【卸売業界研究|2023年最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
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卸売業界は日々消費者として過ごしている限りでは馴染みの薄い業界です。
しかし日頃私たちが適切な価格で商品を手に入れられたり、災害時やイレギュラーな時でも物を手にできたりする裏には卸売業も関係しています。
今回は流通を支えてくれる卸売業界について、主要企業やインターン情報、ESや面接など選考にまつわる対策までご紹介します。
目次
卸売業界について
卸売業とは
卸売業はメーカーと小売業を繋ぐパイプ役です。問屋とも呼ばれます。
私たちの身近な小売店(スーパー、百貨店、コンビニ、ドラッグストアなど)の他にも、建設業や製造業、飲食店、宿泊業、食品工場などが取引相手になることも。
取り扱う商品は、メーカーが生産した商品や輸入商品、自社で開発したPB商品などを取り扱う企業もあります。
卸売業の役割
卸の役目は、商品を仕入れて販売するだけではありません。仕入れた商品を保管してくれる役割もあります。
メーカーは卸が間に入ってくれることで、1つの小売業者だけは難しかった大量の受注が可能になります。
卸売業がいなければ、商品を運んだり、様々なやり取りにおいて関わる人の負担が大きいです。
複数の企業とのやり取りを担ってくれる卸売業がいることで、メーカーは1箇所に卸すことができ、小売業は欲しい量だけを買うことができます。
卸売業が間に入ることで、効率的にモノが小売業に行き渡るのです。
他にも商品にまつわる情報を小売店に伝えたり、小売店から得られる情報をメーカーと共有したり、金融機能の役割もあります。
卸が仕入れた段階でメーカーに支払うので、メーカーにとっては小売店からの入金や売上を待たずに資金が得られるというメリットがあります。
さまざまな卸売業の会社
卸売業の会社は大きく分けると商社系と独立系に分けることができます。
商社系とされるのは元々は財閥だった三菱や三井といった総合商社や非財閥の大手総合商社である伊藤忠や丸紅が親会社である卸売りの会社です。
菓子卸の山星屋は丸紅の子会社で、日本アクセスの親会社は伊藤忠商事です。伊藤忠商事は伊藤忠食品も子会社として持っています。
三菱商事子会社の明治屋商事やフードサービスネットワーク、サンエス、菱食は経営統合し、三菱食品となっています。
そして独自で事業を展開するのが独立系の卸売業で、加藤産業やスズケン、国分グループが該当します。
卸売業はいろんな分類ができます。食品卸、酒の卸、医薬品の卸、菓子の卸、日用品や化粧品の卸、書籍の卸など様々です。
例えば、食品や菓子などの卸としては三菱食品や日本アクセス、加藤産業、山星屋、コンフェックス、高山、トップ食品などが挙げられます。卸売業の中でも食品の割合は大きいです。
生命関連商品を扱う医薬品卸の大手企業はアルフレッサホールディングスやメディパルホールディングスです。独立系のスズケンも肩を並べています。
日本酒類販売は酒類や飲料、食品を扱っており、日販グループホールディングスは書籍を扱っています。
商社との違いは
商社も卸売業ですが、商社は主に商流を担当しているという点が、卸売業者との違いです。
卸売業者がモノを保管したり、配送したりする「物流」と、情報や取引に関する流れの「商流」の2つを担っています。
しかし商社では物流を扱っていないことが多く、商社と卸は別で語られることが多いです。
また商社はメーカーが使用する原料を納入することもあり、小売業よりもメーカーに近い立場であるという点も、卸売業者との違いであるといえるでしょう。
商社は特定の分野に強い専門商社と、食品や日用品、医薬品などさまざまな商品を取り扱う総合商社に分けて考えられます。
総合商社であれば、取り扱う商品は多岐に渡り、事業投資も行なっていたりと、仕事内容に関して卸売業者とは異なってきます。
商社は卸売の業務も行いますが、仕事内容が微妙に異なっているのです。
当サイトでは、総合商社業界と専門商社業界の採用動向や面接対策なども詳しく紹介しています。興味がある方は、チェックしておきましょう。
卸売業の仕事
卸売業の仕事には、営業や物流、自社商品を作っている企業では商品開発、仕入れ、人事、事務、情報システムなどがあります。
今回は特徴のある営業と物流に関する、卸売業の仕事を紹介します。
営業職
卸売業で特徴的なのはやはり、営業職です。
食品卸ではスーパーやコンビニ、ドラッグストア、外食店などが取引先です。
新しい商品の提案はもちろん、多く企業で売り場やメニュー開発への提案をするリテールサポートも行なっています。
医薬品卸の営業職はMS(Marketing Specialist)と呼ばれており、病院や薬局とやり取りすることになります。
