【介護業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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介護業界は少子高齢化が進む日本では需要の多い業界であり、今後も市場が増えていくことが見込まれています。
介護ニーズの高まりにより、人員確保のために採用枠を拡大している企業も増えています。
また、資格次第で給料が上がったり、長く働いてもらうために働きやすい環境を整えている企業も多いので、企業研究をしっかりと行い、自分に合う企業を探すことも大切になります。
就活をスムーズに進めていくためにも、まずは業界研究をきちんと行い基礎知識を身に付けて、高評価を得るような質の高いESを書き上げていきましょう。
介護業界の採用動向や面接対策など、詳しくはコチラの記事をチェックしてください。
目次
介護業界のES設問例
1志望動機(250文字以下)(共通)
2ストレスを感じるほうかどうか、またストレスの解消方法をご記入ください。(22年 ニチイ学館)
3入社後に取り組みたいことについてご記入ください。(250文字以下)(2019年 ニチイ学館)
4「あなたらしい」と思うエピソードについて、ベスト3を選びどこがあなたらしいかをわかりやすく簡潔にご記入ください。(※各100字以内)(2019年 ニチイ学館)
5会社に求めること(400文字)(2019年 シップヘルスケアホールディングス)
設問例1:志望動機(共通)
就活において必ず聞かれるこの設問は、質問の意図をきちんと理解して他の応募者と差別化が図れるように準備していきましょう。
この質問では下記がみられています。
■企業とのマッチ度を知る
志望動機を聞くことで応募者が企業とマッチする人材なのかどうかを見極めています。
マッチ度が高い応募者は入社後の活躍が期待できるため企業はマッチする人材が欲しいと考えています。
反対にマッチ度が低い応募者は早期退職の可能性があるため積極的に採用されにくいでしょう。
■企業への志望度を知る
数ある企業の中から「なぜその企業なのか」明確な理由が把握できれば、企業への志望度は高いものだと判断されます。
志望動機が曖昧な場合は企業について調べていないと受け取られて、志望度が低いと判断されてしまいます。
回答例1
私は介護を通して「社会貢献」を行いたいと考えています。その中でも貴社は「世界に誇れる豊かな長寿国日本」の実現を目標に掲げており、私の目標が的確に実現できると思いました。また、国内損保事業を中心に様々な事業を展開しているからこそ、いち早く世の中のニーズを把握することができるため、より良い介護サービスを提供できる環境に魅力を感じました。
私は大学時代のボランティア活動で行動することの大切さを学びました。この学びを活かして入社後は、施設利用者様の求めるニーズをいち早く把握するために積極的に行動を起こして、長寿国として誇れる国創りへ貢献する活躍をしたいと考えています。
志望動機で大切なことは他の企業との差別化です。
きちんと企業研究を行い、その企業だけに当てはまる理由を記述しましょう。
設問例2:ストレス耐性について
この質問は応募者のストレス耐性を見極めるためにされる質問になります。
介護の仕事は対人になるので、自分の考えや行動が全て受け入れられる事が難しくあります。
そのため、いかに自分の行動が相手にとって求められるものなのか、利用者様一人一人と向き合いながら感情コントロールすることが求められます。
この質問では下記がみられています。
■ストレス耐性を知る
ストレスが原因で辞職する人が多いため、企業にとってストレス耐性を知ることは採用にとって重要なポイントとなります。
また、介護におけるサービスや自分の行った行動が利用者にとっては行って欲しい援助ではなかったという場面もあります。
そのため、その都度自分の感情をコントロールしていかに相手を第一に考えて言動することが出来るように冷静な判断が求められます。
応募者がストレスコントロールを上手にできる人材なのかを知ることで、企業に合う人材なのかどうなのか見極めています。
■課題解決能力を知る
働く上で何らかの課題にぶつかることがあるため、ストレスを感じた際の解決方法から課題をどのように解決する人物なのかを知る判断材料としています。
回答例1
私はストレスをあまり感じない方ですが、ストレスだと感じる場面をひとつ挙げるのであれば「予定を急にキャンセルされたとき」です。予定に対して楽しみにしていた気持ちが台無しになってしまうので、残念な気持ちになりストレスを感じます。しかし、すぐに気持ちを切り替えて、好きなことが出来る時間が増えたのだと前向きに捉えています。
私はカフェ巡りが趣味なので、お気に入りのカフェや初めて足を運ぶカフェで大好きなコーヒーをゆっくり味わうことでストレス解消になります。
回答例2
私はアルバイトでレジ打ちをしていて、打ち間違いが起きた際にストレスを感じます。失敗の原因は自分がせっかちな性格のあまり、正確にボタンを押せていなかったり、読み取りがうまくできていないことにありました。
