【鉄道業界研究|2023年度最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
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鉄道業界と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?JRや私鉄など、電車のイメージが強い方もいるのではないでしょうか。
鉄道業界は電車で人を運ぶことはもちろんのこと、貨物輸送も対応しています。
加えて、より多くの顧客に鉄道を利用してもらうために、駅周辺において商業施設やホテルなどの運営をしています。
他にも地域の人の利便性を考え、駅内に買い物や食事ができる店舗を配置したり、眼科や介護施設の設置など多岐に渡って事業を展開しています。
今回は、代表的な企業も含めて鉄道業界について紹介します。鉄道業界で仕事をしたいと思っている方は必見です。
目次
鉄道業界とは
鉄道業界は、電車を使って旅客や貨物の輸送をすることをメインとしています。
JR・東急電鉄・阪急電鉄など数多く沿線が存在しており、どれも国民にとって非常に重要なインフラとなっています。
鉄道会社は大きく分けて4つに分かれています。
JRグループ |
日本国有鉄道の路線を引き継いでいる |
私鉄 |
民間企業によって運営(東急や阪急など) |
国営鉄道 |
地方公営企業や自治体が運営(市営地下鉄など) |
第三セクター鉄道 |
国や地方自治体と民間が共同で運営(りんかい線など) |
鉄道業界は単に鉄道を運営するだけでなく、利用者の利便性が上がるように駅周辺の開発も対応しています。
具体的には商業施設やホテルの建設、車椅子を利用される方が使いやすいようにバリアフリー機能を設置するなど、利用者の利便性が上がるよう開発を進めています。
日常的に電車を利用する人の数も多く、鉄道業界は非常に重要な役割を担っています。
鉄道業界の職種
事務系統
鉄道業界における事務系統の仕事は、幅広く業務を対応する必要があります。
主に「データ管理」「営業」「広報」などがメインの仕事になってきます。
データ管理は、資材の在庫管理や各気動車の給油量のデータ入力などが主な仕事です。電車の運転に支障が出ないよう、必要な物資を事前に発注します。
その他にも、「そうだ、京都へ行こう。」など、特定のキャンペーンに対する広報・営業活動など多岐にわたって業務を担当します。
なお、駅ではなくその企業が保有しているオフィスでの勤務となるのが通例です。
運輸系統
運輸は、実際に鉄道の運営に関わる現場仕事がメインです。
スムーズに乗車できるように案内する「駅係員」や実際に電車を運転する「運転士」などが挙げられます。
駅係員は、目的地までの行き方のサポートや駅構内施設の案内をします。
加えて、駅内の落とし物・忘れ物を取り扱う遺失物業務や、駅の売り上げを管理する納金業務などがあります。
運転士は「動力車操縦者運転免許」という運転士試験があり、合格しないと電車を操縦することはできません。
多くの人の命を預かっているというプレッシャーはあるものの、大きなやりがいを感じられる職業です。
車両・機械系統
車両・機械は、電車やシステムが安全に動くようにメンテナンスをすることが大きな仕事です。
電車という巨大インフラを陰から支えるスペシャリストともいえます。
車両は基本的に同じように作られてはいるものの、1台1台で若干異なってきます。
部品1つだけでも車両がしっかり動くかどうかに関わってきますので、慎重・丁寧にメンテナンスをすることが必須です。
その他にも、車両を車庫に入れる前に忘れ物や不審物がないか確認する「入庫検査」や、車庫から出す前に走行できる状態か確認する「出庫検査」なども対応します。
そのためきっちり細かいところまで確認できる方には向いている仕事でしょう。
電気・システム系統
電気・システム系統は、最先端の電気技術を応用し、設備開発・仕様検討・メンテナンスなどを対応する仕事です。
具体的には電力設備・信号通信・情報システムを取り扱っています。
電力事業においては、変電設備・電車線路設備・電灯電力設備などの維持管理や、設計・世耕監督などを担当します。
また、安定した電力を供給するために、鉄道変電所の制御技術の開発なども携わります。
信号通信事業は、「信号保安設備」や列車の運行を一括で制御する「運行システム」の、維持管理・設計、施工監督を担当します。
