【ヘルスケア業界研究|2023年度最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
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ヘルスケア業界と聞いて、みなさんはどこの企業を思い浮かべますか?
薬品を取り扱っている「大塚ホールディングス」や医療機器を扱っている「オリンパス」を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
ヘルスケア業界は少子高齢化が進んでいるという背景もあり、成長産業の1つです。そのため、新たな製薬・機器の開発もどんどん進んでいます。
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目次
ヘルスケア業界について
ヘルスケア業界とは
ヘルスケア業界とは、病気を治すために治療薬・治療法などの医療提供をしたり、高齢の方の生活支援をしたりすることをメインとしている業界です。
医療の分野に関しては、製薬と医療機器の2つに大きく分類されます。
製薬部門においては、治験を重ねた上で特定の病気に対する治療薬を提供します。
一方、医療機器の部門においては手術や検査の時に必要となる機器を提供します。
その他にも介護・健康促進など、生命に関わる分野はヘルスケア業界が主に取り扱っています。
医療機器にも関連してきますが、デジタル化が進んでいることもあり、ヘルスケア業界全体でDX・AI化が進んでいる現状です。
遠隔診断・オンライン診療などはその一例でもあります。
また、日本のみならず世界的にもヘルスケア業界は活性化してきています。
先進国を中心に少子高齢化が進むと予測されていることから、GAFAもヘルスケア業界に参入しつつあります。
もちろん日本においても、ますますヘルスケア業界が必要とされることが見込まれるでしょう。
ヘルスケア業界の職種
研究技術
研究技術職は医薬品と医療機器において、基礎研究や製造検討に至るまでの工程をになう職種です。
さまざまな症例が発生し、医療に必要な機器は千差万別ですので、ヘルスケア業界においてはもっとも要となる職種となります。
医薬品の研究に関しては、基礎研究・非臨床試験・臨床試験・承認申請までと幅広く業務を対応します。
「製薬協」によると1つの治療薬を作るのに9〜17年ほどかかるとのことなので、一つひとつの工程でもかなり時間をかけます。
また、医療機器においては製造はもちろんのこと、安定製造のための技術支援や生産ラインの設計部分も担います。
また、そもそもどの医療機器が求められているかリサーチにも対応します。
研究職は非常に根気が必要な職種です。そのため、失敗しても諦めず、粘り強く続けられるタイプの人に向いている職種です。
生産技術職
生産技術職は、医薬品の製造全般を担う職種です。
主に以下のような仕事を対応します。
- 医療用医薬品(原薬・製剤・包装)の製造
- 安定に生産するために新規技術の導入
- 医薬品の製造に関わる品質試験
製造業務のみならず、品質管理もします。
医薬品においては人体に関わってくるので、一定水準に保つためにもチェックはもちろんのこと、新規技術の導入にも対応しています。
また、どの技術を取り入れて医薬品を製造するか、ということに関しても比較・検討します。
その点、取り入れる技術を決めるために品質試験をすることもあります。
医療薬が製造可能になれば、国内・海外販売薬品目の申請関連業務も生産技術職の仕事です。
総じて製造のすべての業務を対応します。
MR職
MR職とは、「Medical Representatives」の略であり、簡単にいうと医薬情報担当者のことになります。
医療機関に直接訪問し、医薬品の適正使用と普及のために情報提供・収集をすることが主な役割です。
例えば医薬品の有効性や安全性の情報を医療現場から収集し、企業に報告。かつ、医療現場から得られた情報を医療関係者に伝えるというところも担います。
医療という分野であるため、より適切な情報を正しく伝える力が必要です。その点コミュニケーション力が必要になってきます。
ヘルスケア業界の市場規模
ヘルスケア業界の市場規模推移
ヘルスケア業界の市場規模推移(出典:富士経済グループ、グラフ作成:CareerMine)
富士経済によると、ヘルスケア業界の市場規模は年々上がっていくと予測されています。
つまり成長産業でもあるのです。
理由としては大きく分けて2つあると考えられます。
