【ゲーム業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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ゲームは私たちの生活における娯楽の一つとして、幅広い世代に浸透した産業です。
近年は家庭用ゲーム・スマホゲームを筆頭に各社コンテンツの進化が著しく、ヒットタイトルを連発するなど、ますます業界としても盛り上がりを見せてきています。
ゲーム業界を目指している学生の中には、エントリーシートで何をアピールしたらいいのか分からない、質問に対してどんな回答が求められているのか分からないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そんな人のために、実際にゲーム制作会社のESで出題された質問と、ES選考を突破した人がどのように回答をしているのかも合わせてご紹介していきます。
目次
ゲーム業界のESの設問例
1弊社でやりたいことは?(各社共通)
2以下の年代をどのように過ごしたかを総括し、どのようなところが今のあなたらしさに繋がっているか、あわせて記入してください。小学校(150文字)中学校(150文字)高校または専門学校(150文字)(2020年 任天堂)
3あなたが興味/関心のあるプロダクト・サービスのカテゴリを教えてください。選択したカテゴリで最近注目しているプロダクト・サービスとその理由を教えてください。(2021年 ソニー)
4あなたが目標に向かって取り組み、そして成し遂げたことのエピソード(2019年 GREE)
5モチベーショングラフを作成して最も印象に残っているものを重要度順に5つ挙げてその詳細を書きなさい。(2020年 DeNA)
設問例1:弊社でやりたいことは?
この質問は、多くの企業でされる質問です。
ゲーム業界は技術の進歩に伴い、数多くのゲーム環境やヒットタイトルを生み出してきました。
そういったクリエイティブなコンテンツをつくるゲーム業界の企業には、独自の強みや戦略といったそれぞれのカラーがあります。
そのため、志望する企業の制作しているコンテンツや事業内容など、企業の特徴を踏まえた上で志望していることが大前提となります。
志望企業のHPをチェックしたり、制作しているゲームを実際に体験してみることで、なぜその企業なのかという自分なりの理由を必ず持っておくようにしましょう。
回答例1
私は多くの人がゲームによって楽しい時間を作り、豊かな日常を実現してほしいと考え、貴社を志望しました。貴社は幅広い世代が楽しめる家庭用ゲーム機のソフトに強みを持ち、多様なゲームをシリーズ展開することによって多くのファンを獲得しています。最も多くの人に愛されるゲームを提供し、楽しい時間を作り出す企業は貴社であると考えます。
入社後にやりたいことは、貴社の中核事業の一つでもあるスポーツゲームの企画です。将来的にはモーションキャプチャーやVRなどの技術を融合したeスポーツゲームの開発に携わりたいと考えています。それによりアミューズメント事業、健康サービス事業も巻き込んだ新たなプラットフォームを作り、多くの世代に親しまれるヒットタイトルを生み出していきたいです。
回答例2
私は幼い頃から、ゲームを通じて友人と楽しい時間を共有することに喜びを感じてきました。貴社の○○というゲームについて、友人たちと毎日のように語り合ったことは今でもよく覚えています。
大学生になった今でもゲームが好きで、次第に「自分もゲームで誰かを楽しませたい」と考えるようになりました。ゲームには、人と人が繋がっていく力、たくさんの笑顔を生み出す力があります。自分がゲームから学んだことや感じたことを今度は自分が提供していきたいです。
現在は大学でプログラミングを勉強しつつ、独自のオリジナルゲームを開発しています。自宅にいながら世界中の誰もが同じ体験を味わえるコンシューマーゲームの開発に携わりたいと思い、貴社を志望いたしました。
企業によって異なる社風や特徴を熟知し、志望企業について深く知っておくことが大切です。
その中から「その企業でなれけばいけない理由」を「分かりやすく明確に伝える」ことを意識して文章を作りましょう。
設問例2:各年代の過ごし方がどのように今のあなたらしさに繋がっているか
その企業が求める人物像を意識することで、担当者にも「社風に合う人材だ」とイメージしてもらいやすくなります。