どの事業も、安全かつ安定に電車を動かすためには欠かせない職種です。
鉄道業界の市場規模
鉄道業界の市場規模の推移
鉄道業界の市場状況は、現在厳しい状況に陥っている企業が多いといっても過言ではありません。
以下のグラフは年度ごとの利用者数の推移になります。このグラフによると2018年度までは緩やかに右肩上がりで上昇していました。
国内旅客輸送量(人ベース)の推移(出典:国土交通省「交通政策白書2021」、グラフ作成:CareerMine)
しかし新型コロナウイルス感染症拡大により、2020年度においては鉄道を利用する人が激減しました。
その一例としてJR東日本の乗降者数の推移をみてみましょう。、3~8月にかけて前年度よりも10〜30%ほどしか乗客していないことがわかります。
JR東日本の乗客数の推移(出典:西日本新聞「JR東日本、2643億円の赤字」、グラフ作成:CareerMine)
結果、2643億円もの赤字が出たとのこと。もちろんこれはどの企業においても当てはまる可能性が高く、どこも非常に厳しい状況だといえます。
そのため、アフターコロナでどのような施策を講じていくかが注目すべきポイントでしょう。
鉄道業界の現状・動向
リニア・新型車両など次世代型の車両の実現に向けてそれぞれの企業が動いている
現在リニア中央新幹線の開発に着工しています。
リニアとは、超電導リニア技術を用いた新しい新幹線です。時速500キロで走るリニアは、東京と大阪間を1時間程度で移動できるとのこと。
その他にも騒音低下や、これまで以上のスピードで走れるような車両である次世代型の車両の開発も進んでいます。
利用者を増やす・環境負荷を減らすという目的を実現するためにも、非常に重要な取り組みだといえます。
ただ、リニアに関しては南アルプスの工事に取り組むことが許可されておらず、開通延期になる可能性が高いです。
既存の新幹線よりも遥かに早いスピードで走るため、より利便性を上げるという観点からもリニアの開通時期は非常に重要な論点になるといえます。
参考:NewsPicks
車両の点検方法のDX化など、AI・自動化の推進がカギ
鉄道業界においても、将来労働人口の減少が見込まれています。そのため、AI・自動化を推し進めていくことが鍵となります。
その一例として「ドローン・タブレットの活用」が挙げられます。
これは、作業人員が減少傾向にあると同時に、トンネルの維持管理の効率化を目指すことが課題として挙がったことがきっかけです。
具体的にはトンネル内の点検にドローンを活用し、高所にひび割れが入っていないかを確認します。
その他にも、「漏水・ひび割れ・浮き・鋼材劣化」などの変状が見られた場合は、タブレット端末を活用して写真を撮影し、記録を残して後日再確認する必要がないように対応します。
このように業界全体でデジタル技術の活用が推し進められています。
最新の動向をチェックすると同時に、自動化対応できそうなところはないか一度考えてみるのもいいでしょう。
参考:産経ニュース
アフターコロナを見据えたプラットフォームやサービスの提供が必要
新型コロナウイルスの影響により、鉄道業界においても大きな変革が迫られました。
特に、利用者側のニーズが変わりつつあることから、駅で提供しているサービスも変化しつつあります。
ワーキングスペースを設けたことは1つの事例といえます。
テレワークが企業に導入されたことから、どこでも仕事ができるようになりました。そのため、駅でちょっと仕事をしてから会社に行くというスタンスも今では増えつつあります。
その他にも密を避けるために建物の構造改革をしたり、利用者の行動に対する導線も作る必要があります。
加えて、これまで収集してきたデータをもとに、どのような動きがなされるかシミュレーションをする技術も開発されつつあるのです。
以上のことから、利用者のニーズを満たし、既存の問題を解決するような対策をしなければならないのが鉄道業界の現状です。
参考:ITmediaNEWS
鉄道業界の歴史
明治に新橋〜横浜間で初めて開通した明治期
日本における鉄道は、明治5年の新橋・横浜間の開通をはじめとし、明治末期を目処に全国の幹線路が完成するに至りました。
この点、明治14年頃を境に日本鉄道会社などの私設鉄道も建設されました。
一時期、私設鉄道がブームとなりましたが、25年に設立した鉄道敷設法によって鉄道建設は官設を建前とすることに至りました。
