【携帯電話業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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今や人々の生活に不可欠な携帯電話。携帯電話業界はiPhoneやAndroidなどを販売しています。
最近は新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が拡大し、会議や動画視聴の機会が増えました。
その結果1人2台以上持つことが普通になりつつあり、市場の拡大が期待できる業界です。
そんな携帯電話業界ですが、業界の現状や求める人物像、ESで見られている点は理解していますか?
ESを書く前に業界研究をしっかりと行い、どのような人材が求められているのかを理解することが大切です。
今回は携帯電話業界のESで実際に出た設問例をもとに、ポイントなどを紹介していきます。
目次
携帯電話業界の現状
まずは携帯電話業界の現状について見ていきます。
業界を取り巻く環境は大きく以下の2点です。
①低価格プランで顧客獲得競争が激化
2021年にNTTドコモはahamo、KDDIはpovo、ソフトバンクはLINEMOという低価格プランを開始しました。
今までは携帯料金が5000円以上でも当たり前という認識でしたが、楽天モバイルを初め様々な格安スマホが参入したことで、年々価格競争は激化しています。
格安スマホとは大手から通信回線を借りて営業します。
このことから大手3社は以前のような爆発的な販売数は見込めなくなり、売上高もほぼ横ばいの傾向です。
こうした現状を踏まえて、大手3社は「大容量の通信プランを提供」「格安プランに独自のサービスを付け、顧客獲得を目指す」という2つの取り組みに注力しています。
②5Gを用いてIoTの促進
日本では2020年から5Gのサービスが本格化しました。
5Gは「次世代高速移動通信方式」と呼ばれ、これまでの4Gより通信速度が数十倍も早く、ほぼリアルタイムで同時に通信できます。
こうした特徴を踏まえて、インターネットと物を繋ぐ「IoT」が急速に普及しています。
そしてそれらを管理するのがスマートフォンです。
つまり、スマートフォンで電気機器、車、遠隔医療、農業などが簡単に操作できるようになりつつあります。
こうした現状を踏まえて大手3社は、スマホの販売のみに注力するのではなく、自動車メーカーや電気メーカーと共同で新しいサービスを日々研究しています。
例えば、NTTドコモは大阪府河内長野市の南花台地域でAI運行バスを運営しています。
具体的には、これまでの路線バスのように決まった時間を同じルートで周るのではなく、予約制にして効率的なルートをAIが運ぶというものです。まさにスマホと路線バスが繋がった事例です。
このように大手3社は5Gを用いて、様々な業態とタッグを組んで新事業の創出に注力しています。
上記のような「顧客獲得競争の激化により、5Gを用いた新事業創出に注力している」という携帯電話業界の現状を把握することで、業界が求める人物像も見えてきます。
今一度そうした視点を持って業界、企業研究に取り組みましょう。
携帯電話業界のES設問例
1ガクチカ(共通)
210年後のあなたのキャリアビジョンについて記入してください(2020年 NTTドコモ)
3ソフトバンクが掲げるバリュー(ナンバーワン、挑戦、逆算、スピード、執念の中でいくつでも)の中であなたの強みと合致するモノ、そしてそのエピソードを教えてください(2021年 ソフトバンク)
4KDDIで実現したいことを記入してください(2022年 KDDI)
5あなたの「働く目的」についてご記入ください。( 2021年 沖縄セルラー)
設問例1:ガクチカ
こちらの質問では、あなたが学生時代どういったことに力を入れ、そこから何を学んだのかが問われています。
採用担当者は、自身の経験や失敗を今後に活かすことができる人材を求めています。
したがってエピソードの大小で合否が決まることは少ないです。
もし「人に話せるようなエピソードがない」と悩んでいるのであれば、その経験からあなたが何を学んだのか、社会に出てどのように活かせるのかをしっかり考えましょう。
そうすることで、採用担当者には「自分の経験を将来に活かすことができる人材」として高評価を受けることができます。
回答例
私はコスメ販売のアルバイトに力を入れてきました。このアルバイトでは各々に販売目標が課せられます。
私は思い付いたことにすぐ挑戦する性格で、自らが考えた様々なアイデアを取り入れながら販売を行いました。
しかし販売数が伴わず、ある日店長に「もっとアイデアの精度を高めることに注力すべき」と指摘をいただきました。
そこで私はアイデアを即座に実行するのではなく、試作してから店頭で実施するようにしました。
具体的には「商品POPの掲示」に対して、どうすれば興味を惹けるのか、どこをお客様は見ているのか、といった問いを何度も考えました。
