【官公庁業界研究|2023年最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
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国家権力を司法権、立法権、行政権と独立した機関に分ける三権分立によって、国家権力の濫用を防止し、均衡を保ちながら国民の権利と自由が保証されている日本。
そんな日本国民の生活基盤の支援と、公共福祉への貢献を目的に業務をこなす官公庁は、公務員として就活生から根強い人気があります。
民間企業と違い、売上や景気に右往左往しない確固たる職業であるため、公務員になれば安泰といったイメージの方も多いのではないでしょうか。
国家公務員、地方公務員どちらも国民のための業務を行うため、やりがいは大きいものとなります。
この記事では、そんな官公庁業界の大まかな概要の解説と、主要官公庁の動向や就職に必要な情報など包括的にお届けします。
目次
官公庁業界とは
官公庁とは、中央省庁や裁判所、内閣府等を含む国家組織と地方公共団体の役所の総称のことを指します。
よく同義として扱われる事がある官庁は、官公庁とは若干異なります。官庁は地方であっても国の業務を行う機関に対し、官公庁は地方業務を行う機関も含むので、官公庁の方が広義的です。
国の業務を行う人は、一般的に国家公務員と呼ばれ、地方の業務を行う人は、地方公務員と呼ばれます。
国家公務員には3種類の採用枠があり、「総合職」、「一般職」、「専門職」に分かれます。
総合職はキャリアといわれ、非常に厳しい倍率の試験を通過し出世街道を走り抜けます。
一般職は主に事務的な業務を行い、専門職は国税専門官や労働基準監督官、皇宮護衛官などの専門的な業務を行います。
一方の地方公務員は、「特別職」と「一般職」の2種類に分かれます。
特別職は都道府県知事や市町村長、議会議員などでそれ以外は基本、一般職となります。
官公庁には様々な種類の仕事があります。代表的な仕事を挙げると、中央省庁・地方公共団体、警察庁・警察署、教育委員会、公立学校などがあります。
中央省庁・地方公共団体
中央省庁は国の行政機関のことを指し、国家公務員は全て中央省庁に勤務しています。
中央省庁は、大きく1府13省庁に分けることができます。
内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省、国家公安委員会(警察庁)、復興庁となります。
この1府13省庁には、各々下部組織や地方への出先機関が存在します。
国家公務員は、法律制定や改正、補助金や各種制度の運営等、多岐に渡る業務を行いながら、自治体や企業への指揮監督等も担っています。
そして、国から指揮監督を受け、一般国民の生活に携わっているのが、都道府県庁や市役所、区役所、町村役場などの地方公共団体職員の地方公務員です。
住民票や戸籍謄本の手続き、防災関連や福祉関連の窓口など、各地域の国民に寄り添った業務を行っています。
また、そういった事務職の他に福祉や土木、ライフラインや畜産といった専門知識を要する業務には、専門職の採用枠が用意されています。
警察庁・警察署
警察庁は国の行政機関であり国家公務員になります。
警察制度の企画立案、国の公安に係る警察運営、都道府県警察の監督を行う等、国家に関わる安全業務を行います。
また、警察署にあたる都道府県警察は地方公務員に属します。各地域で発生する事件を担当し、安全安心な地域づくりのための業務を行います。
テレビなどでよく見かける刑事や白バイ隊員、お巡りさんといった人の多くは、一般職の地方公務員になります。
消防庁・消防署
消防庁は外務省の外局であり国家公務員になります。
しかし、私達の身の回りの災害や火災の救済活動を行うのではなく、日本の消防行政の企画、立案、各種法令等の策定が主な業務になります。
また、消防庁は消防機関への直接的な指揮権は持っていないため、各地方の市町村消防へは、助言や勧告、指導は行うことはできますが、指揮を取ることはできません。
