【信用金庫業界研究|2023年度最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
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就職活動において比較的人気の高い「銀行業界」ですが、「メガバンク」や「地方銀行」など銀行にも様々な種類があります。
「地方銀行」は地域に特化しているという特徴があますが、これとよく似ているのが「信用金庫」です。
この記事では「信用金庫」に焦点をあてて、「地方銀行との違い」や「信用組合との違い」、採用動向や面接対策についても詳しく説明していきます。
信用金庫の業務内容や特徴を理解した上で、自分には何が向いているか、どのように働きたいかイメージしながら業界研究を進めていきましょう。
また、メガバンクと地方銀行については、下記の記事で詳しく紹介していますので、併せてチェックしておきましょう!
目次
信用金庫とは
信用金庫は、地域の方々が利用者・会員となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関です。主な取引先は中小企業や個人です。
利益第一主義ではなく、会員すなわち地域社会の利益が優先されます。
また営業地域は一定の地域に限定されており、集めた預金・資金はその地域の発展に生かされているという特徴があります。
地方銀行との違い
「信用金庫」と「地方銀行」はどちらも「地域に特化した金融機関」であり、預金や貸付サービスを提供しているという共通点がありますが、組織の性質が大きく異なります。
まず、地方銀行は「銀行法」に基づいて運営される「銀行」ですが、信用金庫は厳密には銀行ではありません。
業務内容は銀行とほとんど同じなので、業界としては銀行業界や金融業界に含まれる形となっていますが、あくまで「信用金庫」になります。
信用金庫は非営利組織であり、地元地域の住民や企業が「会員」となって出資をして運営されており、信用金庫の利益は地域経済の発展に優先的に使われます。
出資者には当然利息が還元されますが、第一の運営目的は「地域経済の発展」です。
地域のために個人や、中小・零細企業へ貸付(融資)をする他、一般的な預金業務などを行っています。
一方、地方銀行は、営利目的で運営されている株式会社であり、「株主の利益」が優先されます。この点が信用金庫と地方銀行の大きな違いです。
非営利組織である信用金庫は「利益を会員に分配することができない」点も特徴の1つです。
信用組合との違い
もう1つ、信用金庫と似ている金融機関として「信用組合」があります。
信用組合は、信用金庫よりも更にサービス対象を狭くしぼった金融機関で、「中小企業協同組合法」に基づいて運営されています。
運営目的は「組合員の相互扶助」で、組合員の経済的地位の向上を目指す非営利組織です。
信用金庫では預金サービスは会員以外でも利用することができますが、信用組合では組合員でないと預金すら使用することができません。
信用金庫と信用組合は業務内容や名称などが似ているため混同しやすいですが、それぞれ違う金融機関であることを理解しておきましょう。
信用金庫業界の主な業務
信用金庫の業務は主に3種類で、「預金業務」「貸付業務」「為替業務」があります。
業務内容は銀行や信用組合と大きな差はありませんが、地方銀行よりも更に地域性が強く、地域経済第一で業務を行っています。
「信用金庫法」に基づいて業務を行っており、地域で働く人や生活する人、地域に事業所を設けている企業のみを会員としてサービスを提供するのが信用金庫です。
まずは3つの業務について詳しく見ていきましょう。
預金業務
預金業務は、個人や法人の顧客からお金を預かり管理する業務になります。
日常的に個人が使用している「普通預金口座」や企業向けの「当座預金口座」、「定期預金口座」など様々な種類の口座を管理しています。
預金サービスについては、信用金庫の会員にならなくても利用することができます。
貸付業務
貸付業務は預金業務によって預かったお金を、資金を必要としている企業や個人に融資する(貸し出す)業務になります。
信用金庫は融資の際に一定の金利を設定することで利息収入を得ています。この利益を優先的に地域経済のために利用するのが特徴です。
個人顧客の住宅ローンや企業の事業拡大資金として融資をする場合が一般的ですが、信用金庫の融資はメガバンクや地方銀行よりも審査基準が低く融資を受けやすいです。
しかし、融資のハードルを低くすることで信用金庫側のリスクが上がるため、金利が高くなる傾向にあります。
融資サービスについては、基本的に会員にならなければ利用できません。
為替業務
