【ヘルスケア業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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「人々の健康を医薬品から支えたい」「新しい薬を開発して多くの人を救いたい」といった理由で、文系理系問わず志望者が多いヘルスケア業界。
日本では平均寿命が年々伸びていることもあり、ヘルスケア業界の市場規模も増加傾向にあります。
そんなヘルスケア業界ですが、業界の現状や求める人物像、ESで見られている点は理解していますか?
ESを書く前に業界研究をしっかりと行い、「どのような人材が求められているのか?」を理解することが大切です。
今回はヘルスケア業界のESで実際に出た設問例をもとに、ポイントなどを紹介していきます。
ヘルスケア業界の採用動向や面接対策については下記で詳しく紹介しています。併せてチェックしておきましょう!
目次
ヘルスケア業界の現状
まずはヘルスケア業界の現状について見ていきます。
ヘルスケア業界は大きく製薬と医療機器に分かれており、それぞれを取り巻く環境は大きく以下の2点です。
①2000年以降市場規模は増加傾向
アメリカのヘルスケア情報サービス会社であるIMSヘルスによると、2015年における日本国内の医療用医薬品市場規模は、北米に次ぐ世界第2位の10.6兆円です。
コロナ禍で増えた通信販売(Amazonや楽天)の市場規模が2020年で同じ10.6兆円なので、いかに市場規模が大きいか分かります。
また年々市場規模は増加しており、現在は世界市場の約1割を日本が占めています。
そんなヘルスケア業界ですが、競争は日々激化しています。
なぜなら、ヘルスケア業界の要である新薬開発はハイリスク・ハイリターンであるためです。
もちろん多くの人を救う画期的な新薬が開発出来れば大きな利益が見込めますが、期待通りの成果を出せずに開発が中止される場合も多々あります。
1つの薬を開発するために約10年必要とも言われますが、それだけの時間とお金を使っても販売できなければ大きな損失になります。
したがって競争に勝てず淘汰されていく企業も一定数存在しているのが現状です。
②デジタル化がスタンダードな流れに
ヘルスケア業界において、デジタル化はもはやスタンダードになりつつあります。
デジタル化は大きくMR活動と治療用アプリで見てとれます。
MR(医療情報担当者)とは医薬品の情報を医者や看護師に伝える役割を持つ職種です。
これまでMR活動は実際に病院を訪れていましたが、コロナ禍でzoomやチャットでやり取りする機会が増えています。
実際にノバルティス ファーマ株式会社はLINE WORKSを導入しており、非対面が大きな流れになっています。
また治療用アプリの開発も進んでいます。
例えば株式会社CureAppは、ニコチン依存症を対象とした治療用アプリである「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」を手掛け、デジタル療法を推進しています。
上記のような「市場規模は増加傾向にあり、デジタルがスタンダードになっている」というヘルスケア業界の現状を把握することで、業界が求める人物像も見えてきます。
今一度そうした視点を持って業界、企業研究に取り組みましょう。
ヘルスケア業界のES設問例
1学生時代に力を入れて取り組んだことを教えてくださいガクチカ(共通)
2 あなたのこれまでの人生において最大の挑戦を教えて下さい。 (2021年 大塚製薬)
3 社会に出て仕事を進める際に、あなたが重要だと考える能力を2つ挙げ、理由とともに記載してください(2021年 武田薬品)
4 オリンパスに入社して何をしたいか具体的に記載ください (2021年 オリンパス)
5 コロナ禍だからこそ会社で成し遂げたいこと( 2021年 中外製薬)
設問例1:学生時代に頑張ったことガクチカ
こちらの質問ではあなたが学生時代、どのようなことに熱中し成し遂げたのかが問われています。
もちろん輝かしい成績や経験がある方が有利になります。しかし些細な経験でも、その経験を通じて何を考えて何を学んだかが大切です。
面接官は結果よりもプロセスを見ているので、そこを意識して記述しましょう。
回答例