加えて、日露戦争が終わった後、鉄道国有法にのっとり私設鉄道が買収されることになったため、全国のほとんどが官設鉄道となりました。
鉄道というものが誕生した明治は、鉄道業界にとっては非常に重要な位置付けとなります。
第一次世界大戦を契機に発展・戦時下の状況
大正期、第一次世界大戦を契機に、鉄道業界は一気に急成長を遂げました。
大正9年には「鉄道省」が設置され、鉄道行政が執り行われる運びへとなります。
それと同時に、長大トンネル建設が図られたこともあって、鉄道技術も国際レベルへと進化しました。
ただし、第一次世界大戦が終わったと同時に好景気が終焉を迎え、日本全体に一気に不景気が襲いかかります。
鉄道業界も例外ではなく、昭和4年以降から利用客の減少など不景気へと突入しました。
第二次世界大戦下においては、物資や人の輸送を頻繁にする必要があったので、非常に需要が高まりました。
列車回数が増加するに伴い、線路容量の行き詰まりが懸念されたため、線増工事を行いました。
しかし太平洋戦争を経て、鉄道施設は線路・車両ともに荒廃してしまう結果となりました。
高度経済成長による鉄道の発展と現代の状況
敗戦後しばらくして、戦後の荒廃から立ち直ることに成功し、高度経済成長へと突入します。
その結果、輸送需要も上がってきたこともあり、線路の増設など設備投資が積極的になされました。
設備投資はもちろんのこと、電車への投資も積極的に対応していきました。
1964年の東京オリンピックに向けて1964年に、東京・新大阪間にて新幹線の営業を開始するに至りました。
現代においては、より利便性を兼ね備えた施設・車両の設計、環境への配慮も鉄道業界に求められているのが現状です。
リニアの開発などはその一例ともいえます。
参考:国土交通省「日本鉄道史」
鉄道業界におけるトレンド・話題
日本初の新設「LRT」が秘める進化の可能性
JR宇都宮駅東口から芳賀町にある高根沢工業団地までを結ぶ栃木県の「芳賀・宇都宮LRT」で使用される低床式車両「HU300形」が車両基地に到着しました。
通称「ライトライン」といいます。
そもそもLRTとは最新の技術が反映された次世代型の路面電車のことをいいます。
騒音や振動が少ないため快適に乗車でき、ホームとの間に段差・隙間が少ないのが特徴です。
芳賀・宇都宮LRTの他にも富山ライトレールや広島電鉄があります。
ライトラインにおいては「定員の増加」と「最高速度を70キロに引き上げ」の2つが新しい試みとして取り組まれています。
今後、地方を中心に再開発が積極的にされることからも、今後の動向に着目する必要があります。
参考:SankeiBiz
利用者落ち込む鉄道業界 自動運転の導入検討広がる
新型コロナウイルス感染症の影響により、鉄道の利用者数が落ち込んでいます。
その背景もあり、コスト削減を目的として自動運転の導入が検討されています。
中でも東武鉄道においては、大師線で2023年度以降に自動運転を試験的に導入する計画です。
その他にもJR東日本が2021年において常磐線に、JR西日本が2020年において大阪環状線に自動運転を導入しています。
将来の運転士不足に備えるというためにも大きな取り組みであるといえます。
新型コロナウイルス感染症が流行する以前のように、しばらくは完全に利用者数が戻らない可能性が高いです。
そのため、自動運転の導入は非常に喫緊の課題であるといえます。
参考:NHKニュース
サブスクリプション型サービス「ちょいよか」が提供開始
西日本鉄道株式会社は、自転車や傘のシェアリングサービスをお得に利用できる「ちょいよか」という月額のサブスクリプションサービスの提供を開始すると発表しました。
「ちょいよか」を開始する狙いは外出機会の創出と、モノをシェアすることによって環境負荷削減することが目的です。
2021年においてシェアの概念がだんだん広がっていきつつある中、新たな試みであるといえます。
加えて、鉄道利用者数が減った今だからこそ、違った形でサービスを提供するという意味で非常に画期的なサービスです。
「ちょいよか」のように、駅周辺において身近なもので再活用できるものはないか探ってみるといいでしょう。
鉄道業界における主要企業の解説
JR東日本
社名 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
設立 |