為替業務は口座間でお金を送金する業務です。
国内および海外への送金処理や、ATMや窓口だけでなくネット支払いの送金処理なども行います。
電気料金やガス料金など公共料金の支払いに加えて、顧客からの依頼に伴う送金なども行う業務で、日常的に起こる支払いや送金などを円滑に処理する重要な仕事になります。
ネット送金や自動引き落としが当たり前になっている現代において、生活の中で欠かせないインフラ的役割を担う業務です。
信用金庫の為替業務においても、内国為替と外国為替の両方を行っています。
信用金庫業界の主な職種
信用金庫の職種や職務内容は、基本的に地方銀行などと大きな差はありません。
主な職種については他の銀行と変わらないため、まずは「銀行業界の職種」について理解を深めていきましょう。
総合職
信用金庫の総合職は、金庫内での融資取引や金融サービスの販売など窓口業務に加え、企業を相手とした営業や融資関連の業務を担当する場合が多いです。
銀行業界の総合職は転勤が多いのが特徴ですが、信用金庫は地域の会員に対しサービスを提供するため基本的に転勤はあまりないです。
融資業務や営業では高いコミュニケーションスキルや提案力も求められるでしょう。
また、幹部候補として金庫内の業務を全体的に覚える場合もあるため学習項目が多い職種でもあります。
知的好奇心があり、人と接することやチャレンジするのが好きな人に向いているといえます。
営業
信用金庫の営業は、個人営業と法人営業の2種類に分かれており、金庫内で行う内勤と金庫外での外回りがあります。
個人相手では消費者向けの金融サービスの販売を目的とし、法人に対しては融資やコンサルティングの提案もするため、財務面で企業と密接に関わる場合もあります。
個人営業と法人営業ではそれぞれ顧客のニーズが違ってくるため、顧客が今困っているのは何か、求めている物は何なのかをしっかりと汲み取る必要があります。
相手にスムーズに話をさせる、その上で適切な提案をするという高度なコミュニケーションと気遣いが求められる職種になります。
一般職
一般職は窓口対応や事務処理を行う職種になります。
大きく2つに分けられ、窓口業務と後方事務に分かれています。
預金や支払い、電話対応などの業務に加えて、住宅ローンなどの金融商品の販売なども行います。
窓口業務
窓口業務はテラーとも呼ばれる職種で、主な仕事は口座開設や預金の受付、各種申し込みの受付対応などです。
その他に、ローン借り入れや金融商品専用窓口の担当などもあり、窓口業務にも様々な種類があります。
窓口業務では個人顧客の対応が主な仕事であり、幅広い年齢層の顧客に対し各種サービスの説明及び提供を行います。
そのため対人スキルは必須で、接客業や販売業の経験がある方はその経験を業務に活かすことができるでしょう。
また、各窓口業務の幅広い知識が必要になるので、接客スキルに加えて理解力も求められます。
後方事務
対する後方事務は、バックオフィスとも呼ばれる仕事で、各種申し込み書類の確認や手続き、振り込み処理や為替に関する業務を担当します。
電話対応なども基本的に後方事務の仕事になります。
後方事務では窓口業務と比較して顧客と直接関わる機会は少ないですが、その分書類や各種データと向き合うシーンが多くなります。
申し込み書類の確認やデータ入力など正確性を求められる業務が多いため、細かい作業でも1つ1つ丁寧に行える人に向いているでしょう。
信用金庫業界の市場規模
市場規模の推移
信用金庫業界の過去5年間の業界規模の推移( 出典:業界動向サーチ、グラフ作成:CareerMine)
2019年-2020年の信用金庫業界の業界規模(主要対象信金120行の経常収益の合計)は1兆6,887億円。
グラフでは2018年から2019年にかけては増加していますが、2020年はコロナの影響により利益は減少しています。
信用金庫の経常収益と純利益の推移(出典:業界動向サーチ、グラフ作成:CareerMine)
上記のグラフは主要な信用金庫120行の経常収益と純利益の推移です。
経常収益が若干増加している一方で純利益は大幅に減少しており、4年連続で減少していることがわかります。利益の減少に歯止めがかかっていない状態です。
信用金庫は出資者である会員の相互扶助を目的とした非営利組織であるため、営業エリアが各地域に限定されています。
出資者から集めたお金を個人や企業に貸し付けますが、銀行とは違い「会員のみ」に対しサービスを提供するため収益にも一定の制限がかかります。
2020年の信用金庫業界は新型コロナにより企業の資金繰り需要が増したため貸出残高は増加しました。
しかし楽観視はできず、今後コロナの影響で地方経済が深刻化すれば貸し倒れリスクが増える危険性があります。