医師や薬剤師とコミュニケーションを取って、卸す医薬品や新しい医薬品の情報を伝えるのが仕事です。
いずれの企業でも作り手であるメーカーと、仕入れた商品を卸す小売業などの両方と関わる必要があります。そのためコミュニケーション力は必須のスキルです。
また得意先のニーズを読み取るために、相手の立場に立って物事を考える力、新しい提案をするために日々学んでいく姿勢も営業職にとって必要な要素です。
物流
物流管理や、物流企画などがあります。
物流管理の仕事は注文された商品の発注や在庫管理などが主な仕事です。少なすぎず多すぎない発注をするために、過去の数字や天気、気温などを考慮して予測を立てます。
物流企画の仕事としてはセンターの運営管理や新規センターの提案などを行います。様々なコストや配送方法、地域などを考慮して提案しなければなりません。
物流センターで働く場合は、そこで働く他の社員やパート、派遣社員とやり取りするコミュニケーション力も求められます。
卸売業界の市場規模
市場規模と現状
卸売業販売額・前年同月比増減率の推移(出典:経産省「商業動態統計速報」、グラフ作成:CareerMine編集部)
2020年の商業動態統計によると、卸売業販売額は前年比マイナス12.2%で2019年に引き続いて減少しています。
医薬品・化粧品卸業では、在宅勤務や外出自粛の傾向によって国内の化粧品への需要が減ったことなどが起因し、減少。
他の業種では輸出入が減少したことも影響しているようです。また原油、液化天然ガス、石炭の価格下落も一部の業種に影響を与えました。
2021年10月の商業動態統計速報の卸売業販売額は前年同月比6.6%の34兆円でした。また2021年の前年同月比の増減率は3月以降プラスで推移しています。
2020年はコロナウイルスの影響を受け続けた年であったため、2021年はプラスで推移していますが、2022年以降どこまで回復できるのかが重要です。
参考:経産省「2020年商業動態統計年報」
現状・動向
卸売業界を取り巻く問題のひとつに、人手不足による物流コストが上昇していることが挙げられます。
商品を配送してくれるドライバーが少ないことで、人件費が高騰しているようです。
人口減少の他にドライバーが不足している要因の一つは、長時間労働だと言われています。
時間通りに到着してもドライバーが待機しているだけの時間が発生し、時には数時間待つことで労働時間が長引いているのです。
他にも荷物の積み下ろしや夜間の運転・作業が要されることもあり、体力的にきつい仕事のイメージがついて、応募する人も少なくなっています。
今後もますますドライバーや働き手の不足が見込まれる中で、卸売企業は他業界の企業とも協力しながら、配送の時間や納品の仕方を工夫したり、ロボットやAIなどを活用して課題解決に取り組んでいます。
卸売業界の歴史
問屋から始まった卸売り
問屋とも呼ばれる卸売業。
平安時代後期から鎌倉時代にできた「問丸・問」が始まりです。
問丸・問は港や河川の近くなどに住んで、主に船を使って水上で物を運んだり、倉庫で物を保管したり、販売も行っていました。
問丸は元々荘園の年貢を輸送していましたが、後に一般の商品も取り扱うようになり、室町時代には問屋(といや)、江戸時代には問屋(とんや)と呼ばれるようになります。
江戸時代中期には特定の商品を取り扱う専業問屋も出てきたようです。
今と同じように問屋が持っている商品を小売業や他の卸業に販売し、消費者が手に入れられるという流れは江戸時代には既に出来上がっていました。
問屋が集まる場所は卸売市場と呼ばれ、大阪には堂島米市場、天満青物市場、雑喉場魚市場があり、江戸には日本橋魚市場、神田青物市場がありました。
主要企業の歴史
メディパルは1898年に創業しています。100年以上も続く老舗企業で、2004年に医薬品卸3社が合併して、規模が拡大しました。
翌年に子会社化した日用品・化粧品卸のPALTACは1898年に化粧品・小間物商として創業し、歴史が始まっています。
1952年に創業した日本アクセスも5社が合併しています。合併した1993年に株式会社雪印アクセスとなり、2004年に株式会社日本アクセスへと社名変更しました。
アルフレッサは2004年に3社が合併したことで医薬品等卸事業会社のグループとなりました。それぞれの企業は大正の1913年〜1938年に創業しており、100年ほどの歴史を持っています。
あらたは3社が統合して誕生した企業です。3社のうちの1社であるダイカ株式会社は1969年に卸企業7社の合併により発足しています。
独立系の食品卸として大手企業の加藤産業は1947年の創業です。
主要企業ではかねてより合併が行われており、持っている歴史は長いことが分かります。
卸売業界におけるトレンド・話題
卸売企業の課題解決