1つは少子高齢化の加速と平均寿命が延びたことです。このことから、特に高齢の方に関しては医療に関わる機会がますます増える可能性が高いです。
もう1つは業界全体として大きなイノベーションが起こっているからと考えられます。がん・認知症を直す研究が進んでいるのと同時に、創薬領域においても開発が進んでいます。
加えて、デジタル・IT化が進んでいることも大きく影響しています。「遠隔診断・治療」・「電子カルテ」・「医療のオンライン化」はその代表例です。
この点、GAFAもヘルスケア業界に参入しつつあるのも、世界的にヘルスケア業界が成長産業であるからこそでしょう。
以上のことから、ヘルスケア業界は今後成長産業になる可能性がかなり高いと見込まれています。
ヘルスケア業界の現状
ヘルスケア業界の動向
健康寿命の延伸・生活支援をするための製品が生まれつつある
特定の病気を治療したり、手術の際に必要な医療機器を開発したりする中、健康寿命の延伸や生活支援をするための製品開発も進んでいます。
医療が発達してきた背景もあり、平均寿命がだんだん上がってきています。その点、健康寿命をいかに伸ばすかというところがポイント。
新型コロナウイルス感染症の拡大による身体活動量の低下やコミュニケーション不足によるメンタル悪化も問題視されている現状です。
この点が、「2040年度までに健康寿命を男女とも3年以上伸ばし、75歳以上とすることを目指し、2024年度末までに1年以上延伸する」という政府全体として立てた目標にも影響を及ぼす可能性もあります。
以上のことから、健康寿命の延伸・生活支援をするための基盤が生まれつつあります。例えば「PHR」というサービスの利用促進です。
これは食事・運動・睡眠などの「ライフログデータ」や予防接種・薬剤情報などの保険医療データを活用した上で、医療従事者から生活のアドバイスが提供されるという構造になっています。
現在はまだ作成中となっており、正式にリリースはされていません。
その他にもAppleがiPhone・Apple Watchにアクティビティやバイタルを計測できるヘルスケア機能を搭載しています。
政府や民間企業が中心となって、健康寿命の延伸・生活支援をするための取り組みをしている現状です。
参考:経済産業省 「健康寿命の延伸に向けたヘルスケア業界の促進」
TIME&SPACE
社会保障費の増大とヘルスケア業界の転換点
社会保障給付費の推移(出典:厚生労働省「社会保障給付費の推移」、グラフ作成:CareerMine)
少子高齢化が進んでいるため、医療費を含む社会保障費がどんどん膨れ上がっています。
つまり政府の支出がどんどん増えていっている現状であることがわかります。
今後ますます少子高齢化が進んでいくことを考えると、日本国民1人あたりの負担も少なからず増えていくことが想定されてます。
ヘルスケア業界は高齢化に伴い、転換点にきています。
「健康寿命を伸ばすこと」や「データを活用した正しいアプローチ」など様々な対策を政府・各企業が対策しているのが現状です。
参考:DREAM GATE
PWC
業界全体を通してDX・IT化が急速に進んでいる
ヘルスケア業界内のさまざまな分野において、DX・IT化が急速に進んでいます。例えば医療はその代表格ともいえます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、遠隔診断・オンライン診療が急速に拡大しました。
それに伴って、遠隔診断をするためのツールの開発・提供も進んでいます。
また、介護領域においても、患者の異常を察知できる機能を搭載し、医療関係者・家族に通知する ITサービスを提供したりしています。
この点、患者が危険な状態になった際にすぐに対応・対処できることができるようになりました。
以上の他にも、ヘルスケア業界においてDX・IT化が進みつつあります。ただ、急速に進みつつあるので、需要に対して供給が追いついていない状況です。
ヘルスケア業界におけるトレンド・話題
「薬局」が変わる 服薬フォローアップ義務化1年
薬局の役割が大きく変わろうとしています。
2020年度に施行された改正薬機法に基づき、薬剤師が患者への服薬指導・健康管理をすることが義務付けられました。
2020年度までは薬局は調剤する場所として機能していましたが、患者の情報を共有して指導する流れに変わります。
国が掲げる目標の1つとして、医師・看護師・ケアマネージャー・薬剤師が連携し、地域医療を包括的に担うことが挙げられます。
