【住宅メーカー業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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住宅メーカー業界は業界自体の安定性が高いことや、目に見える形で人々の暮らしを支えていることが実感でき、やりがいを感じられることなどから、就活生の間でも毎年人気のある業界です。
近年は核家族や一人暮らし世帯が増えるなど住宅の形も変化してきています。
住まい手のニーズが多様化してきている中で、それぞれのニーズに適した高付加価値住宅の需要が高まっています。
そのため、大手企業から中小企業まで企業間での競争も激しく、独自の特徴を持つ住宅メーカーも増えてきており、志望する学生にとっては、各企業の特徴を抑えた上でのES作成や面接対策は欠かせません。
この記事では、実際の住宅メーカー業界のESでどんな設問が出てくるのか知りたいという学生のために、実際に住宅メーカー企業のESで出題された設問と、ES選考を突破した人がどのように回答をしているのかも合わせて紹介していきます。
住宅メーカー業界の採用動向やES対策など、詳しくは「住宅メーカー業界研究」の記事を合わせて読んでみてください。
目次
住宅メーカー業界のESで実際に出た設問
1住友不動産を特に志望する理由(2021 住友不動産)
2あなたの強みと弱みを具体的に教えてください(2021 一条工務店)
3長所とそれが発揮された場面 100文字(2020 住友林業)
4現在の志望職種や希望部門において業務を遂行する際、何を最重要視して仕事に臨みたいと考えていますか。(2021 積水ハウス)
5あなたが今までの人生で最も苦労したことはどんな事ですか。またそれを乗り越えるために工夫、努力したことをご記入ください。(2020 ヘーベルハウス)
設問例1:志望動機
住宅メーカーの志望動機を作るためのポイントは業界研究だけではなく、企業の特色を知り、志望する理由を明確にすることが大切です。
大手ゼネコンから中小企業までさまざまな企業がある中で、「なぜその企業を志望するのか?」を明確にしていきましょう。
その企業独自の強みや特徴を踏まえた上で、採用担当者に入社意欲がしっかりと伝わるような志望動機にしていきましょう。
回答例
私は都市再開発を通してその地域の特色を活かし、独自の価値が生み出されるような都市創りに貢献したいと考えます。
私の地元の駅で再開発が進んでから、初めて訪れた時の景色は忘れられません。年月が経っても街の価値を新たに生み出すことができるのが、総合デベロッパーの魅力であると考えています。
その中でも新たな事例を生み出し続け、都内最大の保有棟数を誇る貴社にしかない技術とデザイン力を生かした価値の創造によって、私の夢は実現できると感じています。自身の強みである課題分析力を活かし、前例のない新たな都市創りによる価値を人々に提供していきたいです。
志望する企業の特徴や強みを理解した上で、「その企業でなければいけない理由」を明確に伝えていきましょう。
その企業に入社したいという熱意が採用担当者にもストレートに伝わることが大切です。
設問例2:強み、弱み
この質問の意図はその学生の強み・弱みを知ることで、「入社後どのように活躍してくれるか」見極めるためのものです。
特別な実績や経験でなくても良いのです。
どのような努力をしてどんな成果が上がったのかなど、具体的に書いていきましょう。
回答例
私の強みは行動力です。 この強みが活かされたのが部での新入生募集活動です。 私に登山の楽しさを教えてくれた登山部を後輩に引き継いでいきたいという思いから、新入生募集活動を部で提案しました。
しかし、部員には「新入生が定着しないのは本人の興味が薄いだけ」という考えがあり、却下されました。 私は部員の意識を変えなければと感じ、変革に向けて行動を起こしました。 具体的には新入生がなぜ重要かを論理的に説明し、一人一人に納得するまで根気強く意見交換をしました。
また募集活動の内容も興味を持ってもらえうような企画を考え併せて提案しました。その結果、次の部会で新入生募集活動の実施が決定し、部全体で活動することが出来ました。
私の弱みは計画性です。 何かに興味を持った際、先に行動することに意識が向いてしまい、具体的な計画を立てずに物事に取り組んでしまう傾向があります。 そのため改善策として、行動の優先順位をつけることを徹底し、計画への意識を高めてから取り組むようにしています。
ただ単に自分自身の強みや長所をアピールするのではなく、企業が求める人物像を意識したアピールをすることで、より企業にマッチした人材であるとみなされ、好印象を得られるでしょう。