特に信用金庫の貸出先は、中小・零細企業が大半なので、貸し倒れリスクは他の金融機関よりも高くなります。
今後の市況において不透明感は依然としてあるといえるでしょう。
参考:業界動向サーチ
現状・動向
都市・地方銀行による圧迫
信用金庫は金融業界に属しており、競合には都市銀行(メガバンク)や地方銀行などが挙げられますが、これらに経営を圧迫されている場合も珍しくありません。
同じ地域に都市銀行や地方銀行などが存在する場合は、利用者が流れてしまい顧客の確保が難しくなることがあります。
信用金庫は地域活性化のための金融機関ですが、非営利である分競争力が低く、都市銀行や地方銀行の幅広いサービスや手厚いサポートに対抗しきれず不利な状況にあるのが現状です。
地方経済の縮小
信用金庫が抱える問題の多くは地方経済の縮小が原因であるため、地方経済の拡大・活性化が増益のカギとなります。
そのため様々な地域で経済活性化の取り組みが行われており、実際に地域の特色を活かしたブランドづくりによって成功を収めている地域も存在します。
しかし、地域ブランドの創造は決して簡単ではなく、ブランド化が軌道にのらず経済が縮小してしまうケースもあります。
それでも経済発展のためには「地域としての経済力」の拡大は必須であり、地方が盛り上がることで日本経済全体の成長にも期待できます。
地方経済が活性化すれば、信用金庫が活躍する可能性は十分にあるといえます。
参考:就活の未来
信用金庫業界の歴史
信用金庫の生い立ちには、「信用組合」の歴史も深くかかわっています。「信用金庫」と「信用組合」、両者の誕生やその経緯についてまとめて紹介していきます。
信用金庫の生い立ち
「信用金庫」と「信用組合」、よく似た2つの金融機関ですが、先に誕生したのは「信用組合」の方です。
明治維新を契機として資本の集中が激化し、農民や中小商工業者が貧窮に陥ったことをきっかけに信用組合が誕生します。
1900年に産業組合法が制定され、経済的弱者の金融を円滑にするために誕生しました。
ところが、信用組合は組合員以外の利用が認められていなかったため、都市部の中小商工業者とっては成約が多いものでした。
そこで1917年に産業組合法が一部改正され、「市街地信用組合」ができます。1943年には単独法の市街地信用組合法が制定されました。
「信用金庫」が誕生するのは終戦後の経済民主化の流れの中です。
終戦後の1949年に中小企業等協同組合法が制定されましたが、その内容が、これまで着実に進展してきた市街地信用組合への制約を再び強める内容だったことから、中小企業や勤労者のための新たな金融機関の設立を望む声が増えていきます。
こうして1951年6月15日に、信用金庫法が公布・施行され、会員外の預金を扱えて、手形割引もできる「信用金庫」が誕生したのです。
信用金庫業界におけるトレンド・話題
新規事業への取り組み
信用金庫業界は全体的に減収している傾向があるため、各金庫で対策を行っています。
その1つとして「新規事業」の立ち上げなどに積極的に取り組んでいる信用金庫があります。
例えば、湘南信用金庫がHISや湘南モノレールと業務連携したことが1つです。
湘南地域の活性化を目指して、近辺に訪れたより多くの観光客を呼び込むためにHISクーポンの活用をしています。
この他にも、北見信用金庫は「ものづくり補助金」を活用して、地域で根絶したシート・テント事業を再興させました。
補助金交付までの「つなぎ資金」の融資も行うなど、地域事業の立ち上げに貢献しています。
このように、信用金庫が主体的に取り組む新規事業は地域に密着したものとなっています。
信用金庫の再編
マイナス金利政策や手数料減額、コロナショックなどにより信用金庫の減収が問題視されており、各金庫で再編の動きが強まっています。
地域密着型の金融機関である地方銀行との競争もあり、サービスの改善や顧客基盤の強化を目的に合併する信用金庫も増えてきています。
例えば、2020年に北陸信用金庫と鶴来信用金庫が合併して「はくさん信用金庫」が誕生し、石川県内で3番目の信用金庫となりました。
2019年にはしずおか信用金庫と焼津信用金庫が合併し「しずおか焼津信用金庫」が誕生しました。
このように、信用金庫の再編の多くは近隣地域での金庫同士の合併が多く見られます。
参考: 就職AGENTneo
信用金庫業界における主要企業の解説
京都中央信用金庫(2020年現在)
社名 |
京都中央信用金庫 (英語表記:Kyoto Chuo Shinkin Bank) |
金融機関コード |
1611 |
設立 |
1940年6月18日 |
本社所在地 |