この点、上記のような服薬フォローアップは、連携を強めるための第一歩ともいえるでしょう。
また、製薬会社も地域医療に巻き込む動きが出てきています。
上記に関連して、薬を適切に利用してもらうため、患者により良い人生を送ってもらうために、培ってきた情報をどのように伝えるべきかというところを検討しています。
2021年時点でお薬手帳のアプリ化・LINEを活用した服薬に関する助言など、さまざまな手法を使って患者の方に向けて情報を提供しています。
アプリの開発など、今後必要になってくるものも多くなってくるでしょう。
参考:産経新聞 「「薬局」が変わる 服薬フォローアップ義務化1年」
遠隔医療のグローバル最先端、世界のスタートアップがいま取り組む3つの領域
新型コロナウイルス感染症が拡大した影響により、ヘルスケア領域においてもDXが加速しました。
中でも特に加速したのは、遠隔医療の領域です。
海外においては、初診の段階から遠隔診療での受診ができるところもあります。同じ先進国の部類であれば、イギリス・オーストラリア・フランスなどが挙げられます。
それに対して日本はそもそも初診の段階でオンライン診療ができないところがほとんど。加えて医療体制の非効率さも明らかになりました。
この点、日本の医療業界のDXは避けて通れないともいえます。
2020年度に初診からの遠隔診療が特例として認められたのはいいものの、あくまで一時的な措置となっています。
ただし今後、遠隔診療が認められる可能性もあるので、医療・ヘルスケア業界の動向をチェックしておく必要があります。
参考:ビジネス+IT
アマゾンが医療業界を破壊する─技術と物流を兼ね備えた“巨人”がヘルスケアを変革する日
ヘルスケア業界においてGAFAMが参入しつつあります。その一例として、Amazonが挙げられます。
代表的なサービスとして2つ。
1つは、アマゾン・ケアという遠隔医療サービスです。このサービスは、24時間体制で医師や看護師とオンラインのビデオ通話ができるサービスです。
米の企業に提供すると2021年の3月に発表されました。
もう1つは「AWS for Health」と呼ばれるサービスです。
このサービスは、機械学習を用いて健康情報を収集し、標準化する「AWS Healthlake」が含まれます。
データベースの役割を果たすので、蓄積された膨大なデータをベースに個人に対して最適な治療を施すことができるのがポイントです。
上記はあくまで一例ですが、GAFAMを筆頭とした巨大企業の影響力は非常に大きいです。
そのため、今後のGAFAMの動向は随時チェックしておくようにしておきましょう。
参考:courrier
ヘルスケア業界における主要企業の解説
大塚ホールディングス
社名 |
大塚ホールディングス株式会社 |
設立 |
2008年(平成20年)7月8日 |
本社所在地 |
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-9 |
資本金 |
816億9000万円 |
従業員数 |
33,151名 (連結) |
平均年収 |
991万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! |
事業内容 |
医療関連事業・ニュートラシューティカルズ関連事業・消費者関連事業・その他の事業 |
大塚ホールディングスは、「世界の人々を健康に」という理念をもとに、さまざまな事業活動をしている企業です。
代表的な商品として、「ポカリスウェット」が挙げられます。
大塚ホールディングスは、大きく分けて4つの事業を展開しています。詳しくは以下の通りです。
医療関連事業 |
治療薬・臨床栄養製品などの開発 |
ニュートラシューティカルズ関連事業 |
機能性飲料・機能性食品や健粧品(コスメディクス)の開発・販売 |
消費者関連事業 |
「美味・安全・安心・健康」をテーマに食品・飲料を展開 |
その他の事業 |
機能化学品・ファインケミカルなどさまざまな事業 |
医療関連事業においては、治療薬・臨床栄養製品・診断薬・医療機器などを中心に開発・販売をしています。
中でも、精神・神経領域とがん領域に注力しているとのこと。
また、ニュートラシューティカルズ関連事業では「機能性飲料・機能性食品」や「健粧品(コスメディクス)」の開発・販売をしています。
医療関連事業で培ったノウハウをもとに、科学的根拠に基づいた製品開発に取り組んでいる現状です。