そこで、少し時間がかかっても落ち着いて正確なレジ打ちを心掛けることでミスの回数も減りストレスを感じることが少なくなりました。この経験から、失敗には必ず原因があるため、原因をしっかり追及して解決方法を見つけることがストレスを感じない方法だと感じました。
ストレスを普段から感じている内容はかえって応募者の印象を悪くしてしまう可能性があります。
ストレスを感じることに対して、柔軟に対処することが出来る性格であることをアピールしましょう。
設問例3:入社後に取り組みたいこと
この質問は就活を進めていく上でよく質問される定番の質問のひとつになります。
はじめに結論を簡潔に述べてから具体的な理由を記述することで説得力のある内容に仕上がります。
この質問では下記がみられています。
■企業への志望度を知る
入社後の目標を聞くことで、応募者が企業ついてどれだけ調べているのかを把握することができます。
具体的な内容を聞くことが出来れば企業への志望度は高いものだと判断されます。
反対に取り組みたいことが曖昧な場合は、志望度が低いものだと判断されてしまい積極的な採用はされないでしょう。
■仕事に取り組む姿勢や価値観を知る
取り組む姿勢を知ることで応募者が企業でどのように活躍してくれるかイメージすることができます。
また、価値観が企業と同じ方向性か把握して企業とマッチする人材なのか見極めています。
回答例1
私は入社後、30歳までにセンター長になりたいと考えています。まずは現場において介護サービスの経験を積み、基礎知識を身に付けて仲間や利用者様から信頼・必要とされる職員へ成長したいと考えています。そのために、入社後の研修にきちんと取り組むことはもちろん、その上で仲間や利用者様との信頼関係構築に尽力したいと思います。
また、任された仕事を行うだけでなく、自主性を持って取り組み、一人一人の要望やその時代が求めるニーズに柔軟に対応して必要とされる人材になれるよう取り組んでいきたいと考えています。
回答例2
私は通所介護サービスにおいて「利用者様が笑顔になる空間創り」に取り組んでいきたいです。そのためには、一人一人をよく観察し求めていることを的確に把握することが大切だと考えています。その上で、利用者様を第一に考え親身に寄り添いお手伝いや元気を与えられるようなコミュニケーションを取りたいと思います。
最終的には「私が居るから通いたい」と言っていただけるように、お客様にとって笑顔になれる空間に必要とされる人材になれるように働きかけたいと考えています。
企業への熱意を伝えるために、まずはきちんと企業理解を深めることが重要となります。
そのうえで自らが想うビジョンを明確に伝えましょう。
設問例4:「あなたらしい」と思うエピソード
「あなたらしい」と思うエピソードについて、ベスト3を選びどこがあなたらしいかをわかりやすく簡潔にご記入ください。(※各100字以内)(2019年 ニチイ学館)
この質問は応募者がどのような人物か把握する意図があります。
自己分析をきちんと行い、しっかり「自分自身」の良さをアピールできるようにしましょう。
この質問では下記がみられています。
■人柄を知る
応募者がどのような人柄でどのような価値観を持っているかを把握して企業に合う人材かどうかの判断材料としています。
■コミュニケーション能力を知る
自分らしさをいかに魅力的にどう伝えるかを把握することでコミュニケーション能力を把握する狙いがあります。
介護業界は対人の仕事が多いため、相手の話を聴く力や伝える力は重要なスキルになります。
回答例1
- 大学受験の際にあえて倍率の高い学科を受験したことです。挑戦することに対して、自分に厳しく向き合う性格から行った選択でした。そうすることで妥協すること無く、努力することが出来ます。
- アルバイトで明るさと親しみやすさを買われて、新人教育係を任されました。誰とでも仲良くなれる性格なので、初めて会う人でもすぐに親しくなることができ、よく周りから「人あたりが良い」と言われます。
- 大学生の頃、人間関係に悩んでいる友人がおり、相談を聞いていたら夜が明けていたことがありました。困っている人がいたら力になりたいと考えてしまう性格のため、話を親身になって聞くことに徹しました。
回答例2
- 予定を立てることが好きで友人と旅行に行く際にオリジナルのしおりを作りました。予定を立てたことにより、行きたい場所へ漏れなく時間通りに行くことが出来ました。無駄がなく充実した旅行になったと喜んで貰えました。
- 相手を喜ばせることが好きで、友人の誕生日にサプライズパーティーを開き、主役に関わる友人を50人を呼び開催しました。相手を思いやる気持ちと行動力が表れた誕生日会でした。
- 思い立ったら即行動する性格なので、語学力を身に付けたいと思い、留学について調べて半年後にマルタへ語学留学に行きました。まったく会話ができない状態で大変でしたがとても良い経験ができました。
企業の求める人物像を把握した上で、自分らしさを考えてみましょう。
企業の求めている部分に近いエピソードをあげられるとなお良いです。
設問例5:会社に求めること
この質問では下記がみられています。
■企業とマッチする人材か知る
