【保育業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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保育業界は女性の社会進出や共働き世帯の増加に伴い、事業拡大を続けてきました。
自治体や社会福祉法人による運営がほとんどですが、近年は民間企業の運営も増加しています。
また、2019年10月に政府による幼児教育・保育の無償化が開始したことにより、女性の就業率の増加が期待され、保育所の利用が今後さらに増える可能性が高く、需要は高水準にあると言えます。
一方で近年は、保育士不足が課題となっており、労働環境の見直しがされたりと保育業界に対する注目度が高まっています。
数多くある園の中で希望の園に就職するためにも、業界研究や企業研究をきちんと行い基礎知識を身に付けた上で質の高いESを書き上げられるように準備していきましょう。
保育業界の採用動向や面接対策について、詳しくは下記で紹介しています。併せてチェックしておきましょう!
- 【保育業界研究|2021年最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
保育業界を志望している学生必見!保育業界の市場規模や課題、インターン情報、大手企業の採用傾向が一目でわかります。業界研究のポイントもわかりやすく解説。これさえ押さえておけばエントリーシートも面接対策もバッチリ!
目次
保育業界のES設問例
1志望動機(共通)
2保育士・栄養士を目指した理由をご記入ください(2017年 株式会社グローバルキッズ)
3あなたが輝いている時はどんな時ですか(2017年 株式会社グローバルキッズ)
4ここだけは負けないポイントは何ですか(400文字以内)(2022年 株式会社JPホールディングス)
5当社に入ったらどのようなことに挑戦したいですか(400文字以内)(2022年 株式会社JPホールディングス)
設問例1:志望動機(共通)
この質問は就活において定番の質問となりますが、回答によって合否の判断に影響を与える重要な質問となります。
質問の意図をきちんと理解して、採用担当者へ好印象を与える内容を記述できるように準備していきましょう。
この質問では下記がみられています。
■企業とのマッチ度を知る
企業が求めるニーズや人柄、価値観が一致している人材は入社後の活躍がイメージできる、さらに長期的に働いてくれる可能性が高いため企業にとって応募者との相性は重要なポイントとなります。
■企業への志望度を知る
志望理由が明確な場合、企業のことをきちんと調べていると窺え、志望度が高いと判断できます。
志望度が高い人材は内定を出したときに承諾してくれる可能性が高く、入社後も意欲的に働いてくれる可能性が高いため、採用担当者は志望度を重要視しています。
回答例1
貴社を志望した理由は、働きながら自身の成長が実現できる環境に強く惹かれたからです。私の両親は共働きだったため、私も妹も0歳の頃から保育園に通っていました。働く母が保育園の先生に感謝している姿を見ているうちに、私も保育士になって働くお母さん達の力になりたいと思うようになりました。
保育士としてただ与えられた仕事をこなすのではなく、より多くの知識を身に付け自主的にアドバイスが出来るようになることで、子育て全般において頼りになる・信頼される教員になることができると考えます。
貴社は入社前研修や経験に合わせたキャリアパス研修が充実しており、保育士としてのスキルを高めることができ、仕事を通して自身の成長を実現できると感じました。入社後も積極的に研修を受け、、子どもや保護者にとって欠かせない存在となれるよう自分の価値を高めていきたいです。
回答例2
私は木のぬくもりあふれる家庭的な保育園づくりを行なっている点に強く惹かれ、貴社を志望しました。
私は幼い頃、優しく寄り添ってくれる先生方やあたたかい空間の保育園が大好きでした。保育士を目指す中で、当時感じた家庭のようなあたたかい空間創りを実現したいと考えるようになりました。
貴社は施設や子どもが使う机や椅子までにも配慮していて、木のぬくもりや優しい色使いで家庭的であたたかい空間を実現しているところから、貴社の子ども中心の保育への強い思いを感じ、貴社であれば木のぬくもりを利用した安心・安全な環境の元で一人一人に寄り添って子どもの健やかな成長を実現できると考えています。
入社後は家庭のようなあたたかい空間創りに向け、子どものやりたいことに応えらえるよう寄り添い、笑顔と優しさの絶えないクラスを築けるようにしたいと考えています。
志望動機の回答は、その企業でなくてはならない明確な理由づけが重要になります。
企業についてきちんと調べて、その企業でなくてはならない理由を述べ、企業への熱意を伝えましょう。
設問例2:保育士・栄養士を目指した理由
この質問は保育士・栄養士として適性な人材かどうか見極める意図があります。
また、応募者の人柄を見て園との相性の判断材料にもしています。
この質問では下記がみられています。
■応募者の人柄を知る
人柄を知ることで、子どもや職員との接し方や園でどのように活躍してくれるのか見極めています。
保育は子どもの命に関わるので、園にとって応募者の人柄を知ることは重要なポイントとなります。
■園とのマッチ度を知る
応募者の人柄や保育士・栄養士を目指す理由を把握して、園とマッチする人材かどうか判断しています。
