【飲食業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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レストランやファストフード、居酒屋など多くの人が利用した経験も多いのではないでしょうか。
そんな飲食業界を身近に感じる人も多く、就職を考えた際に選択肢のひとつとして考える人も少なくありません。
飲食業界は新型コロナウイルスによって大きく影響を受けた業界となり、世の中のニーズに合わせてテイクアウトなど変化に対した動きもみられています。
飲食業界で1番募集が多い職種は店舗スタッフになりますが、研究開発や販売促進、店舗開発など職種は様々です。
就職を考えた際に、自分がどのような職種を通して働きたいのか考えることが大切になります。
就活をスムーズに進めるためにも、業界研究をきちんと行い基礎知識を身に付けた上で質の高いESを書き上げられるように準備していきましょう。
飲食業界の採用動向や面接対策について、詳しくは下記で紹介しています。併せてチェックしておきましょう!
目次
飲食業界のES設問例
1志望動機(共通)
2企業選びの軸(2022年 株式会社あきんどスシロー)
3仕事で活かしたい強みや自分らしさは何ですか。(400文字以下)(2022年 日本マクドナルドHD)
43〜5年後にどのような人物になっていたいか。またそのために何が必要か(2021年 日本マクドナルドHD)
5あなたにとっての人生の転機なんですか。(2022年 ドトールコーヒー)
設問例1:志望動機(共通)
この質問は就活において定番の質問となりますが、応募者の考え方や価値観など、様々な情報を知ることができるので、企業にとって重要な質問となります。
この質問では下記がみられています。
■企業への志望度を知る
企業は内定を出したときに承諾してくれる可能性が高い人材を採用したいと考えているため、応募者の志望度を重要視しています。
その企業でなくてはならない理由が明確であれば、企業についてよく調べていると思われ、志望度が高いと判断されます。
志望度が高い人材は入社後の活躍が期待できるため積極的に採用されるでしょう。
■企業とのマッチ度を知る
志望動機から応募者の考え方や価値観を知ることで、企業とマッチした人材かどうか見極める狙いがあります。
企業と相性がよい人材は長期的に働いてくれる可能性があるため、企業にとって重要な質問となります。
回答例
私は調理職においてフードロス0の実現に向け、商品企画に取り組みたいと考えています。
近年、フードロスが社会問題となっており、飲食店での食べ残しが原因の一つにあることを知りました。そこで私は苦手とされることが多い野菜でも美味しく食べてもらえるメニューを開発することで、フードロス0へ貢献したいです。
飲食店の中でも、圧倒的な事業スケールを持ち、多様なブランドを展開している貴社だからこそ、社会に大きな影響を与えられると考えています。また貴社は健康促進の取り組みを行っています。野菜を多く摂れるメニューを増やすことで、より取り組みを活性化させ、企業のブランディングにもなると考えています。
私は飲食店のアルバイトにおいて、メニュー開発に関わり、斬新なアイデアでお店の雰囲気をがらりと変えた経験があります。この経験を活かして、世の中を驚かせるような新たなアイデアを生み出し、企業にも社会にも貢献できる商品を開発していきたいと考えています。
志望動機では、その企業だからこその理由を述べることが大切になります。
企業をきちんと調べて理解し、明確な理由を述べて企業への熱意を伝えましょう。
設問例2:企業選びの軸
この質問を通して企業は応募者との相性を見極める意図があります。
質問の意図を理解して、的確な回答を記述できるように準備しましょう。
この質問では下記がみられています。
■応募者の価値観を知る
応募者の価値観が企業の方向性と合っているかどうか見極める狙いがあります。
価値観が合っている場合、入社後の活躍をイメージすることができます。企業にとって重要な質問の一つになります。
働く姿勢を知る
企業選びの軸を知ることで、応募者が意欲的に働く人材かどうかを知る狙いがあります。
働く姿勢が意欲的な人材は、周りに良い影響を与えたり、長期的に働いてくれる可能性が高いため、企業は重要視しています。
回答例1
私の企業選びの軸は「成長できる環境であるかどうか」です。仕事を通して成長することで、自身の価値を高めていくことができると考えているからです。
私は居酒屋でのアルバイトで、リピーター獲得を目標に掲げ、接客サービスの改善に取り組んだ経験があります。より良いサービスを提供するために、仲間とそれぞれの接客に対して良い点・悪い点を伝え合い、お互いを高めた結果、目標とするリピーター獲得を達成することができ、何よりも自身の成長を実感しました。
チームで良い店舗を作り上げることを大切にしている貴社だからこそ、自分以外の多くの視点から改善点を見つけだすことができ、より自身の成長に繋がる環境で働けるのではないかと考えました。入社後も仲間の意見を真摯に受け止め、自身の成長の糧にして、企業やお客様に必要とされる存在価値のある人材になりたいと考えています。
