【クレジットカード業界研究|2023年度最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
公開日:
最終更新日:
「クレジットカード業界」と聞いて、皆さんはどんな企業をイメージしますか?
多くの人は、「クレジットカードを発行する企業」をイメージするのではないでしょうか。
もちろんこれもクレジットカード業界に属する企業ですが、この他にも違う業態の企業がいくつかあり、それら全ての業務が噛み合うことで、「クレジットカード業界」のサービスが成立しています。
本記事では「クレジットカードを発行する企業」に焦点を絞り、業務内容や特徴、面接対策について深堀をしていきます。
クレジットカード業界の業務や特徴を理解した上で、自分には何が向いているか、どのように働きたいかイメージしながら業界研究を進めていきましょう。
目次
クレジットカード業界における4つの役割
クレジットカード業界には大きく分けて4つの分野が存在します。それぞれの役割をしっかりと理解しましょう。
イシュア(クレジットカード発行会社)
イシュアは「クレジットカードを発行」する会社を指します。
カード利用者の拡大や管理を主に行なっています。
カードを利用する消費者と国際ブランドを取り次いでいて、消費者に対し独自のポイントやサービスを付加価値として提供しています。
「楽天カード」や「三井住友カード」などがこれにあたります。
アクワイアラ(加盟店契約会社)
アクワイアラは「加盟店の開拓や管理」を行う会社です。
国際ブランドと加盟店を取り次ぐ役割を担っています。加盟店とは、クレジットカード決済を導入する店舗のことで、消費者が買い物をする店舗などがこれにあたります。
日本国内ではイシュアがこの業務を兼任している場合が一般的です。
国際ブランド
国際ブランドとは、クレジットカードの決済システムを提供している企業で「Visa(ビザ)」や「MasterCard(マスターカード)」などがこれにあたります。
主要な国際ブランドのほとんどが海外企業ですが、「JCB」は日本発祥の国際ブランドです。
加盟店はアクワイアラを通すことで、国際ブランドが提供する決済システムを利用しています。
決済代行会社
決済代行会社は、アクワイアラと加盟店の間に入り、「契約手続きや売上入金管理」などを「代行」している会社です。
加盟店が複数のアクワイアラと直接契約を結ぶと、様々なカード決済で発生する膨大な数の売上金管理が非常に複雑になってしまいます。
そこで決済代行会社が間に入り、管理をまとめて代行することで、決済サービスの導入をより簡単にしているのです。
以上の4つの分野が1つとなり、「クレジットカード決済」というサービスが消費者に提供されています。
ここからは、「イシュア」と「アクワイアラ」を兼業する、日本の「クレジットカード会社」について詳しく説明していきます。
クレジットカード業界の主な業務
クレジットカード会社の業務は主に3種類で、「イシュア業務」「アクワイアラ業務」「セキュリティ業務」があります。
それぞれの業務について詳しく見ていきましょう。
イシュア業務
イシュア業務は、「Visa(ビザ)」や「MasterCard(マスターカード)」などの国際ブランドと契約を結びライセンスを取得します。
そして消費者に対してクレジットカードを発行して、カード利用に応じて独自のポイントや特典をサービスとして提供するのです。
顧客のニーズを把握し、より魅力的な付加価値を付けることで、自社カードの会員獲得、拡大をしていきます。
アクワイアラ業務
アクワイアラ業務は、クレジットカード加盟店の開拓や管理を主な業務としています。
国際ブランドと加盟店の間を取り次ぐような役割を果たしており、クレジットカード決済による売り上げを立て替えて加盟店に支払っています。
加盟店は決済サービスの利用手数料をアクワイアラに対して支払いますが、即時に売上金を回収できるメリットがあります。
海外ではイシュアとアクワイアラは別々の企業の場合が多く、イシュアと加盟店は直接的な関わりは無いですが、日本国内ではクレジットカード会社が両方の業務を行う場合が一般的です。
セキュリティ業務
クレジットカードを発行する上で非常に重要なのが「カードの安全性」です。
利用者にとって最も恐ろしいのは、カードの盗難や不正利用によって犯罪やトラブルに巻き込まれること。
独自の特典やサービスで顧客満足度を高めることも大切ですが、「安全に、安心して利用できる」ことが大前提です。
カードの安全性の向上・維持に取り組むのがセキュリティ業務になります。
クレジットカード業界の主な職種
企画調査・マーケティング
クレジットカード会社の戦略や経営について市場を調査して、戦略や企画の立案、管理などを行います。
顧客のニーズや市場のチャンスを見極めて、会員向けの新たなサービスの開発や新規カードの企画・開発をなども担当する職種です。
消費者がカードを選ぶ基準は「どんな付加価値があるか」なので、会員にとって魅力的なサービスは何かを見極める力が必要になります。
