【ビール業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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いきなりですが、皆さんはビールをよく飲みますか?成人を迎え、学校やアルバイト仲間などとお酒を飲む機会もあるのではないでしょうか。
ビール業界は、ビールだけではなく、発泡酒やノンアルコールビール、第3のビールを製造販売する企業が属する業界のことを指します。
ビール業界で扱われるお酒の種類も、今を生きる人々のニーズに合わせ、最近はとても多くなってきています。
中でも新ジャンルと呼ばれる第3のビールは、消費者の節約思考により売り上げを伸ばしてきました。
もう少し細かいことをお伝えすると、酒税法の改正などにより、売れるお酒、売れなくなるお酒があるということになります。
ビール業界はアサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、サッポロホールディングス、サントリーホールディングスの4社でほとんどのシェアを握っています。
限られた企業でシェアを奪い合うことになるため、法律の改正や、消費者ニーズ、他社動向などを細かく把握した上での戦略が必要になります。
そんなビール業界を目指す皆さんに、実際のビール業界の選考において出題されたESの設問を、具体的な回答例を用いてご紹介します。
また、ビール業界の採用動向や面接対策など、詳しくは「ビール業界研究」の記事でチェックしてください。
目次
ビール業界のES設問例
1あなたが周囲にインパクトを与えたイノベーティブな試みとその改善策(2020年卒 アサヒグループホールディングス)
2チームで取り組んだ困難、そこから得た学び (2019年卒 アサヒグループホールディングス)
3「熱意」、「誠意」、「多様性」を表したエピソード (2021年卒 キリンホールディングス)
4サントリーでやってみたい仕事の理由を教えてください。(2022年卒 サントリーホールディングス)
5今までの経験で最も頭と体を使った経験は? (2021年卒 サントリーホールディング)
設問例1:革命的な取り組みと改善点
あなたが周囲にインパクトを与えたイノベーティブな試みと当時を振り返った今、改善すべきだったと考える点はどこか(2020年 アサヒグループホールディングス)
この質問では、皆さんが学生時代に取り組んだ、革新的だと言える試みと、今だからこそ気づける改善策を問われています。
こういった経験を問われる設問においては、「企業側はなぜこの問いをするのか」を想像することが大切です。
例えば、アサヒグループホールディングスが大切にする価値観として、「挑戦と革新」「最高の品質」「感動の共有」があります。
この設問は、「挑戦と革新」という会社として大切にする価値観を共有できる、実現できる人物であるかと判断したいという思いが込められていると考えられます。
こういった「企業側はなぜこの問いをするのか」を想像すると、具体的に必要な回答イメージが付けやすくなるため、エピソードの選択がスムーズに進みます。
またビール業界は限られた企業でシェアを奪い合うため、既存の商品だけでなく新たなトレンドや商品を生み出さなければなりません。
そのため、変化に気づき、革新を起こしていく力が求められます。
回答例
学生時代に勤めていたホテルでアルバイトのマニュアル作成とメンター制度の導入を提案し、実現したことです。
私はホテルで給仕スタッフとしてアルバイトをしていました。そこでは希望日のみを選択し働くことができたため、出勤日数により業務の習熟度に開きがありました。学生アルバイトごとの能力差が激しく、業務を把握しているアルバイトばかりに仕事が振られ、業務の不平等が起こり、退職者が多く出てしまっている状況でした。
この課題を解決するために「学生アルバイトのマニュアル作成」と「メンター制度の導入」を提案し、具体的な導入に向けて社員の方と話を進め、以下の内容を盛り込んだマニュアルを作成しました。
・学生アルバイトの職域を明確にすること
・業務の基準を作り、能力の度合いがわかるようにすること
また、メンター制度については、経験の長い学生アルバイトをメンターとし、選出された人はその手当が時給に上乗せとなり、不平等が是正できるシステムを構築しました。上記を実施した結果、モチベーションアップにも繋がり、学生アルバイトの退職を減らすことができました。
改善すべき点としては、一緒に働く学生アルバイトの意見も反映させていたら、もっと良い改善案が出たのではないかと考えます。物事を動かす際には、一緒に働く仲間を巻き込む必要性をこの経験から学びました。
この設問の回答においては、特別なエピソードである必要はありません。
日常の中で他の人が見落としてしまうような出来事を、皆さんはどう気付き、どう革新を起こしていったかということを、具体的にまとめることが求められています。
あなただからこそ気が付く課題とその解決策を、具体的に伝えていきましょう。
設問例2:チームで取り組んだ困難とそこから得た学び
この設問は、あなたが社会でのグループ活動においてどのような立場をとる人であるか、また、常に学ぶ姿勢を大切にしている人であるかを問うものです。
以下のポイントを押さえ、ESを作成していきましょう。
- チームでの取り組みにあなたが与えた影響を明確に
- 学びに気が付くまでの過程を具体的に
- 学びはどのように活かすことができるか示す
チームでの取り組みを問われると、自身がリーダーとして何か成績を残していなければ回答として相応しくないと考えがちですが、そうではありません。
リーダーであること、成績が良いことが重要なのではなく、そのチームにあなたがどんな影響を与え、その結果チームがどうなったのかという事実が重要なのです。
