【繊維業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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繊維業界は私たちが普段着ている洋服やスーツの材料など主に衣料品に携わる業界です。
衣食住の「衣」であり、まさに私たちの生活に密着した身近な産業と言えます。
繊維の分野は現在も研究開発が進んでおり、将来的にはさらに高性能・高機能な化学繊維の開発が期待されています。
企業間のM&Aも頻繁に行われており、このような業界全体の努力の結果、現在の繊維業界は回復傾向にあります。
繊維業界におけるやりがいや魅力は、友人や家族など身近な人たちが着る洋服に自分が携わっていることで、社会貢献性の高い仕事をしていると日々実感できることです。
そのため、繊維業界を志望する学生は多く、人気の業界となっています。
志望する学生の中には、ESでなにをアピールすれば良いか、どのように質問に答えれば良いか分からない人も多くいると思います。
そういった方々のために、実際に繊維業界で出されたESの質問と回答例をまとめてご紹介します。
志望する企業の研究や自己分析をしっかり行い、突破できるESを作成していきましょう。
繊維業界の採用動向や面接対策について詳しくは「繊維業界研究」の記事でチェックしてください!
目次
繊維業界のESで実際に出た設問
1あなたが東レというフィールドで成し遂げたいことを述べてください。全半角400字以内(2021年 東レ)
220年後、仕事を通じて、自身が実現していたいことや関わっていたいことを自由に書いてください。 (現在の帝人の製品やサービス、ビジネスモデルにとらわれる必要はありません)(2021年 帝人)
3自由課題をご提出ください。テーマ:「学生時代にやり遂げたこと(または現在取り組み中で、卒業までにやり遂げたいこと)」(A4タテ1枚、片面印刷、形式自由、写真など画像使用可、字数制限なし)※用紙はご自身でご用意ください。(2021年 東洋紡)
4周りから驚かれるような、あなたならではのこだわり(2021年 グンゼ)
5学生時代にあなた自身が主体的に「答えのない問い」と向き合った経験をもとに、どのように成長できたかを教えてください。300文字以下 (2021年 ワコール)
設問例1:その企業で成し遂げたい事
この質問で応募者の企業に対する志望度を確かめる狙いがあります。
入社後の目標が立てられていることは入社後も長く勤める意欲があると判断できるからです。
その企業で成し遂げたい将来のビジョンが明確に伝わるように具体的な内容を書いていきましょう。
回答例
多くの技術や視点を学ぶことで「炭素繊維の分野ならこの人!」と周りから思われるような専門性をつけた上で、新しい価値を提供し、人々の生活がより豊かになるように貢献したいと考えています。
これを貴社で成し遂げたい理由は、二つあります。
一つ目は貴社の社会貢献度の高さです。世界でトップシェアを誇る製品をいくつも生み出し、様々な場面で日々の生活を支えているため、より多くの人に貢献できると考えました。
二つ目は貴社の「素材には社会を変える力がある。」という信念に強く共感したからです。炭素繊維一筋で50年かけて開発するような、物事を突き詰める探究心と情熱に共感しました。
私の強みであるやり遂げる力を生かして、最後まで諦めることなく、よりよい開発に取り組みたいです。
そのために繊維の分野で専門知識を持つ方々が日々研究に取り組む環境で自らを刺激し、成長し続けたいです。
企業のHPなどを見て、事業内容や理念を理解し、その企業だからこそ挑戦できることを回答して入社に対する意欲をアピールしていきましょう。
設問例2:20年後、実現したいこと
20年後、仕事を通じて、自身が実現していたいことや関わっていたいことを自由に書いてください。 (現在の帝人の製品やサービス、ビジネスモデルにとらわれる必要はありません)(2021年 帝人)
将来のビジョンを明確に立てられる学生は自分の能力をどの分野で活かせるのか把握していると判断します。
また、自己分析は就職活動の軸とも言える部分なので、就職活動に真剣に取り組んでいるかどうか知ることが出来ます。
回答例
マテリアル領域の拡大に貢献して、一人でも多くの人々のQOL向上を実現したいと考えています。