さらに、消費者関連事業では「美味・安全・安心・健康」をテーマにさまざまな食品・飲料を展開しています。
代表的なものであれば、「ボンカレー」や「マンナンヒカリ」などが挙げられます。
最後にその他の事業では、「化学品事業」・「運輸・倉庫業」・「電子機器事業」など、多角的に展開しています。
いずれの事業も、日本のみならず海外拠点と連携して取り組んでいます。
武田薬品工業
社名 |
武田薬品工業株式会社 |
設立 |
1925年 ( 大正14年 ) 1月29日 |
本社所在地 |
〒103 – 8668 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号 |
資本金 |
非公開 |
従業員数 |
49,578名 ( 連結 ) ※2019年3月末時点 |
平均年収 |
1076万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! |
事業内容 |
医薬品等の研究開発・製造・販売・輸出入 |
武田薬品工業は「タケダイズム(誠実・公正・正直・不屈)」を行動指針とし、患者のために研究開発・製薬開発をしている企業です。
主に研究開発事業を中心に、事業を展開しています。中でも以下の4つの疾患領域に注力しています。
疾患領域 |
取り組み内容 |
オンコロジー(がん) |
オンコロジー(がん)の治療薬の創出・開発 |
希少疾患 |
免疫学・血液学・代謝異常の希少疾患や、ライソゾーム病に対する治療の確立 |
ニューロサイエンス(神経精神疾患) |
有効な治療方法がない神経疾患に対する研究・治療薬の開発 |
消化器系疾患 |
消化器系疾患に対する医薬品と患者さんへの疾患支援プログラムの提供 |
その他にも希少疾患や慢性疾患の特効薬ともなりうる血漿分画製剤の提供やワクチンの研究開発をしています。
総じて、特定の疾患・病気に対する治療法・治療薬の開発をメインに事業展開している企業です。
そのため、治療薬や医療を通して世界の人を救いたいという方には向いている企業になるます。
オリンパス
社名 |
オリンパス株式会社(Olympus Corporation) |
設立 |
1919年(大正8年)10月12日 |
本社所在地 |
〒163-0914 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス |
資本金 |
1,246億円(2021年3月現在) |
従業員数 |
31,653人(2021年3月末現在) |
平均年収 |
869万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! |
事業内容 |
精密機械器具の製造販売 |
オリンパスは「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を経営理念とし、医療機器の提供を中心に医療に貢献している企業です。
現在展開している事業は、大きく分けて3つになります。
内視鏡事業 |
軟性内視鏡、硬性鏡、ビデオイメージングシステムなど |
治療機器事業 |
外科用デバイスの開発や処置具のラインアップ拡充など |
科学事業 |
顕微鏡システムや工業用顕微鏡・工業用内視鏡の開発 |
内視鏡事業では、軟性内視鏡、硬性鏡、ビデオイメージングシステムに加え、システムインテグレーションやサポートまで幅広く対応しています。
具体的には、「消化器内視鏡ビデオスコープシステム」や「4K内視鏡システム・3D内視鏡システム」の提供をしています。
また、治療機器事業ではポリープ切除用のスネア開発・外科用デバイスの開発など、治療に必要な機器の開発を手掛けています。
クリップ・高周波ナイフ・デブリッター。レゼクトスコープはその一例です。
最後に科学事業は、「ライフサイエンス分野」と「産業分野」の2つに大きく分かれます。
ライフサイエンス分野では顕微鏡システム、産業分野では非破壊検査機器・X線分析装置を中心に開発しています。
ヘルスケア業界における主要企業の採用動向
大塚ホールディングス
- 失敗することを恐れず、チャレンジできる方
- 変化することに寛容な方
- すべての仕事を自分ごと化して考えられる方
大塚ホールディングスは、「常識を疑うこと」「難しい方へ、難しい方へ行こう」ということを採用メッセージとして掲げています。
これは「大塚だからできること」を追い求めているからこそのメッセージだとも取れます。