市場を調査する「分析力」やサービスを企画する「発想力」のある人に向いている職種でしょう。
営業推進
この職種は、クレジットカードの利用推進のための具体的な取り組みや、加盟店とのタイアップカードによる販売促進施策などを、カード会員向けに企画し実現していく職種です。
主に「会員の利用率向上」を目的に、様々な施策に取り組んでいきます。
ポイントやサービスを活かして、リボルビング払いや分割払いなどの利用推進を目指し、カード利用による利益向上に貢献します。
顧客視点になり「カードを利用したくなるポイント」を考えることが重要な職種なので、相手目線での想像力が豊かな人に向いているといえます。
与信審査・信用調査
クレジットカードの新規会員の獲得にあたり、会員としての「与信調査」を担当する職種です。
申込書の内容を、個人信用情報センターや独自のデータベースと照合して「カード発行ができる人物か」や、「適切な利用限度額」などを決定します。
会員の過去の支払い実績や収入状況などから、支払い能力や信用性を判断する力が求められる職種です。
債権管理
この職種では、会員のクレジットカード利用によって発生したローンやキャッシングなどの債権管理、未払い代金への督促などを担当します。
状況に応じてカードの利用やキャッシングの停止を行い、債権の回収と管理を担う職種です。
膨大な数の支払いデータや利用状況を正しく把握した上で、適切な対応を判断する必要があります。
管理能力と処理能力の高い人は適性があるでしょう。
クレジットカード業界の市場規模
市場規模の推移
クレジットカード業界の過去11年間の業界規模の推移(出典:業界動向サーチ、グラフ作成:CareerMine)
2020年-2021年のクレジットカード業界の業界規模(主要対象企業9社の営業収益の合計)は1兆6,238億円。
業界全体の過去の推移を見ると、2007年か2011年までは減少傾向にありましたが、2012年に増加に転じてからは2020年まで右肩上がりになっています。
2020年の取扱高は前年比2.7%減で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う実店舗での利用減少が響きましたが、ネット通販の売上は好調で、全体としては若干の減少で留まりました。
業界全体でクレジットカードの利用者は年々増加しており、市場は拡大しています。
スマートフォンやインターネットの普及によりネットショッピングでの利用が増えている他、国内におけるキャッシュレス決済の推進などもプラスになっていると考えられます。
参考:業界動向サーチ
現状・動向
クレジットカード決済比率の増加
日本国内におけるキャッシュレス決済の利用は過去と比べると大幅に増加しています。
キャッシュレス決済規模は年々拡大しており、2025年度には100兆円を超える規模まで成長するといわれています。
これほどの市場規模拡大には、ネットサービスの利用増加が大きく関係していると考えられます。
アマゾンや楽天などのネットショップの他、動画配信サービスをはじめとする月額課金サービスへの支払いなどで利用が増加しています。
新型コロナウイルスの拡大をきっかけに様々なネットサービスが注目を集めましたが、コロナ終息後もこの流れはさらに加速していくと予想されます。
国や地域に縛られず、どこにいても利用できるサービスへの需要が高まり、それらの利用料の支払いはキャッシュレス決済が中心となる可能性が高いでしょう。
クレジットカード業界の課題
国内で市場規模が増加しているクレジットカード業界ですが、海外と比較すると利用率はまだまだ低いといえます。
海外主要諸国におけるキャッシュレス決済の比率は40~60%であるのに対し、日本は20%前後と低めです。
主な理由として、「治安の良さ」と「加盟店手数料の高さ」が挙げられます。
海外では治安があまり良くない地域も多く、現金を持ち歩くことに抵抗を感じる人も少なくありません。
そのため、基本的な決済手段にクレジットカードを利用する人が多い傾向にあります。
それと比べて日本は全体的に治安が良いため、現金を持ち運び、現金で支払うという文化に違和感を抱いている人は少なく、ポイントや特典にこだわらない人は現金で支払うのが一般的です。
今後は、現状の利便性や特典以外にも「クレジットカードを利用する意味」を見出していくことが、国内の利用率向上に必要不可欠だと考えられます。
また日本では、加盟店が負担する決済システムの利用料が海外と比べて高い傾向にあります。利用料の高さから導入を見送る店舗も多いのです。
今後、利用料の全体的な引き下げが求められる可能性は十分にあるので、クレジットカード会社では新たな収益元の模索も必要になりそうです。
クレジットカード業界の歴史
現金を持ち運ぶ必要がなく手軽に支払いができるクレジットカードですが、その歴史は意外と古く、およそ70年も前の1950年頃がはじまりとされています。
当時のクレジットカードは現代のようなカード型ではなく、何枚ものチケット型の紙面を手帳のように綴る形式でした。
