【建設業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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建設業界は業界自体の安定性が高いことや、目に見える形で人々の暮らしを支えていることが実感できる仕事としてやりがいを感じられることなどから就活生の間でも毎年人気のある業界です。
しかし、漠然とした憧れを持ったまま建設業界を志望してもなかなか選考を突破することができなかったり、入社後に抱いていたイメージとのミスマッチが起きてしまう可能性もあります。
そこで、この記事では建設業界の企業で出やすい設問や、どのような人材が建設業界に求められているのかを詳しく解説していきます。
建設業界の採用動向や面接対策などについて、より詳しい情報は【建設業界研究】の記事も合わせてチェックしてみてください。
目次
建設業界のESで実際に出た設問
1志望動機(各社共通)
2学生時代に最も力を入れてきた事とそれによって得たものをご記入ください。500文字以下(2021年 鹿島建設)
3今までの経験からあなた自身が社会に出て仕事をするうえで大切にしたい価値観について、ご自由にお書きください。300文字以下 (2021年 三井不動産)
4住まいづくりの仕事にとって何が一番重要だと思いますか?(2020年 積水ハウス)
5就職活動にあたり、あなたが業界選択・企業選択で重視している点について具体的に上げてください。(2021年 大成建設)
設問例1:志望動機(各社共通)
建設業界の志望動機を作る上で、業界研究だけでは不十分です。
大手ゼネコンを筆頭に数多くの企業がある中で、「なぜその企業を志望するのか?」を明確にしておかなければいけません。
その企業独自の強みや特徴を踏まえた上で、採用担当者に入社に対する意欲が伝わるような志望動機を書いていきましょう。
回答例1
私が御社を志望したのは、街づくりを通して多くの人のライフスタイルや働き方を変え、より豊かな暮らしの提供に貢献できると考えたからです。
近年、私の地元が再開発によって新たな商業施設やマンションが建設され、その土地に住む人々の生活がより豊かになっていくのを身近で実感しました。
このように、街づくりを通してその地域の発展に貢献できることや、人々の生活そのものに大きく携われるデベロッパーに魅力を感じています。
その中でも貴社は業界トップの企業でありながら、次々と新事業に挑戦していくチャレンジングな社風に魅力を感じたため、貴社を志望いたします。
回答例2
私は貴社の住まいづくりに魅力を感じ、志望いたしました。
きっかけは中学・高校時代の文化祭です。
私はクラスごとに出店する模擬店で企画担当を毎年務め、模擬店の製作に力を入れていました。
チームが一つになって製作をしていく中で、完成した時や徐々に形になっていく様子を目にした時に、この上ないやりがいを感じていました。
この体験から、成果が目に見える形として実感でき、喜ぶ人の顔が間近で感じられる住まいづくりに携わっていきたいと思いました。
中でも、業界トップクラスのハウスメーカーとしての実績を持つ企業規模の大きさに魅力を感じ、貴社を志望いたします。
また、特に貴社を志望する理由は2つあります。
1つ目は、業界に先駆けて最新の技術を導入し続ける向上心の高さに惹かれたからです。
他にはないオリジナルのアイデア出しを積極的に取り組む事でやりがいを感じてきた私にとって、貴社の挑戦心の高さに大変魅力を感じました。
2つ目は貴社でお会いした社員の方一人一人の人柄に惹かれたからです。
説明会やインターン、OB訪問を通じて、貴社の社員から新しいことに挑戦し続けることへのやりがいの大きさと、住まいづくりに対する自信の強さを感じられたことに強く惹かれました。
以上の理由から貴社を志望いたします。
志望する企業の強みをしっかりと理解した上で、その企業でなければいけない理由を明確に伝えていきましょう。
その企業に入社したいという熱意が採用担当者にもしっかりと伝わることが大切です。
設問例2:学生時代に力を入れたこと
この設問では、学生が最も頑張ってきたことからその学生の志向を読み取り、どの職務にその学生が向いているのかを見極める意図があります。