1987年4月1日 |
本社所在地 |
東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 |
資本金 |
43億1,014万円 |
従業員数 |
49,780名 |
平均年収 |
655万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! ※どちらも東日本旅客鉄道(株)として登録 |
事業内容 |
旅客鉄道事業・貨物鉄道事業・旅客自動車運送事業・索道業、その他多数 |
JR東日本は、東日本を中心に鉄道運営や生活サービスの提供をしている鉄道会社です。
山手線やSuicaをイメージする方も多いのではないでしょうか。ちなみに正式名称は東日本旅客鉄道になります。
大きく分けて3つの部門で事業展開しています。
1つは「輸送サービス」です。
鉄道・新幹線の運営を通して、国民の生活基盤を支えています。2021年時点においては、新しいタイプの新幹線である「ALFA-X」やゲートレス改札の開発に力を入れています。
2つ目は「生活サービス」です。
駅近郊の街づくりを通して都市の利便性を上げたり、郵便局やコミュニティ施設等の併設を進めて「駅の地域拠点化」を推進したりしています。
町や地方の活性化という点において、地方創生にも大きく関わっています。
3つ目は「IT・Suicaサービス」です。
2021年時点において、「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」という環境の構築・拡充を進めています。
簡単にいうとバスの到着時刻やタクシーの予約、料金の決済などを全て完結させるような仕組みです。
以上のような部門を中心に、JR東日本は活動しています。
JR西日本
社名 |
西日本旅客鉄道株式会社 |
設立 |
1987年4月1日 |
本社所在地 |
〒530-8341 大阪市北区芝田二丁目4番24号 |
資本金 |
2261億円 |
平均年収 |
611万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! ※どちらも西日本旅客鉄道(株)として登録 |
従業員数 |
47,900人(2021年3月末現在・連結) |
事業内容 |
運輸業/流通業/不動産業/その他 |
JR西日本は、大阪環状線や福知山線など、西日本において多岐に渡って鉄道を運営している鉄道会社です。
正式には、西日本旅客鉄道株式会社といいます。
JR西日本は徹底的に安全性を追求している鉄道会社です。2005年に福知山線列車事故があり、重大な事故を二度と発生させないために尽力しています。
ドア誤扱い防止装置やホーム柵の設置など、安全面への投資を徹底しています。
また、地域共生を目標に、駅近くにホテルや住まいを建設したり、暮らしが充実しやすいようショッピングモールや飲食店を多数設置しています。
その他にも例えばNIPPONIAという企業と連携して、歴史的建築物の活用を起点とした古民家再生事業も対応しています。
他の鉄道会社と比較すると、安全面に徹底配慮し、暮らしをデザインする鉄道会社といえます。
東急電鉄
社名 |
東急電鉄株式会社 |
設立 |
2019年4月25日 |
本社所在地 |
東京都渋谷区神泉町8番16号 |
資本金 |
1,217億円 |
従業員数 |
1,461人 |
平均年収 |
762万円 ➡︎詳しくは「年収チェッカー」をCHECK! |
事業内容 |
鉄軌道事業 |
東急電鉄は東横線・田園都市線など、東京と神奈川を中心に鉄道を運営している私鉄の鉄道会社です。
不動産業をメインに展開している「東急グループ」の子会社になります。
設立日が2019年になっているのは、元々「東京急行電鉄株式会社」という社名で事業展開していて、この年に社名変更したからです。
東急グループが不動産業に力を入れていることもあり、沿線付近の街づくりの開発を強みとしているのが特徴です。
閑静で利便性があり、街全体がシックな雰囲気で包まれている「自由が丘」は最たる例といえるでしょう。
また、沿線付近を中心にホテル事業も展開しています。「東急ホテル」や「エクセルホテル東急」などを運営し、より生活の利便性が上がるよう活動しています。
鉄道事業もバリアフリーの設置や弱冷房車の導入など、利用しやすい鉄道となるよう取り組んでいます。