誕生のきっかけはアメリカのとある実業家と弁護士で、第二次世界大戦が終わったころでした。
実業家の青年と弁護士が食事をしていた際に、実業家の青年は財布を忘れてしまい困ります。
これをきっかけに、手元に現金がなくても支払いができるような仕組みを作れないかと二人で思案して、「つけ払いで食事ができるクラブ(ダイナースクラブ)」を自腹で作ったのが起源といわれています。
このアイデアが、世界初のクレジットカード「Diners Clubカード」のはじまりです。
その後、1960年代にかけて同じくアメリカで「アメックス」、「MasterCard(マスターカード)」、「Visa(ビザ)」などが誕生し、日本では「JCB」が生まれます。
日本でクレジットカードが普及したのは1964年に開催された東京オリンピックがきっかけです。
外国人観光客が増加する中、海外文化として根付いているクレジットカード払いを日本国内でも広く普及させる必要がありました。
その後の1980年代には大半のクレジットカード発行会社が国際ブランドとの提携をはじめ、日本国民の生活にも身近なものになっていきました。
現在ではフィンテックの発達に伴い、クレジットカード以外のキャッシュレス決済も充実してきています。
それらの多種多様な決済サービスとどのように差別化していくのか、今後のクレジットカード業界の動向に注目です。
クレジットカード業界におけるトレンド・話題
アマゾンカードがリニューアル、年会費永年無料に
三井住友カードとアマゾンジャパンは10月12日、「Amazon Mastercard(クラシック、ゴールド)」をリニューアルすると発表しました。
新カードは2種類で、プライム会員向けの「Amazon Prime Mastercard」と、非会員向けの「Amazon Mastercard」となるようです。
年会費が無料になる他、コンビニエンスストアでのポイント還元を強化するとして、サービスの改善に取り組んでいます。
これまでのクラシックカードに設定されていなかった旅行傷害保険(海外)が新カードには付帯する上に、金額も最高2,000万円まで補償となり、付加価値の向上を目指す意図が感じられます。
手数料収益を切り捨てる代わりに、アマゾンサービス利用の拡充が期待できるでしょう。
このように、付帯サービスの利用を促す目的で消費者の利用ハードルを下げる施策は、今後のクレジットカード業界において重要な取り組みとなっていくでしょう。
参考:ITメディアニュース
MasterCard(マスターカード)が仮想通貨サービスを拡充
米クレジットカードブランド大手の「MasterCard(マスターカード)」が、デジタルウォレットを使用した暗号資産(仮想通貨)の売買・保有をできるようにすると発表しました。
また、仮想通貨をポイント代わりに保有・使用することも可能にするとしています。
このサービスの提供に伴い、MasterCard(マスターカード)は米デジタル資産プラットフォームである「バックト・ホールディングス」と提携しました。
日本国内では暗号資産(仮想通貨)についてはまだ一般大衆に浸透していませんが、今後の金融経済において暗号資産技術は非常に注目されている分野であり、現在のお金の概念を変える可能性も秘めている技術です。
暗号資産分野を日本のクレジットカード会社が今後どのように扱っていくのか、金融市場の動向を全体的にチェックしておくといいでしょう。
クレジットカード業界における主要企業の解説
クレジットカードは国際ブランドにより種類が分かれますが、この他にも「発行会社」の種類でも分けられており、銀行及びそのグループ会社が発行する「銀行系」や、流通業を営む会社が発行する「流通系」などの区分があります。
本記事では「銀行系」、「信販系」、「流通系」について、それぞれの代表企業を1社ずつ紹介していきます。
三井住友カード株式会社(銀行系)
社名 |
三井住友カード株式会社 (英語表記:Sumitomo Mitsui Card Company, Limited) |
設立 |
1967年12月26日 |
本社所在地 |
〒541-8537 大阪市中央区今橋4-5-15 |
資本金 |
340億3千円 |
従業員数 |
2,601名 |
平均年収 |
842万円 ※(株)三井住友フィナンシャルグループとして登録 |
事業内容 |
1.クレジットカード業務 2.貸金業 3.信用保証業務等 |
三井住友カード株式会社は、株式会社三井住友フィナンシャルグループの傘下で、クレジットカード事業などを中心に行う会社です。
クレジットカードの種類としては「銀行系」になります。銀行系カードは社会的信頼性が高く、流通系カードなどと比較すると審査が厳しくなる傾向があります。
三井住友カードは、クレジットカードの決済手段の取り組みとして「Apple Pay(アップルペイ)」や「iD」、「Stripe(ストライプ)」などと提携しており、会員向けに多様な決済サービスの提供を行っています。