〒600-8009 京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町91番地 |
資本金 |
209億円 |
従業員数 |
2,500人 |
事業内容 |
1. 預金・貸付・為替業務 2. 有価証券売買・投資業務 3.その他付帯業務 |
京都中央信用金庫は、通称「中信(ちゅうしん)」とも呼ばれる大手信用金庫です。
2001年に経営破綻した「京都みやこ信用金庫」、「南京都信用金庫」の事業を譲り受け、店舗数・預金量ともに「城南信用金庫」を抜いて全国で最大規模の信用金庫となりました。
盤石な経営基盤も強みの1つで、「堅実経営」を誇りとしています。
厳しい経済情勢が続く中でも2020年3月期の経常利益は126億円を計上しており、自己資本比率も10%を超えるなど、金融機関の健全性を示す国内基準を大きく上回っています。
店舗ネットワークも広く、「京都」、「滋賀」、「大阪」、「奈良」の4つのエリアを中心にサービスを提供しています。
2020年には大阪と奈良に事業性融資に特化した店舗をオープンするなど、信用金庫業界をけん引する金融機関です。
岡崎信用金庫(2020年現在)
社名 |
岡崎信用金庫 (英語表記:The Okazaki Shinkin Bank) |
金融機関コード |
1552 |
設立 |
1924年7月18日 |
本社所在地 |
〒444-8602 愛知県岡崎市菅生町字元菅41番地 |
資本金 |
31億円 |
従業員数 |
1,868人 |
事業内容 |
1.預金・貸付・為替業務 2.投資信託関連業務 3.その他金融商品の販売 |
岡崎信用金庫は、1924年設立の岡崎信用組合を全身とする金庫で、愛知県岡崎市を中心に愛知県全域と静岡県湖西市を営業地域としています。
支店や出張所は99店舗、ATMは329台設置しています。
愛知県および中部地方で最大規模の信用金庫で、総資産は4兆円を超えるほどです。
全国トップの京都中央信用金庫や城南信用金庫に次ぎ、トップクラスの業績を誇っています。
「地元産業の発展と社会の繁栄に真心をもって奉仕する」という志のもと、地域経済に貢献している金庫です。
多摩信用金庫(2021年現在)
社名 |
多摩信用金庫 (英語表記:The Tama Shinkin Bank) |
金融機関コード |
1360 |
設立 |
1933年12月26日 |
本社所在地 |
〒190-8681(立川郵便局私書箱第6号) 東京都立川市緑町3番地の4 |
資本金 |
207億円 |
従業員数 |
2,164名 |
事業内容 |
1.預金・貸付・為替業務 2.海外展開・事業承継支援業務 3.その他金融商品の販売 |
多摩信用金庫は、「多摩中央信用金庫」、「八王子信用金庫」、「太平信用金庫」の3つの信用金庫が合併して設立された金融機関です。
多摩中央信用金庫を引き継いだことにより、国分寺市、国立市などの指定金融機関となっています。
主なサービスとして、預金の受け入れや融資といった信金の通常業務に加え、地域復興や企業支援のための幅広い施策を展開しているのも特徴です。
地域政策の立案などを行うシンクタンクとして「たましん地域経済研究所」持つ他、各市町とも連携して経済発展に寄与している信用金庫です。
信用金庫業界における主要企業の採用動向
京都中央信用金庫
- 堅実に業務に取り組める人
- 正々堂々と顧客に向き合える人
- 顧客ごとに合わせた提案ができる人
京都中央信用金庫は、「堅実経営」を誇りとしており、盤石な経営基盤を築いて京都を中心とした4都道府県の地域経済を支えています。
常に親切丁寧を旨として「正々堂々」と営業活動をすること、顧客のライフステージに合わせて適切かつ価値のある提案をすることを重視してサービス提供をしている金融機関です。
以上を踏まえて、志望する際は以下のポイントを意識するようにしましょう。
・ものごとに対しコツコツ堅実に取り組めること
・正々堂々と、真摯に人と向き合えること
・相手の意図を汲み取り、適切な応対ができる対人スキル
ESや面接では上記の点をアピールするように意識するといいでしょう。
岡崎信用金庫
- 健全な信頼関係を築ける人
- 集団、個人の好感度を大切にできる人
- 他者への「貢献」を重視できる人
岡崎信用金庫では、「信頼度」、「好感度」、「貢献度」の3点において地域一番であることを長期ビジョンに掲げています。
健全な経営と体質強化に努めて信頼を築き、地域に密着したきめ細かい対応とサービスで好感度ナンバーワンを目指しています。
地域への貢献では、確かな経験と知識で親身な提案を心がけています。
以上を踏まえて、人材採用においては次のポイントを重視していると考えられます。
・信頼を大切にして人と向き合える人か