マッチ度が高い人材は長期的に働いてくれる可能性が高いため、マッチ度は採用担当者にとって重要な質問となります。
回答例1
私は近所に住む甥っ子の成長を間近で見て、成長スピードに驚き関心を持ったことから、子どもと関わる職に就きたいと考えるようになり、保育士を目指しました。
甥っ子と砂場で遊んでいる時に、砂でいろいろな生き物を作ってみたり、家を作ってみたりと創造力に驚かされた経験があります。その際、子どもが思いのまま自由に何かに取り組む姿勢こそが子どもの成長に繋がっていると気付き、より多くの子どもの創造力を保育を通して大切にしていきたいと思うようになりました。
貴園でも、子どもに寄り添い、子どもが豊かに生きる力を身に付けられるような保育を行いたいと考えています。
回答例2
私が保育士を目指した理由は、子どもの頃に通っていた保育園の先生に憧れたからです。
5歳の頃引っ越しを機に、新しい保育園に通い始め、なかなかクラスに馴染めずにいました。そんな私を担任の先生は優しく気にかけてくれて、早く馴染めるように寄り添ってくれました。そのおかげで、園にも慣れて、徐々に友達も作ることができました。この時に感じた、嬉しい気持ちや感謝の気持ちを今でも覚えており、私も保育士として子どもの心を温かくできる人材になりたいと思いました。
貴園でも、一人一人の子どもに目を向けて、子どもに寄り添い援助できる保育士になりたいです。
園が求める人物像に沿って自身がなりたい保育士・栄養士を伝えることで採用担当者へ好印象を与えられます。
子どもが好きという理由は大前提になるので、保育士・栄養士になったその先を述べられると良いでしょう。
設問例3:あなたが輝いている時はどんな時ですか
この質問は応募者の人柄や物事に取り組む姿勢を把握する意図があります。
自己分析をきちんと行い、自分がどのような人物なのか伝えていきましょう。
この質問では下記がみられています。
■応募者の人柄や価値観を知る
どのようなことに価値を感じ、どのような行動を起こしたのか把握することで応募者の人柄や考え方を知る狙いがあり、園との相性を見極めています。
■就活への真剣度を知る
自分の輝いている時を知るには自己分析が必要になります。
就活において、自己分析を行うことは基本となるので、自己分析をきちんとしている応募者は就活に真剣なことが窺えます。
回答例1
私が輝いている時は、アルバイトをしている保育補助において、子ども達が何をしたら笑ってくれるのか、何をしたら楽しんでくれるのかを考えている時です。自らが考えた遊びや接し方で子ども達が喜んでくれる姿を想像するとワクワクした気持ちになります。
また、実際に子ども達が笑顔で楽しんでいる姿を見た時は強くやりがいを感じます。このやりがいが更に自分を輝かせてくれていると感じています。
貴園においても、子ども達の笑顔のために遊びや接し方を考えて、子どもや職員、保育園を元気を与える人材になりたいと考えています。
回答例2
目標に向かって努力している時です。私は飲食のアルバイトにおいて、栄養士の資格を持っていることから月替わりのオススメメニューを社員さんと考案する役割を担っています。
商品を考えることはそう簡単ではなく、何度も試行錯誤を重ねますが、お客様の喜ぶ顔を見るために取り組み、やっとの思いで完成した商品が売れた際は達成感を感じ誇らしい気持ちになります。
貴園では、食材に興味を持ってもらう活動を行いながら、子ども達が給食やおやつを楽しみにしてくれる献立作りを目標とし、尽力したいと考えています。
輝いている時は自分が好きなことをしている時や、努力している時が主に思いつくと思います。
その中で園の求める人物像に沿った内容を記述し、自分の長所をアピールしていきましょう。
設問例4:ここだけは負けないポイントは何ですか
この質問は負けないポイントを通して応募者の強みを把握する狙いがあります。
自己分析を丁寧にきちんと行い、自身の強みを伝えられるように準備していきましょう。
この質問では下記がみられています。
■応募者のスキル、能力を知る
応募者の強みを把握して入社後の活躍イメージの材料にしています。
また、負けないポイントとなった過程を把握することで、応募者がどのような人物なのかを知る狙いがあります。
■園とのマッチ度を知る
応募者の人柄や強みを知ることで、園とのマッチ度を確認しています。
どんなに優れた人材でも園の方針や価値観にズレが生じた場合、長期的に働いてくれる可能性が低くなるため、採用担当者は園とのマッチ度を重要視しています。
回答例1
私のここだけは負けないポイントは「継続力」です。小学生の頃から今までバスケットボールを続けており、やるからには活躍する選手になりたいという思いから自主練習を毎日続けてきました。
特に高校では強豪校という事もあり、レベルの高い選手が集まっていたため、その中でレギュラーを勝ち取るためにシュートの成功率を高くしようと考え、練習開始時刻の2時間前から自主練習を欠かさず行いました。
その結果、2年生でレギュラーメンバーに選ばれ試合においてチームで一番得点を取ることができました。この経験で私は努力を継続することは良い結果へ繋がることを実感しました。
貴園では、子ども達にとって1番良いと思う環境を作る為に質の高い保育を追究し、現状に満足することなく成長し続けたいと考えています。
回答例2