自身の経験してきたことからアピールをしていく設問になるので、結論→動機→取り組み→結果→結論の順番でまとめることで、分かりやすく伝えることが出来ます。
回答例
大学時代に新規で作ったサークルのメンバー参加率を向上するという目標に力を入れていました。
私が立ち上げを務めたフットサルサークルは150人を超える大所帯であったが、定期的な練習に参加するメンバーが平均で15人と少ないことが課題でした。
参加人数の少なさから、さらにメンバーが集まらなくなるという悪循環だったため、私はこの問題解決に取り組みました。
普段練習に参加していないメンバーと積極的にコミュニケーションを図ったところ、幹部だけでサークル行事の打ち合わせを進めていた事で周りの意見を取り入れた運営が出来ていなかったことが原因でした。
それ以降、メンバーを巻き込んでサークル運営を進める体制づくりを重視し、情報共有アプリを用いてメンバー全員で情報を共有しながらイベント企画などを行うようにしました。
その中でも適材適所な仕事分担を心がけ、担当や役職を可能な限り多くの人に持ってもらうことで、各々で自分ごとの意識を持つようになり、参加率が平均で40人ほどに増加することが出来ました。
この経験から、積極的に意思疎通を図り、周りの人の想いを汲み取って組織を運営していくことが信頼構築に繋がることを学びました。
その経験から得られた学びが「志望企業の仕事で活かせるか?」を意識して答えていきましょう。
簡潔に伝えられるように構成の順番を意識し、数字や実績などの具体的な結果をアピールポイントとして盛り込めるとさらに良いでしょう。
設問例3:仕事に対する価値観
この設問ではこれまでの経験によって作られたあなた自身の人柄や志向性が企業の求める人物像とマッチするかどうかを見られています。
仕事に対してどのような価値観を持っているのかを明確化することで、自身の持つ価値観を深掘りしていくことが大切です。
回答例
現状に満足せず、より高い成果を求めて行動し続けることです。
大学で所属したテニスサークルで試行錯誤してメンバーの合宿参加率を上げたことや、焼肉店のアルバイトで顧客満足度を改善したことなど、私は今まで現状に満足することなく、より高い成果を求めて主体的に行動してきました。
これらの経験をしてきた中で、より良い成果を出すことが出来たときに大きなやりがいを感じられたことから、仕事をする上でも大切にしたい価値観だと考えています。
就職後も常に向上心を持ち続け、より高い成果を追求して企業に大きく貢献できる人材になりたいです。
まだ仕事に対する価値観が定まっていない人は、「何が欲しくて働くのか」「仕事で何を得たいのか」を基本にして考えてみましょう。
まずは企業の求める人物像に合わせるのではなく、自身が最も納得できる答えを見つけていくことが重要です。
設問例4:住まいづくりにとって重要なこと
この設問では仕事に対する価値観と同時に業界理解度が問われる質問です。
自身がどのような考えや目標をもっていて建設業界の中でも「住まいづくり」に携わる仕事を志望するのか採用担当者に明確に伝えられるようにしましょう。
回答例
住まいづくりの仕事にとって最も重要なことは「いかにお客様から信頼を得ることができるか」だと思います。
住まいというものは、多くのお客様にとって簡単に購入することができるものではなく、人生で最大の買い物です。
そのような大きな買い物をする際に、不安や疑問を抱えたまま購入する人はおらず、なにより慎重になります。
そこで、その買い物に立ち会ってくれる営業マン、つまり「人」も購入を決める大きな要因になってくると私は考えます。
信頼される営業マンになるためには、お客様と真摯に向き合い、コミュニケーションを通してしっかりニーズを汲み取り、お客様が期待する以上の住まいを提案することが求められると思います。
誠実さを持ってお客様のためにとことん考えることで、不安や疑問がいつしか感動や喜びに変わり、深く長いお付き合いが続く中で「最も信頼される住まいづくりのパートナー」になれるのではないかと考えております。
自身の価値観というものは人それぞれです。
そのため、無理に企業の求める人物像に合わせにいくのではなく、自身の持つ価値観にマッチしていると感じる企業を見つけ出すことに注力していきましょう。
設問例5:就職活動の軸
この設問では、数ある企業の中からなぜその企業に応募したのか背景を知ることによって、就活生の企業に対する志望度の高さを図る意図があります。