また、加盟店向けのサービスにも力を入れており、毎月の振込金額や売上明細などをオンラインで手軽に照会・ダウンロードできるサービスを無料で提供している点も特徴の1つです。
加盟店および消費者の決済をあらゆるシーンで支え、「デジタル&イノベーションカンパニー」を目指す企業です。
楽天カード株式会社(信販系)
社名 |
楽天カード株式会社 (英語表記:Rakuten Card Co., Ltd. |
設立 |
2001年12月6日 |
本社所在地 |
〒158-0094 東京都港区南青山2丁目6-21 クリムゾンハウス青山 |
資本金 |
193億2,300万円 |
従業員数 |
1,642名 |
平均年収 |
745万円 |
事業内容 |
1.クレジットカード業務 2.貸金業 3.信用保証業務等 |
楽天カード株式会社は、楽天グループ株式会社の連結子会社で、「楽天カード」を発行しているクレジットカード会社です。
カードの区分としては、流通系と信販系のどちらにも近いですが、運営母体の特徴的に信販系のカードという扱いになっています。
信販系のカードは標準サービスが充実しているのが強みです。
楽天カードは、ネットショップ大手の「楽天市場」の経済圏を活かして、フィンテック事業を牽引しています。
決済サービスはクレジットカード事業だけではなく「電子マネー」や「QRコード」決済なども提供しており、利便性の高い決済サービスを中心に「楽天経済圏」の拡大を図っています。
楽天グループ全体で様々なサービスを行っていることもあり、幅広いサービスでカード利用の恩恵を受けられる点が強みです。
イオンクレジットサービス株式会社 流通系(2021年現在)
社名 |
イオンクレジットサービス株式会社 (英語表記:AEON CREDIT SERVICE CO., LTD.) |
設立 |
2012年11月29日 |
本社所在地 |
〒101-8445 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地 テラススクエア |
資本金 |
5億円 |
従業員数 |
1522名 |
平均年収 |
806万円 ➡詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! ※どちらもイオンフィナンシャルサービス(株)として登録 |
事業内容 |
1.クレジットカード周辺事業 2.銀行代理業 3.信用保証事業など |
イオンクレジットサービス株式会社は、イオングループの中のイオンフィナンシャルサービスの連結子会社で、「イオンクレジットカード」を発行しています。
カードの区分は「流通系」です。
流通系のカードは比較的審査が緩い傾向にあり、カードの発行元が運営するサービスや店舗の利用が割引になるなど、特定の条件下における特典が充実しているのが強みです。
イオンクレジットカードは国内トップクラスの会員数を誇っており、会員向けアプリの「イオンウォレット」によって各会員の属性情報に合わせたクーポン配信なども行っています。
その他にも、イオングループ全体のビッグデータを活用して各種ニーズに合わせた決済サービスを導入することで、加盟店のビジネスを効果的にサポートしています。
小売、金融、サービスなど、イオングループの強みを活かした運営が強みです。
イオングループを含む、小売業界の記事でもキャッシュレス決済について触れていますので、興味がある方はチェックしてみてください。
【小売業界研究|2023年最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
小売業界を志望している学生必見!小売業界の市場規模や課題、インターン情報、大手企業の採用傾向が一目でわかります。業界研究...
クレジットカード業界における主要企業の採用動向
三井住友カード株式会社
- 細かい視点で顧客目線になれる人
- 失敗を恐れず挑戦できる人
- 先を見据えて行動できる人
三井住友カードは、銀行系のクレジットカードということもあり、高い信頼性が強みです。
経営理念では「カスタマーファースト」を掲げており、顧客一人ひとりのニーズに合った価値の提供を目指しています。
実際に、扱っているカードの種類は10種類近くあり、ニーズごとに最適なサービスを提供しています。
高い信頼性と確かな利便性を実現するために、細かい視点で顧客ニーズを把握しているのです。
また、今後の金融市場の発達も視野に入れて、海外決済企業との連携にも力を入れています。
このような取り組みを継続していくために必要なのは、「繊細な顧客視点をもつこと」、「先を見据えて新しいことにチャレンジしていくこと」だと考えられます。
以上を踏まえて、面接やESでは次の点を意識しましょう。
・相手目線で細部にも気を配れる人間性
・先を見据えて、果敢に挑戦できる行動力
これらを効果的にアピールできるよう、過去の経験や自分の考えを伝えましょう。
楽天カード株式会社
- 常識にとらわれない人
- 起業家精神を持てる人
- チームの一体感を重視できる人