卸売業は物流も担っていますが、物流では人手不足によるコストの増加が課題の1つとなっています。
長時間労働や体力的にきつい仕事であることから、ドライバーを志望する人が減っています。人口減少に加えて志望する人が少なくなることで、コストが上がっているのです。
長時間労働の要因のとして、時間通りにドライバーが到着しても、待機する時間が長いことが挙げられます。
待機の原因は物流センターに到着したトラックが混み合う、検品に時間がかかる、積み降ろしに時間がかかるなど。時には数時間も待機する場合もあるそうです。
課題解決のため、物流に関わる卸売業も様々な取り組みをしています。
待機時間削減に向けた取り組み
食品卸の日本アクセスの例では、物流センターに入荷してもらう時間を物量に応じて分割することで、到着した時の混雑緩和や待機時間を削減できるように取り組み、センター全体で待機時間の削減が実現したようです。
上記の他にも納品の仕方をパレットと呼ばれるものを利用し、ひとかたまりで納品ができる方法を取り入れることで作業時間が削減されました。
化粧品・日用品、医薬品等の卸企業のPALTACはメーカーと小売業と連携して取り組んでいます。
内容としては、底にタイヤがついているキャリーと呼ばれるものを活用することで、重たい荷物の積み下ろし回数を減らし、作業時間が削減されました。
また荷降ろしにかかる時間も短くなるので、ドライバーの待機時間についても改善することができたようです。
この取り組みは卸売業やトラック事業者だけでなく、メーカーや小売業側にもメリットのある取り組みでした。
卸売業界は関わる企業の分野が幅広いです。物流を担っているからこそ、卸売業の取り組みがサプライチェーンに及ぼす影響も大きいことが分かります。
卸売業として物流に関わる課題解決に取り組むことは、消費者に安定して商品を供給するために大切です。
参考:経産省「サプライチェーン イノベーション大賞」
AIの活用
卸売業界ではAIの活用が行われています。
食品卸の加藤産業ではセンターの商品配置を最適化した改善案をAI・システムに自動作成させ、ピッキングにかかる移動距離、作業時間、生産性を改善しました。
他にもAIに物流予測をしてもらい、人員配置計画の時間の削減、人員計画レベルのバラつきの解消といった管理業務の省力や人員配置計画の高度化に取り組んでいます。
日本アクセスも需要予測と発注最適化のためにAIを用いています。
かねてより物流ではピッキング作業の一部をロボットに任せるなどしてきていましたが、AIの発展も進み難易度の高い業務を最適化してくれているのです。
人口減少によって今までよりも少ない人数で業務に取り組まなければなりません。これまでは人手でカバーできていたことにも限界がきます。
卸業界でも時代の変化に対応していくために、より高度なAIやロボットを取り入れる企業が増えてくるでしょう。
参考:株式会社日本アクセス「(サプライチェーン)全体最適化に向けた取組み」
加藤産業株式会社「第74期報告書」
卸売業界における主要企業の解説
株式会社日本アクセス
社名 |
株式会社 日本アクセス(NIPPON ACCESS,INC.) |
設立 |
1993年10月1日 |
本社所在地 |
〒141-8582 東京都品川区西品川一丁目1番1号 住友不動産大崎ガ-デンタワー |
資本金 |
26億2千万円 |
従業員数 |
3,992名(2021年3月末現在) ※従業員数は連結の就業人員 |
平均年収 |
1627万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! ※伊藤忠商事(株)として登録 |
事業内容 |
食品、水産物、農産物、畜産物、花卉等の販売・輸出入・買付・加工・商品企画・開発・品質検査・分析業務及び貨物自動車運送事業、食品安全コンサルタント業務、情報処理サービス業務 |
日本アクセスは食品の卸売企業です。全国に約530ヶ所の拠点を持っており、稼働契約車両は約8,500台有しています。
日本アクセスが取り扱う商品は「食品」ですが、常温・冷蔵・冷凍とある中で、特に「低温事業」が強みの会社です。
複数のPB商品も開発しており、チルド・フローズン商品の「Delcy」は50年以上もの歴史をがあるブランドです。
他にもドライ商品の「みやび」、生鮮冷凍キットの「ストックキッチン」などもあります。
2021年のサプライチェーンイノベーション大賞で優秀賞と食品ロス削減特別賞を受賞しています。
優秀賞は2事例で受賞しており、そのうちの1つはキユーピー株式会社との連名で、内容は簡易な検品レスの取組みに対するものでした。
株式会社メディパルホールディングス
社名 |
株式会社メディパルホールディングス 英文表記:MEDIPAL HOLDINGS CORPORATION |
設立 |
1923(大正12)年 5月6日 |
