【教育業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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教育業界とは、塾や予備校などの学習支援機関や社会人を対象にしたビジネス関連のスクールや社員研修など様々な種類が存在する業界となります。
小学校、中学校、高校など教育に触れてきたことで教育業界を身近に感じる就活生も多く、働くイメージがしやすい業界のひとつかもしれません。
昨今では、新型コロナウイルス感染症の影響でダメージを受けた業界ですが、一方で社会全体がテレワーク・リモートワークを推進する流れとなったこともあり、オンライン授業での売り上げ拡大が期待できる業界でもあります。
就活を有利に進めるためにも、まずは業界研究をきちんと行い、基礎知識を身に付けて質の高いESを書き上げられるように準備していきましょう。
教育業界の採用動向や面接対策については下記で詳しく解説しています。併せてチェックしておきましょう。
【教育業界研究|2023年最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
教育業界を志望している学生必見!教育業界の市場規模や課題、インターン情報、大手企業の採用傾向が一目でわかります。業界研究...
目次
教育業界のES設問例
1志望動機(共通)
2当社であなたがやってみたいこと、実現したいことをご記入下さい。(500文字以内)(2020年 学研ホールディングス)
3あなたの人生に最も影響を与えた「学び」について教えて下さい。(500文字以内)(2020年 学研ホールディングス)
4忘れられない失敗体験と、それをどう乗り越えたかを教えて下さい。(500文字以内)(2020年 学研ホールディングス)
5自分が発案して、5人以上に働きかけたエピソードを教えてください。 (200字以内)(2022年 ベネッセホールディングス)
設問例1:志望動機(共通)
この質問は就活において必ずされる質問になります。
志望動機で大切なことは、その企業でなくてはならない「理由付け」です。
他の応募者と差別化を図り、説得力のあるESを書き上げていきましょう。
この質問では下記がみられています。
■企業への志望度を知る
その企業でなければならない理由が明確なものであれば、企業への志望度が高いものだと判断できます。
曖昧な志望動機は企業研究が出来ていないと受け取られて、志望度が低いと判断されてしまいます。
■企業とのマッチ度を知る
志望動機を聞くことで応募者が企業とマッチする人材なのか見極めています。
マッチ度が高い応募者は入社後の成長が期待できるため、積極的に採用されるでしょう。
反対にマッチ度が低い応募者は早期退職の可能性が高いため、企業にとってこの志望動機を聞くことは重要なポイントとなります。
回答例1
私は教育を通して、よりよい社会を創出するために「次代を担うリーダ-」を育成し、社会貢献したいと考えています。
私は大学で生物の研究をしたいと思い理学部に進学しましたが、大学生活の中でたくさんの人と関わるうちに、研究ではなく人と深く関わる仕事をしたいと思うようになりました。自身の考え方を変えてくれた場である大学に、より多くの高校生が進学し、様々な経験を経て自分のやりたいことを見つけて欲しいと考えるようになり、教育業界に興味を持ちました。
貴社の説明会で「独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する」という教育理念の話を聞き強く惹かれ、自分のサポートで次代を担う人財を育成し、よりよい社会創りに貢献することを仕事にしたいと確信したため、貴社を志望しました。
私は塾講師のアルバイトにおいて、担当した生徒へ最後まで寄り添い、目標達成に向けて全力で取り組んできました。この経験を活かして、入社後は担任として生徒の目標達成にむけて成果にこだわり、最後までやり抜く姿勢で取り組み、自身の目標でもある「次代を担うリーダ-」の育成を実現したいと考えています。(478文字)
回答例2
私が貴社を志望した理由は2つあります。