楽天カードは「グローバルイノベーションカンパニー」であり続けることを理念に掲げ、企業価値・株主価値を最大化して進化していくことを目指しています。
常識にとらわれることなくアイデアを産み、新たな価値の創造のためにチャレンジし続ける「起業家精神」を持った人材を求めています。
顧客の利益を最大限追求し、楽天グループが一体となってより良いサービスを産み出していく。
それには個々の能力に加えてチームワークも重要になってきます。採用試験では次の点を意識しましょう。
・物事を柔軟に捉え、思考する力
・諦めることなく結果を追求する胆力
・チームを意識して課題に取り組む力
以上の点を意識して、面接対策・ES対策を行うといいでしょう。
イオンクレジットサービス株式会社
- 顧客の声を大切にできる人
- 自身の強みを理解し、活かせる人
- 「人」を尊重できる人
イオンクレジットサービスは「お客様の声を活かす活動」を行っており、各部門に届けられた顧客の声をもとに改善策を検討しています。
集まった声を「業務改善提案書」として取りまとめてサービス改善に取り組んでいます。
実際に届く「顧客の声」を業務改善に確実に活かすためには、それを受け取る職員の「心構え」は非常に重要です。
また、イオンクレジットサービスの強みは「グループ全体のノウハウ」でもあります。
それらを理解してサービスに転用していく力が求められます。
以上を踏まえて、志望する際は次のポイントを押さえておきましょう。
・「人の声」を尊重できる人間性
・強みを正しく理解して他に活かしていく応用力
試験において、 以上の2点を軸にアピールできるといいでしょう。
クレジットカード業界の採用スケジュール
三井住友カードの採用フロー
- 適性検査
- グループディスカッション
- 一次面接(個人)
- 二次面接(個人)
- 面談(選考結果に影響なし)
- 最終面接(個人)
- 内々定
三井住友カードでは、およそ3回に及ぶ個人面接があり、二次面接と最終面接の間に「面談」があります。
この面談での内容は、選考結果に影響はしないとされていますが、選考途中の1つのプロセスなので、気を抜きすぎないように注意しましょう。
面談の目的は、面接では聞けないような「本心」に近い部分を読み取ることだと考えられるので、不自然でない程度に気を引き締めて臨むのが最適です。
最終面接では「自分の性格」について聞かれる場合もあるようなので、企業研究だけでなく、自己分析・自己理解もしておくようにしましょう。
楽天カードの採用フロー
- WEBテスト
- 適性検査
- 個人面接(複数回)
- 内々定
楽天カードの採用試験では、WEBテストと適性検査に加えて複数回の個人面接を行います。
個人面接の回数は決まっているわけではなく、内容によりその都度変わるようです。
グループディスカッションやリクルーター面接などはなく、シンプルな採用試験なので、面接でどれだけアピールできるかが合否のカギになります。
綿密に事前リサーチをして、十分に準備しておくようにしましょう。
「楽天カード」だけではなく、「楽天グループ」全体について特徴や強みを把握しておくといいでしょう。
イオンクレジットサービスの採用フロー
- WEB説明会
- ES提出
- 適性検査
- グループディスカッション
- 個人面接(複数回)
- 内々定
イオンクレジットサービスでは、グループディスカッションの後に複数回の個人面接が行われます。
選考の特徴として、「イオンフィナンシャルサービス」のグループ傘下各社との併願が可能となっており、「イオン銀行」、「イオンプロダクトファイナンス」、「イオン保険サービス」との合同採用が行われます。
4社の内の2社までを併願することができますが、「イオンクレジットサービス」と「イオン銀行」は第二希望不可になるので、両社を併願することはできない点は注意が必要です。
併願を希望する際は、「4社のどれでも活躍できる」ような強みをアピールできると理想的です。
グループ各社の強みや理念と「自分の長所」をうまく結び付けられると効果的でしょう。
クレジットカード業界のインターン情報
三井住友カード
三井住友カードのインターンは「SMCC BUSINESS ACADEMY~マーケティングコース~」というのがあります。
WEB開催の1dayインターンとなっており、三井住友カードが提供しているサービスへの理解をより深めることができる内容となっています。
他にも商品開発やデータ分析について学ぶコースもあるので、最新の情報は三井住友カードのホームページをご覧ください。
■SMCC BUSINESS ACADEMY~マーケティングコース~
<インターン応募から参加までの流れ(2021年度)>
- 開催日時:「9月21日(火)~9月28日(火)」で計5回開催
- 開催場所:オンライン
- 応募期限:2021年8月31日(火)12:00
- 選考フロー:ES提出→適性検査→参加決定
- その他:後日参加者限定のイベント開催あり
<インターン内容>
- マーケティングワーク(グループ)
- 発表
- 社員からのフィードバック