一方、災害や火災の際に救助活動を行うのは消防署の職員になります。消防署は消防本部に人口と規模に応じてつくられた組織になり、地方公務員となります。
私達がよく目にする消防士さんも、この地方公務員にあたります。
教育委員会・公立学校
教育委員会は地方公共団体に置かれる行政委員会になり、教育委員会の事務職に勤務する人は地方公務員となります。
実際の教育現場には立たず、学校教育をはじめとした、教育全般の重要事項や基本方針を決定します。
対して、公立学校の教員は、都道府県が実施する教育採用試験を通過した人になります。公立学校の教員も地方公務員となり、学校の教壇で生徒に授業を行います。
官公庁業界の職種について
官公庁業界を志望する就活生にとって、どのよう職種があり、採用応募条件があるのか把握しておかなければなりません。
どの官公庁においても詳細な仕事内容は、実際に就職してからでしか分かりませんが、最低就活中は、大まかな分類や方向性を事前に調べ、志望動機に繋げていく必要があります。
また、官公庁は「国家公務員」と「地方公務員」の2種類に分けることができるため、それぞれに分けて職種を解説していきます。
国家公務員
国家公務員は、国全体の施策や事業に関する仕事を行います。
国家公務員の種類には、総合職、一般職、専門職の3つに分けることができます。
<総合職>
国家公務員である中央省庁で働く中の一部には、1年目から将来幹部候補生となる総合職があります。
国家総合職は厳しい選考を勝ち抜いてきた、いわば公務員のエリートで「キャリア」と呼ばれます。
日本政府や国会議員の指示に従って、政策の企画立案や法律作成のための資料収集や整理などの業務を行います。
また国家一般職とは異なり、通常業務は与えられた仕事をこなすよりかは、自分でやるべき仕事を考えて行動することになります。
日本や世界の10年後、20年後、更にその先を見据え施策を考えます。
また、国家総合職の受験対象は「院卒者」または「大卒程度」に限られています。
<一般職>
国家公務員のほとんどは、この国家一般職の職員になります。
基本的に職場は霞が関に拠点を置く中央省庁と、都道府県に置かれている出先機関になります。
中央省庁での仕事は、キャリア公務員とともに、施策実現のための法案を作成したり、予算を組んだりしますが、基本はキャリア公務員が施策を執行する役割を担います。
国家一般職の受験対象は、「大卒程度」、「高卒程度」、「社会人」の区分に分けられています。
<専門職>
国家専門職は、国税専門官、法務省専門職員、労働基準監督官など専門性の高い業務になります。
業務内容によっては、特別な資格を要する場合もあり、また基本的にはエリア採用となっています。
国家専門職の種類は以下のようになります。
大卒程度 |
国税専門官、財務専門官、法務省専門職員、労働基準監督官、皇宮護衛官、皇宮護衛官など |
高卒程度 |
皇宮護衛官、刑務官、入国警備官、税務職員、航空保安大学生、海上保安大学生、海上保安学生など |
地方公務員
公務員の約8割を占める地方公務員は、私達の身近な存在になります。
地方公務員は都道府県庁や市役所、町村役場、警察署、消防署で働く公務員のことを指します。
地方公務員の種類は、行政職、資格・免許職、技術職、公安職の4つに分けることができます。
<行政職>
行政職の主な仕事は、事務作業になります。
書類作成や自治体で行うイベント企画、実行などを行います。3〜4年程度で部署が変わることもしばしばあります。
<資格・免許職>
資格・免許職となる地方公務員は、地方行政機関が発行する免許や資格を持って業務を行います。
具体的には、公立の教員や保育士、県立病院に勤務する看護師などが挙げられます。
資格・免許職となる地方公務員は資格取得のための試験をパスした人たちなので、それぞれ専門性の高い業務を行います。
また看護師や保健師などは国家資格を要するので、高度な知識と実務能力が求められます。
<技術職>
地方公務員の技術職は、主にインフラ関係や化学、農学系などの理系分野が多いです。
例えば、土木、建築、機械、電気、化学などがあります。
<公安職>