本社所在地 |
〒104-8461 東京都中央区八重洲二丁目7番15号 |
資本金 |
223億98百万円 |
従業員数 |
13,062名(連結ベース) |
平均年収 |
775万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! |
事業内容 |
持株会社として「医療用医薬品等卸売事業」、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」 ならびに「動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業」などを行う関係会社の株式を所有する事による当該関係会社の経営活動の管理・支援および当社グループにおける事業開発等 |
医薬品や化粧品・日用品の卸売企業の親会社です。子会社には化粧品・日用品などの大手卸売企業である「株式会社PALTAC」があります。
医療用医薬品等卸売事業では全国に217の拠点を持っています。
化粧品・日用品、一般用医薬品を扱うPALTACだけでも46もの拠点、その他の動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業では39の拠点があります。
子会社のメディセオは、マツキヨココカラ&カンパニーと持続可能な社会を実現するための新たな医薬品流通最適化モデル構築にむけた取組みを2021年10月より開始しています。
メディパルホールディングスは、医薬品卸業界で売上高がトップの企業で、医薬品卸における大手4社の1つです。
アルフレッサホールディングス株式会社
社名 |
アルフレッサ ホールディングス株式会社 |
設立 |
2003年9月29日 |
本社所在地 |
〒100-0004 東京都千代田区大手町一丁目1番3号 |
資本金 |
18,454百万円 |
従業員数 |
12,243人(連結) |
平均年収 |
689万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! |
事業内容 |
医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具の卸販売、製造販売、 輸出入等ならびに調剤薬局の経営とこれらに附帯する事業を行う子会社の管理等 |
株式会社アズウェル(大阪)と福神株式会社(東京都)によって誕生しました。
社名はALL(全て)+FRESH(いきいきとした)を組み合わせられたもの。グループメッセージは【「Fresh life for all.」すべての人に、生き生きとした生活を。】です。
メディパルホールディングスと並んで医薬品卸の4大企業の1社です。
卸だけではなく、医薬品等製造事業も行なっています。
取り扱う医薬品は約300社の製薬メーカーの45,000を超えるアイテムです。
PHC、富士通Japanとともに開発した個別化医療支援プラットフォーム「NOVUMN」をリリースしました。
株式会社あらた
社名 |
株式会社あらた(ARATA CORPORATION) |
設立 |
2002年4月1日 |
本社所在地 |
〒135-0016 東京都江東区東陽6丁目3番2号 イースト21タワー |
資本金 |
8,568百万円(2021年3月末) |
従業員数 |
(連結)2,997人 (単体)2,089人 (2021年3月末) |
平均年収 |
546万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! |
事業内容 |
当社は、化粧品・日用品・家庭用品・ペット用品等の卸売業を主な事業としています。 |
日用品・化粧品の卸企業です。ヘルス&ビューティーカテゴリーを強化するために、2019年コスメ事業部を設立しています。
約1,200社から10万を超えるアイテムを取り扱っており、取引する小売業はドラッグストアやスーパー、ホームセンター等の約3,500社となっています。
あらたの物流センターは全国に33拠点、コスメセンターは4拠点、デポは5拠点です。大型で高機能な物流機器を使用しています。
「ホワイト物流」推進運動の一環として、入荷予約システムを一部の拠点で導入しているようです。
商品開発も行っており、台所や衣類の洗剤やシャンプーやヘアカラートリートメントなどのヘアケア商品、ヘアアクセサリー等を開発しています。
卸売業界における主要企業の採用動向
株式会社メディセオ
- コミュニケーション能力の高い人
- 意欲の高い人
- 自己表現能力の高い人
- 元気のある人
卸の営業職としてメーカーや得意先など外部の人と関わる機会は非常に多いです。得意先のニーズを読み取るために日々のコミュニケーションが大切になってきます。