このコースはオンラインでの1日完結型インターンで、気軽に受験できる内容となっていますが、応募する際に条件があり、同年6月開催の「SMCC WORKSHOP」に参加している必要があるので注意してください。
内容としては、三井住友カードのマーケティングについて、実際の消費者向けサービスを題材に学んでいくコースとなっています。
競争が激化するキャッシュレス分野で、いかにして独自の価値を創造していくのか、グループワークを通して学ぶことができます。
楽天カード
楽天カードのインターンでは、「Rakuten Card Winter Internship/総合職コース」というコースがあります。
「楽天経済圏」という独自のビジネスモデルをもとにキャッシュレス分野でどのようにサービスを作っていくか、楽天カードの取り組みを学ぶことができます。
インターンに関する最新の情報については楽天カードのホームページをご覧ください。
■Rakuten Card Winter Internship/総合職コース
<インターン応募から参加までの流れ(2021年度)>
- 開催日時:
1月開催(詳しい日程は応募後に通知)
1dayで複数回実施予定 - 開催場所:東京・WEB
- 応募期限:2021年12月9日
- 参加人数:各回40-50名程度
- 選考フロー:ES提出→参加(抽選)
- その他:報酬、各種費用の支給はなし
<インターン内容>
- 業界説明・楽天カードについて
- ターゲットマーケティング企画体験(グループ)
- 座談会
このコースでは、「楽天経済圏」を活かしてキャッシュレス分野・フィンテック領域で活躍する楽天カードのマーケティング業務を体験することができます。
競争の激しい分野の中ではどのような戦略が必要なのか、楽天グループ内の他のサービスといかに連携して顧客ニーズを分析・解決していくかを学べるコースとなっています。
イオンクレジットサービス
イオンクレジットサービスのインターンは、「金融業界が幅広く理解できる1day仕事研究」というのがあります。
こちらも1dayでの仕事体験となっており、クレジットや銀行、保険などのイオングループの各分野における強みや特徴を理解できるコースとなっています。
最新の情報についてはイオンクレジットサービスのホームページよりご覧ください。
■金融業界が幅広く理解できる1day仕事研究コース
<インターン応募から参加までの流れ(2021年度)>
- 開催日時:
応募後に「マイページ」より通知
1day開催で複数回実施予定 - 開催場所:東京、WEB
- 応募期限:2022年2月頃(予定
- 参加人数:各回40名程度(予定)
- 選考フロー:「マイページ」より応募→ID発行→予約→参加
- その他:学部・学科不問
<インターン内容>
- 会社説明
- ケーススタディワーク
- プレゼンテーション
- 先輩社員からのフィードバック
このコースは、1dayでのケーススタディワークを体験するコースとなっており、幅広い金融の事業内容について学び、実際の業務への理解をより深めることができるコースです。
ケーススタディワークでは「決済事業」、「銀行事業」、「保険代理店事業」などを体験でき、イオングループの金融ビジネスを総合的に学べる内容となっています。
参加するにあたり、ホームページの「マイページ」にて公開されている各社の説明会動画を事前に視聴するといいでしょう。
業界研究のやり方
業界研究においては大きく3つのステップで行っていくことで理解を深めることができます。
(1)業界全体を知る
世の中にある様々な業界ではどのような企業がどのような役割を担っているのかを大きく把握することで業界の概要を理解することができます。
代表的な企業名や職種についても調べて、自分が志す方向性を考えることがおすすめです。
(2)業界の深掘り
業界内のさらに詳しい現状や課題を調べます。
業界内の各企業の違いや、企業相互の資本関係・提携関係、業界内での業績推移、業界全体の成長の見込みなどをリサーチして、志望企業を絞り込みましょう。
(3)業界の動向把握
業界の動向をさらに細かく調べていくことで、各企業の状況を知り、自己分析と照らし合わせて具体的な志望企業・職種をまとめていきましょう。
クレジットカード業界の業界研究
(1)業界全体を知る
クレジットカード業界の業界研究においては「銀行系」や「流通系」などの各区分の主要なクレジットカード会社について大まかに理解しておきましょう。
銀行系 |
三井住友カード、りそなカード、住信SBIネット銀行、みずほ銀行 |
流通系 |
イオンクレジットサービス、株式会社エポス、株式会社クレディセゾン |
信販系 |
ライフカード、株式会社オリエントコーポレーション、株式会社ジェーシービー |
消費者金融系 |
アコム株式会社、株式会社武富士 |
(2)業界の深掘り
クレジットカード業界の主要業務は大きく分けると3つで、カードを発行する「イシュア業務」と、加盟店の開拓・管理を行う「アクワイアラ業務」、カードの安全性を確保・維持する「セキュリティ業務」などがあります。