公安職は地方自治体の警察署や消防署、交番、運転免許センター等に勤務している職員になります。
官公庁業界に向いている人
正義感とモラルがある人
正義感とは、自分が正しいと思ったことを通そうとする気持ちで、モラルとは公共的な基準に沿った善悪のことです。
法治国家である以上、特に、警察官などはそういった正義感とモラルは必須条件といっても過言ではないでしょう。
反対に、正義感とモラルを持っている人は警察官などの業務に特に向いていると言えます。
また、公務員の給料は、国民が納められている税金から支払われます。
国民が稼いだお金によって、公務員が生活できているので、国民からはモラルをもった行動が求められます。
国や地域に貢献したい人
公務員は基本的に国民生活の発展や維持に関わる仕事を行います。
国家公務員は、日本の将来をより良くしていきたいという思いがある人が向いているでしょう。
また、地方公務員も地域に根ざした地域貢献を行っていきたいという思いがある人が向いています。
国の財政悪化や人口減少など将来を懸念する人も多く、取り組むべき課題は山積みです。また、地方自治体によっても様々な課題を抱えています。
そういった中でも、積極的に貢献できる意志がある人は、ぜひ官公庁をお薦めします。
転勤や異動が苦でない人
省庁にもよりますが、国家公務員は基本的に短期間で転勤が多くあります。公務員人生の中で、ずっと霞が関にいることはほとんど無いでしょう。
また、県庁職員も県内を転勤することが多い傾向にあります。
市役所などは、部署の異動も多くなるため、そういった転勤や部署異動を前向きに捉え、行動できる人は向いているといえます。
いろんな人とコミュニケーションをとることが好きな人
地方公務員などは窓口業務をはじめとした市町村民と関わることが多いです。
また、国家公務員や県庁職員も転勤が多く、様々な人ともコミュニケーションをとっていかなければなりません。
そのため、コミュニケーションに自信がある人は、官公庁に向いていると思われます。
官公庁業界におけるトレンド・話題
約150日の時間削減!?業務効率化を目指す富士川役場の挑戦
紙を媒体とした業務が未だ多い日本には、テクノロジーを活用した業務の効率化が求められています。
山梨県の富士川町役場では、業務効率化の大きな足かせとなっている紙ベースの業務にICTを活用することで大幅な業務改善の成功を果たしました。
これまで保健所関連やふるさと納税等の書類転記業務は、専任の職員の手作業で行っていました。まずはそこにメスを入れ、単純作業の業務効率化を図ることとしました。
担当者は、AIによる自動判別可能な文書読み取り機能があるシステムの導入を検討し、試験運用を行いました。またこの試験運用は、検討後すぐには実施せず繁忙期での導入を行うことにしました。
これは、高性能製品であるが、それに伴う結果が得られなければ現場職員の負担になるという懸念のもと実施した計画になります。
繁忙期での試験運用の結果、これまで専任の職員が数日かかっていた書類転移業務が、紙の束をスキャンするだけの簡易な作業によって業務が終わってしまう結果となりました。
これによって約40時間、実働時間にして約5日分以上の時間削減が可能である事が分かりました。
このように、小規模の地方公共団体でもICTを活用した業務効率化が図られ、今後ますます日本で普及してくるものと思われます。
逆に中央省庁などの、大きな国の組織では、職員数も多く導入するリスクやコストが大きいため、小さな組織から業務効率化に向けた変革が行われてくると予測されます。
富士川町役場での先進的な取り組みを皮切りに、各地方での業務効率化に向けたICTの活用に期待です。
地域や国の貢献活動だけでなく、職員の業務改善に着眼してみるのも面接で他と差をつけるポイントとなりそうです。
参考:BIGLOBEニュース
中央省庁離れなぜ?若手人材発掘へ初調査ー人事院
2021年度の就活を終えた学生を対象に、人事院は国家公務員を志望しなかった理由の調査を行いました。人事院が、国家公務員を志望しなかった理由を調査するのは初とのことです。