また低騒音型やLED灯が搭載されている車両の採用など、環境に配慮した車両を導入しています。
鉄道業界における主要企業の採用動向
JR東日本
- 変化に対応できるような柔軟な思考力
- 何事にも挑戦しようという姿勢を持って仕事に取り組める人
- ルールや決まり事はしっかり遵守できる方
JR東日本では変化に対応できるような柔軟な思考力を持っている人が求められています。
鉄道という事業において、顧客の意向がダイレクトに重要となるため、ユーザーニーズをしっかり反映できるような対策が必須です。
加えて、次世代新幹線やサービスロボットの開発など、新たな価値提供が求められています。特に2021年時点で、将来人口減少は確実に起こるといわれています。
そのため、できるだけ業務効率化や自動化を進めていかなければなりません。その点、新たなサービスの提供などを考え、挑戦していくスタンスがある方が求められます。
また、JR東日本は鉄道やバスを運営していることもあり、時間きっちりに運営することが必要です。そのため、決められたルールはしっかり遵守できるかどうかが見られます。
JR西日本
- 安全意識をしっかり持った上で業務に取り組むことができる人
- 事業発展のための「覚悟」と「志」を備えた人
- 過去の価値観に囚われず新しいことに挑戦できる人
JR西日本は安全対策を強化しています。
そのため、安全意識をきっちり持った上で各業務に責任を持って取り組むことが求められています。
加えて、事業発展のための「覚悟」や「志」を持った人が求められています。
この点、JR西日本に入って何をしていきたいか、自分がやりたいことを最後までやり切るビジョンや自信があるかどうかを、しっかり深堀していく必要があるといえるでしょう。
また過去の価値観に囚われず新しいことに挑戦できる人も求められています。
特に駅周辺の都市開発や古民家の再活用など、今まであまり事例がないことに取り組んでいかなければなりません。
そのため、今の時代に必要であると感じたことに挑戦できるかどうかが求められます。
東急電鉄
- 日本の鉄道の一翼を担っているという使命感を持って仕事ができる人
- 今求められているニーズを把握し、どのような施策が必要か考えられる方
- 学び続ける姿勢を身につけている方
東急電鉄の取締役である渡邊さんによると、「日本一の街の日本一の鉄道」を目指しているとのこと。
「日本一の街の日本一の鉄道」を目指すということは、必然と日本全体の鉄道の内の1つに入ることになります。
そのため、まずは一翼を担っているという使命感を持って働くことができるかどうかが見られます。
また、東急電鉄は私鉄ということもあり、売り上げの利益を上げるために様々な施策を対応します。
このことから、まず市民が何を求めているか把握する力、加えてどのような施策をする必要があるか考える力が求められます。
最後に、学び続ける姿勢を身につけている方も求められます。
これは東急電鉄が教育体制に力を入れていることもあり、学ぶことが必然的に求められるからです。
そのため、コンスタントに学び続けられるかどうかが採用のポイントにもなってくるでしょう。
鉄道業界の採用スケジュール
JR東日本の選考フロー
- プレエントリー
- 書類選考
- 面接(複数回)
- 内定
基本的なスタンスは他の企業と変わりありません。
ただ、事業内容が多岐にわたっているため、「自分自身が何をやりたいかがはっきりしていること」「JR東日本について細かいところまで理解しておくこと」が合否の分かれ目となります。
加えて、過去には「規律とは何か」という哲学的な質問もされたとのこと。鉄道という規律を遵守する分野だからこそ出される質問でもあります。
そのため、このようなタイプの問題に対してもしっかり答えられるようにしましょう。
最新情報はJR東日本のホームページよりしっかり確認するようにしてください。
JR西日本の選考フロー
- プレエントリー
- 書類選考
- 面接(複数回)
- 内定
JR西日本は総合職に加えて、プロフェッショナル職という応募枠があります。
プロフェッショナル職の方が採用の基準値も高くなりますし、面接も厳しいものになるでしょう。ちなみにプロフェッショナル職の募集が全体の6割を占めています。
まずはJR西日本が重要視している価値観とそれに共感するエピソードや体験談をしっかり深掘りすることから始めると良いでしょう。