この質問では各年代ごとの具体的なエピソードを通して、その学生がどのようなところに興味があり、どのような考え方をする人であるか、といったことを見ていると考えられます。
ゲーム業界では、商品の制作に伴って数多くの人と関わる機会があるため、人間的な魅力は重視されています。
まずは志望する企業の求める人材像から逆算し、どんな「あなたらしさ」を記載すればよいかを考えましょう。
特にゲーム業界においては、多様な関係者をまとめて課題解決をしていくリーダーシップが求められる機会が多いので、リーダーシップや調整力を発揮したエピソードを用いて「あなたらしさ」をアピールするのがよいと考えます。
ESを通してあなたの人柄がイメージできるような言葉や表現を伝えていきましょう。
回答例
<小学校>
小学生の頃の私は将棋、ピアノ、野球を習っており、何にでもチャレンジをしていました。特に野球では50人以上の部員がいる中でキャプテンを務め、県大会準優勝の成績を収められました。また運動会では騎馬戦の大将も務めてチームをまとめるなど、周りから頼られることの多い時代でした。 (134文字)
<中学校>
中学生では生徒会の副会長を務めました。ここでは会長や後輩の委員、先生方と協力してより良い組織にするため、積極的に周りとコミュニケーションを取ったり、生徒一人一人の声に耳を傾けることに注力しました。この頃から私の今の強みでもある強調性、周りの意見を汲んで反映させる能力が活かされたと思います。(146文字)
<高校>
高校では硬式テニス部に所属し、県の上位リーグ進出を目標に練習に取り組みました。しかし、試合で安定した結果を出すことの難しさを痛感し、結果的に三年間で上位リーグに進出することは叶わなかったのですが、それでも我慢して練習をし通せたことで、今の忍耐力や我慢強さに繋がっていると感じています。(143文字)
それぞれのエピソードごとに「あなたらしさ」が表れる長所を一つに絞って伝えると分かりやすく説明することが出来ます。
その企業が求める人物像を意識することで、担当者にも「社風に合う人材だ」とイメージしてもらいやすくなります。
設問例3:あなたが興味/関心のあるプロダクト・サービスのカテゴリについて
あなたが興味/関心のあるプロダクト・サービスのカテゴリを教えてください。選択したカテゴリで最近注目しているプロダクト・サービスとその理由を教えてください。※200文字以内(2021年 ソニー)
ここでは、あなたが具体的に興味を持っている製品やサービスについて問われています。
その企業に関連した製品やサービスに合わせて、あなたが今後志望する企業で取り組みたいと考えている仕事について述べると良いでしょう。
回答例
私は貴社が発売するプレイステーションシリーズのハード面・サービス面両方の進化に注目しています。昨今はスマートフォンゲーム市場が拡大し、コンシューマーゲーム市場が縮小していくと懸念されていますが、有料会員サービス「プレイステーションプラス」をユーザー間に確立させるなどで他社との差別化に成功し、ゲームを通じて消費者に喜びを与え続ける貴社について更に深く知りたいです。(182文字)
この設問では「あなたがどんなことに興味を持つのか」「実際の業務とイメージに相違がないか」を見られます。
プロダクトやサービスの選び方としては、「対象をよく理解しているか」「実際の業務への結びつき」を意識して書き出してみましょう。
設問例4:目標に向かって取り組んだことと成し遂げたことのエピソード
この質問は、あなたが学生時代に「打ち込んできたこと」についての質問です。
企業がこの質問をするのは、自社にマッチする人材かどうかを見極める意図があります。
この質問に対する書き方のポイントは、「どれだけ優秀な成績を残せたか」ではありません。
あなたが目標に対してどのように思考し、行動してきたのかを担当者は知りたがっています。
成し遂げたことのスゴさに囚われるのではなく、あなたならではの人柄や性格が伝えられるようなESを書いていきましょう。
回答例
居酒屋でバイトリーダーを任されていたのですが、アルバイトの定着率が悪いことが課題でした。そのため、半年以上の定着率を90%以上にすることを目標に、改善に取り組みました。
まずは、社員とバイト間のコミュニケーションが上手く取れていない体制が問題だと考え、「新しい創作料理」のアイデア会議の場を設けるなど、バイトが当事者意識を持つことを目的として提案をしました。本来与えられた業務ではなかったのですが、もっと現場の一体感を高めたいと考え、私が主体となって話し合いの場を設けるように心がけていました。