この調査は2021年度中に結果をまとめ、中央省庁離れを食い止めるためのPR活動に還元し、今後、優秀な人材の発掘に活かすそうです。
2021年春に行われた国家公務員採用試験で、キャリア組となる総合職の申込者数は5年連続で減少しました。2020年春からは14.5%減少し、過去最も少ない1万4310人になりました。
これらの要因として考えられるのは、新型コロナウイルス感染症拡大により、地方出身者の学生が地元就職をしたこと、民間企業の人材確保に向けた動きがが激化したことが挙げられます。
対して、官僚の長時間残業や不祥事がメディアに取り上げられことによってマイナスなイメージが影響したものと考えられます。
人事院は2022年度、新たにネットを活用して国家公務員の志望者を発掘する方針です。また、今回の調査結果を踏まえた対策も検討しています。
国家公務員に対する就活生の意識が、時代とともに変化している実態が顕になりました。やはり、就活生にとって転勤や労働時間への懸念は払拭できないものと思われます。
反対に、国民のためにならそういった懸念材料すら厭わないといったやる気がある人は、アピールに繋がるものと思われます。
働き方改革が推進され、働きたいのに働けないといった人も中にはいます。
面接では安定した職場であるがゆえ、それに甘んじてしまうのではなく、常に向上心をもって業務に取り組む姿勢を見せると良いでしょう。
参考:JIJI.COM
官公庁業界の解説
農林水産省
官公庁名 |
農林水産省(英名:Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries) |
職員数 |
1万9445人 |
職務内容 |
・食料の安定供給確保 ・農林水産業の発展 ・農林漁業者の福祉の増進 ・農山漁村および中山間地域等の振興 ・農業の多面にわたる機能の発揮 ・森林の保続培養および森林生産力の増進ならびに水産資源の適切な保存および管理 など |
農林水産省は、農業、畜産業、林業、水産業をはじめとした、食料の安定供給や農村の振興等を所管します。
外局として林野庁や水産庁といった農林水産に関わる機関があります。
また、管轄する独立行政法人に中には、森林研究・整備機構や農業・食品産業技術総合研究機構などがあり、農林水産物や経済を対象とした研究施設もあります。
日本は森林大国で、さらに周囲を海で囲まれた国のため、農林水産物を有効活用していかなければなりません。
その豊かな資源をどう活用し活性化を図っていくのかを考えながら業務に取り組む必要があります。
財務省
官公庁名 |
財務省(英名:Ministry of Finance) |
職員数 |
7万471人 |
職務内容 |
・国の予算・決算および会計 ・決算調整資金の管理 ・国税収納金整理資金の管理 ・各省各庁の予算執行の承認及び認証 ・各省各庁の出納官吏および出納員の監督 ・予算執行に関する報告の徴取・実地監査および指示 ・各省各庁の歳入の徴収および収納の管理 ・物品及び国の債権の管理 ・国の貸付金の管理 ・政府関係機関の予算・決算および会計 ・国家公務員の旅費その他実費弁償制度 など |
財務省は国の予算分配や税金関連の国の意思決定機関です。
そのため、中央省庁の中でも大きな権力を有しており、最強官庁とも称されます。
外局には国税庁があり、管轄する独立行政法人の中には、造幣局や酒類総合研究所などがあります。
膨大な借金を抱える日本の今後を守らなければならず、その責任は大きくのしかかります。
また、職務は財務規律を重んじ公正な判断で行わなければならないので、タフさが要求されることもしばしばあります。
東京都庁
官公庁名 |
東京都庁(英名:Tokyo Metropolitan Government) |
教員数 |
17万193人 |
職務内容 |
・市区町村の事務処理 ・特別区に関する連絡調整事務 ・消防・水道・都市計画 など |
都道府県庁同様、各市町村を包括し事務処理を中心に行います。
しかし、他の県や府とは違い莫大な人口を抱えており、都税収入が都の収入の7割を超えてきます。