最新情報はJR西日本のホームページよりしっかり確認するようにしてください。
東急電鉄の選考フロー
- 会社説明会
- エントリーシート提出
- 適性検査
- 筆記試験
- 面接(グループ)
- 面接(個別)
- 身体適性検査
- 内定
東急電鉄は適性検査に加え、複数回にわたって面接があります。市販のSPIに関する教材は一通り対応しておくようにしましょう。
面接はグループ面接と個別面接の2種類に分かれます。
グループ面接はその時々によってお題が出され、それについてディスカッションして回答するというオーソドックスなものです。
個別の面接は、個人に対して深堀をしていきます。
特にJRや他の私鉄など数多ある電車の中で、なぜ東急を選んだかという質問に対する回答はしっかり作っておくようにしましょう。
最新情報は東急電鉄のホームページよりしっかり確認するようにしてください。
鉄道業界のインターン情報
JR東日本
JR東日本のインターンシップは「募集分野1・2・3」の3種類に分かれます。
<募集分野1>
募集分野1は、7つある領域に分かれ、企業説明会を受けるものとイメージしてもらうといいです。
主に会社やその分野の概要を聞いたり、設定されたテーマに取り組んだりします。
<募集分野2>
募集分野2は、分野ごとに数名のグループに分かれ、各テーマについて提言するタイプのインターンです。
例えば、過去において国際事業という分野では、「持続的な海外展開を可能にするために必要なJR東日本の海外鉄道プロジェクトの戦略を提言する」というテーマで討論されました。
実際に働いている社員の方ともやりとりをし、構想に対する理解を深める機会もあります。
会社の概要を大方理解している方は、募集分野2に応募するといいでしょう。
<募集分野3>
募集分野3は、主に技術職の就業体験がメインのインターンシップです。
現場の最先端で働いている方の職業や仕事を体感し、理解を深める形のものです。
ただ取り組むのではなく、事前に設定されたテーマに基づいて就業体験をすることができるので、目的意識をしっかり持った上でインターンを体感することができます。
ちなみに募集分野3は、4年制大学の「大学院修士課程・博士課程在籍者」となっています。かつ、企業における技術開発や実務全般に興味がある人が対象となるので注意してください。
JR西日本
JR西日本では仕事の紹介をしてくれる、仕事の流れなどを伝えてくれる1DAY型のインターンを開催しています。
その中でもコースが9つに分かれており、様々な職種が体感可能です。
今回はその中の1つである「電気部門」について説明します。電気部門では4つのステップに沿ってインターンが進みます。
1. 鉄道業界とJR西日本を知る |
業界と企業説明になります。 |
2.JR西日本電気部門を知る |
鉄道システムにおける電気部門の役割や電気部門の詳細についてを理解します。 |
3.JR西日本電気部門の「人」を知る |
実際に働いている人の1日が紹介されたり、現役社員の方と座談会を行います。 |
4.鉄道の“未来”を描くワークショップ |
現役社員の方を交えてお題に取り組みます。グループディスカッションのイメージとなります。 |
他のコースについては、ホームページ上で随時チェックしておくようにしましょう。
東急電鉄
東急電鉄では、5日にわたって開催される短期インターンシップを実施しています。
東急グループとして開催しているので、他の子会社のインターンシップも一緒になって開催されています。
鉄道に関わるインターンシップは「鉄道電気コース」「鉄道土木コース」「鉄道車両コース」「鉄道建築コース」「鉄道DXコース」の5つです。
こちらの5つは理系の学生にむけたインターンシップを開催しています。
東急電鉄として開催されてはいませんが、「ビジネス体感セミナー」や「データサイエンスコース」なども開催されていますので、東急志望で文系の方はこちらに参加してみるといいでしょう。
なお、コースによっては夜間勤務の実習が入る可能性もあるので、注意が必要です。最新の情報は必ずホームページで確認するようにしましょう。
業界研究のやり方
業界研究においては大きく3つのステップで行っていくことで理解することができます。
(1)業界全体を知る
世の中にある様々な業界ではどのような企業がどのような役割を担っているのかを大きく把握することで業界の概要を理解することができます。代表的な企業名や職種についても調べて、自分が志す方向性を考えることがおすすめです。