クレジットカードの普及率が高い海外では、「イシュア」と「アクワイアラ」は別々の企業が担っている場合が一般的ですが、日本国内では1つの企業がまとめて行う傾向にあります。
イオンや楽天など自社の販売店舗を持つ企業では特にその恩恵が大きく、自社グループで発行したカードを自社の販売店で導入、拡大していくのは非常に効率のいい業務形態といえます。
この「イシュア」と「アクワイアラ」を兼任するビジネスモデルでは、「クレジットカード会員」と「加盟店」の双方にとって魅力的なサービスを展開する必要があるため、日本のクレジットカード会社は様々な特典や利便性を追求しながら業務を展開しています。
(3)業界の動向把握
日本国内におけるキャッシュレス決済の比率は年々増加しており、それに伴うクレジットカードの利用も拡大しています。
しかし、国外の主要諸国と比較するとその普及率はまだまだ低く、「現金主義」の国民が多いのもまた事実です。
普及率が低い点は課題でもありますが、「市場拡大の余地がある」とも捉えることができます。
今後のカード普及率拡大に期待が持てる一方で、現在の金融市場はフィンテックの発達などもあり様々な決済サービスが台頭してきています。
今後、「キャッシュレス決済」の分野はクレジットカード以外にも競合が増えてくることが予想され、クレジットカード各社では独自のサービスプランや付加価値を追求していく必要がありそうです。
ESのまとめ方
エントリーシートを書く際は、「自分が伝えたいポイントをしっかり絞る」ことが大切です。
よく見られる傾向として、「アピールしたいポイントが多いために、内容を詰め込みすぎている」というものがあります。
幅広く書くために1つ1つの内容が浅くなってしまっては、あなたの良さは伝わりません。
学生時代に様々な経験をしていて伝えたいことが複数ある場合でも、アピールポイントはしっかりと絞りましょう。
ポイントを絞る際のコツは、そのアピールポイントが「業務にどのように役立つのか」を考えることです。
業界研究を深く進めていくと、各業務に求められる人柄や能力が見えてくるはずです。
そこに自分の得意なことや過去の経験・実績などを結び付けて伝えるように意識してみてください。
クレジットカード業界のES対策・攻略法
クレジットカード業界のエントリーシート(ES)を書く際のポイントとして、「金融の中でなぜクレジットカード業界なのか」と「クレジットカード会社でやりたいこと」を中心に志望動機を伝えるように意識するといいでしょう。
この他にも「誠実さ」や「コミュニケーション能力」なども共通して重要視されているので一緒にアピールできるとなおよいです。
「金融の中でなぜクレジットカード業界なのか」について
ESを記入する際は「志望度の高さ」をいかにアピールするかが選考のカギを握ります。
クレジットカード業界が属している「金融業界」には他にも多くの分野が含まれており、その中でなぜクレジットカードを選ぶのかは非常に重要なポイントになります。
実際に記入する際は、「フィンテック」を軸に志望動機を展開するといいでしょう。
まず、フィンテックは現在の金融市場で急成長している分野になります。
そして、「金融業界」の中でフィンテックに最も精通しているのが「クレジットカード業界」だといえるでしょう。
これを踏まえて、アピールするポイントは次の通りです。
・「フィンテック」と「クレジットカード」を軸にキャッシュレス分野への熱意を伝える
・クレジットカード分野に「どんな可能性を感じているか」を伝える
今後の成長が期待されているフィンテックとクレジットカードへの熱意を伝えれば、説得力ある志望動機になるはずです。
「クレジットカード会社でやりたいこと」
企業にとって新卒採用は、人材育成の「スタート地点」です。
選考のポイントは「将来に期待できる人材」を確保することなので、就活生が「入社後に何をしたいのか」をアピールする効果は大きいと考えられます。
志望しているクレジットカード会社の業務内容や特徴を深くリサーチし、自分が取り組みたいことを具体的に伝えるようにしましょう。
アピールポイントは以下の通りです。
・志望企業の強みや特徴的な業務、取り組みを挙げる
・それについてどのように取り組みたいか
・なぜそこに取り組みたいと思うのか
以上を具体的に記入するように意識しましょう。
「どのように取り組みたいか」では、自身の強みや長所などを交えて伝えると、より効果的にアピールできます。
クレジットカード業界の筆記試験対策・攻略法
クレジットカード業界の筆記試験の特徴として、SPIか玉手箱が採用されることが多い傾向が見て取れます。
対策としては、「言語・非言語」をしっかりと学習しておけば基本的に問題ないですが、TALを採用している場合もあるようです。
SPIや玉手箱は問題集などで十分に対策することができますが、TALについてはほとんど対策法がありません。
TALは「能力」をテストするのではなく「適性」を見極めるためのテストで、質問に対してすでに用意されている7つの選択肢から1つ~2つを選び回答していく形式になっています。