当然難しいことには失敗がつきものですので、失敗を恐れずにチャレンジするスタンスが求められます。「常識を疑う」ということもそのうちの1つです。
また、難しいことをやろうとした場合、新しいことにチャレンジするということが付き物です。そのため変化することに寛容な方も求められています。
加えて、「患者さんや消費者の皆様が求めていることは何か」ということを徹底して追求しています。
そのため、相手のことを踏まえた上で仕事をすることはもちろんのこと、その仕事を自分ごと化して考えることができるかどうかが重要になってきます。
武田薬品工業
- 常に相手を中心に考えることができる方
- 誠実に相手に向き合うことができる方
- 諦めずに努力することができる方
武田薬品工業は、すべては「患者さん中心」の考え方のもと、医薬品の創出をしてきました。
それも関連して、常に相手を中心に考えることができる人を求めています。
また、企業理念として誠実であることを重要視している「タケダイズム」というものがあります。その点、相手中心に物事を考えているからこそ、誠実な対応をすることも求められています。
最後に、諦めずに努力することができる方も武田薬品に向いているといえます。これは研究を基盤としている企業でもあるためです。
研究はどうしても失敗が付き物ですし、結果が出るまでかなり時間がかかってしまいます。
そのため、特に研究職を志望している人は粘り強くものごとに取り組む力が必要になってきます。
総じて、相手のことを大事にし、ひたむきに努力できる人が武田製品工業に向いているといえるでしょう。
オリンパス
- 積極的に学ぶことができる方
- 周囲を巻き込んで何かを成し遂げた経験がある方
- 主体的に行動することができる方
オリンパスは医療分野の成長を加速し、世界レベルのトッププレイヤーになることを目標としています。
加えて、技術革新や新しい価値創造を実現するためには学ぶこと・変化することが必要不可欠です。
そのため、変化に柔軟に対応できることも必要ですが、積極的にものごとを学ぼうとする力が求められます。前向きに挑み続けていく姿勢が望ましいです。
また、周囲を巻き込んで何かを成し遂げたことがある人にも向いています。技術職はチームプレーな一面もあり、メンバーと一緒に業務を進めていく必要があるからです。
この点、自分でしっかり考えた上で主体的にものごとを考えられるかも求められます。
ヘルスケア業界の採用スケジュール
大塚ホールディングスの採用フロー
- 会社説明会
- エントリーシート提出
- 適性検査
- 筆記試験
- 面接(個人・グループ)
- 最終選考
- 内定
大塚ホールディングスの選考はオーソドックスなフローとなっています。
筆記試験は企業オリジナルのものが出された年もあるとのこと。そのため過去問を手に入れておくことをおすすめします。
面接は個人面接の場合もあれば、集団面接の場合もあります。そのため、どちらでも対応できるように準備しておきましょう。
ちなみに研究技術職の場合は、個人面接のみとなっています。
また、面接の回数は職種によって若干異なりますので、自分が受ける職種はどれくらい面接が必要かチェックしてみてください。
武田薬品工業の採用フロー
- WEBエントリー
- ES提出
- 書類選考
- Web適性検査受検
- 面接(1回もしくは2回)
- 内々定
武田薬品工業は、面接が職種によって1回のところもあれば、2回以上あるところもあります。どちらも基本的にESを深掘りしていくイメージです。
ちなみに面接はグループ面接が入ることもあります。
実際に19年度卒の経験者によると、学生9名×6グループで、東京本社にて1時間程度で実施されたとのこと。
そのため、個人面接と同様にある程度準備しておくようにしましょう。
オリンパスの採用フロー
- 会社説明会
- Webエントリー+適性検査
- 面接(複数回)
- 内定
オリンパスはESの提出と面接のみという比較的シンプルな採用フローになっています。
会社説明会のあとに座談会が開催されるので、もしわからないことがある場合は気軽に聞くことができます。
また、オリンパスは採用フローにおいて、面接に重きをおいています。
過去の受験者によると、最終面接は面接官3人に対して1人だったということもあるので、緊張はすると思いますが、変に気負いせずいつも通りを心がけましょう。
2021年度においては説明会や面接など、すべての採用活動がオンライン開催となっていました。
ただ、2022年度は変更がある可能性もあるので、公式HPを必ずチェックするようにしてください。