これは、人口もさながら東京都に本社を置く企業が多いためでもあります。裏を返せば、そういった企業に動向を大きく左右される地方団体であるといえます。
官公庁業界における採用動向
農林水産省
- 自分の力で様々な要素を掛け合わせてイノベーションを起こせる人
- 日本の食文化を守り、継承したい人
農林水産省は、生命を支える「食」と安心して暮らせる「環境」を未来の子どもたちに継承していくことを使命にしています。
食料はただ栄養として身体に摂取されるだけでなく、食を中心に多くの産業が生まれるチャンスがあります。
すなわち、食を所管する農林水産省には、そういった様々な要素の掛け合わせによって、イノベーションを起こせる可能性を秘めています。
現在深刻化される、農村地帯の人口減少や農林水産業の担い手不足の中においては、自分の力で考えイノベーションを起こせる人の需要は高まっているといえます。
また、日本の食文化は、これまでの農林水産業があっての独自の文化であり、これを未来に継承いていきたいと強く思う人は、採用のチャンスがあるといえます。
民間企業では売上目標などがあり、どうしても会社存続のための利益活動として行動しなければなりませんが、公務員は利益度外視で純粋に日本の食文化を大切にしたい思いで行動に移せます。
そういったことに意欲的な人は、採用されるやすい傾向があります。
財務省
- 熱意を持って課題解決に取り組める人
- 他人事ではなく自分事として考える姿勢がある人
財務省は国の財務のストック・フローを総合的に管理、運営する使命を担っています。
しかし、日本の財政は、先進国の中でも最悪な状況になっているため様々な課題を解決していかなければなりません。
危機的状況下の中でも熱意を絶やさずに課題に取り組める人が非常に重要となってきます。
また、そういった課題を他人事ではなく自分の使命だと考えて行動できる人材こそ、現在の財務省に求められている人材です。
一人の熱意が周りに伝染するように、たった一人でもやってやるという強い気持ちを持っている人は採用される傾向にあるといえます。
東京都庁
- 都民から信頼され、協力して仕事を進める力を持った人
- 高い志と豊かな感性を持った人
- 変革を求める人
首都をフィールドとして行政を担う東京都職員は、誰もが安心に暮らし、希望と活力を持ち続けられる都市を実現するためのフロントランナーとして、道を切り拓く存在になります。
そういった存在になるには、やはり都民からの信頼と、同じ志をもった同士と協力して仕事を進める力が必要となります。
また、豊かな感性から生み出される施策やイベント等も都民の活力となり得るでしょう。
人口規模が地方公共団体と桁違いなので、そういった協力的な人や豊かな感性を持った人の力を必要としています。
また、先駆的な都市にしていくことに積極的な姿勢が求められます。
常に、都民が活気つくような新しい技術の導入や施策を提案していき、変革を求めて行動できる人は採用されやすいと考えられます。
官公庁業界の採用スケジュール
国家公務員 一般職の採用フロー
※あくまで2022年度卒のスケジュールの一例となります。最新の情報は人事院または農林水産省ホームページをご確認ください。
<22年度卒の場合>
受験案内をHPに掲載(2021/2/1)
インターネットによる受験申込(4/2〜4/14)
第1次試験(6/13)
第1次試験合格発表(7/7)
官庁訪問(7/9〜)
第2次試験(7/14〜8/2)
最終合格発表(8/17)
採用内定(10/1)
1次試験は筆記試験、2次試験は面接になります。受験案内のページは人事院から予約が可能になっています。また、官庁訪問にも予約が必要になります。
官庁訪問は、志望する府省庁に関する知識を深めるとともに、試験合格後の採用に向けて自己PRの重要な機会となります。
東京都庁の採用フロー
※あくまで2022年度卒のスケジュールの一例となります。最新の情報は東京都庁のホームページをご確認ください。
<22年度卒の場合>
試験・選考案内公表
受験申込
1次試験
1次試験合格発表
2次(3次)試験
最終合格発表
国家公務員と同じように1次試験は筆記試験、2次試験あるいは3次試験は面接となります。
