【電子部品業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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電子部品業界を目指す人の中には、ESの書き方で悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
家電やスマホをはじめとし、様々な電化製品の基盤を担っている電子部品業界。
全ての電化製品は電子回路によって制御されており、その電子回路を構成している部品が「電子部品」です。
電子部品業界では、「ダイオード」や「コンデンサ」など様々な電子部品の研究開発・製造を行い、電化製品の製造を根底から支えています。
それでは、電子部品業界のESでは何をアピールしたら良いのか、質問に対しどのように答えるのが適切なのか。
本記事では、実際に電子部品業界のESで出題された質問と、突破した人がどのように回答したのかを、解答例を交えて詳しくご紹介していきます。
ご自身のES対策の参考にしてみてください。
【電子部品業界|2023年最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
電子部品業界を志望している学生必見!電子部品業界の市場規模や課題、インターン情報、大手企業の採用傾向が一目でわかります。...
目次
電子部品業界のES設問例
1志望理由と3年後の活躍について(2022年 オムロン)
2ムラタで成し遂げたいこと(2022年 村田製作所)
3チームでの挑戦経験と自身の役割(2022年 日本電産)
4興味のあるコアテクノロジーと志望理由(2021年 TDK)
5モノづくりに興味を持った理由(2021年 ミネベアミツミ)
設問例1:志望理由と3年後の活躍について
この設問では、志望理由について明確な考えを持っているか、入社後の未来像ついてイメージできているかが問われています。
志望理由は多くの企業で聞かれる場合が多い基本的な設問で、解答の中に志望企業の情報を落とし込むことが重要です。
志望企業ならではの業務内容や魅力、事業の特徴などを解答に交えるように意識しましょう。
考え方には以下のようなポイントがあります。
- 仕事内容(職種の働き方や特徴など)
- 事業内容(過去の実績や事業展開など)
- 経営状況(売上高や成長率など)
- 利用体験(自分が顧客として利用した製品、サービスなど)
以上のように様々な角度から企業について考え、志望企業にしかない要素を見つけましょう。
3年後の理想については、「技術」「知識」「人間性」といった点で、どのように活躍したいか、どんな働き方を求めているか考えてみましょう。
回答例
私が貴社を志望したのは、貴社製品の「高効率UPS」の開発及び販売促進に取り組みたいと考えたためです。
突発的な事故による停電、瞬低などからコンピュータや精密機器を守ることができるUPSは、地震や台風被害が多い日本において重要な役割を担っています。
ネット利用が一般に広がり、データセンターのような大規模なシステムやサーバ設備の重要性が高まった近年において、電力トラブルからそれらを守る設備は社会の持続に必要不可欠だと考えます。加えて、貴社の高効率UPSはCo2削減など環境に配慮した設計という魅力もあります。
高効率UPSを国内に広く普及させ、いかなるトラブルにも盤石に対応できる安定した電力供給を実現していきたいと考えます。
入社3年後はUPS開発の主要業務を担うポジションに就き、製品の研究開発、改善を先導する役割を担いたいと考えています。
志望企業で「どのような業務に携わりたいか」「目指す役割は何か」などを具体的にイメージし、志望理由や3年後の理想に落とし込みましょう。
仕事や自分自身に対して求めるものが何かを考えてみるのもおすすめです。
設問例2:ムラタで成し遂げたいこと
この設問では、志望企業で働く上での明確な目標や目的を持っているかが問われています。
入社後の仕事や職種の特徴などを踏まえ、具体的な目標を伝えると良いでしょう。
テーマを考える際は以下のように分類して考えるのがおすすめです。
- 学びたいこと(学びたい分野、職種など)
- やりたいこと(携わりたい業務など)
- 技術面で目指したいこと(開発技術、生産技術など)
特に重要なのは、職種を選んだ理由と目標の一貫性です。
まずは成し遂げたい目標(夢)を明確にし、その実現に職種がどう関係するのかを伝えましょう。
職種・仕事を通して何を得たいのか、どのようになりたいのかを考えることが大切です。
回答例
私の目標は、貴社が開発しているコアレス電流センサ「MRDシリーズ」の技術研究に取り組み、国内外のあらゆる電子機器への搭載を実現することです。