その結果、新しい創作料理が人気メニューとなってお店の売り上げも上がり、定期的に行うことでバイトの当事者意識も高まり、楽しくバイトを続けられるようになったことで、定着率も95%と大幅に改善することが出来ました。
チームをまとめるには環境づくりとコミュニケーションの機会が重要であり、その上で1人1人の立場を考えて行動に移すことが大切だと学びました。
あくまでも評価基準は「思考力」「どのようなプロセスで行動したか」「どんな学びを得たか」です。
挑戦を通じて企業の求める人材像に適した強みを持っていることをアピールしましょう。
設問例5:モチベーショングラフと印象に残っているエピソード
モチベーショングラフとは、その名の通り、自分のモチベーションの上げ下げを表すグラフのことです。
自分のモチベーションを保っている源泉を知るために行う、自己分析の手法の1つです。
これまでの人生で起こった出来事におけるそれぞれのモチベーションの上げ下げを明確にすることで、あなたがどんな時にモチベーションが上がるのかを知ることができます。
企業の担当者に質問される内容としては、「どうしてその時その行動をとったのか」や、「どうしてその時嬉しかったのか」などです。
それぞれの出来事の感情、思考を具体的に書き込む作業がモチベーショングラフを書く上で大切なポイントだと言えます。
回答例
<努力し続けた小学校時代>
地元で強豪だった少年野球チームに所属し、スタメンで活躍して県大会で優勝することが出来た。日々スタメンになることを目標にして練習に精力的に打ち込んでいたが、周りのメンバーのレベルが高く、公式戦においてはベンチで応援することが多かった。しかしある時、主戦投手のコントロールにムラがあるため、他のメンバーでコントロールのいい選手を探すことになった。たまたまコントロールだけは良かった自分が評価され、そこから投手として出場機会が増え、県大会で優勝する原動力となることが出来た。この経験から困難でも諦めず努力を続けていれば、何らかの形で自身が輝けるチャンスが出てくるのだと感じました。(298文字)
<無気力な高校時代>
私は高校生の時、部活動や勉強に打ち込むこともなく、代わり映えしない日常をただ過ごしていた。しかし,この時期は一見無駄であるように見えるが無駄ではなかったかもしれないと感じている。過去に生産性のない日々を長く過ごしたからこそ、あの頃の生活には戻りたくない、もっと刺激のある日々を送り、一日一日を大切にしたいと強く思うようになった。後悔のない人生を送ることは理想ではあるが,高校時代の経験があるからこそ、今は行動的に動けているのだと感じている。(228文字)
<どん底からの大学受験>
私は高校時代、ゲームに熱中するあまり、勉学をとてもおろそかにしていた。クラスの担任からは「このままではあなただけどこの大学にもいけない」と言われたほどだった。その時にこれから先の人生について自分なりに真剣に考え、今後の人生の選択肢を広げたいと思った。ハマっていたゲームを全て捨て、受験勉強に集中した結果、地元の公立大学への進学をすることが出来た。この時もし精力的に勉強取り組めていなかったら、今後も長い付き合いが出来そうな一生の友人や尊敬できる教授にも会えていなかったのだと感じている。(253文字)
<大学の学園祭で初めてのリーダーシップ経験>
大学二年生で所属していたサークルで学園祭にてたこ焼き屋を出店することになった。何ごとも経験だと思い、責任者に立候補した。具体的に取り組んだ内容は、材料の原価算出や、目標の売上金額、日ごとの売り上げ目標、たこ焼き屋の看板の作成、学園祭の説明会などだった。この経験によって、一つのチームをリードすることの大変さと同時に強いやりがいを感じることが出来た。また、責任者を務めたことでメンバーから分からないことがあれば相談される立場となり、対人関係のコミュニケーション力が飛躍的に向上した。(260文字)
<他大学の研究室への大学進学>
大学四年生の春、就職か進学の選択を迫られ、新たな研究活動に興味が湧いたため、進学を決断した。四年生の時の研究テーマは、将来の役に立つビジョンがあまり見えてこず、思い切って他大学の自分が本当に学びたかった研究を行っている大学院を受験することにした。数か月の猛勉強の末、希望の大学院に合格することが出来、現在はバーチャルリアリティに関する研究を行っている。また、同じ研究室のメンバーは精力的に研究に取り組んでいるメンバーが多く、向上心を持った人たちが集まる環境で切磋琢磨する環境の重要性を学んだ。(259文字)