都庁採用試験は全部で7種類あり、業務上必要な資格や免許が受験資格に設定されていることがあるので、必ず確認しましょう。
筆記試験には予約が必要となります。
警視庁の採用フロー
※あくまで2022年度卒のスケジュールの一例となります。最新の情報は警視庁のホームページをご確認ください。
<22年度卒の場合>
試験・選考案内公表
受験申込
1次試験
1次試験合格発表
2次試験
最終合格発表
警視庁の受験資格には身体要件があります。
男性と女性で異なりますが、例えば男性の場合概ね160cm以上の身長が必要になるといった要件があります。
警視庁採用サイトで確認することができます。
官公庁業界のインターン情報
農林水産省
農林水産省のインターンシップは、本省の部や局、林野庁や水産庁などの希望を選択できます。
また、インターンシップを希望する学生は直接農林水産省に書類を提出するのではなく、大学の就職担当部局等に申し出る形になります。
提出する書類は、インターンシップ調書、推薦申込書を提出し、受け入れが決まった場合は、農林水産省との間で覚書を締結します。
<2020年度のインターン>
対象者:大学、大学院生等(日本国籍を有さない者は実習生となることができません)
実施時期・機関:2020年2月〜4月の間で受入部署が設定する期間(受入決定後調整)
実施期間:原則として月〜金曜日までの午前9時45分から午後5時15分
所要経費:原則自己負担
応募締切:2019年12月20日(メール必着)
東京都庁
東京都庁のインターンシップは事務職、技術職、専門職に分かれて行われます。
<事務職>
開催日:2021年9月6日 14:30〜17:00
2021年9月21日 14:30〜17:00
対象者:東京都に関心のある大学生、大学院生
開催場所:オンライン開催
内容:ワーク・若手職員との座談会を通して、行政の仕事・都庁の仕事を深く知ることができる1day仕事体験を実施します。
<技術職>
開催日:2021年9月22日
対象者:土木職・建築職・機械職・電気職のいずれかに関心のある大学生・大学院生・高等専門学校生
開催場所:オンライン開催
内容:未来の東京を創り、次世代へと引き継ぐ都庁技術職(土木・建築・機械・電気)の仕事を紹介し、都の高い技術力や、大きなスケールで行う公共事業の魅力が分かるプログラムです。
<専門職>
開催日:2021年10月22日 19:00〜20:15
対象者:環境検査・林業・畜産・水産・造園・衛生監視・薬剤・栄養士・獣医・心理のいずれかに関心がある、大学生を始めとした将来のキャリアを検討している方
開催場所:オンライン開催
内容:仕事のやりがいや職員の想い、職場の雰囲気など、ざっくばらんな質問会になります。
警視庁
警視庁には交通勤務体験、鑑識活動体験、逮捕術等訓練体験、白バイ乗車体験があり、これらの体験は警察署によって異なります。
開催日:2021年9月〜2022年3月
対象者:大学生・大学院生・短期大学生・専門学校生等
実施日数:2〜3日間
応募締切:マイページで要確認
業界研究のやり方
業界研究においては大きく2つのステップで行っていくことで理解することができます。
(1)官公庁にはどのような職種があるのか把握する
官公庁は民間企業と異なり、ビジネス展開を行っていないため業界全体を把握するのは容易です。そのため、やりたいことを達成するにはどの官公庁を志望するべきかを考えなければなりません。
志望先を考えるにあたっては、まず官公庁にはどのような職種があるのかを知らなければなりません。
官公庁によっては様々な職種があるので事前に調べておきましょう。
(2)官公庁が何に力を入れているのかを知る
志望先の官公庁の職種を把握できたら、次に何に力を入れているのかを知る必要があります。
例えば、地方自治体は名産品を普及させようとしているのか、人口減を食い止めるための施策に力を入れているのかをホームページや訪問等をして調べておきましょう。
官公庁業界の業界研究
官公庁業界についても上記で紹介した2つのステップで分析をしていきましょう。