企業の価値観と合う内容を記述して、企業と相性が良いことをアピールしていきましょう。
設問例3:仕事で活かしたい強みや自分らしさ
この質問は就活においてよく聞かれる質問です。
応募者の強みや人柄が企業にとってプラスになるかどうかを見極める意図があります。
この質問では下記がみられています。
■応募者の人柄を知る
応募者の人柄を知ることで企業と合う人材かどうか、どのように活躍してくれるのかを見極めています。
また、人柄からどのような業務が適しているかの判断材料にしています。
■応募者の強みを知る
強みを知ることで、企業でどのように活躍してくれるのか把握する狙いがあります。
当然企業は採用後に利益を得る可能性が高い人材を求めているので、企業にとって重要な質問の一つになります。
回答例1
私が仕事で活かしたい強みは「柔軟に対応する力」です。
学生時代に飲食店にてバイトリーダーとして、接客をメインに働いていました。客層が広かったため、お客様一人一人に合わせた接客を行う必要があり、言われたことに対し柔軟に対応することが求められました。そのため、お客様を観察し求めるニーズを先読みすることや、その場に適した対応を考え、主体的に動くことを心掛けていました。また、新人スタッフを教育する際には、人間性やスキルを考慮して指導する業務やスピードを変え、新人スタッフに合わせた対応を行うことで信頼を得ることができたと感じています。
このような経験から、物事に対して柔軟に対応する力が身に付き、周りを見て行動する良い意味でお節介な部分が自分らしさだと考えています。貴社でも、柔軟な対応力を活かし、店舗のリーダーとして活躍したいと考えています。(372文字)
回答例2
私はどんなことでも前向きに捉え、乗り越える行動力を持っています。
所属していたバスケットボール部にて、厳しい練習の中で負け試合が続き、チーム全体が暗い雰囲気になっていた時期がありました。そこで私は「負けから学ぶこともある。成長するために重要な過程だ」と前向きに捉え、常に笑顔で元気に練習に取り組み、仲間に前向きな言葉をかけ続けました。その結果、チームに活気が戻り、練習にも真摯に取り組めるようになり、試合に勝つことができました。
この経験から、自分が行動し続けることで自身だけではなく周りの人の気持ちや行動も変えることができることを学びました。どんな状況でも前向きに捉えることで、改善できる点や自分がどう動くべきかが見えてきます。
入社後も、周りに良い影響を与えられるよう前向きな姿勢を常に意識し、私の強みである行動力を活かし業務に取り組みます。(376文字)
アピールする内容が企業の求める人物像に沿っていることで、採用担当者へ好印象を与えることができます。
設問例4:3〜5年後にどのような人物になっていたいか
この質問は応募者の働く姿勢や志望度、企業と合う人材かを見極める意図があります。
企業の求める回答を記述できるようにしっかりと企業研究を進めて準備していきましょう。
この質問では下記がみられています。
■働く姿勢を知る
3〜5年後の姿やそのために必要なことを聞くことで、入社後の働く姿勢を知る狙いがあります。
具体的な内容が記述されていて、前向きに取り組む姿勢が感じ取れた場合、応募者が意欲的に働いてくれるイメージができます。
企業は意欲的に働く人材を採用したいと考えているので、この質問は重要な質問となります。
■志望度を知る
なりたい自分や、そのためにやるべきことが明確であれば、きちんと調べ自分の将来に向き合っていることがわかります。
よって、企業への志望度は高いものだと判断されます。
志望度が高い人材は入社後の活躍が期待できるので、企業にとって志望度を知ることは大切なポイントになります。
■企業と合う人材か知る
応募者の考え方や価値観を知ることで、企業に合う人材かどうか見極めています。
述べていることが企業の方向性と合っているか把握することで早期退職の可能性を防ぐ狙いがあります。
回答例
私は5年以内にマーケティング本部にてメニュー開発に携わる人物になりたいです。地方ならではの商品を開発し、商品を通して地方への観光客増加に貢献する役割を担いたいと考えています。
そのためには、開発に向けて周囲への信頼構築が必要不可欠だと考えます。まずは店舗に立ち直接商品やお客様と関わり、商品の知識やお客様のニーズを把握するなど、知識と経験を身に付けます。またオリジナルの商品を開発するために、対象となる料理を研究することはもちろん、現地に行って素材や生産者の人との関わりを持つことで、より深い関係を構築することができると考えています。多くの人たちと協力しながら、多様な視点を盛り込んだ良い商品の開発をしたいと考えています。
入社後のキャリア観を具体的に伝えることで、企業側は将来像がイメージしやすくなります。
企業が求める人物像に沿った内容を記述して、企業と相性が良いことをアピールしていきましょう。
設問例5:あなたにとっての人生の転機
この質問は就活においてよくされる質問の一つで、応募者がどんな人物か知る狙いがあります。