ポイントを押さえESを書くことにより、企業側は皆さんが入社後、チームで取り組む仕事に対してどのように活躍する人物であるかをイメージしやすくなります。
回答例
私は部活動において、どうすれば部員全員が同じ熱量で活動に臨むことができるかという課題に取り組みました。
私はバレーボール部に所属していますが、コロナウイルスの影響により部活動に制限がかかり、目指していた大会が延期となりました。
目標に対する部員のモチベーションの低下が見られるようになったため、「定期面談の実施」「自主練習プログラムの作成」を行い、全員が同じ熱量で活動できるようチーム作りに励みました。
定期面談では部員のメンタル面の把握・改善に努めました。また「昨年の成績を超える」という目標を再度共有し、目標達成のために自主練習プログラムを展開、結果を貪欲に求めるよう呼びかけ続けました。
この経験から、チームで活動する際には目標を定め、全員が同じ方向に向かって行動する大切さを学びました。貴社でもこの経験を活かし、目標に対し立ち止まることなく常に行動し続け、課題を乗り越えていきます。
チームで取り組んだことに、あなた自身が何を考え発言し、行動したのかということが大切です。
またその出来事から得た学びを社会人生活においてどのように活かせると考えているかまで、具体的に考えてみましょう。
設問例3:熱意・誠意・多様性を体現した経験
熱意・誠意・多様性を体現した経験。キリンホールディングスには、グループ全社員が大切にしている価値観「熱意・誠意・多様性」があります。
あなたがこれまでの人生の中で「熱意・誠意・多様性」の価値観を体現したと思うエピソードを一つ、教えてください。(2021年卒 キリンホールディングス)
この質問は、あなたの自己分析の深度と、価値観についてが問われています。
こういった質問からあなたがどのような人間であると自身を理解しているか、どんな価値観を持っているいるかを探り、会社に合う人材かどうかを確認します。
自己分析を通し、自分がどのような人間で、どんな選択をしてきたかを振り返り、企業の価値観に当てはめなければなりません。
企業側が皆さんがどんな価値観を持っているかを探り、自社で活躍する人材であるかどうかを確認します。
いま一度、自分自身の選択を振り返り、より深い分析をしてこの設問には臨みましょう。
回答例
私は、外国人留学生が生活しやすい大学作りを求める議論に積極的に参加してきました。交換留学に参加した際、文化や考え方の違いによる衝突をいくつも目の当たりにし、多様な価値観や生き方があることを学びました。
日本に帰国してから改めて大学を見渡すと、外国人留学生には生活しずらいと思われる点が複数ありました。一例として食堂のメニューが挙げられます。日替わりで用意された定食全てに肉や魚などの動物性食品が使われていました。外国人留学生の中には完全菜食主義者と呼ばれるビーガンの方々もいたため、これでは全ての学生が生活しやすい環境であるとは言えないと感じました。
その気付きを経て、ゼミの研究テーマとして「大学の多様性」を取り上げ、留学生を取り巻く助成金の問題やそれぞれの価値観を守るために必要な施策などについて議論を行いました。
多様性を認めるということは、新しいアイデアが見つかることや、優秀な人材を確保できるというメリットを享受することになると考えています。貴社に入社した際には固定概念に囚われることなく、多様性を認めながら柔軟な働き方を体現したいです。
ここで人事担当が確認したいのは、企業の価値観とマッチする人物であるかどうかです。
あなた自身がどんな学生であるか分析した上で、1番伝えやすいエピソードを用いましょう。
企業が大切にしている全ての価値観についてエピソードを挙げる必要はありません。
あなたが入社後、企業の価値観を通じて同じ方向を向いて仕事ができる人物であるというアピールをしてください。
設問例4:サントリーでやってみたい仕事の理由を教えてください。
この説明では、皆さんがどれだけその会社のことを知っているか、またその会社への熱量はどの程度のものであるかを問われています。
以下のポイントを押さえることが大切です。
- サントリーならではの仕事や特徴について触れる
- 自分の強みと絡めて伝える
どの会社でも当てはまる内容ではなく、その会社に当てはまり、かつ入社後には自分の強みを活かし、活躍できるイメージを伝えるようにしましょう。
回答例
私は勉強してきたマーケティングの知識を活かし、貴社で商品開発の仕事をしたいです。
私は所属していたゼミで、人々の消費行動とマーケティングについて勉強してきました。本来であれば調査、分析後はレポートにまとめて完了となるのですが、ゼミで調査した内容をもとに実際にイベントを行ったらどのような効果が得られるか実証したいと考え、教授に提案をしました。その提案が認められ、実際に自治体と協力しながらイベントを進め、自身の実証を行うことができました。
貴社は「やってみなはれ」の精神が根付いており、経験が少ない若手社員でもプロジェクトを任せてもらえるとOB訪問の際に活躍されている社員の方からお聞きしました。ゼミでのエピソードの通り、調べたことや関心のあることはできる限り実行していきたいと考えています。「やってみなはれ」の精神が根付いた貴社で、商品開発の仕事をし、高品質の商品を生み出していきたいです。
この設問では、皆さんがサントリーホールディングスの仕事の内容を深く理解しているか、また、自身の経験や強みを活かすビジョンが描けているかを問われています。
憧れの仕事があっても、誰しもがその仕事で活躍できるばかりではありません。
自分の能力をどのように活かし会社に貢献できるか、より具体的に伝えられると、現実的に自己分析ができているといえるでしょう。
設問例5:今までの経験で最も頭と体を使った経験は?