・自分やチームの印象を客観的に捉えられるか
・仕事をする上で「貢献する」という意識をもてるか
ESや面接の対策をする際は上記のポイントに焦点おいて、過去の経験や実績を伝えるようにしましょう。
多摩信用金庫
- 責任感のある人
- 自分の役割を自覚できる人
- 現状に満足せず挑戦できる人
多摩信用金庫では、「社会的公器の自覚と信頼の確立」を掲げており、地方経済を支える信用金庫としての役割を自覚し、責任をもって業務に取り組める人を求めています。
また、信用金庫業界の全体的な減収もあり、新たな打ち手を模索できる人材も必要です。
地域の行政とのパートナーシップに注力するなど、他者と協力しながら変化を追求していく力も必要としています。
これらを踏まえて、以下のポイントを意識しておくといいでしょう。
・自分の行動に責任を持てるか
・チームの中で自分の役割を自覚できるか
・環境を把握し、新たな変化に向け挑戦できるか
志望する際は上記のポイントを軸に自分の強みや志望動機を組み立てると効果的です。
信用金庫業界の採用スケジュール
京都中央信用金庫の採用フロー
1.エントリーシート提出
2.適性検査
3.一次面接
4.二次面接
5.最終面接
6.内々定
選考では適性検査の後に3回の面接を受ける流れになっています。
京都中央信用金庫は京都を中心に「滋賀」、「大阪」、「奈良」の4つの地域でサービスを提供しているため、業務を行う上で各地域とその住人、企業への理解度が非常に重要になってきます。
面接では一般的なガクチカや志望動機などの質問をされますが、その際の返答で地域への理解度をアピールするように意識しましょう。
信用金庫業界トップ規模だからこそのサービスやビジネスモデルへのリサーチを十分にしておくといいでしょう。
岡崎信用金庫の採用フロー
1.エントリーシート提出
2.WEB説明会
3.筆記試験
4.適性検査
5.個別面接(複数回)
6.内々定
基本的な流れは上記の通りで、筆記試験と適性検査の後に複数回にわたる個人面接を受けます。
岡崎信用金庫は、地域からの「好感度」と「貢献度」を重視している金融機関です。
信用金庫業界でトップクラスの規模を誇る顧客基盤に対して、好感度と貢献度を維持し続けるために必要なものは何か。それを理解した上で試験に臨むことが重要です。
営業エリアである愛知県と静岡県について綿密にリサーチをして、地域が抱える経済的課題や、今後取り組むべき施策などについて自分なりの意見を持って面接を受けるように準備しておきましょう。
地域と金庫の現状の両方を把握した上で、「好感度」と「貢献度」を維持するためにはどんな姿勢で仕事に取り組むべきか考えてみると適切な自己PRが見えてくるでしょう。
多摩信用金庫の採用フロー
1.エントリー
2.会社説明会
3.一次面接(個別)
4.筆記試験
5.二次面接(個別)
6.適性検査
7.最終面接(個別)
8.内々定
多摩信用金庫の選考では3回ほど個別面接がありますが、各回の間に筆記試験や適性検査が行われる流れになっています。
多摩信用金庫では地方創生の取り組みとして地域の行政とパートナーシップを結び、経済発展に取り組んでいる他、9つの教育機関とも連携するなど、地域活性化に力を入れています。
この他にも、公益財団法人と連携した観光復興への取り組みや、コミュニティビジネスへも注力している点が特徴の金庫です。
以上のことから、多摩信用金庫は幅広いコミュニティとともに日々の業務を行っていることがわかります。
このような環境で働く上では、金融機関業務の知識に加えて、コミュニケーションスキルやチームで力を発揮する能力が必要だと考えられます。
志望する際は、信用金庫業界と営業地域への基本的な知識を身に着けること、自身の長所や特性をどのように業務に活かしていくかを意識して準備するようにしましょう。
信用金庫業界のインターン情報
京都中央信用金庫
京都中央信用金庫のインターンでは、業界NO.1の信用金庫で「新しい時代の信用金庫」を体感することができます。
体験ワークや業界研究セミナ―を通して信用金庫トップレベルの業務について学べるインターンとなっています。
最新の情報は京都中央信用金庫のホームページからご覧ください。
■業界NO.1信用金庫で体感する「新しい時代の信用金庫」
<インターン応募から参加までの流れ(2021年度)>
1.開催日時 12月中随時実施
2.開催場所 オンライン
3.応募期限 2021年11月19日
4.参加人数 30名程度
5.選考フロー エントリーシート提出→先着順で決定
6.その他 報酬なし
<インターン内容>
1.預金業務体験
2.貸出業務体験
3.コンサルティング業務体験