この質問では下記がみられています。
■応募者の価値観を知る
人生の転機は人生を左右するほどの重要な選択になるので、応募者がどのような人材なのか把握しやすい質問となり、考え方や価値観を知り、企業と合う人材なのかどうか見極める狙いがあります。
■応募者の能力を知る
転機の際に、どのような行動を起こし、何を得たのかを知ることで応募者の能力を把握して、企業に利益を出してくれる人材かどうか見極める狙いがあります。
回答例1
私の人生の転機は学園祭の実行委員長を経験したことです。
皆の思い出に残る最高の学園祭を創りたいと考え委員長に立候補し、イベント企画から運営まで全てを担当しました。全校生徒にアンケートを行い、求められていることを極力形にできるよう尽力しました。結果、イベントは大成功を収め、多くの人から喜びの声を聞くことができました。
生徒が喜ぶ顔を見て、私は達成感でいっぱいになり、相手の笑顔や幸せのために行動し、充実感を味わうことが自身の活力になっていることに気付くことができました。
貴社でも、自分の行動や言葉で相手が笑顔になったり幸せを感じてもらえるような接客サービスを心掛け、仕事に取り組んでいきたいと考えています。
回答例2
大学でラクロス部に入部を決意したことです。興味本位で入部した私ですが、同部はラクロス経験者が多く他部員とのレベルの差に圧倒されました。「続けるか」か「辞めるか」の選択を迫られる時期が幾度とありましたが、最後まで挑戦したい気持ちが勝り、他部員に早く追いつけるように練習を重ねました。
その結果、大学3年次には試合に出場することができ、最後まで挑戦し続ける根性を身に付けることができました。
この経験で私は、続けることの大切さを学び、自身の成長に「挑戦すること」が必要不可欠だと気付くことができました。入社後も、挑戦を自分の成長の糧に活躍する人材になりたいと考えています。
企業は転機の内容よりも、その時に何を学び何を得たのか、それを仕事でどのように活かしてくれるかを知りたいと考えています。
エピソードは簡潔にまとめて、何を学び、何を得たのかを具体的に記述できるようにしましょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
飲食業界はどんな人材を求めているのか
飲食業界全般的に求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- 人に喜んでもらうことが好きな人材
- チームに貢献できる人材
- 成長意欲が高い人材
- 気配りができる人材
- 自ら考えて行動できる人材
人に喜んでもらうことが好きな人材
お客様へサービスを提供するには、まず人と関わることが好きで、第一に相手を喜ばせたいという気持ちを持つことが大切になります。
喜んでもらいたいという気持ちは、接客では明るく元気で丁寧なおもてなしをすることに、調理では心をこめて美味しい料理を提供したり、新たなる商品の開発へ繋がっていきます。
チームに貢献できる人材
飲食における業務はメニュー開発担当や調理担当、ホール担当など、多くの人と関わりながら成り立っています。
仲間を思いやり、周囲の人と支え合いながら、より良い商品やサービスの提供へ務めることができる人材が重宝されます。
成長意欲が高い人材
自己成長に向けて失敗を恐れることなく、積極的に挑戦して自分の糧にできる姿勢が求められています。
よりよい商品やサービスを提供するために、常に成長しようと考える人材は企業にとってプラスの影響を与えてくれるため、成長意欲がある人材が必要とされています。
気配りができる人材
飲食店には老若男女様々なお客様が来店します。
その中で、食事の時間を楽しんでもらうために、お客様へ気を配りお客様の要望に合ったサービスを提供することが求められています。
気を配れる人材は接客業に必要不可欠な「周りをよく見る観察力」も優れているので、活躍が期待できます。
自ら考えて行動できる人材
指示されたことを行うだけでなく、主体性を持って取り組むことができる人材が求められています。
自ら考えて行動することによって、仕事を覚えることが早くなったり、失敗した際も原因を突き止めやすく自身の成長へ大きく繋げることができます。
主体性を持つ人材は企業にとって活躍を期待できる存在になるので、重要視されています。
飲食業界で大切なことは「相手のため」と考えることができる人材です。
お客様へ「おいしいを届けたい」や「喜ぶ顔がみたい」など」、人が好きで誰かのために働きかけることができる人材が重宝されます。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも業界全体での話となります。
ご紹介した内容にすべて当てはまる必要はありません。企業や職種によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあるでしょう。
また、大切なことは他のどの企業でもなく、その企業だからこそ志望する理由、他の企業ではダメな理由を加えて採用担当者へアピールできるとより高評価を得られるでしょう。