コミュニケーション能力は誰とでも話すことができるということだけではなく、人との関係を良好に保つ力があるかどうかも大切です。
チームや組織で活動する時や、相手に自分の意見を伝える時に意識していることを整理しておくと良いでしょう。
また医薬品卸の会社なので特に安心・安全が求められ、働く人にも医薬品の正しい知識が必要です。常に更新されていく情報を積極的に学んでいく気持ちを伝えましょう。
アルフレッサ株式会社
- 高い志を持ち、揚げた目標を達成するため「自ら考え自ら行動できる人」
- 幅広い年齢層や色々な考え方の方と、しっかりと「コミュニケーションを取ることが出来る人」
- 謙虚な気持ちで仕事に取り組み、「自分自身を成長させたいと思っている人」
- 人々の健康を願い、「社会に貢献したいと考えている誠実な人」
アルフレッサの理念の中では「安心」「安全」「誠実」を私たちの約束としています。
真摯や誠実であることは求める人材のキーワードの一部です。
例えばアルバイトをしていた場合、自分が誠実に行動していたと思える経験談を話してみるのと良いでしょう。
接客業をしていた人の、お客様の来店にすぐ気がつけるようにして、1番最初に声かけすることを意識していたといった話からは誠実さが伺えます。
他にも「自分で決めたことを、諦めずにやり抜く力のある人」は求める人材とも合致しているといえます。
また目標を達成するために行なったことや心がけを伝えるようにしましょう。「戦略的に考えられる」というのも、求める人材を表すキーワードとして紹介されています。
自分で振り返る時間を作り、翌日や翌週の課題を自分に与えていた、など内容を具体的にしておくことで深く質問された際にも回答しやすいです。
さらにチームなどで他人と協力した経験をいれることで、どのようにコミュニケーションを取ってきたのか知ってもらうことができます。
先輩社員のインタビューでは度々、社内でチームワークやコミュニケーションが大切にされていることが語られています。
株式会社あらた
- 誠実さや真面目さに加えてチャレンジングにものごとを考え、それをやり抜こうとする人
あらたの先輩社員のインタビューでは人柄に惹かれて、他社ではなくあらたに入社を決めている声がいくつも見受けられました。
あらたで期待される社員像は、誠実な努力を惜しまない社員、常にまじめで礼儀正しい社員、いつも情熱を燃やし意欲的で明るい社員とあり人柄が大切なポイントであるといえます。
トップのメッセージの中でも「社員のやりがいに注力している」と語られていました。
ESや面接を受ける時には、まじめさや誠実さ、礼儀正しさなどの人柄が伝わる内容や立ち振る舞いを意識すると良いでしょう。
新入社員らしい明るく爽やかなイメージが大切です。
知識や技術よりも先に「誠心誠意つとめる」ことが重要としており、人柄を伝えたうえで過去に個人やチームで実績を残した経験を通して、意欲のある部分をアピールするのをおすすめします。
卸売業界の採用スケジュール
日本アクセス
会社説明会
ES提出・WEB適性検査
<本エントリー>
書類選考
WEBテスト
面接
内定
上記は22卒の採用フローです。
説明会を経てから本エントリーとなります。
会社説明会が行われてから内定までは約2ヶ月程。面接については合計で3回行われました。一次面接はグループだったようです。
採用の特徴は人物重視とのことなので、面接で自分のことを理解してもらえるよう取り組むと良いでしょう。
メディパルホールディングス
グループ会社ごとに採用活動が行われています。
医療用医薬品等卸売事業会社は4社で、化粧品・日用品、一般医薬品卸売事業会社は株式会社PALTACでの採用です。
グループ企業の1つ株式会社メディセオを例にご紹介します。
会社説明会(動画)
筆記試験
面接
適性検査
内々定 6月
上記は22卒のスケジュールです。適性検査・筆記試験はWebで行われました。グループワークやグループディスカッションはないようです。
アルフレッサ
アルフレッサホールディングスではグループ会社ごとに採用が行われています。下記はアルフレッサ株式会社の22卒向け採用フローです。
公式サイトからエントリーすることで詳細を知ることができます。
会社説明会(動画)
ES、適性検査
動画選考
Web個人面接
最終個人面接
内々定
薬剤師職志望の人は動画選考はありませんでした。会社説明会は動画を視聴して参加することができ、任意参加だったようです。
また23卒向けのアルフレッサグループ合同セミナーが、2022年1月22日にオンラインで行われます。
特設ページからエントリーが可能です。
あらた
下記は22卒向けの採用フローです。
マイページに登録
会社説明会 3月〜
書類選考
面接・適性検査など 4月〜
内々定 6月
選考でのグループワークやディスカッション、面接はなく、面接については個別で2回実施されました。
