【証券業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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株式や投資信託といった金融商品を購入する際の仲介を行う業務をメインとする証券業界。
証券業界は収入や待遇面の良さなどから志望する学生も多く狭き門といわれますが、証券業界で出るESや面接を事前に対策すれば、就職活動を有利に進めることが可能です。
そこで、本記事では実際に企業で出題された設問と回答例を併せてご紹介します。
ES対策をしっかりおこない、質の高いESを書き上げていきましょう。
証券業界の採用動向や面接対策など、詳しくはコチラの記事をチェックしてください。
目次
証券業界のES設問例
1最近、周りの人から受けた評価とその理由を教えてください。400文字以下(2021年 野村証券)
2証券営業という仕事の醍醐味、やりがいや難しさをどのようにお考えですか?300字以内(2021年 大和証券)
3「あなたが考える日本の課題や問題点をとりあげ、当社グローバル投資銀行部門で何を実現したいか」を400字以内で入力してください。(2020年 みずほ証券)
4あなたの考える企業で活躍できる人物像はどのようなものだと思いますか。理由もあわせて教えてください。(2021年 SBI証券)
5あなたが当社でチャレンジしたいことは何ですか? 発揮できるあなた自身の強みも明確にした上で、教えてください。500文字以内(2021年 マネックス証券)
設問例1:周りからの評価
証券業界では、顧客の大切な資産やお金についてのやり取りを行うため、お客様との信頼関係の構築は欠かせません。
この質問では、「第三者から見たあなたの人柄を知りたい」と考えています。
企業は選考を通して学生の人柄を知りたいと考えており、お客様から信頼されると思える人材を採用することが最優先事項となります。
素性が分からなければ信用できないため、周りからの評価を知ることで信用度がチェックされています。
人柄、人間性など見たうえで企業は自社で活躍できる人材を採用したいと考えているため、志望企業をしっかりとリサーチしたうえで、評価してもらえるようなESを書いていきましょう。
回答例
貴社で開催されたインターンシップにおいて担当者の方に「一番向上心があり、苦手なことにも率先して取り組み、努力していた」と評価をいただきました。
様々なプログラムに取り組んでいく中で、最初は周りと能力の高さに圧倒され、プログラムをこなしていくことで精一杯でした。しかし、ディベートや座談会では率先して手をあげ、自身の意見を伝えることを心掛けました。時間外では学んだことの復習をし、少しでも知識量を高めようと取り組みました。最終日のプレゼンテーションでは、発表のテーマとなっている企業の現状を把握するべく、実店舗に出向いて見学し、さらに働いている方々にヒアリングを行い、知識を得る努力をしました。
その結果、努力賞をいただきました。苦手なこと、困難な状況でも率先して取り組み、乗り越えようと努力した姿勢を評価して頂けたことは、入賞以上の達成感を得られました。
ただ単に自己PRするのではなく、企業が求める人物像に沿った回答をすることで、より企業にマッチした人材であるとみなされ、好印象を得られるでしょう。
設問例2:仕事のやりがい
この質問は、現時点で想定している仕事の醍醐味や難しさを知り、新入社員と企業とのミスマッチを防ぐ意図があります。
実際の業務内容をある程度把握できていれば、入社後のギャップや早期離職を防ぐことができるからです。
志望する企業や職種の研究をしっかりと行い、企業にマッチした人材であるとアピールしていきましょう。
回答例
証券営業の醍醐味は、「いかにお客様への付加価値を高められるか」にあると考えます。
無形の商材で営業活動を行うため、より専門的な知識やお客様から信頼を得るための人間性などが重要です。難易度の高い営業ではあると感じますが、困難の度合いに比例して成功させた時のやりがいや達成感も大きくなると考えます。
もちろん、時には社会情勢の変動やお客様の求めるニーズによっては、毎回満足して頂ける営業をするのは簡単ではないと思います。しかし、着実に改善を繰り返し、お客様に「あなただから任せる」と言ってもらえるような付加価値を見いだしていく事が、一番のやりがいに繋がると考えています。
自分が仕事に何を求めているのかを明確に伝えられるように書くと、より好印象です。
具体的なエピソードを交えて根拠を伝えると、企業側にも共感してもらいやすいでしょう。
設問例3:当社で実現したい事
「あなたが考える日本の課題や問題点をとりあげ、当社グローバル投資銀行部門で何を実現したいか」を400字以内で入力してください。(2020年 みずほ証券)
この質問の意図は「どんな出来事に興味・関心を持っているのか?」を知ることで、採用担当者は学生の価値観をみています。
その問題に対する学生の意見や考え方、つまり思考力を見極めることができます。
ただ単にその疑問に感じた問題をとり挙げるのではなく、「それに対してどんなことを感じ、どんな意見を持ったのか」を具体的に書くようにしましょう。
回答例
日本企業のESG対応は諸外国の企業と比べて遅れているという課題があります。日本企業のESG対応が遅れていることで、2つの問題点があると考えます。
1つ目は、持続可能な社会の実現が遅れていくという社会的問題です。環境問題への対処が遅れるほどに、それに伴う災害など、経済損失にとどまらない問題が起きていく懸念が生じます。2つ目は、日本企業のグローバルにおけるポジションが後退していくという経済的問題です。現状、日本企業のESG評価は米国や欧州の企業と比べて低く、それに伴い、日本株へのESG投資の資金流入が停滞しています。このまま日本株への資金流入が減っていくことで、将来的に日本企業の世界的競争力が失われてしまいます。
私はこの課題解決に向けて貴社で、金融面から日本企業がESG対応を進めるサポートに尽力し、「サステナブルな社会」と「日本企業と諸外国による競争力向上」を実現したいと考えています。