給与や待遇面に関するものを答えるのではなく、あなた自身の強みや志望の本気度が伝わるように書いていきましょう。
回答例
私が就職活動において重視している点は、日本のものづくりを通して人々の生活を豊かにしたいという想いを叶えられる会社です。
私は田舎町で育ったからこそ、1つの建物が街や人々に大きな活力を与える瞬間を何度も目の当たりにしてきました。
そこで暮らしを支えるという点だけでなく、人々に生きる活力や感動を与えることができる建設業界で仕事がしたいと思いました。
また、企業選択で重視しているのはグローバル展開を強みとしている企業です。
高校時代にバックパッカーとして5か国を渡り歩いた経験から、日本の高い技術力によって建築された建物をいくつも目の当たりにし感銘を受けました。
先進国・新興国問わず、世界中の人々の生活水準の向上に貢献できる企業で働きたいです。
業界・企業選択のポイントとしてなぜその部分を重視するようになったのかという背景をわかりやすく伝えていきましょう。
業界・企業の特徴をしっかりリサーチしていくことで、より具体的な根拠を持つことができます。
自己PRの書き方
自己PRを書くうえで大切なことは、まず「なぜその企業なのか」という動機を固めることです。
そのうえで企業が求める人物像と自分の経験を合わせる必要があります。
自己分析を行い、オリジナリティがある自己PRを作成するよう意識しましょう。
下記手順を意識して記述することで、相手に伝わりやすい文面になります。
(2)具体的な内容を盛り込む
(3)自分の長所が活きた内容を述べる
(4)仕事でどう活かすか述べる
自己PRの本質
自己PRとは、自分の長所を企業に売り込むものです。
自分の能力や人柄を正しく伝えることが大切であり、企業でどのように活躍できるかを伝えます。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1企業と合う人材かどうか
企業は社風と合ったマッチ度の高い人材を採用したいと考えています。
マッチ度が高ければ企業での活躍を見込むことができるからです。反対にマッチ度が低いと早期退職の可能性があるため採用は見送りすることがあります。
2自己分析が正しくできているか
自己PRは自分の長所を売り込むものなので、自分自身についてしっかり理解していないといけません。
企業から、自己分析ができていて自分自身を客観的に理解できているかが見られています。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
建設業界はどんな人材が求められるのか
建設業界の職種は大きく「設計」「施工管理」「生産技術」「営業」「事務」の5つに分けられます。
それぞれの職種で共通して、下記が求められる人材の特徴として挙げられます。
- 責任感が強いこと
- 信頼関係を築けるコミュニケーション
- ITの知識・スキルがあること
責任感が強いこと
建設業界の仕事の特徴として、多くの人が携わって一つのものを作り上げていくということが挙げられます。
そのため、工程通りにスムーズに仕事を進めていくためにも建設に携わる一人の人間として相応の責任感を持って仕事に臨む必要があります。
信頼関係を築けるコミュニケーション力
上記でも挙げたように建設業界の現場では多くの人数や職種の人が携わって仕事をしていくので、年代の離れて人も一緒になって働くことが多いです。
そのため、円滑にコミュニケーションをとれないと事故やトラブルが起きる可能性も大きくなるため、どんな人とでも一定の信頼関係を築けるコミュニケーション力が求められます。
ITの知識・スキルがあること
近年は建設業界でもITの力を活用して作業効率の向上に努める企業が増えてきています。
現場の高齢化が進む業界全体の背景から鑑みても、今後はより一層どの企業でもITの活用を促進できる知識・スキルを持った人材が重宝されるようになってくるでしょう。
上記で挙げた人物像の特徴やスキルはあくまでも一部です。
建設業界は特に多種多様な企業が存在していることから、その企業によって得意とする分野や社風も異なります。
もし建設業界を志望するという就活生の方は、自身の強みや志望する分野、就職活動の軸などから自身にあった企業をリサーチしていくところから取り組んでみましょう。