(1)公庁にはどのような職種があるのか把握する
官公庁には大きく分けて国家公務員と地方公務員に分けられ、それぞれ一般職、専門職、技術職などがあります。
まずはこの国家公務員と地方公務員に分けて、それぞれの職種をまとめてみましょう。
国家公務員 |
総合職 |
各種省庁 |
一般職 |
||
専門職 |
皇宮護衛官、法務省専門職、財務専門官、国税専門官、労働基準監督官、航空管制官など |
|
地方公務員 |
行政職 |
各種地方公共団体 |
資格・免許職 |
保育士・保健師・県立病院・公立学校 |
|
技術職 |
土木・建築・電気・機械・化学・農業 |
(2)官公庁が何に力を入れているのかを知る
官公庁の職種を理解し、自身が進みたい方向を決めたら次は、その官公庁が何に力を入れているのかを調べましょう。
各省庁は基本的に国全体の規模感です。
例えば国の教育や文化、研究分野に力を入れているのは、文部科学省になりますが、他にも各省庁は多くの政策を実施しています。
政策の知識を深めて、日本全体の動きを把握することが大切です。
また、地方公共団体は人口減少といった慢性的な課題や、最近ではコロナ対策やデジタルトランスフォーメーション等に力を入れている地域があります。
そういった情報を集め自分が何を問題だと感じ、どのように活躍できるのかを考えて準備しましょう。
もちろん1次試験の筆記を通過しなければなりませんが、その後の面接対策も同様に行うことをお薦めします。
官公庁業界のES攻略対策・攻略法
ESのまとめ方
ESを記入する際には、「なぜその官公庁を志望しているのか」と「自分の人物像」がきちんと伝わるように記入することが重要です。
公務員の志望者の中には、安定性や待遇のよさを求めて目指す人も多くいます。
しかし、安定した仕事だからという安易な理由では志望動機として不十分で、むしろ悪い印象を与えてしまいます。
そのため就業条件だけで志望理由を語るのではなく、その官公庁の仕事の特徴を捉えて志望動機を伝えていきましょう。
官公庁業界におけるESポイント
ESでは論理的に伝わる内容を書くことが大切なので、結論ファーストで書かれ、読む人に分かりやすい文章を書きましょう。
例えば
上記の順で構成していくと分かりやすい文章になります。
官公庁業界は、国民や地域民に貢献できる人材を求めています。
これを踏まえ、ESに記入する際は「就職後のビジョン」「人の役に立ちたいという熱意」についてしっかり考えて書くことが重要です。
もちろん面接ではESを見ながら行う官公庁もあるので、しっかり受け答えができるようにしておきましょう。
■就職後のビジョン
官公庁は将来を見据えて政策や施策を考えます。これは今の日本や地域をもっと良くしたいという願いを込めて、一生懸命に考えたものです。
そのため、就職して終わりではなく就職後に何がしたいのかを具体的に説明することが重要です。
日本や地域に貢献するための具体的なビジョンについて記入し、人々のために自分が役に立つことを示すようにしましょう。
また、ビジョンの背景となる経験も交えてアピールすると、なお良いでしょう。
■人の役に立ちたいという熱意
官公庁の職員は民間企業の従業員とは違い、利益を求めません。純粋に人々のために役に立ちたいという思いで仕事が成り立っています。
しかし、そもそも人のために役に立たない仕事など存在せず、就活生全員が同じことを考えています。
そのため、人の役に立ちたいという思いを深堀りする必要があります。
例えば、「移住者を増やす活動という形で地域経済を活性化させ、人々の暮らしを豊かにしていきたい」といったように具体化して深堀りしましょう。
また、熱意も交えてESに書くことで、その人の人物像が見え、体温のある文章にもなるので、人の役に立ちたい熱意もしっかり伝えましょう。
官公庁業界の筆記試験対策・攻略法
官公庁の筆記試験には「教養科目」と「専門科目」があります。
職種によって、出題形式や分野が異なります。形式や分野は全4種類で、教養択一、教養記述、専門択一、専門記述になります。
そのなかでも教養択一はほとんどの公務員試験で出題され、一般知能と一般知識に分かれます。