そのためにはまず、営業職として最前線で貴社の製品の普及に従事したいです。
その中で人々が求めるニーズと向き合い続け、そこで得た知識や経験を通じて、ゆくゆくは新製品の開発や新規事業の立案に携わっていきたいです。
日本は超高齢化社会が迫ってきており、今後は国民の多くが自身の健康問題や、安全な生活環境に対して関心を強く持つ人が増えていきます。
それにより、日常の生活をより豊かにする高品質、高機能な素材の製品のニーズは今後も高まっていくと考えます。
マテリアル領域で総合的な事業展開を行ってきた貴社ならではの強みを生かした商品開発や事業展開に携わることで、20年後には健康で安全な暮らしを送っていきたいという人々のニーズに答え、人々のQOL向上を実現していきたいです。
この質問では、その企業の業務内容を適切に理解しているか、実際に取り組む業務と実現したいことに相違がないかが問われている問題です。
業務の理解はもちろん、具体的に自分が働く姿をイメージして書くことが大切です。
設問例3:学生時代にやり遂げたこと
自由課題をご提出ください。テーマ:「学生時代にやり遂げたこと(または現在取り組み中で、卒業までにやり遂げたいこと)」(A4タテ1枚、片面印刷、形式自由、写真など画像使用可、字数制限なし)※用紙はご自身でご用意ください。
このような質問を出す企業は「白紙の紙1枚を使って自由に表現してください」や「絵や写真を使ってもいいので自由に自分を表現してください」といった内容であなたならではの発想や独自性をみています。
どのように表現して伝えてくれるかを採用担当者は見たいのです。
ここでは、あくまで文字で自分を表現する例を紹介します。
どんな方法でも一貫性を持って自分を表現することが大切なポイントです。
繊維業界は発想力の豊かな人材を求めていることが多いので、あなたならではの個性や人柄をエピソードと紐づけて分かりやすく伝えていきましょう。
回答例
大学のサークルでプレゼンテーションの全国コンテストに挑戦しました。
4人チームの団体戦だったのですが、後輩メンバーの1人は大勢の前で話すことに不慣れで、とても不安がっていました。
私は発表の場における成功体験がないことによるものだと考え、最初は1分程度で自分の好きなことを発表する練習から始めようと提案しました。
好きなことをテーマにすることで後輩メンバーも楽しげに話すことができ、徐々に自信をつけていくのが分かりました。
また、良かった点を伸ばす方向で積極的にフィードバックを続けました。
他にも発表するごとに動画撮影をして本人が現状の把握と前回からの成長を実感できるように工夫しました。
その結果、チーム全員が堂々とプレゼンテーションをすることができ、当日の発表会で入賞することができました。
採用担当者は輝かしい実績ではなく、挑戦した際にとった行動や考え方に注目しているので、挑戦した内容だけではなく、自身がとった行動についてもしっかり伝えるように意識しましょう。
設問例4:あなたならではのこだわり
こだわりを聞く質問は、あなたの「個性」と「客観的に自分を見れているか」を見ています。
この質問では、あなたの人柄や強みとしている部分を企業の採用担当者にアピールする絶好の機会です。
質問に対して答えられるかどうかは、自己分析ができているかの判断にもなります。
こだわりを通じてあなたの強みや人柄を積極的にアピールしていきましょう。
回答例
私ならではのこだわりはスケジュールをできる限り全て埋め、常に行動を心がけていることです。
具体的には1ヶ月前からやりたいこと、アルバイトや勉強、趣味である釣りの予定を翌月の予定帳にあらかじめ埋めることを決めています。
1週間前に予定の確認を行い、前日に確認してスムーズな行動を心がけています。
周りからはよく、「そんなに予定埋めて大変じゃないの?」と言われますが、私は日々を過ごしていて、何もしない日があると一日を無駄にしたと後悔します。
このスケジュール管理を高校生から続けていて、大学では学業に努めながら4つのアルバイトを掛け持ちし、留学費用を半年で貯めることができました。
貴社でも、私の計画力、行動力を生かし、日々を無駄にすることなく、行動を管理することで、目標に向かって努力します。
ただこだわりを挙げるのではなく、こだわりを通して自分がどんな人間であるかを伝えるのが大切です。