1つ目は、貴社の「まなびをたのしく、ワクワク、ドキドキを創造する」というビジョンに強く共感したからです。私は個別指導部でアルバイトをしていますが、指導する上で一番大切にしていることは「学びを楽しんでもらうこと」です。楽しい気持ちがあれば意欲も湧いてきて前向きに取り組むことが出来ると考えるからです。仕事をする上で大切にしていることが貴社のビジョンと一致しているため、ここで働きたいと思いました。
2つ目は、貴社が運営する塾の卒塾生として、恩返しがしたいからです。生徒時代にたくさん助けてもらったように今度は指導する立場でより多くの生徒の力になりたいと考えています。今まで出会った多くの尊敬する先生方へ教育を通して感謝の気持ちを伝えていきたいと考えています。
私は、個別指導部のアルバイトにて指導者の熱意が生徒の意欲、成績に関係することを身を持って体験してきました。この経験を活かして、貴社においても熱心に生徒と向き合い、親身に寄り添いながら指導していき、貴社のエースとして活躍できる人材になりたいと考えています。(479文字)
志望動機の回答で重要なことは「他の企業との差別化」です。
その企業のみに当てはまる理由づけを明確に記述しましょう。
設問例2:当社でやってみたいこと、実現したいこと
企業の目標と同じ方向性で自身のやりたいことを伝えられるように、企業理解をきちんと行った上で記述していきましょう。
この質問では下記がみられています。
■応募者の価値観を知る
入社後にやりたいことを聞くことで、応募者の価値観を把握する狙いがあります。
価値観が企業と類似していれば企業とのマッチ度が高いと判断することができます。
■仕事への取り組み姿勢や意欲を知る
取り組み姿勢を知ることで、応募者がどのように活躍する人材なのかを見極める材料としています。
また、仕事へ意欲的に取り組む人材は伸びしろが期待できるため、企業にとって大切な質問となります。
回答例1
私は塾用教材開発において、より多くの子どもたちが学びを「楽しむ」ことのできる学習教材を開発したいと考えています。
私は大学時代に学習支援のボランティア活動に従事してきました。その際に、塾に通っておらず共働きの家庭の子どもたちが普段から一人で勉強している現状を知りました。苦手分野の課題に対して質問する人がいなければ教えてくれる人もいない中での学習は、モチベーションを低下させ、学習する習慣もなくしてしまうものだと感じました。この課題に対して私は、教材そのものに学習管理をする人がいれば子どもたちのサポートができ、モチベーションの維持に繋がるのではないかと思いました。
また生徒一人一人のレベルに合わせて、初めは簡単な問題から解いていくことで「成功体験」を積んでいき、学ぶことは「楽しい」と感じてもらい、主体的に学ぶ姿勢を多くの子どもへ身に付けて欲しいと考えています。
「変化を恐れずに、常に挑戦し続けられる環境」が整っている貴社だからこそ、私の実現したいことが達成できると考えます。入社後は、自身が作った教材でより多くの子どもが学びを「楽しむ」ことができるように尽力していきたいです。(495文字)
説得力のある回答にするため、やりたいことだけを伝えるのではなく「プロセス」を明確に伝えることが重要になります。
設問例3:人生に最も影響を与えた「学び」について
この質問は応募者の価値観やスキルを把握する意図があります。
質問の意図をきちんと把握して、高評価を与える回答ができるように準備していきましょう。
この質問では下記がみられています。
■応募者の価値観を知る
人生に最も影響を与える出来事は何度も訪れる訳ではないので、その際の経験は今の応募者自身の価値観に大きく影響を与えていることが考えられます。
この経験からどのように考え、価値観が変わったのかを把握して応募者がどのような人材なのか把握する狙いがあります。
■入社後の活躍度を知る
学んだことを把握して、応募者がどのように企業で活躍するのかイメージする狙いがあります。
学んで得たスキルが企業にとって欲しいものであるか確認しています。
回答例1
私は高校受験に失敗した経験から「効率性の大切さ」を学びました。失敗を繰り返さないために原因を追究したところ、問題を解く量や勉強時間に満足しており、苦手分野を徹底的に対策することができておらず、質の悪い勉強を行っていたことに気付きました。
そこで私は下記2点を改善して勉強に取り組みました。
1点目は、苦手分野を集中的に行い、苦手意識を無くすために細かい目標を立てました。そうすることで、どこが苦手なのかを自分で把握することができます。目標に対し、やるべきことが明確になるので無駄のない勉強を行うことが出来ました。