脱炭素化やカーボンニュートラルが世界的に注目されている近年では、高精度・高速での測定が可能な電流センサの需要が高まっています。
MRDシリーズの拡販により産業機器モータ駆動や太陽光発電システムの電力変換効率を上げ電力ロスを減らすことで、持続可能な社会の実現を電子部品の側面から支えることができると考えています。
より効率的かつ低コストで運用できる電流センサの研究に注力し、電子部品の生産を通じて社会のエネルギー問題解決に貢献したいと考え、貴社の研究開発職を希望しました。
目標実現のため、まずはコアレスセンサと磁気抵抗効果についての理解を深め、MRDシリーズ生産の低コスト化と実用性の拡大を軸に研究したいと考えています。
まずは成し遂げたいこと(目標)を明確にし、その理由を伝えましょう。
そこで希望職種との関係を示し、職種の業務についてどのように取り組み、どんな成果を目指すのかまで伝えられると理想的です。
設問例3:チームでの挑戦経験と自身の役割
この質問で注目されているポイントは、「チーム内で能力を発揮できるか」「集団における役割」など、協調性に関する点です。
企業の業務は複数の部署や担当に振り分けられる場合が一般的で、違った役割を担う社員が協力し合うことで利益を産み出しています。
社内において自分の役割を理解して活躍する協調性を備えているか、これまでにチームでチャレンジした経験があるかが問われています。
回答の際は「グループ・組織活動の中で自分が意識したこと」や「工夫した取り組み」などを交えた答え方ができると良いでしょう。
ESを呼んだ人事担当者に「入社後はチームの中でどのように行動するか」ということをイメージしてもらうことが大切です。
回答例
私はプログラミングサークルに所属しており、メンバーと共に「家計簿アプリ」の製作、公開に挑戦した経験があります。その際、私は情報収集役を担当し、製作に必要となるあらゆる情報のリサーチならびに取捨選択を行いました。
チーム全体で目標を決定した後、実現に向けてどんな取り組みが必要か、そのために集めるべき情報は何かを考え、情報収集に取り組みました。既に公開されているアプリを基に必要不可欠な要素と付加価値として追加すべき要素を見極め、情報の収集・分析をしました。
ユーザー評価が高くなる条件やニーズのある機能、その実装に必要な工程など、製作に関わる情報を開発視点と利用者視点の両面から集めることで、効率的に開発をサポートできました。
その結果、目標より2ヶ月ほど早くアプリを公開することができ、アプリストアでダウンロードランキング3位の実績を残しました。
私は、目標実現や課題改善についての分析をすることが得意です。チームの効率性を上げるためにはどんな情報が必要か、不足している情報は何かを見極めることが大事だと考えています。貴社における新規プロジェクトや研究開発の場でこの力を発揮したいです。(490文字)
チーム内での役割を果たす際に、「意識していたこと」「工夫していたこと」などについて触れると良いでしょう。
自分の役割を通じて、チームにどのように貢献できるかをアピールすることが大切です。
設問例4:興味のあるコアテクノロジーと志望理由
この設問では、志望企業の研究技術や製品への理解度の高さと、志望理由との一貫性が問われています。
解答においては、企業が強みとしている技術や製品について十分に理解した上で、どのような点に興味を感じているか、その理由を交えて答える必要があります。
志望する理由は、技術(製品)に対する「期待感や魅力」「実用性、優位性」などを軸に考えると良いでしょう。
競合他社と比較しての魅力や、社会情勢を踏まえた価値や期待などを基にすると考えやすいです。
回答例
私は、貴社の「素材技術」に深く興味を抱いています。理由は、電子部品開発における競合製品との差別化において、素材への理解が非常に重要な点だと考えているためです。
近年は電子部品の需要増加に伴い市場競争も激化しつつあり、競合との差別化は必要不可欠な時代だと考えます。差別化のポイントとなるのは価格面と性能面の2点が主だと考えますが、部品開発において素材への理解を深めることでより高い性能を実現できると考えています。
85年以上を誇る貴社の素材ノウハウからなる部品開発は、部品の基となる素材の特性を原子レベルから追求しているため、部品に求められる特性を高水準で実現することができます。
電子部品の基盤である素材について、貴社独自の技術力をどのように築いたのか、日々の研究内容について理解を深めるとともに、製品設計技術などその他のコアテクノロジーとの関連性についても学んでいきたいです。
注目している技術や製品が、どんな強みを持っているのか、企業や市場においてどのような価値があるのかを考えてみましょう。
「強み」や「価値」について考えることで、興味を持つ理由に繋げやすくなります。