それぞれの内容とポイントを確認していきましょう。
<筆記試験の種類と内容>
■教養科目
高校までに学ぶ「国、数、理、社、英」
■専門科目
行政系職種:「経済」「法律」
心理職、技術職:「各専門分野ごとの科目」
※「教養科目」と「専門科目」の両方が課される場合もあります。
<出題形式・分野>
・教養択一
一般知能:「数的処理」「文章理解」
一般知識:「人文科学」「自然科学」
「社会科学」「時事」
・教養記述
・専門科目
・専門記述
※ほとんど公務員試験で「教養拓一」は出題されます。
ポイントとしては、一般知能の数的処理と文章理解から勉強していくことです。これは、出題数が多く会得するのに時間を要するためです。
特に国家公務員や東京特別区では、一般知能の割合が非常に高いです。
また、時事問題に関しては面接にも通ずるので、日頃からニュースの知識をストックしておきましょう。
攻略法としては、過去問から傾向や頻出分野を得ることです。
どの科目も、出題傾向や頻出分野は決まっています。そのため、まずは過去問を解いていくのではなく、読みこんでいくことをお薦めします。
官公庁業界の面接対策・攻略法
面接でよく聞かれる質問と回答のポイントを紹介します。
- なぜ、うちを受験したのか。
- 学生時代にがんばったことは。
- ボランティアに参加したことはあるか。
- 最近気になったニュースは。
- ストレス耐性はありますか。
なぜ、うちを受験したのか
数ある官公庁の中から、なぜ、その官公庁を志望したのか理由を聞かれることが多いようです。
他の自治体でも良いのではないか、国の仕事はうちではできないといった失敗もあるそうです。
そのため、その官公庁に対する意思を明確にし、その意志に沿った官公庁であるのかをしっかり調べておく必要があります。
まずは国に貢献したいのか、より地域に密着した地方に貢献したいのかを考え、そこから国の場合はどの省庁か、地方の場合はどの自治体かステップを踏んで意思を明確にしていきましょう。
学生時代にがんばったことは
この質問と「自己PRをしてください」に関してはESで記述した内容の深めていくことが多いです。
こういった質問の本質的なところは、「どういったことに興味をもったのか」「何が自分の武器であるのか」「周りを巻き込めるか」「高い目標に対して工夫をしながら努力できるか」といった、人物像を把握するために聞かれます。
自分の人物像についてしっかり把握し、強みについてしっかりアピールできるようにしておきましょう。
ボランティアに参加したことはあるか
利益を求めない業界なので、ボランティアなどの慈善活動経験を問われることもあるそうです。
見返りを求めずに、どれだけ人々に貢献した経験があるのか重要になってくると思われます。
そのため、官公庁への就職を志望している人は、小さくても良いのでボランティアに参加しておくことをお薦めします。
また、その経験はESにも活かせます。
最近気になったニュースは
やはり、筆記試験で時事問題が出されるため、最近のニュースについて問われることがあります。
こういった質問の意図は、どのようなニュースを気になったのかを知りたいだけでなく、どのようなニュースに興味を持っているのかも面接官は知りたいのです。
そのため、今朝見たニュースを適当に応えるのではなく、しっかりとした背景までいえるようにしておきましょう。
つまり、なぜそのニュースが気になったのかを考える必要があります。
また、自身が気になったニュースと関連したニュースについても調べて準備をしておくと、なお良いでしょう。
ストレス耐性はありますか
国民や市民の声と、公務員としてできることの板挟みになることが多く、ストレスにさらされることもあります。
そういった場合に、適度にストレスを減らし精神的に安定していることが求められます。
感情に身を任せて不適切な行動をとってしまうと、国民や市民からの信頼を失墜しかねません。
そのため、ストレスに対して耐性ができているのかどうか聞かれる場合があるようです。
ESに書いた趣味などを適度に行っています、などESと絡めて回答できるといいでしょう。