そのこだわりがきっかけでプラスに感じたこと、出会えた人や経験など、前向きなものがあると望ましいです。
人事担当者が思わずあなたの人柄に興味を持つような、あなたならではのこだわりを挙げると良いでしょう。
設問例5:成長を実感した瞬間を教えてください
学生時代にあなた自身が主体的に「答えのない問い」と向き合った経験をもとに、どのように成長できたかを教えてください。300文字以下 (2021年 ワコール)
この質問で言う経験や成長とは、問題を解決したり現状を良くしたりするために自ら課題や目標を設定し、それに向かって行動してきたことを指します。
つまり「これをやってください」と他人から与えられたことをやるのではなく、現状を分析して最善策を考え、行動に移す実行力を持った人を「主体性のある人」と言います。
他人から行動することを決められなくても、自分の意思で何をしたかがポイントになります。
回答例
コロナ禍で目標としてきた演奏会が中止になってからも、納得のいく演奏を求めて努力を続けました。
その経験から最善を目指して努力し続ける粘り強さを得ることができました。
私は大学の音楽サークルで開催予定だった演奏会の総責任者に就きました。
この情勢下で開催されるかどうか未定だった時期から、自分たち演奏者、スタッフ、お客様にとって開催することが正しいのか、もし開催するならどのようにすべきか私自身考え抜き、メンバー同士で何度も議論しました。
結果、開催を断念しましたが、仮に開催されなかったとしても状況を考慮して、試行錯誤し最善を模索し続けたことは、得難い経験となりました。
採用担当者はその人の素の人間性や思考過程を知りたいと考えています。
どのように考えてその行動をとったのかをエピソードに交えて書いてみることで、より説得力を持たせることが出来るでしょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
繊維業界はどんな人材が求められるのか
業界全体の傾向としてどのような人物像を求めているのか、志望する企業が求める人物像に自分が当てはまるものがあるかどうかを把握して就職活動を進めることが大切な視点になります。
また、自己PRや志望動機を書く時に役立ち、企業とのミスマッチも防ぐことができるので、求める人物像を把握することは必須と言えるでしょう。
繊維業界全般的に求める人材の特徴として下記の通りです。
- 応用力や発想力のある人
- 常にチャレンジをしていく貪欲さ
- グローバル思考と柔軟な価値観
応用力や発想力のある人
発想力とは自分の考えや判断を基に行動できる人のことです。
繊維業界は国内市場の縮小が課題となっており、自らが消費者目線に立ち、変化し続ける景況やトレンドにいち早く対応したり、消費者のニーズを把握することが求められます。
そこで、自ら考えて行動を起こせる人材はどの企業においても重要な存在となります。
新しい素材を開発するために今ある素材や開発中の素材をどのように応用できるのかを考えられる人材が重宝されます。
常にチャレンジをしていく貪欲さ
今どんな技術があるのか、他の企業はどのようなものを作っているのか、これから求められるもののニーズなどは受け身の姿勢で手に入れるのは難しいです。
自ら調べて研究し、常に進化する技術や素材に対応してチャレンジをしていく貪欲さが求められるでしょう。
グローバル思考と柔軟な価値観
繊維業界では海外進出している企業が多く、グローバルな視点を持った人が向いています。
海外の多様な価値観や考え方をネガティブにとらえるのではなく、「なるほど。このような考え方もあるんだな」と柔軟に取り入れることができる方は繊維業界に向いているといえるでしょう。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも業界全体での話となります。企業によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあるでしょう。
どのような人材が欲しいのか、企業研究をして分析する必要があります。
志望企業や職種を決める際には「どのような人材を求めているのか」「自分が最も活躍出来そうな領域はどこか」をしっかりと検討した上で、この企業でなければいけない理由を加えて採用担当者にアピールしていきましょう。