せるタービン技術を追求し、海上移動で消費されるエネルギーの削減を目指します。

省エネルギーで移動する船舶を実現することで、旅客用・産業用問わず低コストでの船舶サービスの提供が可能になると考えています。

入社後は舶用機械の開発部門への所属を希望いたします。

☝️ポイント

特定の業務や職種に希望があり、それに携わるために志望したという構成が良いでしょう。
この際、志望企業ならではの要素を踏まえることも意識することが大切です。

設問例4:事業について興味を持った点・聞きたい点

当社の事業や仕組みで興味を持ったことや聞きたいことについて教えてください。(2017年 ジャパン・マリンユナイテッド)

この設問では、企業についての理解度が問われています。志望企業に興味を持つポイントは人それぞれですが、以下のように分類すると回答の軸を考えやすいでしょう。

  • 仕事内容(職種や働き方など)
  • 事業内容(過去の実績や事業展開など)
  • 利用体験(自分が顧客として利用した経験など)
  • 業績(売上高や成長率など)

上記のように企業の事業内容や提供サービスなどに注目し、最も興味深く感じる要素について掘り下げて考えてみましょう。

なぜ他の企業ではなくその企業に興味を持ったのか、具体的に伝えるのが大切です。

 

解答をイメージするのが難しい人は、志望動機などを基に考えると良いでしょう。自分のやりたいことや魅力に感じる点が企業にあり、それがきっかけで興味を持つという場合もあります。

自分が仕事に求めるものや、志望企業の魅力について考えてみるのもおすすめです。

回答例

私は、貴社が開発しているエコシップに興味を抱いています。環境負荷低減船の「eFutureシリーズ」は、航行中のCO2排出を30%削減でき、持続可能社会実現への関心が高まる現代では付加価値の高い船舶だと考えます。

また、燃費性能の高い「G(Green Ship)シリーズ」については、独自の船体形状や廃熱回収システムを備えている点が興味深く、それらの研究開発に携わりたいと考えています。

船舶は船体が大きい分稼働時の燃料消費も多く、燃料価格の変動による影響を受けやすい移動技術だと考えます。その上で、今後の社会で持続的な船舶利用を促すためには、省エネ化への取り組みが重要であり、その研究開発に貢献するのが私の目標です。

この度貴社のエコシップ開発について知り、深く感銘を受けました。入社後は、完工したエコシップの実燃費性能やメカニズムについて学び、より低燃費な船舶開発を追求していきたいと考えています。

☝️ポイント

解答では、「なぜ興味を感じているのか」その点が「自分にとってどのような意味があるのか」を明確にしましょう。
自分の目標や目的と結び付け、深い関心をアピールできると理想的です。

​​設問例5:今まで最も注力したこと

今までに一番力を入れて取り組んできたことについて教えてください。(200字以内)(2022年 川崎重工業)

この設問では、これまでどんなことに取り組み、そこから何を学んだのか、どんな結果につながったかなどが問われています。

 

また、物事に対する熱意の向け方なども注目される点で、仕事に対し注力できる人材かどうかを見極めるポイントとなるでしょう。解答においては、分野を問わず力を注いだエピソードについて具体的に伝えましょう。

 

意識すべきポイントは以下の通りです。

  • 何に注力したか
  • 注力した理由、そこに対する熱意
  • 工夫した点、意識した点
  • 得られた学び、成果について

上記のような点を意識して解答を考えましょう。

物事に対し真摯に向き合うことができ、熱意のある人間性をアピールできると理想的です。

 

過去の経験において、なぜそのことに注力したのか、どんな学びがあったかを思い返してみましょう。

回答例

私がこれまで最も注力したのは、大学での内燃機関開発です。機械工学科で内燃機関技術を学び、小型エンジン模型の製作に注力しました。開発は5名のチームメイトと共に行い、炭化水素燃料の化学反応を分析して代替燃料で稼働するエンジン実現を目指しました。

結果、エンジン製作は後任へと引き継ぐ形になりましたが、多くの知識と経験を得ました。中でも、チームメイトの大切さを学べたことが大きな収穫でした。(191文字)

☝️ポイント

少ない文字数の中で解答する際は、伝えたい点を明確に分けて解答を考えましょう。
「取り組んだこと」「工夫した点」「得た学び」など、内容を小分けにして考えると、短文でもまとまりのある内容になります。

自己PRの書き方

自己PRの書き方

自己PRの本質

自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。

ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。


評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。

また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。

企業が自己PRを聞く意図は2点あります。


1人柄を知る

企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。

企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。

逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。


2自己分析ができているか知る

自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。

自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。

しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。

自己PRを書くためのポイント

求める人材に即した「強み」を決定する

企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。


自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。

  • 個人として努力し、成果を上げることができる
  • 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
  • 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる


アピールしたい「強み」を論理的に述べる

上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。

1強み:あなたの強みは?

2強みの原点:強みが形成されたきっかけは?

3強みを表す具体的エピソードは?

4強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?

5強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?

引用:unistyle

※自己PRを書く際のポイント

  • 注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
  • 学生時代に頑張ったことと混同しないこと
  • 書き出しと締めの部分を意識すること

造船業界はどんな人材を求めているのか

造船業界の求める人材

造船業界が求めている人材
  • 入社後の目標や夢が明確な人
  • 学業やその他の物事に対し、主体的に注力した経験がある人
  • 携わりたい職種や業務が明確な人

入社後の目標や夢が明確な人

造船業界は船舶や動力パーツの製造などを行う専門的な分野です。

仕事においては専門知識と技術が必要となるため、主体的に学習を継続しながら働くことが大切です。

 

そのため、明確な目標を持って粘り強く着実に取り組める人が求められます。

学業やその他の物事に対し、主体的に注力した経験がある人

造船業界は船舶の性能向上や省エネ化など、常に造船技術を追求している業界です。

そうした環境下で成果を出すには、研究開発に熱意を持って注力し、試行錯誤を繰り返しながら仕事に取り組む必要があります。

 

そのため、学業やプライベートなどを通じて主体的に注力した経験がある人が求められます。

携わりたい職種や業務が明確な人

造船業界は専門的な知識と技術が必要な分野のため、仕事を覚える上で一定以上の学習が必要不可欠な仕事です。

技術者の育成にある程度の時間を要するため、入社後のミスマッチを防ぎ定着率を高める必要があります。

 

そのため、仕事内容について明確に理解した上で働く意思を持った人材が求められます。

 

近年の造船業界では、社会的なエコ推進の流れを受け、各企業で省エネ船舶の製造に注力している状況です。

これに伴い動力技術の追求や船体形状の改良など、技術課題に取り組んでいける有望な人材が求められています。

 

志望する際は造船について学ぶ意思や熱意をしっかりとアピールし、技術者として挑戦していく気概を伝えましょう。

 

また、企業研究やES対策に加えて業界トレンドや市場動向などの把握も大切です。

業界への理解を深めた上で、完成度の高いESに仕上げてみてください。

監修者画像

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。