(2)業界の深掘り
業界内のさらに詳しい現状や課題を調べます。業界内の各企業の違いや、企業相互の資本関係・提携関係、業界内での業績推移、業界全体の成長の見込みなどをリサーチして、志望企業を絞り込みましょう。
(3)業界の動向把握
業界の動向をさらに細かく調べていくことで、各企業の状況を知り、自己分析と照らし合わせて具体的な志望企業・職種をまとめていきましょう。
鉄道業界の業界研究
前述した上記の3つのステップで分析を進めていきましょう。
業界全体を知る
まずは、鉄道業界の全体を知ることが重要です。
鉄道業界は大きく分けて「JRグループ」「私鉄」「公営鉄道」「第三セクター鉄道」の4つに分けることができます。
JRグループ |
JR東日本・JR西日本・JR東海 |
私鉄 |
東急電鉄・阪急鉄道・東武鉄道 |
公営鉄道 |
札幌市交通局・札幌市交通局・福岡市交通局 |
第三セクター鉄道 |
由利高原鉄道・りんかい線・土佐くろしお鉄道 |
業界の深掘りを行う
鉄道業界の全体を知り、各企業の立ち位置がわかったら、次はどのような職種があるか知っておきましょう。
大きく分けて、以下の通りです。
- 事務系統
- 運輸
- 車両・機会
基本的に鉄道業界は理系要素が強い仕事が多いです。車両の点検や整備などはその典型例です。
その他にも踏切・信号・列車の運行システムも仕事として存在します。総じて専門知識を兼ね備えてなければ対応できない職種です。
もちろん文系の人が携われる仕事もたくさんあります。自身の特性・適性をもとに職種を選ぶようにしてください。
鉄道業界とはいえ、企業によって力を入れている事業が異なります。
JRではリニアの開発や首都圏の駅を中心とした駅ナカビジネス。
東急では大元が不動産事業なので、駅周辺の宿泊施設や不動産物件などが強みです。
このように鉄道業界においても、安全性を強みとしたり、駅内に力を入れたり、駅周辺に注力をしたりと、企業によって強みとしているところが異なります。
自分がどのような職種でどんなことを成し遂げたいのかをしっかり考えた上で企業を選びましょう。
業界の最新の動向を把握
最後に鉄道業界の動向把握です。PEST分析を行うことが重要となります。
PEST分析とは、政治、経済、社会、技術といった4つの観点からマクロ環境(外部環境)を分析すること。
鉄道業界のイメージをより具体的にしていきましょう。
女性の社会進出が政治的にも大きな課題となっています。この点、女性社員が鉄道の現場で活躍する姿が増えてきつつあります。
厳しいことに鉄道業界は全体的に下降傾向にあります。アフターコロナを見据えて、駅の改造や車両の設計をしていく必要があります。
全体的に鉄道を利用する割合が2020年度以前と比べると減っています。そのため、テレワークができるワークスペースやショッピングセンターの設置など、利便性の高さを上げる必要もあります。
労働人口が減少していく可能性が高いことから、デジタル化・AI化の対応は欠かせません。その代表例が、高所にひび割れがないか確認できる「ドローンの導入」です。
鉄道業界のES対策・攻略法
鉄道業界の企業に向けたエントリーシートを記入する際は、次の2点を意識して書くようにしましょう。
- なぜその会社を志望しているのか
- 自分の人物像
エントリーシートは、その人物を表す情報が詰まっている書類です。
そのため、「他の就活生と違って自分は何が得意か」「他の就活生と比べて何ができるか」ということを端的に記載する必要があります。
特に鉄道業界においては、上記の2つに加えて「鉄道を通して何を成し遂げたいか」までしっかり書く必要があります。
単に鉄道が好きだからという理由では説得力があまりないので、書類選考の時点で落とされる可能性が高いです。
一例としては「鉄道インフラの整備」があります。都心にいけば行くほど交通網が発達しているため非常に便利です。
しかし発達していけばいくほど、複雑になってわかりにくいという現象が起こるので、どう整備していくかが重要になってきます。
一方で地方にいけば行くほど、どうしても鉄道が発達していないところが多々見受けられます。
もちろん住民が交通インフラを求めているかも視野に入れなければならないですが、そもそもの鉄道のプラットフォームを充実させるという必要もあります。