会社説明会への参加は任意だそうです。説明会や選考に関する詳細はマイページで案内されます。
公式サイトからエントリー可能です。
卸売業界のインターン情報
日本アクセス
食品卸売業のリアルがわかる仕事体験イベント
業界や企業の説明に加えて、食品卸業で働く営業の仕事を体験することができるプログラムです。
実際に行っている売り場作りの提案業務をグループワークをしながら学べます。
インターンに参加した人には、他のイベントや情報提供の機会が与えられるようです。
◆概要
開催日程:2021年10月〜2022年2月
開催場所:WEB
実施日数:ワンデー(2〜3時間)
募集人数:約50〜60名/回の予定
◆選考ステップ
選考なしの先着順となっています。
メディセオ
医薬品卸・メディセオで働く社員が『大切にしていること』を知る
業界や会社の説明、営業職・薬事管理職の働き方や業務内容について知ることができるワークなどが行われます。
対面で実施している場合は、先輩社員への質問会もあります。
12/16に実施されるのは中部エリアにて対面実施の追加分です。
◆概要
開催日程:11/26、11/30、12/3、12/7、12/13、12/16
※応募締め切りは2021年12月15日
開催場所:WEB/対面
実施日数:ワンデー
募集人数:30名程度/回
◆選考ステップ
選考なしの先着順となっていますが、応募者多数の場合は抽選になる場合があるようです。
その他にメディセオで実施されていたインターンシップは下記の通りです。
<ワンデーのインターンシップ>
医薬品卸業界の営業職を模擬体験!(宮城、東京、愛知、大阪、兵庫)
医薬品卸業界の薬事関連職を模擬体験!(東京、大阪)
→12月〜2月頃に開催されます。
<4DAYSのインターンシップ>
医薬品卸業界の営業職を模擬体験!(東京)
医薬品卸業界の薬事関連職を模擬体験!(東京)
→8月に4日間で開催されました。
PALTAC
リーディングカンパニーで学ぶ、美と健康の商流とその裏側
業界やPALTACの取り組みについて知ることができます。
インターンシップ内で行われるワークは社内研修でも使われているワークで、「お客様目線で考える」ということを体感できます。
社会人として必要なことを考え、グループで共有する内容も。
グループワークでは社員からフィードバックがもらえます。他にも人事の人に質問ができる機会もあるので、気になることは聞いてみましょう。
◆概要
開催日程:2021年11月〜2022年3月(9時と14時の2コマ)
※応募締め切りは2022年2月28日
開催場所:WEB/対面
実施日数:ワンデー(3時間程度)
募集人数:最大40名
◆選考ステップ
選考なしの先着順となっていますが、応募者多数の場合は抽選になる場合があるようです。
業界研究のやり方
業界研究においては大きく3つのステップで行っていくことで理解を深めることができます。
(1)業界全体を知る
世の中にある様々な業界ではどのような企業がどのような役割を担っているのかを大きく把握することで業界の概要を理解することができます。
代表的な企業名や職種についても調べて、自分が志す方向性を考えることがおすすめです。
(2)業界の深掘り
業界内のさらに詳しい現状や課題を調べます。
業界内の各企業の違いや、企業相互の資本関係・提携関係、業界内での業績推移、業界全体の成長の見込みなどをリサーチして、志望企業を絞り込みましょう。
(3)業界の動向把握
業界の動向をさらに細かく調べていくことで、各企業の状況を知り、自己分析と照らし合わせて具体的な志望企業・職種をまとめていきましょう。
卸売業界の業界研究
(1)業界全体を知る
卸業界は流通において小売業とメーカーを繋ぐ役割を果たしています。
具体的にはお金や所有権、商品の情報などの流れの「商流」とモノをメーカーから仕入れ小売業や他の卸売業へと流す「物流」の役割を担っているのが卸売業です。
卸売業では食品や医薬品、化粧品、日用品、酒、書籍、菓子のように分類されており、例えば医薬品を扱いたい人は医薬品卸の会社で働くことになります。
卸売業の中では食品卸が占める割合が大きいです。
卸売業の仕事で特徴的なものはメーカーと小売業の両方とやり取りをする営業の仕事と、物流の仕事です。
医薬品卸で営業職はMS(Marketing Specialist)と呼ばれています。
(2)業界の深掘り
卸売業の会社は総合商社の子会社として事業を行う商社系の企業と、独自で繋がりを作り出して事業を行なっている独立系の企業に大きく分かれています。
卸売業の会社は総合商社の子会社として事業を行う商社系の企業と、独自で繋がりを作り出して事業を行なっている独立系の企業に大きく分かれています。
商社系の例は三菱商事の子会社である三菱食品や、三井物産を親会社に持つ三井食品などです。
