【東急エージェンシー|面接攻略ガイド】採用傾向から実際に聞かれた質問まで徹底解説!
公開日:
最終更新日:
株式会社東急エージェンシーは、1961年(昭和36年)に東急グループのハウスエージェンシーとして設立され、その後は東急グループ以外のクライアントも拡大し成長を遂げてきました。
最新の広告業界の売上ランキングでは第7位の大手広告代理店です。(2022年4月現在)
具体的なサービスとしては、テレビや新聞などマスメディアを使った広告や、オンライン・オフラインを統合したプロモーションなどを幅広く展開しています。
さらに東急グループの一員として、渋谷スクランブルスクエアや渋谷フクラス、南町田グランベリーパークなどの大規模都市開発事業にも参画しています。
一般的に広告代理店への就職は「高倍率で難しい」といわれている中で、東急エージェンシーの採用人数は毎年20〜30人程度とそこまで多くないため、選考倍率は年度によっては100倍を越す高倍率となっています。
そのため、予めどのような選考ステップがあるのか、どのような人材を求めているのか、どのような質問がなされるのかなど、選考前の事前準備は非常に重要です。
本記事では、「東急エージェンシーの面接対策」として、傾向や過去に出題された質問などを解説しますので、しっかりと対策を講じて、本採用を目指しましょう。
広告業界の「業界研究」や「ESの書き方」などは、下記の記事を参考にしてください。
東急エージェンシーの面接の傾向
1次面接は、学生2名に対して社員2名、2次面接は学生1名に対して社員2名で行われます。
どちらも和やかな雰囲気で、「朝ごはん何食べた?」というラフな雑談から入り、志望動機・ガクチカや自己PRなどの基本的な質問から、「人柄」をじっくり見ていると考えられます。
全員ではないですが、最終面接の前に3次面接が行われる場合もあるようで、「厳しめの質問を受けた」という例もあるようです。
最終面接は、学生1名に対し、3〜5名の役員(社長・副社長・人事部長等)で行われます。時間は40分程度の個人面接となります。
全体的に「人柄を重視した面接」で、突飛な質問はほぼないようですが、「学生時代の経験」については内容を深く掘り下げられるようです。
「とにかく徹底的に自己分析をすること」という内定者の経験談もあるので、「自分がやってきたこと」「これからやりたいこと」「なぜ東急を志望するのか?」など、とことん深掘りし、万全の準備をしておきましょう。
東急エージェンシーの求めている人材
- 常に主体的に行動し、周りを巻き込み、創意工夫を重ねながら困難を乗り越えていける人材
私たちにとって採用活動とは「一緒に戦う仲間を探すこと」です。先ほども申しあげた通り、当社は若手のころからさまざまな仕事に挑戦でき、それを周りが支援する環境があります。ただし、チャレンジするときに必ず問われるのが「あなたはどう思うか?」「あなたはどうしたいのか?」ということ。常に主体的に行動し、周りを巻き込み、創意工夫を重ねながら困難を乗り越えていける人材を、私たちは求めています。そのため、いわゆる画一的な「求める人物像」は設けていません。応募者には、自分なりの個性を、自らの言葉でアピールしてほしいと考えています。
東急エージェンシーでは、いわゆる画一的な「求める人物像」は設けていません。
「応募者には、自分なりの個性を、自らの言葉でアピールしてほしい」と人事担当者のインタビューで語られていました。
「求める人物像」として、下記を挙げている記事もありました。
求める人物像
◯ 主体的に行動し創意と工夫で困難を乗り越えていける人
◯ リーダーシップを発揮し社内外の様々な人を巻き込んでいける人
◯ 好奇心旺盛で、いろいろなことに興味を持ち取り組める人
引用:Tsunagaru就活
これらのことから、東急エージェンシーでは「様々な仕事に対して、主体的に行動して取り組む」ことができる人材を求めていることが分かります。
周囲の人間を巻き込んで、創意工夫を重ねながら困難を乗り越えていける、そんな人材を「一緒に戦う仲間」という表現で表して、採用活動を進めています。
東急エージェンシーの面接の攻略法
東急エージェンシーの面接の攻略法としては、同社の面接の傾向から浮かび上がってきた「自己分析」の重要性と、他社も含めた広告業界の採用に立ち向かう際に必要なマインドについて解説していきます。
徹底的な自己分析
和やかな雰囲気の面接で、学生の人柄を聞き出そうという東急エージェンシーの面接では、同社の求める人材とマッチした自身の人間像をアピールできるように、徹底的な自己分析が求められます。
「常に主体的に行動し、周りを巻き込み、創意工夫を重ねながら困難を乗り越えていける人材」であることを、自らの言葉でアピールできるように準備をしましょう。
特に「学生時代に頑張ったこと」「サークル内での役割」などは深堀りしておくことをおすすめします。