自分自身の考えや意見をストレートに伝えましょう。
「なぜ問題だと感じたのか」「そのきっかけは何か」は面接でも必ず問われるポイントです。
しっかりと事前に考えてESを書いていきましょう。
設問例4:入社後に活躍するためには
この質問では、学生が経験してきたことによって作られた人柄や志向性が、企業の求める人物像とマッチするかどうかを見極められています。
あなたが仕事に対してどのような価値観を持っているのかを明確にし、自身のイメージする活躍できる人物像を伝えていくことが大切です。
回答例
常に「謙虚さ」と「向上心」を持ち続けられる人物です。企業の一員として活躍し続けるには、個人が成長した上で、組織の人たちと協調しながら成果を出すことであると定義します。謙虚さを持ち、自身にできることを把握することで、失敗や違う意見の人からも学ぶことが出来ると考えます。
また、周りの人とのコミュニケーションも円滑になると考えます。常に向上心を持ち、他者から学べる謙虚さ、どのような人でも尊敬の念を持って接する人物こそ、企業で活躍できるのではないかと考えます。
まだ現時点で上記のような価値観が定まっていない人は、「何が欲しくて働くのか」「仕事に何を求めているのか」をベースにして考えてみましょう。
まずは企業が求める人物像に合わせていくのではなく、自身が最も納得できる価値観を見つけていくことが重要です。
設問例5:チャレンジしたいこと
あなたが当社でチャレンジしたいことは何ですか? 発揮できるあなた自身の強みも明確にした上で、教えてください。500文字以内(2021年 マネックス証券)
この質問は、企業に対しての理解度を確認するとともに、あなた自身の自己PRの場でもあります。
あらかじめ志望する企業のHPなどを見て知識を深めているか、実際に業務をすることをどのくらいイメージできているかを担当者は見ています。
入社後その業務に自身の強みを生かしてどのように取り組みたいかを伝えることで、担当者にアピールできる内容に仕上げられるでしょう。
回答例
チャレンジしたいことは2つあります。1つ目に「投資が当たり前の世の中を実現」することです。具体的には、新規顧客の獲得に貢献し、『貴社の口座普及率の向上』に貢献します。2つ目に「より人々が扱いやすい金融インフラの創造」です。例えば、スーパーなどで当たり前に仮想通貨を使えるくらい人々の経済活動をしやすくしたいです。
この想いのきっかけはスーパーのアルバイト経験において、経理業務のせいで残業が多くなっている経営者の現状を目の当たりにしたことです。それに対して課題意識を持ち、将来的にブロックチェーン技術などにより、消費者と生産者双方にとってより利便性の高い生活を提供したいです。
これらを実現していくにあたって発揮できる私の強みは2つあります。1つ目は海外留学中の日本語教育活動で培った、「相手目線に立ったコミュニケーション力」です。2つ目は疑問や課題に感じたことに対して「すぐに実行に移せる行動力」の高さです。
上記で挙げた2つのチャレンジに挑戦し、周りの社員の方々を巻き込み、各部署と協力して進めていき、貴社に貢献します。
その目標になぜチャレンジしたいと感じたのか、何がきっかけかを伝えるようにしましょう。
そこを明確にすることで、より説得力が増します。
また、設問に対する答えを結論から理由という流れで書いていくことで、とてもわかりやすく伝えることができます。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
証券業界はどんな人材が求められるのか
その業界で求められる人材像を知っておくことで就活を有利に進めることが出来ます。
また、職種によって業務内容は変わってきます。
業務内容が違えば、必要となる資質も変わってくるので、まずは業界全体とどんな人材が求められるのかを理解しましょう。
証券業界が求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- 顧客との信頼を築くコミュニケーション力
- 高い目標に向かって努力できる人
- 粘り強さとチャレンジャー精神のある人
顧客との信頼を築くコミュニケーション力
顧客ごとの資金の状況や希望により提案する商品は変わってくるので、しっかりヒアリングをした上で最適な提案ができるコミュニケーション力が求められます。
また、新規顧客の開拓も重要な仕事になるので、初対面の人とでも打ち解けられる印象の良さも大切です。
高度なコミュニケーションスキルを身に着けたい人、セールススキルの向上に興味のある人に向いている業界です。
高い目標に向かって努力できる人
証券業界の仕事は常に数字による目標設定や結果を求められます。
常に現状よりも一歩上を目指す姿勢、向上心をアピールしましょう。
「何かの目標に向かって努力した経験」や「自身の行動への責任感」を伝えられるエピソードがあると効果的です。
投資商品の営業はお客様の人生に大きく関わっていくケースも多く、大いにやりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。
粘り強さとチャレンジャー精神のある人
社内での激しい競争を勝ち抜いていく必要があるなど、証券業界は心身ともにタフさを求められることも多い業界です。
厳しい環境に耐えながら自分で目標を定めて粘り強くチャレンジしていける人にとっては最適な環境といえるでしょう。
粘り強さやチャレンジ力のある人は新規営業で活躍できそうです。
上記でご紹介した求められる人材は、あくまでも業界全体での話となります。
ご紹介した内容にすべて当てはまる必要はありません。
企業や職種によってはそれぞれ求めている人物像には違いがあるでしょう。
どのような人材が欲しいのか、企業研究をして事前に分析していく必要があります。
大切なポイントは他のどの企業でもなく、その企業だからこそ志望する理由を伝えられることです。
自身の強みと企業の求める人物像がマッチしていることを採用担当者へアピールできれば、選考突破に繋がっていくでしょう。