独立系の例では食品卸の加藤産業や国分グループ、医薬品卸のスズケンが挙げられます。
卸業界では業務提携やM&Aが行われており、三菱食品は4つの卸が経営統合してできた会社です。
日本アクセスは2019年に伊藤忠商事の完全子会社になり、医薬品卸のメディパルホールディングスでは日用品卸のPALTACが子会社となっています。
他にも卸同士の業務提携や包括提携は多く、食品と医薬品、日用品のように種類を超えて繋がっているのです。
卸売業界は人手不足による物流コストの高騰が課題として挙げられており、各企業はメーカーや小売業、トラック事業者などと協力しながら解決に向かって取り組んでいます。
他にも業務の最適化のためにAIやロボットも活用されています。
卸売業が抱える課題としては、メーカーと小売が直接やり取りをしたりECを活用したりすることで、卸を通さない動きも出てきており、仕入れた商品を卸す以外にも、小売業に経営的なサポートを行うリテールサポートも重要となっています。
(3)業界の動向把握
卸売業界は小売業など関連する企業の影響を大きく受けるため、PEST分析を行うことが重要となります。
PEST分析とは、政治、経済、社会、技術といった4つの観点からマクロ環境(外部環境)を分析すること。
卸売業界のイメージをより具体的にしていきましょう。
・新卸売市場法の改正
民間業者も中央卸売市場を開設できるようになったり、小売店が仲卸業者を介さずに卸業者から購入できるようになったり、仲卸業者と産地の直接の取引が可能になったりなどがあります。
卸売市場への影響は大きいです。
・ホワイト物流
国土交通省は「ホワイト物流」推進運動を行っています。トラック運転者不足や、物流を安定的に確保すること、経済の成長に寄与することを目的として始まりました。
荷待ち時間の削減や、積込み降しといった重労働、夜間作業、適切な配車に対して取り組んでいます。
・物流コストの高騰
人口が減少し、働き手が不足することはいずれの業界でも起きることですが、卸売業界では物流を担うドライバー不足が既に起きています。
要因としては長時間労働、体力的にきついイメージといったことから応募してくる人が少なくなっていること、最低賃金の改定などによってコストが上がっています。
・人口減少/消費の変化
人口減少によって、現時点で少ないドライバーがさらに少なくなっていくことが挙げられます。ドライバーの高齢化もすすんでおり、定年を迎えた後に多くの人手が減ってしまいます。
消費者の需要の変化もあります。共働き世帯が増え、手軽に食べられる食品への需要が伸びていたり、健康志向によってこれまで以上に体に良い食べ物が求められています。
・AIやロボット
物流が大きな役割を果たす卸業界では、あらゆる場面でAIやロボットが活用されています。
ロボットを取り入れることでピッキング作業を効率化したり、AIによる需要や物流の予測をしてくれたりと、人間の作業時間を短縮するのに役立っているのです。
今後はより少ない人数で業務を遂行しなければならないので、効率的に業務を進められるAIやロボットの力は必須です。
卸売業界のES対策・攻略法
ESは限られた文字数で、自分のことを伝えるのが大きな役割です。選考における第一印象となるので、力を入れて取り組みましょう。
書き方としては結論から書き、具体的な内容も簡潔に盛り込めると読みやすくなります。
実際に取り組んだこと、取り組んだ動機、取り組みによって感じた・得られたことなどが伝わるよう、本当に伝えたいことは何か、繰り返し考えることで簡潔にまとめられるようになります。
ESのポイント
卸売業はメーカーと小売の間で双方の橋渡し役となる仕事です。また物流も担っているのが卸売の特徴です。
卸売業では様々な人と関わることが多く、取り扱う商品も食品や医薬品、日用品、酒、菓子のように特化していることが多いです。
様々な立場の人と関わるにあたりコミュニケーション力や人柄が大切です。
実際に聞かれていた設問も交えて、卸売業界におけるES記入のポイントをご紹介します。
<コミュニケーション力について>
・相手の立場に立って行動した経験談
卸売業界ではメーカーと小売業という異なる業種の人たちと深く繋がることで流通を支えています。
そして組織の中で働く限り複数の人と関わる必要があり、社内でも物流と営業では置かれる状況は異なります。
立場の異なる人と関わる上で重要なのは、コミュニケーション力です。話をするだけがコミュニケーションではなく、相手の視点に立って物事を考えられるかどうかも重要です。
立場や置かれている状況が異なれば考え方にも違いは出てきます。
人と協力して何かに取り組んだ時に、相手を思いやることで自分の考え方に変化が生じ、成長を感じた経験談を取り入れてみると良いでしょう。
■自分自身の人柄について
・長所と短所は何か
・自分はどんな人だと思う?また周囲からどんな人だと思われている?