2点目は、1週間分の勉強計画を立てることです。学校の授業の様に、自身の勉強の時間割を作成することで取り組むスピードが速くなり、無駄な時間が無くなりました。
この2点を継続して勉強を続けた結果、大学受験では第一志望の大学へ合格することが出来ました。この経験から、「効率の良い方法」を取り入れることの大切さを学びました。限られた時間の中で努力するためには、効率を追求する必要があります。この学びを活かして生徒に頼られる人材として成長していきたいと考えています。(489文字)
回答例2
「信頼関係の大切さ」を学んだ経験です。
塾講師のアルバイトを行っていた際、塾に通い始めた生徒を担当しました。初めての環境ということもあり、目を合わせることもなく、会話も一切ない状態からのスタートでした。そこで、まずは生徒との信頼関係を築くために下記2点を行いました。
1つ目は、授業開始前の時間を利用して生徒と雑談を行うことです。生徒の好きな事を中心に聞くことで、心理的に距離を縮めることができました。2つ目は、生徒からの質問には必ず答えることです。先延ばしにせず、その日のうちに回答する努力をしました。そうすることで、生徒と向き合っていることを伝えることができ、心を開いてくれるようになりました。
この結果、生徒は目を見て話を聞いてくれるようになり、良い授業創りへ繋げることが出来ました。信頼関係が出来ている中で行う授業は、生徒も私自身も意欲が湧き、成績向上に繋がることを学びました。
この学びを活かして、生徒との信頼関係を築きながら生徒に寄り添った授業を展開できる人材として活躍していきたいと考えています。(459文字)
相手に伝わる内容を記述するために物事の前後の違いが分かるように伝えることが大切です。
失敗を乗り越えた結果から今の価値観をきちんと伝えられるようにしていきましょう。
設問例4:失敗体験と乗り越え方について
失敗=マイナスなイメージがあるかもしれませんが、大切なことは失敗した後に起こした行動や考え方です。
具体的な内容を記述して自分自身をアピールできるようにしましょう。
この質問では下記がみられています。
■困難の乗り越え方を知る
仕事をするうえで困難な出来事にぶつかる場面があった際にどのような行動で乗り越えることができるのか把握することで、応募者の活躍イメージを膨らます狙いがあります。
■応募者の価値観を知る
失敗から起こす行動や考え方を知ることで、応募者の価値観を知る狙いがあります。
また、企業と同じ価値観であれば企業とのマッチ度が高いと判断することが出来、良い人材確保に繋がるため、企業にとって大切な質問になります。
回答例1
私の失敗体験は、高校時代に所属していた野球部での怪我です。秋の大会に向けて、レギュラー争いが始まった際に、レギュラーメンバーに選ばれたいがゆえに、自分の限界を超えたトレーニングを行ってしまいました。その結果、腰を痛めてしまいレギュラー争いから離脱、大変悔しい思いをしました。
この失敗が起きた原因は、トレーニングにおいて自分の限界を把握していなかった事です。焦る気持ちで冷静な判断が出来ておらず、キャパを超えてトレーニングに取り組んでしまったことに問題がありました。
この経験から目標を設定した後、自分の能力や現状を冷静に見ながら、目標達成に向けてどのように行動するべきかを計画していくことが重要だと学びました。
この学びを活かし、春の大会に向けて行われたレギュラー争いの際には、トレーニングはもちろん、技術面の練習においても計画をきちんと立ててから取り組み、怪我することなくレギュラーを獲得することが出来ました。
貴社に入社後も、目標に向けて自分がやるべきことを具体的に計画してから行動し、生徒の力になる頼もしい人材になりたいと考えています。(476文字)
回答例2
私の忘れられない失敗体験は、自分の考えを押し付けた授業を行い、生徒たちの学力を伸ばせなかったことです。
私は塾講師のアルバイトをしており、成績向上を目標とする中学生を担当していました。その授業において私は、自身の経験だけで授業プログラムを構成したり、宿題を作成したりしていました。その結果、生徒の成績は上がらず、信頼を失ってしまい、自分の指導方法が間違っていたことに気付きました。