このインターンでは、基本的な業界研究セミナーから始まり、融資やコンサル業務などを実際に体験できます。
他にも職員との座談会も用意されており、現場職員の仕事体験談などリアルな話を生で聞くことができる機会となっています。
信用金庫業務全般を体験する中で、若手職員から管理職の職員とも接する機会があるため、京都中央信用金庫の内側をより深く知ることができるでしょう。
岡崎信用金庫
岡崎信用金庫のインターンでは、「ハイブリット仕事体験セミナー」というコースがあり、信用第一・地域一番を目指す岡崎信用金庫の業務を体験することができます。
インターンに関する最新の情報については岡崎信用金庫のホームページをご覧ください。
■ハイブリット仕事体験セミナー
<インターン応募から参加までの流れ(2021年度)>
1.開催日時 10月15日
2.開催場所 オンライン
名古屋支店(対面)
3.応募期限 2021年10月11日
4.参加人数 オンライン 70名程度
対面 30名程度
5.選考フロー エントリー→参加(選考なし:先着順)
6.その他 報酬なし
<インターン内容>
1.金融機関の役割について(オンライン)
2.座談会(オンライン)
3.資産運用演習(対面)
4.融資演習(対面)
このインターンは、オンラインと対面の両方を受講するハイブリット型となっています。まずはオンラインの講義に参加して、業務体験については後日対面で受講する流れとなっています。
オンラインでは金融機関全体と岡崎信用金庫の概要について説明を受けます。
リアルタイムで質問などもできるので、業界や金庫についてより深く理解できるプログラムです。
その後はオンラインの座談会に参加してインターン担当者と様々な話をすることができます。
実際の業務体験は対面実習で行われ、主に資産運用と融資業務について体験します。
参加者同士のロールプレイングやグループワークなど毎年好評のプログラムとなっています。
多摩信用金庫
多摩信用金庫のインターンは、「課題解決活動」を知ることができるオンラインでのワンデー仕事体験コースがあります。
最新の情報については多摩信用金庫のホームページよりご覧ください。
■「課題解決活動」を知るワンデー仕事体験
<インターン応募から参加までの流れ(2021年度)>
1.開催日時 2022年2月(複数回実施予定)
2.開催場所 オンライン
3.応募期限 2021年11月24日
4.参加人数 各回30名程度
5.選考フロー エントリー→参加(抽選)
6.その他 報酬なし
<インターン内容>
1.業界・企業解説
2.ロールプレイングワーク・発表
3.企業研究アドバイス・質疑応答など
このコースは、信用金庫についての講義や、人材サポート部の職員とのロールプレイングを通して多摩信用金庫の「課題解決活動」を体感できるプログラムとなっています。
顧客の悩みや課題を共有し、最善の解決策を提案していく業務を実際に体感することで、外側からは見えなかった信用金庫業務の本質を知ることができる貴重な機会です。
ロールプレイングワークの後は、職員からのフィードバックも受けられるので、課題を通してより深く業務を学ぶことができます。
ワンデー体験ということで1日完結であり、実施時間も3時間と短めなので、気軽に参加できるカリキュラムになっています。
興味のある方は積極的に応募してみてください。
業界研究のやり方
業界研究においては大きく3つのステップで行っていくことで理解を深めることができます。
(1)業界全体を知る
世の中にある様々な業界ではどのような企業がどのような役割を担っているのかを大きく把握することで業界の概要を理解することができます。
代表的な企業名や職種についても調べて、自分が志す方向性を考えることがおすすめです。
(2)業界の深掘り
業界内のさらに詳しい現状や課題を調べます。
業界内の各企業の違いや、企業相互の資本関係・提携関係、業界内での業績推移、業界全体の成長の見込みなどをリサーチして、志望企業を絞り込みましょう。
(3)業界の動向把握
業界の動向をさらに細かく調べていくことで、各企業の状況を知り、自己分析と照らし合わせて具体的な志望企業・職種をまとめていきましょう。
信用金庫業界の業界研究
前述した上記の3つのステップで分析を進めていきましょう。
(1)業界全体を知る
信用金庫業界の業界研究においては、業界の中でも特に規模の大きい信用金庫について大まかに理解しておきましょう。
業務内容そのものは銀行業界の業務とほとんど差がないので、銀行業界を代表する3メガバンクについても把握しておき、業務内容を具体的に理解していきましょう。
信用金庫 |
京都中央信用金庫、城南信用金庫、岡崎信用金庫、多摩信用金庫 |
メガバンク |