私の負けないポイントは「笑顔」です。笑顔で相手に優しく寄り添うことで、親近感が生まれ話しやすい空気を創ったり、相手を励ますことができると考えています。
学生時代に友人達から「いつも笑顔で元気になる」と言われたことをきっかけに、常に明るい笑顔でいることを意識してきました。笑顔で周りの人を元気づけるには、まずは自分自身が元気でなくてはならないと考え、物事を全て前向きに捉えるようにした結果、常に笑顔で人と接することが出来るようになりました。
貴園に入社後は主に子ども達と接することになる為、今まで以上に笑顔を意識して、皆が接しやすく親しみのある保育士になり、私の笑顔で子ども達や職員を元気づけられる存在になれるように尽力したいと考えています。
自身の強みを入社後にどのように活かすことができるのか伝えることが大切になります。
設問例5:当社に入ったらどのようなことに挑戦したいですか
この質問は就活を進めていく上で良くされる質問の一つになり、応募者の志望度や働く姿勢、価値観を見極める意図があります。
この質問では下記がみられています。
■志望度を知る
企業のビジョンや事業内容をきちんと理解しているか確認し、応募者の志望度を把握する狙いがあります。
挑戦したい内容が具体的で企業が目指す方向と同じであれば、企業についてよく調べていると判断され、志望度が高い印象を与えることができます。
■仕事への意欲や姿勢を知る
挑戦したい内容から応募者の働く姿勢を確認し、入社後に活躍する人材かどうか見極めています。
具体的な内容であれば、仕事への姿勢が意欲的だと判断され、活躍のイメージをしてもらいやすくなります。
回答例1
私は「総合職保育士」として現場で保育士の経験を積んだ後、運営本部の推進担当へ転換し、経験を活かして子どもや保護者、保育者にとってより良い保育園の実現に挑戦したいと考えています。
そのために、保育士として現場で知識や経験を積み、直接子どもや保護者とコミュニケーションを取り、求めるニーズを把握することが大切だと考えます。
また、保育者が満足に働ける環境を整えることが良い保育へ繋がると考えるため、現場で働く保育者の気持ちに寄り添い小さな声もきちんと受け止め、改善すべき点はすぐに対応し、安定した保育園を創るために欠かせない架け橋的な存在になることが目標です。
私は飲食店のアルバイトにおいて、接客を通して様々なお客様とコミュニケーションをとってきました。入社後は積極的に保護者や保育者、子どもに声を掛けて寄り添うコミュニケーションをとって選ばれる保育園の実現に向けて活躍したいと考えています。
挑戦したいことが企業の方向性や求める人物像と一致していることが重要になります。
漠然とした挑戦や目標ではなく具体的な内容を記述しましょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
保育業界はどんな人材を求めているのか
保育業界全般的に求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- 子どもが好きな人材
- コミュニケーション力が高い人材
- 常に新しいことを自ら考えて実行する人材
- 変化を楽しみ、対応力がある人材
- 洞察力が高い人材
子どもが好きな人材
保育は子どものために行われるため、大前提として子どもが好きな人材が求められます。
その中で、子どもと関わる一瞬一瞬を大切にし保育に真剣に向き合い、子どもの成長を優しく見守れる人材が重宝されます。
コミュニケーション力が高い人材
相手の求めるニーズを的確に把握する傾聴力や意見、情報を正しく伝えることができる交渉力など、コミュニケーション能力が長けている人材が求められています。
特に保育園の現場では保育者の伝達事項や子どもが伝えたいことを汲み取る力が重要になります。
常に新しいことを自ら考えて実行する人材
現状に満足することなく、常に成長に向けて新しいことを考えられ行動できる人材が求められます。
より良い保育を提供するためには、今あるものを当たり前と思わずにその時その時でベストを創りだす働きかけが必要となります。
変化を楽しみ、対応力がある人材
子どもはそれぞれ性格に違いがあったり、成長するスピードも様々になります。
そのため常に変化する状況を楽しむことができ、柔軟に対応できる人材が求められています。
また、どのような状況でも今自分が何をするべきか的確な判断ができる人材が重宝されます。
洞察力が高い人材
子どもの心や身体の些細な変化を見抜いたり、子どもが求めていることを察知してあげるなど、洞察力のある人材が求められます。
また、子どもにとって危険な場所や不衛生な場所がないか確認したり、子どもから目を離さず事故や怪我の防止に努めるべく、危機管理能力も重要になります。
保育業界で一番大切なことは、子どもの未来のために安心・安全な保育を行うことになります。
子どもを想う優しさだったり、保育者としての責任を持つことが重要になります。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも業界全体での話となります。
ご紹介した内容にすべて当てはまる必要はありません。企業や職種によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあるでしょう。
また、大切なことは他のどの企業でもなく、その企業だからこそ志望する理由、他の企業ではダメな理由を加えて採用担当者へアピールできるとより高評価を得られるでしょう。