この経験から、まずは生徒一人一人の得意・不得意の分野を把握し、生徒に寄り添う授業展開を行うことを意識しました。また生徒の学習スピードや勉強スタイルも様々なので、個人に合わせた教材選びにも気を付けました。その結果、生徒の成績は再び伸び始め、信頼を取り戻すことができました。
この失敗体験を通して、自分の経験が全てではなく、相手の考えやニーズをきちんと把握した上で「客観的な視点」を自分の考えに用いることが、非常に重要なことだと学びました。
この学びを活かして入社後は、周りの声や意見にきちんと耳を傾けて、生徒から信頼される人材として活躍できるように取り組みたいと考えています。(482文字)
失敗を乗り越える過程の「考え方」や「行動」が重要となります。
失敗したエピソードは簡潔に記述して過程の部分を具体的に記述することを意識しましょう。
設問例5:自分が発案して、5人以上に働きかけたエピソード
この質問は応募者がどのような人間なのか把握する意図があります。
結論から述べて具体的な内容で自身の強みや長所をアピールしましょう。
この質問では下記がみられています。
■自主性があるか知る
社会人は自主性が求められます。
自ら考え、行動を起こし、その行動に責任を持てる人材なのかを把握することによって欲しい人材かどうか見極めています。
■リーダーシップがあるかを知る
リーダーシップがある人材は自ら考えて行動することができるため、企業での活躍が期待できます。
周りを巻き込む行動は全員が全員起こせる行動ではないので、この質問を通して応募者にまとめるスキルがあるのか見極める狙いがあります。
回答例1
介護実習の最終日に、感謝の気持ちを込めて施設利用者の方へ歌とマジックをサプライズ企画したことです。仲間にサプライズを行いたい旨を伝え、話し合いながら各自の担当を決めて計画しました。職員さんにも協力いただきながら、どのようにしたら喜んでもらえるのか、気持ちが伝わるのかを考えて行動しました。この体験から、相手のためを思って取り組むことは、大きなやりがいや達成感に繋がることを学びました。(192文字)
働きかけたエピソードから得たことを記述することで、自分がどのような人物なのか相手に伝わりやすくなります。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
教育業界はどんな人材を求めているのか
教育業界全般的に求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- コミュニケーション能力が高い人材
- 熱意がある人材
- 相手のために行動できる人材
コミュニケーション能力が高い人材
教育業界の仕事は個人や団体など様々な相手に対して教育を行うため、コミュニケーション能力が重要になります。
生徒に対して分かりやすく伝え、生徒の質問に親身に耳を傾け、的確な対応がとれるような傾聴力も求められます。
また、団体を相手にする際には、ハキハキとした明るく大きな声で話をする場面もあるため、人あたりがよく明るいコミュニケーションも大切になります。
熱意がある人材
授業の準備や生徒の質問に答えるための準備が多くあるため、残業時間が増えてしまうことが多々あります。
このような事を生徒のためと思い、苦と思わず「やりがい」と感じられる人材が求められます。
また、学習意欲が低い生徒や理解が追いつかない生徒もいる中で、根気強く最後まで教育し続けられる熱意が必要となります。
相手のために行動できる人材
先述しましたが、教育は相手のために働きかける仕事になります。
そのため、生徒の理解度に合わせたり、生徒の質問にきちんと答える準備をするなど、相手のために行動することが好きな人材が求められます。
教育業界は主に人に対して教育を行う業界となります。
一番大切な事は相手との関わり方になります。
相手のニーズを汲み取りながら、きちんとこちらが伝えたいことを伝えていける「相手に寄り添ったコミュニケーション能力」が重要となります。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも業界全体での話となります。
ご紹介した内容にすべて当てはまる必要はありません。
企業や職種によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあるでしょう。
また、大切なことは他のどの企業でもなく、その企業だからこそ志望する理由、他の企業ではダメな理由を加えて採用担当者へアピールできるとより高評価を得られるでしょう。