ヘルスケア業界のインターン情報
大塚ホールディングスのインターンシップ
大塚ホールディングスは2種類のインターンシップを開催しています。大きな違いは以下の通りです。
種類 |
内容 |
研究技術職・生産職 WEB交流会 |
1dayで仕事体験・交流が目的 |
営業職3daysインターンシップ |
3日にわたる営業職の体験 |
研究技術職・生産職 WEB交流会に関しては、主に社内の仕事内容や他の方との交流がメインになります。
加えて、自身の研究内容がどのように仕事に結びつくかを考える機会ともしています。
そのため、まだ企業研究が進んでいない方や研究・生産職で知り合いを作りたいという方に向いているインターンシップです。
また、営業職3daysインターンシップは、3日間にわたって営業職に関する仕事を体験するプログラムとなっています。
グループワークや現場同行を通じて、大塚ホールディングスでの営業職について理解することが目的です。
こちらのインターンシップは、企業研究をある程度終え、実際の業務で力試しをしたい方に向いているインターンシップになります。
武田薬品工業のインターンシップ
武田薬品工業のインターンシップは、大きく分けて4つに分かれます。
種類 |
内容 |
総合職インターンシップ |
仕事理解セッション・キャリアセッションなど |
研究職(リサーチ) |
部門紹介、企業研究者の働き方を知る、先輩社員とのディスカッション・交流等 |
研究職(ファーマシューティカル・サイエンス) |
部門紹介、企業研究者の働き方を知る、先輩社員とのディスカッション・交流等 |
開発職インターンシップ |
開発ビジネスの全体像のレクチャー・実務体験・社員交流会 |
総合職インターンシップは、仕事理解やキャリアのためのセッションを開催しています。
そのため、どちらかというと企業研究を始めたばかりで、まずはヘルスケア業界のことを知りたいという学生に向いています。
また、研究職(リサーチ/ファーマシューティカル・サイエンス)においては、部門の紹介・働き方の理解・交流など、インプットが多いプログラムになっています。
こちらのインターンシップも企業研究を始めたばかりの学生に向いているでしょう。
最後に、開発職インターンシップは開発ビジネスのレクチャーを受けた後、実際に実務の経験をします。
そのため、開発職の仕事を体験してみたいという方に向いているインターンシップです。
オリンパスのインターンシップ
オリンパスでは、過去に次のようなインターンシップが開催されていました。
- 2WEEK職場体験(技術系)
- 1DAY専攻別社員座談会(技術系)
- 1DAYソフトウェアワークショップ(技術系)
- 5DAYSビジネスソリューション体験(事務系)
技術系が主になってきますが、1dayから2weekまでの期間でインターンシップを開催しているため、自分のレベルにあったものを受けやすいです。
そのため、まずは興味があるものに対して応募していくようにしましょう。
ただし、毎回上記のプログラムが開催されるわけではありません。
そのため、HPで開催されるインターンシップの情報は逐一チェックしておきましょう。ちなみに学部1年生からでも受けることが可能です。
業界研究のやり方
業界研究においては大きく3つのステップで行っていくことで理解を深めることができます。
(1)業界全体を知る
世の中にある様々な業界ではどのような企業がどのような役割を担っているのかを大きく把握することで業界の概要を理解することができます。
代表的な企業名や職種についても調べて、自分が志す方向性を考えることがおすすめです。
(2)業界の深掘り
業界内のさらに詳しい現状や課題を調べます。
業界内の各企業の違いや、企業相互の資本関係・提携関係、業界内での業績推移、業界全体の成長の見込みなどをリサーチして、志望企業を絞り込みましょう。
(3)業界の動向把握
業界の動向をさらに細かく調べていくことで、各企業の状況を知り、自己分析と照らし合わせて具体的な志望企業・職種をまとめていきましょう。
ヘルスケア業界の業界研究
(1)業界全体を知る
まずは、ヘルスケア業界の全体を知ることが重要です。ヘルスケア業界は大きく分けて「製薬」と「医療機器」の分野に分かれます。
種類 |
企業名 |
製薬 |
武田薬品工業・大塚HD・第一三共・エーザイ・大正製薬HD・明治HD・中外製薬 |
医療機器 |
オリンパス・テルモ・ニプロ・シスメックス・フクダ電子・オムロン |
「製薬」に関連する企業は、主に治療薬の開発をしています。