私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、カフェの運営です。私は大学4年間、学生だけで運営するカフェの一員として働いていました。このカフェは「大学生と企業を繋ぐ」という理念のもと、企業から広告代を得る代わりにカフェ内で企業のインターンシップや説明会のチラシを配り、運営しています。
中でも私は渉外担当として企業に広告枠の売り込みをしました。初めの頃はカフェの認知度も低く、全く相手にされませんでした。そこで私は「具体的な数字を根拠に、論理的に提案しよう」と考えました。例えば広告を利用した他企業におけるインターン参加者の増加率、エントリー数の向上を具体的なデータをもとに紹介しました。
このように「なぜこのカフェで広告を出すと良いのか」を論理的に説明することで説得力が増し、広告数も増加しました。この活動で得た、データや数字を活用しながら論理的に提案する力を貴社のMR職でも活かします。
活動を通じて得た力は社会でも活かせるのか、そこを企業は求めています。
設問例2:最大の挑戦
こちらの質問では、あなたがこれまでにどのような挑戦をしてきたのか、またそこから何を学んで今後どのように活かすのかを問われています。
先程も述べた通り、挑戦した結果失敗したエピソードでも構いません。企業は結果より挑戦するプロセスやそこから得た学びを知りたがっています。
またエピソードの大小よりも、どういった思いで、なぜそれに挑戦したかが重要です。改めて過程についてよく考えて記述するようにしましょう。
回答例
私の人生最大の挑戦は、オープンキャンパスのボランティアガイドの経験です。
私は昔から人前で話すことや説明することが苦手でした。ゼミの発表でもうまく伝えることができず悩んでいた時、大学のオープンキャンパスのボランティアガイドを募集する張り紙を見つけ、「苦手を克服するチャンスかもしれない」と考え、応募しました。
オープンキャンパス当日は沢山の高校生と保護者が訪れ、緊張と不安で「無理かもしれない」と臆してしまいました。しかし私は、どんな質問が来ても答えられるようにあらゆる情報の収集、事前に友人とガイドの練習をする、という入念な事前準備を思い出し、ガイドに臨みました。ガイドに挑戦した結果、勇気を持って一歩踏み出すことの重要さ、事前準備こそが自分の自信に繋がることの2点を学びました。
このボランティアガイドの挑戦で得た学びを貴社でも活かし、臆することなく新規事業などに挑戦します。
経験から何を学んだかを必ず記述しましょう。どう活かせるかまで具体的に記述できるとより良い印象を与えることができるでしょう。
設問例3:社会に出た時に重要な能力
こちらの質問では、あなたが考える社会人として必要な能力について問われています。
もちろん就活生の皆さんは社会人として働いた経験がありません。ただアルバイトやゼミ活動などを通じて、様々な経験をしてきたと思います。
そうした経験を基に、「社会に出たらどういった能力が必要か」を考えてみましょう。
具体的には、ヒアリング力、統率力、計算能力、行動力などが挙げられます。この質問に正解、不正解は無いので、素直に自分が思う必要な能力を記述しましょう。
回答例
私が仕事を進める上で重要であると考える能力は、「傾聴力」と「論理的思考力」の2つです。なぜなら、目標とする人物像であるゼミの教授がこの2つを備えているためです。
私が所属するゼミの教授は、大学内でも論文数やゼミ生の就職先などでも優秀と言われています。そんな教授は忙しいときでも必ず人の話を最後まで聞くということを行っています。そのためゼミ生は些細なことでも教授に相談でき、研究上のトラブルや課題を事前に察することが出来ていました。
また教授は、「研究だろうと一般企業で働こうと、論理的に思考する能力が不可欠」と常々話しています。そこで私はアルバイト先であるWi-Fiルーターの訪問販売でも、なぜそれが良いのか、悪いのか、なぜ失敗したのか、次回成功させるにはどうすれば良いのか、といった論理的思考で営業を繰り返したことで、論理的思考力が身に付き販売数もトップの成績を維持することができました。
以上の理由から、私は傾聴力と論理的思考力が重要であると考えます。
目標とする人物や自身の経験から、なぜ能力が重要なのかを説明できるようにしましょう。
設問例4:入社後何をしたいか
こちらの質問では自身の入社後のキャリアプランについて問われています。
企業が求める人材は入社することが目的となっている人材ではなく、「○○を成し遂げるために入社したい」というような入社を手段と考えている人材です。