この設問では、あなたがどのような経験をし、どんな人物であるかを問われています。
この回答をもとに人事担当者は入社後、あなたがどのような働き方をしてくれそうかシミュレーションをします。
以下のポイントを押さえ、あなたを採用した場合のメリットを感じてもらいましょう。
- あなたならではの経験を伝える
- その経験から何を学んだかを明確にする
回答例
所属していた合同祭実行委員会で実行委員長として200名ほどのチームを束ね、イベントを成功させたことです。
合同祭は4つの大学が合同で行う大規模イベントで、各大学からスタッフが集まるので、意見をまとめることは簡単なことではなく、話し合いが進まないという状況に陥ってしまいました。私は実行委員長としてこの状況を打開すべく、組織単位を小さくする必要があると考えました。
1グループをいずれも20名以下とし、4つの大学全ての学生が混ざるようグループ分けを指示し、それぞれにチーム名と役割を与え、仕事を明確に分けました。その過程においてグループ同士での行き違いや、各大学への報告書の提出準備などが発生し、多くの時間と体力を費やすことになりました。
しかし、結果として、組織を小さくすることにより話し合いがスムーズに進み、当事者意識を持って取り組める委員が増えていきました。1つの組織を20名以下まで小さくするという手段を取るまでには、たくさんの悩みや実務が伴いましたが、合同祭を無事に実行できたことは自分にとってかけがえのない経験となりました。
自身の武器になると考えるエピソードを具体的に書き起こすことが重要です。
エントリーシートでは、困難にぶつかった時の経験や努力した経験を通して、採用すべき人物であるかを判断します。
あなたならではの経験を、より具体的に自分の言葉で伝えることを意識しましょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは、企業に対して「自分を売り込む場」といえます。
自分の強みや長所をどのように企業で活かせるか、どのように企業へ貢献できるかをアピールし、企業に必要な人材と思ってもらえるように自分を売り込む事が自己PRでは求められます。
自己PRで評価されるには、自分の人柄や能力を具体的に伝えて企業が求める人物像に合わせてアピールすることが重要になります。
企業が自己PRを聞く意図は3点あります。
1応募者が活躍してくれるか見極める
応募者を採用することによって企業にプラスの利益をもたらす人材なのかを強みや長所を聞いて見極めています。
そのためただ単に自分の強みや長所をアピールするのではなく、企業が求めている強みや長所を意識してアピールすることが大切になります。
2企業に合った人材か見極める
企業の社風や考えに合った人材かを見極めることによって活躍してくれるか判断材料としています。例えば応募者の強みが既存社員と類似していたら企業とマッチする可能性が高く活躍が期待できます。
反対にいくら優秀な人材でも企業との相性が合わない場合は早期退職の恐れがあるため前向きに採用を検討しません。
3自分を客観視できているか
自己分析は就職活動において最も重視して行うものなので、自己分析が出来ていないと就職活動への姿勢が悪いものと評価されてしまい、企業への志望度も低いものだと判断されてしまいます。
自己PRは自分を売り込む場なので、自分自身について正しく理解する必要があります。そのためには自分を客観的にも理解することが大切となります。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
ビール業界はどのような人材を求めているのか
ビール業界全般的に求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- 新たなものを生み出すことができる
- 挑戦し失敗を恐れない
- 冷静な分析ができる
冒頭で述べたように、ビール業界は限られた企業でシェアを奪い合っている状況です。
また、酒類の中でもビール分野は日本の人口減少による消費量の低下、若者のビール離れなどの問題とも直面しています。
そのため、市場を冷静に分析し、失敗を恐れず挑戦することが求められます。
今ある商品に新たな価値を加える、もしくは全く新しい商品を生み出すために、日々の生活の中で高いアンテナを張っている必要もあります。
先の見えないビール業界でより一層成長するために、企業は新しい力を求めているのです。
上記のポイントを押さえ、自分のどんなところがビール業界で活躍できる人材であると考えているのかを明確に伝えていきましょう。