設問例3:長所とエピソード
就活を進めていく中で「あなたの長所や強み」について聞かれることは多くあり、頻出する質問です。
この質問では主に「入社後に活躍できそうな人材かどうか」「自分自身を客観的に理解しているか」が見られています。
自己分析ができていないと話す内容に矛盾が生じるため、採用担当者に不信感を与えてしまいます。
事前に自己分析を行い、第三者目線で自分の長所を理解しておくことが重要です。
回答例
私の長所は観察力です。塾講師として生徒の授業中の様子から、生徒が疑問に感じている点を把握し、カリキュラム作成やアドバイスに活かしています。結果、生徒の成績向上に繋がっています。
自分の強みが企業の求める人物像に沿っていると良いアピールになります。
志望する企業に合わせた自身の長所を伝えることが大切です。
設問例4:仕事における重要視ポイント
企業は自社で長く活躍してほしいと考えているため、入社前から明確な将来のビジョンをもっている学生を求めています。
また、この質問を通して企業研究をしているのかを知り、自社への本気度も確認しています。
質問の意図を把握してロジカルで分かりやすい回答ができるように書いていきましょう。
回答例
業務を遂行する際、自分の視点のみならず相手の目線に立って考えることを最重要視して仕事に臨みたいです。
営業職としてお客様と商談をする際には、相手が求めるニーズに合わせて提案を行なっていく提案力が必要です。そのためには「共感力」の素質が最も重要であると私自身は考えています。私の考える「共感力」とは、相手の目線に立って同じ立場で物事を考えることができる力です。お客様の目線に立って隠れているニーズを引き出しせるかどうかは、これから長くの時間を過ごすことになるであろう、住まいという居場所の満足度にも比例します。
快適・安全性だけでなくお客様の大切な居場所となる存在であることを常々意識して知識を積み上げ、お客様の目線に寄り添った対話を行なっていきます。自らも成長を止めずに、試行錯誤し続ける姿勢を持ち続けることで、「この人に任せてよかった」と思っていただけるような存在になっていきたいです。
結論ファーストで伝えるようにすると分かりやすく具体的に伝えることが出来ます。
また、自身の人となりを知ってもらうきっかけにもなります。
企業側は学生の人間性を常に見ているので、企業の求める人物像に合ったエピソード内容を書いていきましょう。
設問例5:苦労したこと工夫したこと
あなたが今までの人生で最も苦労したことはどんな事ですか。またそれを乗り越えるために工夫、努力したことをご記入ください。(2020 ヘーベルハウス)
人生の下で最も苦労した経験と言っても、人によって苦労のレベルが違ったり、そこまで苦労した経験が出てこなかったりと、どう回答して良いのか困るかもしれません。
採用担当者はこの質問では苦労したエピソードを聞きたいのではなく、回答を通して学生の人柄を見極めています。
ただ単に苦労した経験を述べてもネガティブな印象で終わってしまうので、書き方や伝え方を工夫して好印象を得られるように書いてしましょう。
回答例
私の人生最大の困難は、大学のゼミでの後輩勧誘活動です。私のゼミは例年20名の定員に対し、応募が5名以下ということが続いていました。毎年30名以上の応募がくる人気なゼミと比べて、ゼミ生の活気や行動が足りないからであると考えました。そこでゼミ生と話し合いの場を設け、3つのやるべき事を明確にしました。
1つ目は手渡しでビラを配りに行く事。2つ目はゼミの授業をいつでも見学、参加可能にする事。3つ目は後輩一人一人のゼミやプライベートの相談に乗る事を提案しました。具体的な案にすることを何度も話し合ったことにより、すぐに実行に移せました。その結果、応募者は約4倍の20名へと増やすことが出来ました。後輩のゼミ生からは「先輩達が魅力的だった」と言ってもらえ、現状を把握し、改善するための行動に移すことの大切さを学べました。
苦労したエピソードは特別な成果や経験を書く必要はありません。
目の前の困難に対して「どう取り組んだか」が重要となるので、そういった視点で過去を振り返ってみましょう。
また、具体的な内容として変化が分かる数字を用いて伝えると、採用担当者にもより印象に残りやすくなります。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは、企業に対して「自分を売り込む場」といえます。