また「自己分析とは机の前でウンウン唸って考えることではなく、自分の足を使ってあらゆる情報をつかみ、その中で自分の本質を見つける作業」という内定を勝ち取った先輩のアドバイスもあるので、充分に時間をかけて自己分析を完成させておきましょう。
世の中の動きや流行に敏感であること
消費者の心に響くような広告を作成することが求められている広告代理店で活躍できる人材は、「世の中の動き」に敏感であることが不可欠です。
逆に「流行に興味がない」「新しいものへのアンテナを張っていない」ということでは、消費者の心に響く斬新な広告を創り出すことは難しいです。
面接の場で、最新のトレンドや流行に関する質問をされても、「知らない」という回答にならないように、常にアンテナを広く張って世の中の動きに注目して、情報をアップデートし続けておきましょう。
柔軟な発想ができること
広告代理店で働くためには、職種を問わず「発想の柔らかさ」が必要です。
すでに様々な広告が溢れている中で、「見たことあるな」と思われてしまうようなアイデアではなく、独自の発想での企画や制作が常に求められているからです。
もちろんマーケティングの過程では「ロジカルシンキング」も必要となりますが、構築したマーケティング戦略を広告やCMに昇華させるには、アッと驚くような独自の発想力が要求されます。
「話したことがないクラスメイトに話しかけてみる」「通学経路を変えてみる」などのちょっとした行動を起こすことで、これまでの自分の経験に基づいた「固定概念」から抜け出すことができるかもしれません。
視野や発想が広がることもあるので、日常から色々なことにトライしてみましょう。
東急エージェンシーで実際に聞かれた質問
- 志望理由は?
- 学生時代頑張ったこと
- 自分の強み、弱み
- あなたの経験でこれから仕事に役立つ事
- あなたは、他人と意見が衝突したときどのような行動をとるか?
- 就職活動の軸は何ですか?
- 広告業界を志望した理由
- 広告代理店のイメージ
- 好きなコンテンツについて
- 最近気になること
- 合コンでの役割
- 辛かった経験
- 今後、会社をどのようにしていきたいか
- 自己PRを一分間
- どんなことがしたいか?
- 好きな芸能人は?
- 昔話「桃太郎」に新たなキャラを追加してください。
- 若者のビール嫌いをなくす方法を教えてください。
- 消しゴムの新しい使い方を教えてください。
広告業界では自ら勉強したり、意見を述べたりする積極性や、柔軟な発想力が必要とされます。
積極性だけでなく協調性や責任感がある点もアピールできるように、「自分が率先して成功させたプロジェクトがある」「キャプテンとしてチームをまとめて試合に勝った」などのエピソードが披露できれば有効です。
広告に対する関心度を確認するために、「好きな広告はあるか?」「印象に残っている広告はどれか?」など、広告についての質問も多いので、「気になった理由」や「好きな理由」をできるだけ具体的に答えられるようにしましょう。
面接での回答時間は1分程度が良いとされています。簡単な質問に対しては30秒程度が目安となります。
1分で話すことができる文字数は約300字程度。面接対策として文字に起こす場合は、300字を目安に考えると良いでしょう。
質問内容によっては、1分以上かけてしっかりと説明する必要がある質問も多くあります。
臨機応変に対応することはもちろん、面接対策を行う際には1分の時間感覚を身につけることも大切です。
実際に聞かれた質問の中から今回は3つ、回答例と併せてポイントをご説明します。
広告業界を志望した理由
<回答例>
広告がマーケティングとクリエイティブという、いわば「ロジックとアートの共同作業」だからです。
市場やユーザー動向を分析し、ターゲットや競合他社との差別化ポイントを設定、メディアを決めるまでの「マーケティング」は、正解のある左脳の『論理』の世界です。
しかし、これを受けて、広告のコンセプトを作成し、デザインやコピーを創り出す「クリエイティブ」の段階になると、創造性や発想力が必要な右脳の『創造』のスキルが要求されます。
大学のサッカー部では「相手チームの戦術を分析して、自チームの戦略を提案する役割」を担い、勝率を上げてきました。一方で映画サークルにも所属し、オリジナル脚本を書いていたのですが、学生の映画コンペで脚本賞を受賞しました。このように自分の強みである「分析力」と「想像力」の両面が活かせると確信し、広告業界を志望しました。(370字)
「なぜ東急エージェンシなのか?」と併せて、面接で聞かれる可能性が高い「業界の志望理由」についてです。
ここでは、誰もが答えそうな表面的な内容にならないよう、自分自身の人生のストーリーを整理し、明確に回答できるように準備をしておきましょう。
「自分の考えを深堀りして、言語化しておく」という志望動機のブラッシュアップをしておくと、説得力がある回答ができるようになります。
あなたは、他人と意見が衝突したときどのような行動をとるか?
<回答例>
中高生の頃は、自分の主張を押し通すべく相手と論争することもありましたが、たいていは喧嘩別れに終わっていました。
しかし、大学の講義で「ディベート」について学ぶ機会があり、異なる意見に耳を傾けて理解しようとすることの大事さと面白さに気付かされました。
それからは、サークル内の重要な決め事においても、自分の考えを相手が理解しやすいように説明した上で、相手の考えも聞いて理解しようと試みることにしています。
そうすることで、視野が広がり、多くの意見の中から最善の策を導き出すことができるので、異なる意見を受け入れることの大切さを実感しています。
結果として、お互いが納得して話し合いを進められるため、意見がぶつかったとしても良好な関係を保てるようになりました。(324字)
ただ「相手の意見に耳を傾ける」だけで済ましてしまうと、「相手の意見に耳を傾けることはできるけど、自分の意見をはっきり言えない性格なのではないかと面接官に思われてしまう可能性があります。
そのため、「自分の意見もしっかり言った上で、相手の意見に耳を傾ける」というバランスの取れた回答の方がベターです。
このような気付きを通して得たスキルが、仕事にどのように活かせるのかまで回答できればベターです。
自分をアップデートしてきたことはありますか?
<回答例>
小中学生の頃は、成績は良かったのですが身体が弱くて病気がちで、体育も苦手で徒競走ではいつもビリでした。
高校に入学するにあたり「苦手なことを避けたままの人生でいいのか?」と自分に問いかけ、練習が一番厳しそうなサッカー部への入学を決めました。
親からは「お前には無理だからやめた方が良い」と反対され、10人入部した1年生が夏休み明けには3人しか残っていないほど厳しい練習でしたが、「自分を変えたい」という強い意思を持ち続けて3年間やり通しました。
そのおかげで、スポーツが苦手というコンプレックスを克服できただけでなく、困難な問題に突き当たっても「乗り越えられない困難はない」という信念を持つことができました。
大学時代もその信念のもと、文科系と体育系のサークルに加入して、授業やゼミも含めたすべてのことに全力投球して、どれも投げだすことなく、充実した学生生活を送ってこれました。(384字)
困難をあなたの強みや能力で切り抜けた経験は、自己PRの説得力が増します。
自分の挑戦心を活かした結果「何を得られたか?」を、自身の付加価値としてアピールすることが重要になってきます。
自分が得られた成果や学びは「自分だけが得ることができた財産」なので、「その財産がどういったものであるのか?」を採用担当者へ伝えられるように、体験の深堀りと言語化をしておきましょう。
面接前にチェックすべきこと
東急エージェンシーの新卒情報
募集職種 |
ビジネスイノベーション データスペシャリスト クリエイティブ |
募集人数 |
21~25名 |
採用フロー |
エントリー →書類選考 →WEB適性検査 →面接選考(複数回) →内々定 |
筆記試験 |
WEB適性検査 |
面接 |
複数回の面接 |
東急エージェンシーの事業内容
1.各種広告の代理業務
2.広告宣伝に関する企画、立案ならびに制作
3.情報の収集、計算、統計、分析および市場調査、広告効果の測定ならびに情報機器によるプログラムの開発、運営の受託
4.出版、印刷、写真、映画の企画、立案ならびに制作
5.展(博)覧会、見本市および各種催事、興行等の企画、立案、実施
6.地域開発、都市開発および一般建設の企画、設計ならびに施工
東急エージェンシーの昨年(2021年4月1日~2022年3月31日)の決算を見ると、売上高は東京オリンピック・パラリンピックや観光庁等の大型案件の受注や新規案件獲得により、1,043億5,300万円(前期比22.7%増)の大幅増となりました。
収益は552億6,600万円、売上総利益は163億4,900万円(前期比21.9%増)です。
コロナ禍の収束が不透明で、さらに2021年秋のオフィス移転による大幅な費用増の中で、このような業績の回復を成し遂げた要因は、下記の5つの重点施策の推進です。