応募者の求めることと企業が求めることの方向性がある程度同じであればマッチ度が高く判断でき、入社後の活躍が期待できます。
■企業理解をしているか知る
企業についてどれだけ調べているのかを知ることで、企業への志望度を把握する狙いがあります。
当然企業は志望度の高い人材を採用したいと考えているので、企業にとって重要な質問になります。
■就活生の求めていることを知る
多くの優秀な人材を集めるためには、就活生の求めていることに企業が合わせる事も必要になることがあります。
就活生の意見を参考にする狙いもあります。
回答例1
私が会社に求めることは「実力主義な環境」です。私は働く上で個人スキルを高めていきたいと考えており、早い段階で役職に付けるまで成長したいと思っています。新規事業や大きな事業に若いうちから挑戦できる環境があるからこそ、仕事のやりがいや熱意を抱き続けられると考えます。
また、介護職においてもきちんと知識を身に付けて経験を積んだ上で仕事に取り組む姿勢や、働く仲間や利用者様等から評価をいただける環境であれば、働く側のやる気や士気も上がり利用者様へより良いサービスを提供することに繋がると考えています。
このように、若いうちから様々な事へ挑戦する機会をいただくことができ、自身の頑張りや実力が認められる環境があれば、私が働く上で大切にしている「個人のスキルアップ」を叶えられると考えています。以上の理由から私は、年功序列ではなく実力主義な環境を貴社へ求めます。
回答例2
私が求めることは「挑戦できる環境」です。私は介護サービスを通して多くの人の人生を豊かにすることを目標としています。そのために、マニュアル通りいつもと同じ事を行うのではなく、一人一人の利用者様のニーズに合わせた関わり方を自ら提案し、施設利用者に通う楽しみを抱いてもらえるような取り組みを行っていきたいと考えています。
施設に通う楽しみを感じてもらうために、どのようなことを行えばいいのか、様々なことに挑戦して答えを見つけだす環境があれば、私の目標を達成できると思います。
また、新しい取り組みに挑戦することで職場に新鮮な空気を流すことができ、施設の雰囲気も明るく活気のある職場になると考えます。より良い施設の環境作りという意味でも新しいことにはどんどん挑戦すべきだと考えています。
会社に求めることを伝えるだけではなく、自分が企業にどのように貢献できるかまで伝えましょう。
そうすることで、求めることの具体性が出て採用担当者へ好印象を与えつことができます。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
介護業界はどんな人材を求めているのか
介護業界全般的に求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- 明るく元気で前向きな人材
- 協調性がある人材
- 人のために尽くせる人材
- 自主性を持ち最後までやり遂げる力がある人材
明るく元気で前向きな人材
笑顔で明るく挨拶が出来る人材は職場の雰囲気を明るくしてくれるので介護業界にとって重要なポイントとなります。
また、高齢者との関わりが多いため、ハキハキと大きな声で会話することは必須です。
高齢者にとっても聞き取りやすく、会話によって元気を与えることができます。
協調性がある人材
一緒に働く仲間へ配慮する気持ちを持ち、良好な関係を築ける人材が求められます。
介護業界の仕事は仲間と連携して取り組む内容が多くあり、仲間と息を合わせた適切な行動を取ることが必要になります。
より良いサービスの提供、より良い施設作りのために働く仲間をはじめ、利用者様、ご家族など関わる全ての方と協力する心構えが大切になります。
人のために尽くせる人材
介護職では特に利用者様を第一に考えて、相手のためにベストを尽くす言動が求められます。
介護をサービス業と捉えて、相手の立場に立った丁寧な行動を取り、親身になって柔軟に対応する心がけが必要となります。
自主性を持ち最後までやり遂げる力がある人材
与えられた仕事をこなすだけでなく、自分の仕事に責任を持ち、自ら考えた上で最後までやり遂げることが求められます。
介護業界の仕事は命に関わる重要な仕事がたくさんあります。
その中で、ただ仕事をこなすのではなく責任感を持ちながらいかに相手のために自分に何ができるのか考え、行動することが大切になります。
介護業界で一番大切なことは「人間を尊重し、相手を思いやる気持ちを持つ」ことです。
一緒に働く仲間や利用者様を思いやることで、今自分がやるべきことは何なのか分かるようになり、どのポジションでも活躍できる人材になることでしょう。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも業界全体での話となります。
ご紹介した内容にすべて当てはまる必要はありません。
企業や職種によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあるでしょう。
また、大切なことは他のどの企業でもなく、その企業だからこそ志望する理由、他の企業ではダメな理由を加えて採用担当者へアピールできるとより高評価を得られるでしょう。