製薬の製造方法の確立・品質チェック・製造とさまざまな業務を担っています。
一方「医療機器」に関連する企業は、手術や施術で必要となる機器の開発をしています。
内視鏡・X線CT・変圧器など、企業によりますが多種多様な機器を開発し、提供しています。
(2)業界の深掘りを行う
ヘルスケア業界においては、今後成長産業になる可能性が高いと考えられます。
少子高齢化が加速していることから、医療を必要とする人も同時に増えていくことが予想されるからです。
そのため、国・ヘルスケアに関連する企業がヘルスケア業界に積極的に投資をしています。
海外の企業にはなりますが、あのGAFAMもヘルスケア産業に参入している現状。日本はもちろんのこと、世界(先進国)を筆頭にヘルスケア産業は成長していくことが予想されます。
また、技術の進歩も相まって、IT化・DXが進んでいます。
日常レベルにおいては、例えばiPhoneのヘルスケアというアプリで、運動・食事などの生活に関する記録や治療薬の記録などが可能です。
医療現場だと、ロボットアームや3D CCDカメラを用いて高精度の医療提供をしています。
総じてIT化・DXを通して、医療レベルが上がりつつある現状です。
(3)業界の最新の動向を把握
特に医療サービスのみならず、市民の健康管理に企業・国が注力しつつあります。
新型コロナウイルス感染症が感染拡大したことが大きな理由です。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、テレワーク・外出自粛などが政府主導で推進されました。
しかし、従来の働き方や生活に大きな変化をもたらしたものの、運動不足・コミュニケーション不足によるメンタル悪化など、さまざまな問題が発生したのも事実です。
上記の背景があったこともあり、市民の生活管理という観点から、ヘルスケア業界全体として新たな取り組みを進めています。
2021年12月時点において、TISという企業が健康活動サポートアプリ「ASTARI」で自治体と連携し、住民の健康促進をサポートする取り組みを進めました。
このように、ヘルスケア業界全体として、IT・デジタルデバイスを通して、市民の生活管理のサポートを実施し始めています。
参考:週間BCN
ヘルスケア業界のES対策・攻略法
ESのまとめ方
エントリーシートを書く上では、次の2点を意識して書いていくようにしましょう。
・なぜその会社を志望しているのか
・自分の人物像
エントリーシートは、その人物を表す情報が詰まっている書類です。
そのため、「他の就活生と違って自分は何が得意か」「他の就活生と比べて何ができるか」ということを端的に記載する必要があります。
もっとも重要なのは、できるだけ簡潔に分かりやすく記載することです。
面接官は1日に何枚ものESを目にすることになるので、難しい単語ばかりや分かりにくい文章だとそもそも内容が伝わらない可能性が非常に高いです。
最悪の場合、ESの時点で最後まで読んでもらえずに落とされるということもあります。そのため、できるだけ平易な文章で記載するようにしましょう。
ヘルスケア業界におけるESのポイント
ヘルスケア業界におけるESのポイントは、「医療に対する思い・医療を通してどう貢献したいか」を記載することです。
医療という生命に関わるものを取り扱っている以上、非常に大きな責任が伴います。それと絡めてESも作成するとなお良いです。
ポイントは「対象とする人・なぜその治療法(アプローチ)が必要と思ったのか」をしっかり記載しておくことです。
ストレス耐性があるか
ヘルスケア業界は患者の方を対象に仕事をすることが多いため、「ストレス耐性のある無し」を見られることが多いです。
そのため、「学生時代に取り組んだこと」に対して、苦難や困難な状況をどうやって乗り越えたかを考えておきましょう。
これは、ストレスを感じた時にどのように乗り越えるかということをアピールすることにつながります。
また、苦難や困難を乗り越えた上で、どのようなことを感じたのかということも付け加えられるとなおいいです。
それを踏まえた上で、どのようなマインドで仕事に取り組むべきかというところまで言及できれば、より良いESが完成できるでしょう。
新しいことに挑戦する意欲
ヘルスケア業界は常に最新の技術を必要とすることから、新たなことに対して挑戦する気持ちが重要視されます。
そのため、若手でもチャレンジし実験と失敗を重ねて成長できる人材を求めています。