なぜなら入社することが目的となると、入社後のギャップで離職率が高くなるためです。いま一度どういった目的のために入社するのかを考えて記述しましょう。
回答例
私は入社後、貴社のグローバルマーケティングの一員として海外における製品の普及に貢献したいと考えています。この思いに至ったのは、大学のボランティア活動を通じてです。
私は大学で、途上国に日本で廃棄される衣服を届けるボランティア活動に励みました。そのため、アフリカや東南アジアの国々に年間50日以上滞在しました。そこで感じたことが、「途上国における医療機器の不足」です。現地の子供は不衛生な飲水で凌ぎ、病気にかかっても医療機器どころか医薬品も充分ではありませんでした。衣服や食料は世界中で廃棄されるため、途上国への供給も不可能ではありません。しかし医療機器の再利用は衛生的にも困難です。
そうした地域も含めて、人々の健康を支える貴社の製品を世界中に普及することで、医療機器の不足を解消する一助になりたいです。そのためにグローバルマーケティングの一員として現地の医師への営業、途上国における製品戦略を行いたいです。
なぜその思いに至ったのか、論理的に説明できるようにしましょう。思いに至ったプロセスが書けると説得力が増します。
設問例5:コロナ禍で成し遂げたいこと
こちらの質問では、コロナ禍を通じてあなたの夢や目標がどのように変化したのかが問われています。
単にキャリアプランを聞きたいのであれば、設問例4のように問われます。
しかしこちらでは「コロナ禍で」というキーワードが入っています。
そのため、必ずコロナ禍を経て感じたことや目標の変化を記述しましょう。
回答例
私はコロナ禍で増えた孤独死を、貴社のMR職を通じて減らすことが目標です。
私の祖父は昨年末自宅で亡くなりました。このコロナ禍で思うように人と会えず、亡くなって数日後に発見されました。私の祖父だけでなくニュース等でも、コロナ禍による外出自粛で高齢者の方のSOSを発見できず、結果として孤独死が増えていることを知りました。そこで私は、「医薬品を通じて健康を支え、訪問販売で高齢者のセーフティーネットになれるのではないか」と考えるようになりました。
貴社のMR職であれば、病院だけでなく各家庭へ医薬品の訪問販売を行っているため、私の思いを実現できると考えました。また貴社は他社に先駆けて面談が困難な状況でも対応可能な「LINE Works」を導入しています。そのため、定期的に訪問するのが難しい地域においてもお客様の要望や相談事を聞くことが出来るので、より多くの人の支えになれると感じています。以上が、コロナ禍において貴社で成し遂げたいことです。
コロナ禍というのがポイントになります。自身の経験や社会問題などを用いて説明しましょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
ヘルスケア業界はどんな人材を求めているのか
ヘルスケア業界が求める人材の特徴は下記2点です。
- 論理的思考力がある人材
- 柔軟性と視野の広さを兼ね備えた人材
論理的思考力がある人材
ヘルスケア業界のMRで活躍するために求められる能力は論理的思考力です。
MRは足で稼ぐ営業ではありません。
それよりも医者や看護師に医薬品を適切に紹介し、その医薬品を導入することでどういったメリットが生まれるのかを論理的に説明し、納得していただくことが重要になります。
自分自身で医薬品について調べ、考え、取引先に提案するコンサルティングの要素が強い職種です。
そのため論理的思考力が欠かせません。
柔軟性と視野の広さを兼ね備えた人材
研究開発職を希望するのであれば、柔軟性と視野の広さが欠かせません。
企業に入社して研究をする以上、自分が開発したいものではなく、世間に求められるものを生み出す必要があります。
開発費も上限が決まっているため、環境下に合わせた研究を行う柔軟性が不可欠です。
また開発が上手く進まない時に「どこを改善すれば良くなるのか」と視野を広く持って考える人材が求められます。
もちろんその他にも見られるポイントは存在しますが、ヘルスケア業界が特に求める人材は上記の2点です。
実体験を安直にそのまま記述するのではなく、「どういった人材が求められているのか」「そのために自分はどこを強くアピールすべきなのか」をしっかりと考えて、今一度自身のESを精査しましょう。