この設問では、あなたの人物像が形成されたきっかけやプロセスを見られています。
自分を偽らず、「どんな時にモチベーションが湧くのか」「行動力の源泉は何か」をなるべく具体的に伝えていきましょう。
自己PRの書き方
自己PRは、企業に自分をアピールできる絶好の場となります。しかし、ありきたりの内容では十分にアピールすることはできません。
企業の事業に関連した強みをアピールすることが必要になります。
企業がどんな人材を求めてるのかしっかり把握したうえで、企業ごとに自己PRを作成していきましょう。
自己PRの本質
評価される自己PRを書くには、まず「企業が自己PRを聞く意図」を知る必要があります。
企業が自己PRを聞く理由として以下の2点が挙げられます。
1自己分析がきちんとできているか
自己PRは自分の魅力を伝えるものなので、自分自身についてきちんと理解しておく必要があります。
企業からは、自己分析をしっかりとおこなっていて自分自身を理解できているかが見られています。
自己分析は就活の基本となります。
就活をスムーズに進めるためにも最も重視してやらなければならないものであり、自己分析ができていなければ就活への真剣度が低いと評価され、企業への志望度も低いと思われてしまいます。
2企業に合った人材かどうか
自己PRの内容から企業に合った人材かどうかみられています。
企業はただ優秀な応募者ではなく、企業の社風に合った人材を採用したいと考えています。
企業とのマッチ度が低いと、早期に退職してしまう恐れがあるため、適性があるか重要視しています。
逆に、それほど能力が高くなくてもマッチ度が高ければ、積極的に採用を考える企業も多いです。
就職後の成長力も重要視されているので、企業との相性が良いことはかなりのプラスポイントになります。
企業に就職して活躍しそうか、成長できそうかを見るために、自己PRは求められています。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
ゲーム業界はどんな人材を求めているのか
人気業界とも言われるゲーム業界で内定を得るには、他学生との激しい競争を勝ち抜く必要があります。
そのためにも、ゲーム業界で求められる人材の特徴を把握することで就活を有利に進めていきましょう。
ゲーム業界全体で求められる人材の特徴として下記が挙げられます。
- コミュニケーション能力が高い
- ゲーム作りに対する熱意がある
- プログラミングの知識・経験を持っている
コミュニケーション能力が高い
ゲーム制作は多くの社員や企業の協力のもと作り上げていくものです。
そのため、ゲーム業界では周りの人と円滑にコミュニケーションを取れる能力やリーダーシップが評価されやすいです。
学生時代に部活や行事などを通じてチームワークによって何かを成し遂げたエピソードがあれば、ESや面接でも積極的にアピールしていきましょう。
ゲーム作りに対する熱意がある
ゲーム制作に携わっていくには、時に膨大な作業や修正対応などの業務に追われることがあります。
それでも中々OKサインが出ないということも出てくるでしょう。
ものによってはゲーム制作は非常に根気がいる仕事なので、そんな状況でも諦めずに取り組めるゲーム作りに対する熱意が求められます。
ただ「ゲームが好きだから」というだけでなく、学生時代で困難な状況に陥っても諦めずに粘り強く取り組んだ経験などを伝えることがポイントになるでしょう。
プログラミングの知識・経験を持っている
ゲーム制作ではゲームが実際に動くようにプログラムを組むことが必須なので、どの職種においてもある程度プログラミングに関する知識や経験を持っている学生が優遇される場合が多いです。
実際にゲーム制作をした経験やプログラミングについて学んだことがある方は積極的にアピールすると良いでしょう。
求められる人材の特徴はあくまでも業界全体でのことです。
ゲーム業界は企業ごとの文化の違いも強く、職種によっては求められている人物像にも少なからず違いが出てくるでしょう。
志望企業の社風を理解することや、どのような人材が求められるのかを事前に研究しておく必要があります。