また完成したPOPを友達に見せ、感想をもらい、修正してから店頭に出すようにしました。
この経験から、ゴールをしっかりと考え思考を重ねることで、アイデアの精度が高まり、より効果的・効率的にアプローチすることが重要であると学びました。この経験と私のアイデア力を、日々新しい技術や製品に挑戦する貴社でも活かします。
その時の心情や思いを記述することで、文書によりリアルさが出ます。
設問例2:キャリアビジョンについて
こちらの質問では、あなたが将来どのように働きたいのか、またそのためにどういった計画や道筋を立てているのかが問われています。
ただ目標を記述するのではなく、その目標に至るまでの具体的な道筋をイメージできているかがポイントとなります。
またその目標も、会社の方針や業務内容と一致している必要があります。極端な話ですが携帯電話業界を志望しているのに、「世界の貧困をなくしたい」と言われても、会社の方針と一致しません。
そのため、きちんと志望する企業のビジョンや業界の流れを理解した上で記述する必要があります。
回答例
私は10年後スマートライフ部の一員として、5Gを用いた地域活性化事業に参画し、地域が抱える様々な課題の解決に取り組みます。
元々地域活性化事業に興味を持ったのは、私の地元が過疎化により充分な医療やインフラサービスを受けられなくなっており、、身近な人たちが困っているのを知ったからです。私はその現状を知り、「将来は過疎地域に住む人が何不自由なく生活できるサービスを提供する仕事に携わりたい」と考えるようになりました。
実際に貴社のスマートライフ部は5Gを用いた遠隔医療やAI運行バスなどを通じて、地域活性化に貢献しています。ただし知識や経験がなければ、こうした事業に携わることはできません。
そこで10年後、そうした事業に携わるために、入社後5年間は法人ソリューション営業で貴社が持つ技術とその導入例を学びます。実際に貴社の技術がどのように社会課題を解決しているのか、その効果はどれほど出ているのか、その2点を意識して仕事に励みます。
そして10年後にはスマートライフ部の一員として、5Gを用いた地域活性化事業に参画したいと考えています。
「10年後○○という目標を達成するために、入社後は○○を頑張りたい」と記述すると説得力が増します。
設問例3:ソフトバンクのバリューとあなたの強みが合致するもの
こちらの質問では、あなたの強みを会社で発揮できるのか、あなたが社風とマッチしているのかが問われています。
企業は「自社の社風とマッチする人材」を強く求めています。なぜならマッチしない人材は離職率が高くなる傾向にあるためです。
新卒採用は膨大なお金と時間がかかるため、採用した人材が早期退職することは何としても避けなければなりません。
もちろん自分を偽ってまで企業に合わせる必要はありませんが、「企業は社風がマッチしていて強みを発揮できる就活生を求めている」というのは理解しましょう。
回答例
私は貴社のバリューの中で「スピード」の強みが合致しています。なぜなら、私はこれまでの人生で「したいと思ったことは、必ず一歩踏み出してみる」ということを心掛けているためです。
例えば、私は小中学校と野球をしていましたが、高校に進学する際プロテニスの試合を見て感動しました。そこで私は自分も挑戦してみたいと思い、すぐにテニスの道具を購入し、テニス部へ入部しました。
また「ヨーロッパ全ての国を周ると何日かかるのだろうか」という疑問が生まれた際は、英語が苦手にも関わらず、実際に1ヶ月間のヨーロッパ旅行を計画し、実行しました。
もちろん、後先考えずに行動することで失敗した過去もあります。しかしそうした失敗以上に、日々行動を起こすことで様々な気付きや学びを得てきました。
こうした私の強みは、新事業に次々と挑戦する貴社で最大限活かすことができると考えます。以上のことから、私は「スピード」の強みが合致しています。
エピソードを深掘りしない場合は、二つ以上記述することで説得力が増します。
設問例4:実現したいこと
こちらの質問では、あなたがどのような夢や目標を持って志望しているのか、入社することがゴールではなく会社を手段として捉えているか、が問われています。
企業は入社することが目的となっている人材は求めていません。なぜなら、そういった人材は入社後も高い目標を持たず、惰性で働くようになるためです。
そうではなく、「○○という自分の目標を達成する手段として、貴社を志望する」といった人材を求めています。その点を注意しながら記述するようにしましょう。
回答例
私は貴社で「途上国における通信インフラの整備事業に携わり、世界中の人たちがインターネット上で繋がることができる世界」を実現したいと考えています。
私は大学3年生の時にネパールの山間部にボランティアの一員として赴き、現地の子供達への学習支援や日本で廃棄された衣服の提供活動に励みました。そこに住む子供達はインターネットというものを知らず、非常に閉鎖的な空間で過ごしていました。