設問例5:モノづくりに興味を持った理由
この設問では、業界についての理解度が問われています。志望業界に興味を持つポイントやきっかけは人それぞれですが、以下のように分類すると回答の軸を考えやすいでしょう。
- 仕事内容(職種の特徴や魅力など)
- 市場価値(成長率や社会貢献度など)
- 利用体験(自分が顧客として利用した製品など)
上記のように志望業界の事業内容について様々な角度から注目し、最も興味深く感じる要素について掘り下げて考えてみましょう。
なぜ他ではなくその業界に興味を持ったのか、自分が感じたことを具体的に伝えるのが大切です。
また、志望動機などを基に考えるとイメージしやすい場合もあります。
自分が仕事に求める要素がその業界にあり、それがきっかけで興味を持つという流れは自然です。
興味を持った理由が思い浮かばない人は、志望する理由や企業でやりたいことを基に考えてみると良いでしょう。
回答例
私がモノづくりに興味を持った理由は、電子機器の存在に感動したからです。中学生の頃に興味本位で自身のゲーム機を分解した際、数え切れないほどの小さな部品が集まることで1つのゲーム機になっていることに感動しました。
精密に造られた部品が各々の機能を発揮して電子機器が動作していることに驚き、自分の手で作ってみたいと思ったのがきっかけです。
多くの人が利用する電子機器の部品を自分で開発したいと考えています。(198文字)
志望業界の製品やサービスに触れた経験を基にすると、解答の軸を考えやすいです。
短い文字数制限の中で答える際は、前半で結論を明確にすることを意識すると良いでしょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
1強み:あなたの強みは?
⇩
2強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
⇩
3強みを表す具体的エピソードは?
⇩
4強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
⇩
5強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
- 注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
- 学生時代に頑張ったことと混同しないこと
- 書き出しと締めの部分を意識すること
電子部品業界はどんな人材を求めているのか
- モノづくりに対して目標や夢が明確な人
- 入社後の将来像をイメージできている人
- チームで成果を出せる人
- 身の役割や能力を客観的に理解している人
モノづくりに対して目標や夢が明確な人
電子部品業界では、電化製品の進化や消費者ニーズに合わせて、部品に求められる性能や条件も変わっていきます。
日々研究開発に取り組み、より高品質、高効率な製品の開発が求められる仕事です。
モノづくりに対して明確な目標を持つ人、熱意を持って継続していく意思が明確な人が求められます。
入社後の将来像をイメージできている人
日々の業務の中で成果を出し、着実に成長していくためには、将来をイメージしておくことが重要といえます。
何がしたいのか、どうなりたいのか、どう働きたいのかなど、働く上での自分の将来像をイメージした上で、自分の目標や夢に結び付けて努力していくことが成長に繋がっていきます。
ESや面接では、自分の将来のイメージを具体的に伝えられるよう準備しておきましょう。
チームで成果を出せる人
電子部品業界には、研究開発や品質保証、材料開発など様々な職種が存在します。各部署で収集した研究データや開発状況を共有し、販売製品の製造を行います。
他者との協力で成り立っている事業なので、チームワークを尊重して成果を出せる人が求められます。
自身の役割や能力を客観的に理解している人
チームの中で能力を発揮して成果を残すには、チーム内での自分がどんな役割を担っているのか、担うべきなのかを客観的に理解する必要があります。
周囲の人の役割を把握した上で、自分が取るべき行動や考えるべきことを的確に理解し、実行していける人が求められます。
近年はIT技術の発達に伴い、高機能、高性能な電子機器の需要が高まっています。
これにより電子部品の需要も増え、求められる性能水準も上昇傾向にあります。
今後の電子部品業界では、新たな技術開発や海外生産拠点の構築に注目があつまると予想されるため、電子部品開発への熱意を持つ人、チャレンジ力やコミュニケーション力を備えている人が必要とされるでしょう。
また、電子部品業界は専門的な分野であるため、企業研究やES対策に加えて、業界トレンドや市場動向なども把握しておくと良いでしょう。
業界への理解を深めた上で、完成度の高いESに仕上げてみてください。