まずは学生時代に挑戦したことを述べた上で、どのような失敗や成功を重ねてきたのかをESを通じて面接官にアピールできるようにしましょう。
また、その経験から学んだことや仕事に活かしていきたいことを明確にしておくことも重要なポイントです。
ヘルスケア業界においては、医療を提供するという観点から、チームプレーが必要になる時が多々あります。
そのため周りも巻き込んで協力しながら挑戦した経験があれば、さらに付け加えるとなおいいです。
ヘルスケア業界の筆記試験対策・攻略法
ヘルスケア業界の筆記試験の内容は、主に「SPI(言語・非言語)・玉手箱・Webテスト」の形態が多いです。
市販で売られている参考書で問題ないので、1〜2冊ほど目安に試験対策をきっちりしておきましょう。
中には大塚ホールディングスのように、独自の試験を課す企業もあります。
そのため、独自の筆記試験を課す企業に関しては、過去問をできるだけ集めておくことをおすすめします。
また、筆記試験を課さない企業も見受けられます。まずは、自分が受けたい企業がどのような筆記試験を課しているかチェックしておきましょう。
ヘルスケア業界においても、早期の採用終了が相次いでいます。
そのため、間に合わなかったということがないように、採用のスケジュールを確認し、できれば2ヶ月前からじっくり準備を進めていくようにしましょう。
ヘルスケア業界の面接対策・攻略法
ヘルスケア業界の面接で実際に聞かれた質問と回答のポイントを紹介していきます。
- なぜヘルスケア業界を選んだのか
- なぜヘルスケア業界の中でも〇〇なのか
- 自己PRについて
- 自身の強み・弱み
- これまで頑張ってきたことについて
- 有機合成、薬物動態の知識があるか
- MR職に求められる資質を3つ教えてください
なぜヘルスケア業界の中でも〇〇なのか
もっとも聞かれやすいオーソドックスな質問です。どこの企業を受けるにしても必ずと言っていいほど聞かれるので、事前に準備しておきましょう。
このタイプの質問のポイントは「企業のビジョンや取り組んでいる事業」と「自身の体験・自分がなりたい未来像」をしっかり結びつけること。
これらを関連させて説明することで、なぜヘルスケア業界・特定の企業を志望するかの説得力がぐっと上がるからです。
ヘルスケア業界は特に、取り扱っている製薬・治療器具・サービスが企業によって違います。
自分は誰に貢献したいのか・何を通して社会貢献したいかをしっかり考えておきましょう。
面接は企業と学生がマッチングをするために行われるもの。そのため、その企業の価値観に合う学生の方が意気投合しやすく、採用されやすくもなります。
有機合成、薬物動態の知識があるか
過去に大塚製薬で聞かれた質問です。この質問の背景としては大塚製薬は治療薬の開発をしているとからだと考えられます。
特に研究職においては聞かれやすい質問になるでしょう。
大塚製薬では原薬の物性、製造工程の特性を正確に把握するための分析した上で医薬品を製造しています。
そのため、有機合成・薬物の他にも、攪拌、熱収支、晶析等の化学工学、構造解析や定量分析等の分析化学など、さまざまな知識が必要となってくるのです。
ヘルスケア業界・研究職として勤務するに当たって、有機合成・薬物動態の知識があることはある意味必須です。
回答のポイントとしては、「はい。「〜〜〜〜」という認識であってますでしょうか?」というように、聞かれた知識に対して簡単に説明するようにしましょう。
MR職に求められる資質を3つ教えてください
過去に大塚製薬で聞かれた質問になります。
医療分野における特殊な職種、かつ、人の生命に関わる情報を提供するということから、聞かれた質問だと考えられます。
例えば次のような資質がMR職には求められると考えられます。もちろん他にもさまざまな資質が必要とはなりますが、あくまで参考にしてください。
相手の説明や会話を聞く「傾聴力」
正しい情報を正しく伝える「説明力」
どのような治療効果があるか・副作用があるか読み取る「読解力」
答える際は、上記のように3つ資質を並べた後、「なぜそう思うか」という理由づけを必ず簡潔につけるようにしてください。
ただ必要なスキルだけを伝えても、なぜその資質が大事なのかというところが伝わらないからです。
今回の例だと、「医療という生命に関わるものを扱うことになるため、患者の方々に正しく正確に伝える力が必要になると思ったからです。」などが挙げられます。
そのほかの職種においても聞かれる可能性があるので、自分が受ける職種においては資質について考えておきましょう。