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行 |
銀行業界と信用金庫業界の両者について詳細に理解しておくと、面接やESで各業界について聞かれた際に理解度の深さをアピールできます。
(2)業界の深掘り
信用金庫では、地域経済に密着する形で会員である個人と企業を中心にサービスを提供しています。
業務内容は銀行と同じなので、ここでは地方銀行の業務をもとに説明していきます。
信用金庫では、基本業務である「預金」、「貸付」に加えて「為替」業務などを行う他、中には信託銀行と代理店契約を結び「信託業務」の一部を行う場合もあります。
預金業務では、近年のデジタル化の流れに合わせたサービスを提供する信用金庫も増えていて、振り込みや明細照会などをスマホで管理できる信金アプリなどが充実してきています。
信用金庫の貸付業務では、個人が利用する各種ローン商品や、企業向けの融資の際の審査基準が「地方銀行よりもさらに緩い傾向にある」という特徴もあります。
地域経済の活性化と継続的繁栄を担う信用金庫ならではの特徴です。しかし、審査が緩い反面、貸し倒れリスクが上がるため金利が高くなる場合が多いです。
このような業務の他に、各自治体と協力して町おこしのイベントや政策に積極的に取り組む信用金庫が多くあります。
金融業務だけにとどまらず、「地域のためにできること」を広く行う点が信用金庫の魅力であり、使命でもあるのです。
(3)業界の動向把握
信用金庫全体の動向ですが、近年の「マイナス金利政策」や「低金利競争」による収益減の影響は全体に広がっている状況です。
メガバンクや地方銀行へ顧客が流れていることもあり、厳しい局面にあります。
コロナ禍の影響で一時的に融資需要が高まりましたが、今後の見通しは不透明な部分がまだ多く、信用金庫全体で統廃合など再編の動きが強まってきています。
信用金庫業界を志望する方は、同じ地域にある地方銀行や都市銀行の動向も把握するようにしましょう。
ESのまとめ方
エントリーシートを書く際は、「自分が伝えたいポイントをしっかり絞る」ことが大切です。
よく見られる傾向として、「アピールしたいポイントが多いために、内容を詰め込みすぎている」というものがあります。
幅広く書くために1つ1つの内容が浅くなってしまっては、あなたの良さは伝わりません。
学生時代に様々な経験をしていて伝えたいことが複数ある場合でも、アピールポイントはしっかりと絞りましょう。
ポイントを絞る際のコツは、そのアピールポイントが「業務にどのように役立つのか」を考えることです。
業界研究を深く進めていくと、各業務に求められる人柄や能力が見えてくるはずです。
そこに自分の得意なことや過去の経験・実績などを結び付けて伝えるように意識してみてください。
信用金庫業界のES対策・攻略法
信用金庫業界のエントリーシート(ES)を書く際のポイントとして、「地域貢献への思い」と「なぜ信用金庫なのか」を強調して伝えるように意識するといいでしょう。
この他にも「誠実さ」や「コミュニケーション能力」なども共通して重要視されているので一緒にアピールできるとなおよいです。
「地域貢献への思い」について
金融機関には信用金庫の他にも地方銀行やメガバンクなど様々な種類がありますが、その中で信用金庫にしかない最大の特徴は、「非営利組織」である点です。
組織の最優先事項が地域経済の発展、会員の相互扶助であることが唯一無二の魅力でもあります。
地域に貢献することを組織の理念とする信用金庫を志望する際は、「地域貢献への思い」はとても重要なポイントとなります。
以上を踏まえて、ESを記入する際は次の点を意識するようにしましょう。
・地域経済の問題点とそれに対し取り組みたいことを具体的に伝える
・地域の強みや魅力について述べて、自分がどのように貢献したいかを伝える
地域への思いをアピールする際は、上記の2つのポイントは押さえておくといいでしょう。
「なぜ信用金庫なのか」
信用金庫は地域密着型の金融機関ですが、地方銀行も同じように地域に根差したサービスを提供しています。
どちらで働いても地域に貢献することはできるので、その中で「なぜ信用金庫なのか」というのは必ず伝えるようにしましょう。
ここを的確に伝えることができれば、志望度の高さをより強くアピールすることができます。
ESを書く際のポイントは以下の通りです。
・地方銀行と比較した上で信用金庫の魅力や特徴を詳細に伝える
・信用金庫ならではのポイントと自分のやりたいことを一緒に伝える
上記のポイントを志望動機の中に織り交ぜて伝えられるといいでしょう。
信用金庫業界の筆記試験対策・攻略法
信用金庫の筆記試験の特徴として、SPIか玉手箱が採用されることが多い傾向が見て取れます。
