【電力業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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私たちの日々の暮らしや産業の発展を支える生活インフラの一部として、これから先も必要不可欠な電力業界。
現在は電力自由化の進展により、大手電力会社も含めた従来の電力会社に加え、他分野の業界からの参入も増え、市場が活発化しています
業界自体の安定性の高さから就職を目指す学生も多く、就活市場における人気業界の一つとなっています。
そこで、本記事では電力業界への就職を目指している学生向けに、大手電力会社のESで出やすい設問や、ES選考を突破した学生の回答などを合わせてご紹介します。
電力業界の採用動向や面接対策など、詳しくはコチラの記事をチェックしてください。
電力業界のES設問例
1・学生時代に問題意識を持ち、自ら課題を設定して取り組んだこと。取り組んだ課題、その背景となる問題意識。 200字以内
・その課題に対して取り組んだことを具体的に教えてください。400文字以内(2021年 東京電力)
2これまでの人生を振り返り、あなたの企業を選ぶ際の考え方を教えてください。500文字以下(2021年 関西電力)
3自己の性格・特徴等をご記入ください。 (50文字以上240文字以下)(2020年 中部電力)
4だれにも負けないあなたの強みは何ですか。 150 文字以内(2021年 東北電力)
5あなたの九州電力への「思い」を伝えて下さい。(2020年 九州電力)
設問例1:ガクチカ
(1)学生時代に問題意識を持ち、自ら課題を設定して取り組んだこと。取り組んだ課題、その背景となる問題意識。 200字以内
(2)その課題に対して取り組んだことを具体的に教えてください。400文字以内(2021年 東京電力)
設問が少し複雑に見えますが、ガクチカの問いになります。
学生時代に力を入れていたことやその際の取り組み方や考えたことから、採用担当者はあなたの人柄を知りたいと考えています。
志望企業の求める人物像にマッチするかどうかを考慮した上で、なぜその物事に取り組んだのかを順序立てて、エピソードを交えて分かりやすく伝えていきましょう。
回答例
(1)ダンスサークルの活動において「新入生の出席率向上」という課題に取り組みました。
私たちのサークルでは経験者が約8割を占めており、初心者が周りのレベルに合わせづらい環境にありました。そのため、初心者が次第に辞めていき、6名のみが定期的に参加していました。サークルのメンバー全員でダンスを楽しめる環境にしたいと考え、この課題に取り組みました。(170文字)
(2)私は新入生全員と一対一で話を聞く機会を作り、本人の気持ちや現状への不満を聞きました。
まずは意見に共感することを意識し、聞き役に徹することで話しやすい状況を作りました。その中で「ミスして周りに迷惑をかけたくない」「もっとダンスが上手くなりたい」という声が多く上がりました。そこで私はこの意見を参考に「マンツーマン制度」の導入を提案しました。初心者一人に経験者一人がダンスを教え、集中してダンスを学べる時間です。初心者が経験者から学ぶことでサークル内の信頼関係を高めることと、サークル全体の技術向上の2点を目的としました。しかし、2時間と限られたサークル活動の中でこの取り組みを導入することに経験者側からも反対の意見がありました。
初心者だけでなく、経験者側の意見にもしっかりと向き合い、活動場所や時間帯を工夫することによって導入が決まり、新入生の出席率90%向上を達成できました。(392文字)
実施した取り組みに対してどんな目的意識を持って実行していったのかを順序立てて説明していきましょう。
また、実際に取り組んだことに対して具体的な数字で成果を提示することで、より説得力のあるESに仕上がるでしょう。
設問例2:就職活動の軸
この質問では、あなたのこれまでの経験から得られた、就職に対する考え方が見られています。
また、新入社員と企業とのミスマッチを防ぐための質問です。
企業の業務内容や成し遂げたいことが事前にわかっていれば、入社後のギャップや早期離職を防げるからです。
多くの企業のESや面接でよく聞かれるものであり、重要度の高い回答の一つとなります。
回答例
私はこれまでの経験から、緑の下の力持ちとして人々の日常を支える仕事がしたいです。この考えに至った背景として2つの出来事がありました。1つ目は高校の体育祭でリーダーを務めた経験です。私の高校では3学年合同でチームが作られ、約130人の生徒が所属していました。まとめるのは非常に難しかったのですが、全員で体育祭を楽しめるような一体感を創ることを意識し、成功を収められました。
2つ目は大学で所属した体育会応援部で新しいユニフォームを製作した経験です。私が制作班の責任者だったのですが、ウェア類一式の契約業者が取引先の都合で変更することになりました。そこで、条件に見合った新しい業者を見積り、その後打合せを重ねてデザインも1から考え、部員が喜んでくれるような新しいユニフォームを作りたいという一心で制作に携わりました。
私はこの2つの経験から、多くの人を裏で支える仕事をすることにやりがいを強く感じるのだと気づき、就職をする際にも多くの人々の日常の当たり前を支える仕事に就きたいと強く考えるようになりました。(453文字)
条件面や興味があるといっただけでなく、自分が仕事を通じて何をやっていきたいのかという価値観を具体的なエピソードを交えて書くと採用担当者にも伝わりやすいです。
「過去にこんな経験をしてきた結果、こんなことに喜びや楽しみを感じることに気づいた」といったアプローチで伝えると共感してもらいやすいです。
設問例3:自己理解力
このような質問をESで入れてくる企業は意外と多いです。
あなた自身の性格を教えてくださいといった質問は、「客観的に自分のことを捉えられているか」を見ています。
書く時のポイントとしては、エピソードに一貫性を持って、自分を表現するようにすることでより説得力を持たせることができます。
回答例
私は泥臭い仕事でも実直に取り組むことができます。特徴が発揮された経験として、アルバイト先の居酒屋が来客数の減少に困っていました。店長からの相談を受けた私はスタッフ全員の協力が必要だと考え、やる気の低いスタッフに対して声をかけて回りましたが、改善を図れず人を動かす難しさを痛感しました。
そこで、皆が敬遠しがちな掃除や負荷の重い棚卸業務を自ら率先して取り組んだ結果、他のスタッフにも信頼され、協力してくれるようになりました。接客の改善を図り、リピートのお客様を増やすことができました。(240文字)
企業の採用担当者もこれから一緒に働くかもしれない学生の人柄を知りたいと考えています。
まずは自身の性格や特徴で最も伝えたい、自分の長所や魅力を洗い出すところから始めていきましょう。
設問例4:自己PR
この質問では「実務に活かせる強みを持っているのか」「あなたの強みを活かした経験」が見られています。
また、150字以内という制限があるため、あなたの強みを簡潔でストレートに伝える必要があります。
実際のエピソードを交えながら、あなたがどのように取り組んだのか、何を成し遂げたのかを伝えることで伝わりやすい内容になるでしょう。
特に電力会社はサービスの差別化は難しいものの、それぞれの会社で経営理念や特徴は異なってきます。
志望企業の求める学生の人物像とはどんな強みが必要なのかも考慮した上で自分のセールスポイントを分析して伝えられると、より納得してもらえる回答に仕上がるでしょう。
回答例
私の強みは周囲を巻き込む力です。100人規模のテニスサークルで「学年間に壁がある」という問題を解決しました。私は皆が楽しみ、交流を深める企画をやってみようと考え、学年混合の交流戦を開催し、多くの人が交流する機会を作りました。結果、サークル内のコミュニケーションの輪が広がり、壁が無くなりました。(147文字)
文字数が限られている回答枠のため、できるだけ簡潔にエピソードをまとめ、あなたのアピールポイントを冒頭で提示することが分かりやすく伝えるポイントです。
設問例5:入社意欲
九州電力の経営理念は「ずっと先まで、明るくしたい。」です。
この設問は、九州電力についての企業理解の深さと、どんな経験からあなたが九州電力を志望したのかを、企業理念との共感度の高さを知るために出題されています。
しっかりと企業研究をし、志望企業の経営理念を理解した上で回答する必要があります。
回答例
「九州の経済発展に貢献したい」これが私の夢です。市の議長だった祖父の姿を見て育ち、22年間過ごした九州に恩返しをしたいという思いが大きかったからです。
大学では学生サポートセンターのスタッフとしてアルバイトを続け、在学生の大学生活をサポートする企画運営に注力しました。決して自身は目立たなくても、陰ながら人の役に立つことの素晴らしさを感じました。
九州に暮らす人々の生活を根幹から支え、快適で安心できる毎日に貢献し続ける貴社でなら、私の夢を実現できると考え志望します。
経営理念にはたくさんの項目が挙げられているケースが多いです。
その全てに対して回答をしようとすると、一番伝えたい内容が伝わりづらくなる可能性があります。
あなたが何よりもココだけは伝えたいと感じたことに沿った回答を心がけていきましょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
電力業界はどんな人材を求めているのか
業界全般的に求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- 責任感を持って物事に取り組める
- コミュニケーション能力が高い
- 誠実さがあり信頼のできる人
責任感を持って物事に取り組める人
電力会社は人々の生活の根幹を支える、生活に欠かすことのできない重要な役割を担っています。
会社のミスで電力供給がストップしたり、不具合が起こると多くの人に迷惑がかかるため、強い責任感を持って仕事に取り組むことが求められます。
仕事にいいかげんな姿勢で取り組んでしまう人や、責任やプライドを持って仕事に取り組めない人は、業界適性として不向きであると判断されるため注意が必要です。
どのような業界でも責任感を持って取り組む姿勢は求められますが、電力会社の場合は特にその点を求められるということを事前に理解しておきましょう。
コミュニケーション能力が高い
さまざまな人と関わることが多い電力会社の仕事では、コミュニケーション能力が必要とされます。
業務内容によって人と関わる頻度は違いますが、個人・法人問わず人と接する業務が中心になってきます。
また、技術分野の職種であってもチームとして協力しながら仕事を進めることも多いため、コミュニケーション能力は必須です。
トラブルなく電力を提供できるのがベストですが、時には避けられないトラブルによって不具合が生じることも出てきます。
その際にいかに顧客の不安をスピーディーに解消できるかは、コミュニケーションを取る場面で柔軟な対応をすることが求められます。
誠実さがあり信頼のできる人物
電力会社で求められているのは、誠実で信頼できる人物です。
電力会社の仕事は契約者に安定した電気を供給することが一番なので、配電設備の点検や維持、管理が重要な仕事の一つとなります。
配電設備などをメンテナンスする際には、専門技術や知識を持ち合わせていることはもちろんですが、何よりもその業務を任せられる信頼のおける人間であることがポイントです。
技術は高くとも仕事に対していいかげんな姿勢の人に業務を任せてしまうと、重大な事故やトラブルの原因になりかねません。
その点、誠実で信頼できる人物だと判断することが出来れば、大切な設備のメンテナンスを安心して任せることができます。
そのため、ESや面接では自身の強みや志望理由を伝えることばかり考えるのではなく、自身の人柄を採用担当者に知ってもらうことも意識していきましょう。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも業界全体での話となります。
ご紹介した内容にすべて当てはまる必要はありません。
企業や職種によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあるでしょう。
大切なことは他のどの企業でもなく、その企業だからこそ志望する理由、他の企業にはない志望企業の魅力があるということを加えて採用担当者へアピールすることです。
そこをしっかりと伝えることで、選考突破の可能性も高まっていくでしょう。