自分の強みや長所をどのように企業で活かせるか、どのように企業へ貢献できるかをアピールし、企業に必要な人材と思ってもらえるように自分を売り込む事が自己PRでは求められます。
自己PRで評価されるには、自分の人柄や能力を具体的に伝えて企業が求める人物像に合わせてアピールすることが重要になります。
企業が自己PRを聞く意図は3点あります。
1応募者が活躍してくれるか見極める
応募者を採用することによって企業にプラスの利益をもたらす人材なのかを強みや長所を聞いて見極めています。
そのためただ単に自分の強みや長所をアピールするのではなく、企業が求めている強みや長所を意識してアピールすることが大切になります。
2企業に合った人材か見極める
企業の社風や考えに合った人材かを見極めることによって活躍してくれるか判断材料としています。例えば応募者の強みが既存社員と類似していたら企業とマッチする可能性が高く活躍が期待できます。
反対にいくら優秀な人材でも企業との相性が合わない場合は早期退職の恐れがあるため前向きに採用を検討しません。
3自分を客観視できているか
自己分析は就職活動において最も重視して行うものなので、自己分析が出来ていないと就職活動への姿勢が悪いものと評価されてしまい、企業への志望度も低いものだと判断されてしまいます。
自己PRは自分を売り込む場なので、自分自身について正しく理解する必要があります。そのためには自分を客観的にも理解することが大切となります。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
住宅メーカー業界はどんな人材が求められるのか
住宅メーカー業界の職種は大きく「営業」「設計」「工事」「積算」の4つに分けられます。
それぞれの職種で共通して、下記が求められる人材の特徴として挙げられます。
- 相手のニーズを汲み取るコミュニケーション力
- 目標意識があり、心身ともにタフなこと
- スケジュール管理が得意な人
相手のニーズを汲み取れるコミニュケーション力
住宅メーカーに勤務する人は、どの職種でも共通する重要な資質と言えます。住宅はお客様にとって非常に高額の商品です。
注文住宅である以上、お客様の要望や期待、将来へのプランや夢など、並々ならぬ思いが込められて作られていくものです。
しかしすべてのお客様が、それらを上手く担当者に伝えられるとは限らないため、お客様との会話の中でそれを引き出し、設計に反映させ、最適なオプションを提案していく必要があります。
当然、その一方で住宅メーカーにとっての利益の確保も同時に追求しなければなりません。
お客様の住宅に対する思いを家という形にしていくことが、この仕事の醍醐味でもあるため、相手の意見を傾聴して、ニーズを引き出していくことの得意な人は住宅メーカーに向いているでしょう。
目標意識があり、心身ともにタフなこと
住宅メーカーの社員の場合、土日関係なく、お客様や工期の計画に沿って動かなければいけません。
一般の人が休み、楽しんでいる時間が最も多忙なため、目的意識を高く持てるかが大事な資質となります。
もちろん土日や祝日が勤務になる職業は住宅メーカーだけではありませんが、営業の場合、営業成績を明確な数字で求められるため、プレッシャーもかかります。
受け身の接客をしていればよいのとは違うため、モチベーションを高く保ち、プレッシャーに耐えてスキルを磨く努力ができるタイプの人は向いています。
スケジュール管理が得意な人
ひとつの家を作り上げて行くには、お客様はもちろん、設計担当、生産担当、現場の大工や職人、設備業者など、数多くの人が携わります。
それぞれに仕事の段取りや都合があるので、住宅メーカー社員はその調整役として、作業にかかる時間や納期から逆算してスケジュールを組み立てなければなりません。
このため、普段から時間を意識して行動しており、計画的に物事を進められる人は、住宅メーカーに向いているでしょう。
具体的に向いているタイプとしては、夏休みに宿題をまとめて一気に片付けていたという人よりも、毎日少しずつでも計画的に消化していた人のほうが、住宅メーカー向きといえます。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも住宅メーカー業界全体での話となります。
ご紹介した内容すべてに当てはまる人材でなければいけない必要はありません。企業や職種によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあります。
最も大切なことは他の企業ではなく、その企業だからこそ志望する理由、他の企業ではいけない理由を加えて、採用担当者へ入社意欲をアピールできると、より高評価を得られるでしょう。