海外へ渡航することは難しくても、インターネットに接続さえできればYouTubeなどを通じて、他の世界を知ることができる」ということを強く感じ、そのように他を知る手段としてました。そして、途上国の通信インフラの整備に携わりたいと考えました。
この思いを実現できるのは、他社に先駆けて途上国のミャンマーの山間部に通信サービス整備を始め、今やそうした整備事業を一つの柱に据えている貴社しかないと考えます。
なぜ他の会社ではあなたの思いを実現できないのかを改めて考えましょう。
設問例5:「働く目的」について
こちらの質問では、あなたが「働く」ということに対してどのような思い、考えを持っているのかが問われています。
働く目的は、お金、やりがい、目標を実現するためなど様々でしょう。もちろんそこに正解や不正解はありません。
では一体なぜ企業はこのような質問をするのでしょうか。
なぜなら、企業はモチベーション高く働いてくれる人材を求めているためです。働く目的が「お金」であれば、常にモチベーションを高めることは難しいでしょう。
そういった点を企業には見られていると認識した上で、記述しましょう。
回答例
私の働く目的は、自分自身の目標を達成するという自己実現のため、そして社会貢献をするための二つです。
私には「生まれ育った沖縄を盛り上げたい」「地域の抱える課題を、大学で学んだ通信技術で解決したい」という思いがあります。特に沖縄は他の都道府県よりも通信環境が悪く、住民や企業の方が不便な思いをしています。そうした点を改善し、より快適な生活を支えたいと考えています。
こうした目標は自分一人では達成できません。そのため貴社の一員として日々仕事をする中で、地域の課題を解決し、地域経済を活性化させることで私の上述した目標を達成します。
また、私の地元では地域全体で子育てをするという名残が強く残っており、周囲の方々に助けられ成長してきました。だからこそ今度は私が地元の役に立てるよう、支えてくださった年配の方々が少しでも快適に暮らせる環境を提供したいと思い、貴社を志望しました。以上の自己実現と社会貢献の二つが、私の働く目的です。
「働く目的」に正解、不正解はありません。ただ常々「なぜ企業はこの質問をするのか」を考える必要があります。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
1強み:あなたの強みは?
⇩
2強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
⇩
3強みを表す具体的エピソードは?
⇩
4強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
⇩
5強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
携帯電話業界はどんな人材を求めているのか
- 変化に対応し、挑戦し続けることができる人材
- 好奇心旺盛で、様々な仕事に興味がある人材
変化に対応し、挑戦し続けることができる人材
携帯電話業界の現状でも述べた通り、格安スマホの普及により顧客獲得競争は年々激化しています。
それにより大手3社を含め値下げ合戦が続き、売上高もほぼ横ばいで推移しています。
こうした状況から脱するためには、携帯電話を販売するだけでなく、所有する技術で新事業を創出するしかありません。
まさにNTTドコモがAI運行バスを開始したように、従来の考え方に捉われない柔軟な発想が不可欠です。
また5GやIoTなど、通信技術は日々進化しているため、そうした変化にも対応できる人材が求められています。
もちろん「大学生で光回線の訪問販売に取り組んだ」といったエピソードがあれば一目置かれます。
ただし仮にそういった知識がなくても「幼い頃から変化や新しい事に進んで挑戦してきた」という点をアピールすれば、大きな強みになります。
このように業界の求める人物像に合わせてアピールする点を変えることも大切です。
好奇心旺盛で、様々な仕事に興味がある人材
携帯電話業界の各社は規模が大きく、職種は多岐に渡ります。
技術開発を行うネットワークエンジニアやSE、代理店や法人、官公庁に営業を行う法人営業、直営店で携帯電話の販売を行う店舗販売、携帯電話の新プランを考える企画、マーケティングなどが代表的です。
また昨今は5Gを用いた様々な新事業にも積極的に挑戦しています。
そのため、入社後は1つの職種を長く続けるという訳ではなく、様々な分野に携わることになります。
こうした業界の特性から、「一つのことを長く続けることが得意」という人材に比べて、「様々な事業に挑戦したい」という人材の方が魅力的に映ります。
もちろんその他にも見られるポイントは存在しますが、携帯電話業界が特に求める人材は上記の2点です。
実体験を安直にそのまま記述するのではなく、「どういった人材が求められているのか」「そのために自分はどこを強くアピールすべきなのか」をしっかりと考えましょう。
携帯電話業界を志望している人は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてくださいね。