【ネット証券業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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インターネット上で、株式や債権などの金融商品の取引をメイン業務とするネット証券業界。
取引手数料が安くなって個人でも取引がしやすくなったことや、積立NISAの普及によって、日本でも投資に対する関心が徐々に強くなってきています。
そのため、将来性のある業界として学生の間でも人気度は高まっており、選考を突破するには業界研究や志望企業のES対策は欠かせません。
この記事では、実際のネット証券業界のESでどんな設問が出てくるのか知りたいという学生のために、実際にネット証券企業のESで出題された設問と、ES選考を突破した人がどのように回答をしているのかも合わせて紹介していきます。
ネット証券業界の採用動向や面接対策など、詳しくは下記記事で紹介しています。併せてチェックしてみてください!
目次
ネット証券業界のESで実際に出た設問
1自己PR(各社共通)
2あなたが就職先として重視する基準を教えてください(2020年 SBI証券)
3あなたが志望する業界を理由も合わせて教えてください(2020年 SBI証券)
4これまでの人生で新しい価値を創造した(0から1を創り上げたなど)エピソード(2021年 楽天証券)
5マネックスで実現したいこと(2021年 マネックス証券)
設問例1:自己PR
ネット証券業界では、顧客の資産やお金を通じたやり取りが業務内容となるため、顧客との信頼関係の構築は欠かせません。
そのため、金融のプロとして顧客の要望を丁寧にヒアリングしたり、適切な提案が行えるコミュニケーション能力や、幅広い知識の習得、市場動向に関する日々の情報収集などが出来る人材が求められます。
また、その企業の社風や募集職種によっては求められるスキルや業務内容などが変わってくるので、志望企業をしっかりとリサーチした上で、採用担当者に興味を持って貰えるような自己PRを書いていきましょう。
回答例
私の強みは知的好奇心が旺盛で、関心を持った物事を深く追求する実行力を持っていることです。また、一つの物事に対して中途半端になるのを防ぐため、関心を持った物事に対してそれぞれの明確な目標を定める工夫をしてきました。
その成果を最も発揮したのが、英語とフランス語の習得を両立したことです。語学勉強のモチベーションを維持するため、生活の中で積極的に外国語の映画や歌を取り入れるなどの取り組みを続けました。日常生活と外国語を紐付けることで、その国の文化や生活に興味が沸き、勉強の苦手は更に学びたいという意欲に変わりました。
結果としてTOEIC770点、DELF B2といった資格を同時に取得することが出来ました。このことから、自身の強みは知的好奇心が旺盛で、未知の分野に対しても深く追求できる実行力があることだと思います。
自身の強みを結論→エピソード→結論の構成でまとめることを意識しましょう。
ネット証券業界や志望企業で求められる人材の特徴を踏まえた上で、自身の経験や志向性から合致する部分を分かりやすく伝えられると、採用担当者により好印象を与えることが出来ます。
設問例2:就職活動の軸
この設問では、学生と企業のミスマッチを防ぐ意図があります。
その学生が就職先に対して何を求めているのかが明確になると、自社の求める人材とマッチするかどうか判断ができるため、早期退職してしまうリスクを減らすことができるからです。
自身の就職活動の軸になっているポイントを整理して、「なぜネット証券業界なのか」「その企業でなければいけないのか」について明確に伝えられるようにしましょう。
回答例
私は就職先の企業が「大規模な企業であること」「自らが主体となってチャレンジする機会と裁量を与えてくれる環境」の2つを重視しています。大規模な企業では、中小企業にはない資本力を生かした、よりダイナミックな規模の事業に携わることが出来ると考えるからです。2つ目の理由は、大学時代に語学交流サークルを立ち上げ、自身が1から考え、企画・改善を繰り返してきました。この経験から、ある程度の裁量のある環境を与えられることにより、自身がより活躍できると考えています。
まずは自己分析をしっかりと行い、自身の中で譲れないポイントを整理するなど、就職活動の軸を定めた上で、志望企業の同業他社にはない強みと擦り合わせていくと良いでしょう。
設問例3:志望業界
この設問では、ネット証券業界に対して興味・関心をどれくらい持っているのかを見られています。
日々変動のある経済情勢や金融に関する知識など専門的な分野を取り扱うため、日頃から主体的に情報収集のアンテナを張って学んでいくことは欠かせません。
自身のこれまでの経験や今後の展望から、ネット証券業界を志望する理由や熱意をアピールしていきましょう。
回答例
ネット証券業界を志望しています。理由は自身の投資経験から、投資によって人生の選択肢を広げられる可能性があることを見出し、投資が当たり前の世の中になることを実現したいからです。
現在の金融市場の動向として、ネット証券口座の開設数が激増しており、実際に貴社での口座開設数が今年600万を超えたとのニュースを拝見しました。今後も投資に対する人々の関心度は高まっていくことが予想される中で、金融とITの専門性を身に付けることで自身の市場価値を高め、より多くの人に投資という選択肢を持って欲しいと考えています。
志望業界についての実績や経験が現時点でなかったとしても、これからのキャリアプランを明確に伝えることでその業界を志望する意欲をアピールすることができます。
また、常日頃から経済や金融に関する最新ニュースをチェックしておくことで、ESや面接の際に時事ネタを聞かれた時にも慌てずに回答して、業界への関心度の高さを伝えることが出来ます。
設問例4:新しいことへチャレンジした経験
これまでの人生で新しい価値を創造した(0から1を創り上げたなど)エピソード 400文字以下(2021年 楽天証券)
現在のネット証券業界はITを介した市場の変化が他業界と比べてスピーディーなことや、顧客シェアの獲得に向けて競争が激化していることが挙げられます。
そのため、他社との差別化を図るために各社でさまざまな新しい取り組みが模索されており、挑戦心や新しい発想力を持った学生が求められる傾向にあります。
他学生との差別化を図るべく、自身の経験の中で自分らしさが現れるエピソードを見つけて書いていきましょう。
回答例
私はカナダに短期留学し、拙い英語力でも交友関係を築くことができました。
留学当初は、価値観の違いや言語の壁を強く感じました。また授業においても自分の意見を英語で伝えることができず、話すこと自体に抵抗を感じていました。しかし、他国の学生とコミュニケーションの機会を増やすことや、授業後に開催される特別授業に積極的に参加し続けたことで、次第に英語を話せないというコンプレックスに打ち勝つことができ、友人が増えていきました。
英語を完璧に話せないことを恥ずかしいと思っていましたが、上手に英語を話すことが出来なくても、身振りや簡単な英語だけでも交流を深めたり、思っていることを伝えられることに気付きました。大切なことは、「相手に関心を持ってコミュニケーションを図ること」「積極的に行動すること」だと学びました。他国の留学生と生活を共にし、多種多様な文化や価値観について多くの学びを得ることができました。
この設問で採用担当者が知りたいのは成果に結びついたかよりも、努力した過程に現れるあなたの人柄です。
チャレンジしたことから「どんな学びを得られたか」について具体的に伝えられるように意識して書いていきましょう。
設問例5:実現したいこと
この設問では、学生の志望度に対する本気度を確かめる意図があります。
ここでは具体的にその企業でやりたいことを伝える必要があります。企業のことを理解した上での回答が必須となるので、企業研究はしっかりと行いましょう。
また、仕事に対しての意欲や価値観も見られるため、自身の人柄がその企業とマッチしていることを明確に伝えられると好印象です。
回答例
私が貴社で実現したいことは、日本で投資による資産形成を当たり前にすることと、他社にはない豊富な取扱商品と180万人以上の顧客基盤という強みを生かし、より多くのお客様に喜ばれる提案力を身につけることの2つです。
日本ではまだまだ投資による資産形成の重要性が多くの人に浸透しておらず、貯蓄が主流です。そこで、大学の野球部でキャプテンを務めた際に部員の意識改革を通じて培った「発想力」や「伝達力」という私の強みを生かし、人々が投資について関心を抱き、また実際に投資に取り組んでみたくなるような仕組み作りを立案していきたいと考えています。
また、貴社の「流れは乗るものではなく、つくるものだ」という宣言に強く感銘を受け、第一志望として応募することを決めました。 貴社の早期からチャレンジを歓迎する環境を通じて日々成長する中で、社会全体を投資で盛り上げていくことに貢献し、ゆくゆくは日本社会を牽引する投資運用のスペシャリストとして活躍したいです。
企業の事業内容や特徴を理解した上で、自身の強みや実現したいことをリンクさせていくことがポイントです。
「企業がどんなことをしていて、それに対して自分は何をしたいのか」をハッキリ伝えることで、説得力のアピールをすることが出来ます。
自己PRの書き方
自己PRを書くうえで大切なことは、まず「なぜその企業なのか」という動機を固めることです。
そのうえで企業が求める人物像と自分の経験を合わせる必要があります。
自己分析を行い、オリジナリティがある自己PRを作成するよう意識しましょう。
下記手順を意識して記述することで、相手に伝わりやすい文面になります。
(2)具体的な内容を盛り込む
(3)自分の長所が活きた内容を述べる
(4)仕事でどう活かすか述べる
自己PRの本質
自己PRとは、自分の長所を企業に売り込むものです。
自分の能力や人柄を正しく伝えることが大切であり、企業でどのように活躍できるかを伝えます。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1企業と合う人材かどうか
企業は社風と合ったマッチ度の高い人材を採用したいと考えています。
マッチ度が高ければ企業での活躍を見込むことができるからです。反対にマッチ度が低いと早期退職の可能性があるため採用は見送りすることがあります。
2自己分析が正しくできているか
自己PRは自分の長所を売り込むものなので、自分自身についてしっかり理解していないといけません。
企業から、自己分析ができていて自分自身を客観的に理解できているかが見られています。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
ネット証券業界はどんな人材が求められるのか
ネット証券業界は、インターネット上で金融商品を売ることに特化した業界です。
そのため、一般的な証券会社と比べると求められる職種や人物像が若干異なってきます。
どんな人材が求められるのか知っておくことで、ESや面接を有利に進められるでしょう。
ネット証券業界全般的には求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- ロジカルな思考力
- 好奇心が旺盛なこと
- 心身ともにタフである
- 数字を追いかけられるのが得意
- 非対面での対話力
ロジカルな思考力
こちらは証券業界全般で欠かせないスキルですが、顧客や自社の大切な資産やお金を取り扱う仕事に携わるため、なんとなくや根拠のない判断で物事を決めることは出来ません。
常に物事の判断に矛盾がないか整理しながら、筋道を立てて考える思考力が必要とされます。
好奇心が旺盛なこと
時には顧客からも高度な金融知識について求められることもあるため、金融に関する幅広い知識の習得は欠かせません。
また、取引に関わる世界各国の経済動向については日々キャッチアップしていく必要があるので、日頃から常に情報収集のアンテナを張って行動できる好奇心旺盛な人が向いている仕事です。
心身ともにタフである
取り扱う金融商品の数字は全て、明確に成果として現れる仕事です。
しかし、どれだけ徹底して分析を行っていたとしても、経済の金融情勢の動向によって株価の値上がりなどは変化し続けるため、成果に結びつかないことも多々あります。
そのような状況でも、冷静かつ粘り強く業務で成果を上げ続けるだけの心身のタフさも重要な資質の一つです。
数字を追いかけられるのが得意
ネット証券業界で働く上では、経済や金融状況を把握しながら、株価などの変化をツールやデータを活用して正しく分析できる能力が求められます。
特にディーリングと呼ばれる自社の資金を使って金融商品を売買するポジションについた時には、株価の値動きなどを分析したデータをもとに予測して、瞬時に買い時、売り時を判断する能力も必要です。
非対面での対話力
ネット証券業界では基本的に顧客は自分の判断で金融商品を購入していくため、営業の連絡や商品を直接進める機会がありません。
その一方で操作方法についてや、トラブルが発生した時の対応などでチャットや電話といった非対面で相手の要望を読み取り、適切に伝えるコミュニケーション力が求められます。
丁寧な言葉遣いが身についている方やヒアリング力に優れている方は向いていると言えるでしょう。
上記で挙げたネット証券業界で求められる資質はあくまで、業界全般で見たときに当てはまる資質の一部です。
それぞれの企業によって求められるスキルや人物像、その企業の社風や業務内容などは違ってくるので、志望する企業の求められる人材をHPなどの情報から事前にチェックして、万全の準備をして選考に臨めるように取り組んでいきましょう。