質問の内容も非常に抽象的なものが多く、「明確な正解」があるわけではないので対策のしようがありません。
しかし、適性を見る上で重要視されるポイントは人柄や責任感、向上心などの部分なので、「それらを持っている人はどんな回答をするか」と自分なりに想像を膨らませて回答してみるとよいでしょう。
ほとんどの企業は玉手箱かSPIからの出題の傾向が強いので、まずはこの2つを重点的に対策しておきましょう。
クレジットカード業界の面接対策・攻略法
面接の回答では「質問の意図を理解した上で答えること」が重要です。
面接官の質問には必ず「意図」があります。
十分にリサーチをして「回答の準備」をしておき、面接官が「その質問から何を読み取ろうとしているのか」、「重視しているポイント・知りたがっていることは何か」を理解して返答することを心がけましょう。
クレジットカード業界の面接では、以下の5つについて質問される傾向があります。
- 欧米に比べ日本のカード利用者が少ない理由は何か
- 今利用しているカードを選んだ理由は何か
- カードの安全性についてどう思うか
- クレジット業界と消費者金融との違いは何か
- カード利用を促進するアイデアを挙げてください
上記はクレジットカード業界を志望する際は優先的に対策しておきたい質問になります。
どの企業の面接においても質問される可能性が高い項目になるので、それぞれ詳細に答えられるように準備しておきましょう。
この他にも、「学生時代に頑張ったこと」や「自己PR」など一般的な質問についても対策しておきましょう。
本記事では「欧米に比べ日本のカード利用者が少ない理由は何か」、「今利用しているカードを選んだ理由は何か」「カードの安全性についてどう思うか」について回答のポイントを詳しく解説します。
「欧米に比べ日本のカード利用者が少ない理由は何か」
この質問で面接官が知りたいのは、「現状のクレジットカード業界の課題を理解しているか」だと考えられます。
日本と海外のクレジットカードの普及率にはかなりの差があり、今後いかにしてカード利用を拡大していくかは大きな課題の1つです。
問題解決のために現状を正しく理解して、解決策を思考する力があることをアピールするようにしましょう。
意識すべきポイントは次の通りです。
・日本と欧米の文化の違い・消費行動の違いを述べる
・その違いがカード利用率にどのように影響するのか自分の考え述べる
・有効と思われる解決策を挙げる
回答の際は、文化や人々の違いを軸にすると答えやすいでしょう。特に治安問題やショッピング文化の違いなどは話を組み立てやすいです。
また、利用者が少ない理由を述べるだけでなく、自分なりに解決策を挙げてみるとプラスのアピールになるでしょう。
「今利用しているカードを選んだ理由は何か」
この質問で面接官が知りたいのは「顧客目線を持てるかどうか」「消費者のニーズに気づけるか」だと考えられます。
ここで重要なのは、カードを選んだ理由をただ述べるのではなく、その理由こそが「消費者ニーズである」ことに自分で気づくことです。
選んだ理由は「還元率」や「年会費」、「審査の難易度」など人それぞれだと思いますが、その一つひとつが、消費者がカードを選ぶ基準なのです。
回答の際は以下を意識するといいでしょう。
・選んだ理由を「特典」や「サービス」、「利便性」基準で述べる
・そのカードの改善点などがあれば一緒に述べる
ポイントは、クレジットカードごとの長所や短所への理解を示すことです。
カードを選んだ利点だけを述べるのではなく、「もっとこうしたら良くなる」という視点を持って答えることができれば好印象を与えられます。
「カードの安全性についてどう思うか」
この質問で試されているのは、「リスクを予測・認識できるか」だと考えられます。
クレジットカードに限らず、キャッシュレス決済サービス全般が非常に利便性の高いものですが、同時に特有のリスクを背負ったサービスでもあります。
例えば、「カードの紛失」や「パスワードの流出」、「利用者情報の漏洩」などが挙げられます。
サービス提供者として大切なのは、利便性やメリットと引き換えにどのようなリスク・デメリットがあるのかを正しく認識しておくことです。
回答においては次のポイントを意識しましょう。
・カードの安全性・危険性の2つの視点で答える
・その他のキャッシュレスサービスとの比較を述べる
・セキュリティ対策について自分の考えを述べる
大切なのは、「危険か安全か」のどちらかで答えるのではなく、「安全性と危険性」のそれぞれについて考えを述べることです。
サービス向上にはできるだけメリットを維持しつつ改善していくことが必要なので、2つの視点から自分なりの考えをまとめておきましょう。
以上、各質問の回答ポイントと対策について解説しました。
面接対策をする際は「自分が面接官だったら」という視点を持って考えてみると、必要な対策が見えてきます。
リサーチで得た情報をもとに、想像力を働かせながら業界研究を進めてみてください。