上記は実際に複数社で聞かれていた設問です。自己・他己分析をしっかり行うことで答えが見えてきます。
卸売業は社内外で異なる立場の人と話す機会が多いからこそ、人柄も大切なポイントです。
周囲の人にも自分の印象に聞くなどして、長所や短所、どんな人であるかを明確にしておきましょう。
内容としてはまじめさや誠実さ、明るく人と話すことを楽しめる、成長しようと行動できる人間であることが伝わると、卸売業で求められる人材とも合致するのではないでしょうか。
接客業と異なり学生時代に業務の一部を経験することが難しく、入社してから初めて経験することが多いので、意欲的な姿勢が大切です。
例えばアルバイト、ゼミ、サークル、ボランティア、趣味などにおいて、何かをするに当たり、行動を起こした経験談があれば行動力が伝えられます。
目的を達成するために、どこかへ出向いた、誰かに話を聞きに行った、といった行動が含まれていると分かりやすいです。
卸売業界の筆記試験対策・攻略法
筆記試験はESや面接よりも力を入れるのを忘れてしまいがちですが、対策ができる筆記試験で落ちてしまっては勿体無いので、早いうちから少しずつでも対策をして、余裕を持って就職活動に取り組みましょう。
卸売業の筆記試験はSPIや玉手箱の形式を取っている企業が多いようです。
ただ年度によってはeF-1GやTG-WEBが出されたとのことなので、他の企業の試験を受けていろんな形式に慣れることもおすすめです。
筆記試験の対策としては、SPIの基本的な問題を解けるようにしてから受けていたとの声が見受けられました。
中には2回性格診断を行っていた企業もあるようで、人柄が重要視されているのではないでしょうか。
市販されているSPIやWebテスト対策用のテキストを活用して、基本的な問題は解けるようにしておきましょう。
卸売業界の面接対策・攻略法
卸売業界の面接で実際に聞かれた質問と回答のポイントを解説していきます。
- 学生時代に頑張ったことは何ですか?
- メーカーでなくてなぜ卸?
- 入社してからどんな働き方をしたい?
- なぜ独立系なのか?
- 同業他社との違いは?
メーカーでなくてなぜ卸なのか?
この質問に回答するには、まずメーカーと卸の役割の違い、消費者に商品が届くまでの流れを知っておくことが大切です。
メーカーは基本的に製造することに集中し、力を入れています。
卸はメーカーが作ったものを仕入れて保管・管理し小売業へと卸す、メーカーと小売を繋ぐことが大きな役割です。
両者の役割を踏まえたうえで、卸を選んだ理由を答えられる状態にしておきましょう。
メーカー以外の商品も幅広く扱える点やメーカーよりも消費者に近い位置で仕事ができる点はメーカーではなく卸で働くことの魅力であると言えるでしょう。
他にも小売店に情報を伝える役割を持っており、消費者の声以外にもメーカーの商品へ思いや知識を知ることができるというのも卸のポイントです。
なぜ独立系なのか?
独立系とそれ以外の卸売業がいることを理解しておく必要があります。違いを知った上でなぜ独立系を選んだのかを答えられるようにしておきましょう。
卸売業界では財閥だった三菱や三井、大手総合商社の伊藤忠といった総合商社の子会社として事業を行なっているケースが多いです。
グループ会社には金融や不動産など卸以外の会社があります。特に食品卸に多いです。
一方で独立系と呼ばれる卸売の会社もあり、商社の子会社としてではなく、独自のネットワークを持って事業を行なっているのが特徴です。
独立系の強みは取り扱える商品の幅が広く、メーカーや小売業と独自の繋がりを築き上げてきた力があるという点です。
良くも悪くもグループとしての影響を受けることなく、他の企業と協業したり、自由に事業を展開できたりします。
同業他社との違いは?
卸売業界は食品、医薬品、日用品など複数の分野に分かれています。
食で笑顔を広げたいから、医薬品は人の健康に関われるから、一番身近な日用品だからといったように、まずは自分がなぜその取り扱い商品を選んだのかを明確にしておきましょう。
そして企業間での違いを見つけ、自分がなぜその会社に惹かれたのか考えてみると良いです。
特に企業の採用ページには情報が詰まっているので、複数社見比べてみましょう。
他にもOB訪問やインターンに参加してみると、ネットでは見つけられない取り組みや会社の雰囲気を知ることができます。