そのため、「交通網の再整備」や「駅・電車の拡充」など、このような観点を切り口にエントリーシートを記入していくと、より説得力が増します。
鉄道業界の筆記試験対策・攻略法
鉄道業界の筆記試験の内容は、主に「SPI(言語・非言語)・玉手箱・Webテスト」の形態が多いです。
そのため、市販で売られている参考書をもとに、1~2冊ほど目安に試験対策をきっちりしておきましょう。
中でも「クレペリン検査」という作業検査法と呼ばれるジャンルのテストを課しているいる企業が多く見受けられます。
規則や規律を重んじる業界だからこそ、1つ1つの作業をきっちこなしていく力があるかどうかが見られます。
早期の採用終了が相次いでいますので、間に合わなかったということがないようにしましょう。
目安としては採用の1~2ヶ月前から準備を進めておくと本番に間に合う可能性が高いです。
鉄道業界における面接対策・攻略法
鉄道業界でよく聞かれる質問と、回答のポイントを紹介していきます。
- なぜ鉄道業界を選んだのか
- なぜ鉄道業界の中でも〇〇なのか・他の企業と違って〇〇を選んだ理由は何か
- 学生時代にもっとも頑張ったことは何か
- 自身の強みと弱みについて
- 自己PRについて
- 規律とは何か
- ウィズコロナ・アフターコロナ後に〇〇の駅構内で求められるサービスを提案してください
なぜ鉄道業界を選んだのか
もっとも聞かれやすいオーソドックスな質問です。鉄道業界を志望する以上は必ず答えられるようにしておきましょう。
重要なポイントは、自分が鉄道業界を選んだ理由とそう思う経緯・体験をうまく噛み合わせることです。体験や経緯を付け加えることによって、説得力が飛躍的に上がります。
<例文>
沿線の街づくりに貢献したいということがもっとも大きな理由です。沿線付近は生活の基盤となっているところが非常に多いと実感しています。しかし、主要駅以外の駅周辺において住民のニーズを満たせている駅が、地方においては少ないように感じています。この点私が住んでいる街の付近には、コンビニが1店舗あるだけでそのほかの店舗がない状況です。もちろん何が必要であるかをしっかりリサーチした上で、駅周辺の店舗の充実など街づくりに貢献していきたいと考えています。
規律とは何か
過去にJR東日本で出された質問です。規律を重んじるJR東日本ならではの質問ともいえます。
非常に哲学的ではありますが、鉄道業界に従事したい方にとっては重要な問いです。
この類の問題は、必ず最初に定義をしっかり示すこと・その上で背景や理由を伝えることが鉄則です。
特に最初の定義によって全てが決まりますので、一言一言の意味をしっかり考えながら説明するようにしましょう。
<例文>
規律とは、物事を正確かつ円滑に進めるためのルールです。規律がない社会では、各々が好きなようにやりたいことをやる無法地帯・自然社会へと陥ってしまいます。この点、正確に人・物を運ぶ必要が特にあるこの鉄道業界においては、そもそも規律がないと利用者の方に安定的な供給ができなくなり、社会的信用を失ってしまいます。以上のことから、規律とは物事を正確かつ円滑に進めるためのルールで、鉄道業界においては徹底して遵守すべきものだと考えます。
ウィズコロナ・アフターコロナ後に〇〇の駅構内で求められるサービスを提案してください
提案型の質問となります。質問の背景として、新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、利用者のニーズも変容しているからということが考えられます。
このタイプの質問に対しては、ずばりこのようなサービスがあったらいいなというものを提案するといいです。
例えば、「駅構内のワークスペースは「15分」など時間制で区切っているものが多いので、サブスクサービスがあると毎回金銭を払う手間もなくなり、利便性も上がるのではないか」など。
ただ駅を利用しているだけでは、改善点は見つかりにくいです。そのため、普段からいろんな駅・沿線に行ってみて、比較・不足点を考える癖をつけておくといいでしょう。
鉄道業界について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
まずは業界・企業のイメージをしっかり固めるためにも、OB訪問や企業研究を積極的にしていくことをおすすめします。
その上で、自分が就きたい職業を探していくと良いと思います。しっかりと自己分析をして、後悔の無い就職活動を行いましょう。