対策としては、「言語・非言語」をしっかりと学習しておけば基本的に問題ないですが、まれにGABやSCOAを筆記試験として採用している金庫もあります。
GABの非言語問題は少しクセがあるため、ある程度時間をかけて慣れておく必要があります。ネットや対策本を活用して習慣的に問題を解いて慣れておきましょう。
また、場合によってはC-GABを採用しているところもあるので注意が必要です。
通常のGABはパソコンを使わず企業で受験するのに対し、C-GABはテストセンターで受験します。
さらにC-GABでは、性格適性テストを各自のパソコンで事前に受験しておく必要があるので忘れないように注意しましょう。
テストの内容は「言語」、「計数理解」、「性格適性検査」「英語」の4種類になります。事前に学習して準備しておくといいでしょう。
信用金庫業界の面接対策・攻略法
面接の回答では「質問の意図を理解した上で答えること」が重要になります。
面接官の質問には必ず「意図」があります。
十分にリサーチをして「回答の準備」をしておき、面接官が「その質問から何を読み取ろうとしているのか」、「重視しているポイント・知りたがっていることは何か」を理解して返答することを心がけましょう。
信用金庫の面接では、以下の5つについて質問される傾向があります。
- 入庫してからどのように働きたいか
- 信用金庫で活かせる強みについて
- なぜこの信用金庫を選んだのか
- 信用金庫の今後についてどう思うか
- なぜ地方銀行ではなく信用金庫を志望するのか
上記は信用金庫を志望する際は優先的に対策しておきたい質問になります。
どの企業の面接においても質問される可能性が高い項目になるので、それぞれ詳細に答えられるように準備しておきましょう。
この他にも、「学生時代に頑張ったこと」や「自己PR」など一般的な質問についても対策しておきましょう。
本記事では「信用金庫で活かせる強みについて」、「信用金庫の今後についてどう思うか」、「なぜ地方銀行ではなく信用金庫を志望するのか」について回答のポイントを詳しく解説します。
「信用金庫で活かせる強みについて」
この質問で面接官が知りたいのは、「信用金庫の業務を理解しているか」と「自分がどのように働くかイメージしているか」だと考えられます。
回答のポイントは、信用金庫の業務内容をしっかりと理解した上で、「自分の強みや特性をどのように業務に活用するか 」を伝えることです。
実際に回答する際は次の2点を意識しましょう。
・自分の強みを、過去の経験や実績と交えて伝える
・その強みを信用金庫のどの業務に活かせるか具体的に伝える
事前に十分なリサーチをして、業務内容と自分の強みが噛み合う回答を準備しておきましょう。
「信用金庫の今後についてどう思うか」
この質問で面接官が知りたいのは「信用金庫の市況を把握しているか」、「現状を整理して先を予測する力があるか」だと考えられます。
回答のポイントとして信用金庫業界全体の動向とそれに対する自分の考えについて触れるようにしましょう。
ここで重要なのは現在の動向を把握して、そこから未来予測を立てることです。
以下のポイントを重視して準備しておくといいでしょう。
・現在の動向や市況を正しく把握して伝える
・それをもとに予想される今後の展開と、それに合わせて行うべき施策を伝える
金融業界は他の分野の市況の影響を受けやすい特徴があるので、業界の動向をリサーチする際は周囲を取り巻く分野についても併せて調べておきましょう。
「なぜ地方銀行ではなく信用金庫を志望するのか」
この質問で面接官が知りたいのは「信用銀行への思い」、「信用金庫への理解度」だと考えられます。
回答のポイントとして、自分が信用銀行に対して感じている魅力や熱意を伝えるように意識しましょう。
信用金庫を志望する際の志望動機の1つに、「地域に貢献したい」というのがよくありますが、地域貢献は地方銀行でもできるので、もっとはっきりと差別化した志望動機を準備しておく必要があります。
以上を踏まえて、回答する際はい以下のポイントを意識しましょう。
・信用金庫にしかない魅力や特徴を志望理由と結びつけて伝える
・地方銀行と信用金庫のどこを比較して選んだのかを伝える
この質問は、信用金庫の面接で問われる可能性が非常に高いと予測できるため、必ず対策しておきましょう。
リサーチの際は信用金庫だけではなく地方銀行についても十分に調べておくと説得力が増します。
以上、各質問の回答ポイントと対策について解説しました。
面接対策をする際は「自分が面接官だったら」という視点で考えてみると、自分の回答に足りないものが見えてくることもあります。広い視野を持って業界研究を進めてみてください。