- デジタルシフト
・外部企業との提携により、マス広告とネット広告の統合提案力を実現
・これまでの知見を活用した流通業のデジタル化を支援するビジネスの立ち上げ。
- 東急グループ協業
・東急OOHのデジタル化推進による媒体価値向上
・東急グループが推進するエンターテイメント事業やデータマーケティングへの貢献と当社独自商材の開発
- 利益体質の強化
・原価の精査、付加価値の高い提案による利益幅の拡大
・フィービジネスなど高利益を創出するビジネスの推進
- 働き方改革
・フロア・エリア毎に機能を特徴づけた新オフィスを活用した創造性の向上
・在宅勤務に関連した規程改正等による適所勤務の定着
- クライアント拡大・開発
・10億円規模のクライアント育成への注力
・マス広告を活用し事業拡大を指向する成長クライアントや、官公庁をクライアントとした給付金事業を始めとする公募事業の取り込み
参考:事業報告(2021年4月1日~2022年3月31日まで)
上記の「デジタルシフト」の推進のために、東急エージェンシーはインターネット広告を手掛ける新会社「株式会社アラテ」を、2020年4月1日に設立しています。
同社は、ネット広告の運用や、顧客のWEBページのコンサルティングなどを行い、企業が「ネット広告へと予算をシフトしている」状況に対応して、東急エージェンシー本体のネット広告事業の強化を目指しています。
東急エージェンシーの社風
東急エージェンシーには、「意欲のある社員は入社の時期にかかわらずチャレンジできる」という風土があります。
「社内で評価される仕事ぶりや行動タイプ」としては、下記が挙げられています。
1.やりぬく力、根性がある
2.人を巻き込み仕事を進める
3.失敗を恐れずチャレンジする
4.お客様からよく褒められる
5.創造性のある個性的な提案をする
引用:Tsunagaru就活
実際に東急エージェンシーで働く社員紹介のページを読んでみると、他の広告代理店と比べても自由度が高く、何事にも挑戦できる環境だということがわかります。
「面接が楽しかった」という感想も印象的です。
デジタルメディアプランナー
倉持聡さん
(前略)知人から「やる気のある若手にチャンスをくれる自由度の高い広告会社」として東急エージェンシーを紹介してもらったのが入社のきっかけです。入ってみて実感しているのは、自分の専門性を生かしながらではありますが、所属部署にとらわれず、「何をやってもいい」環境だということ。同業他社と比べても珍しいと思います。
アカウントプランナー
荒井理佳子さん
就職活動ではもともと広告会社しか受けませんでした。何社か選考が進む中で、東急エージェンシーの面接が一番楽しく、飾らずにありのままの自分を出すことができました。
アカウントプランナー
岩瀬広之さん
東急エージェンシーは特に面接が楽しく、みなさんイキイキと働いている印象で、人間性にも惹かれました。
東急エージェンシーの過去実績
採用倍率
東急エージェンシーの採用人数が20〜30人程度なのに対して、応募者数は数千人を超えるため、選考倍率は100倍を超える年度もあるようです。
東急エージェンシーの就職(選考)難易度は「4.4/5.0」で、電通「4.7」や博報堂「4.7」ほどではありませんが、人気の業界なだけあって就職難易度は高いです。
参考:キャリアナビ
採用大学
<大学院>
早稲田大学、千葉大学、九州大学、東京芸術大学、多摩美術大学
<大学>
筑波大学、北海道大学、岡山大学、国際基督教大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京外国語大学、東京理科大学、明治大学、立教大学、青山学院大学、中央大学、法政大学、成城大学、成蹊大学、学習院大学、日本大学、武蔵野美術大学、多摩美術大学、京都大学、神戸大学、同志社大学、立命館大学、関西学院大学
東急エージェンシーには、学歴フィルターはないといわれています。
中堅大学等からの入社も十分にあるので、選考対策をしっかり行い、選考を突破しましょう。
採用人数
過去3年間の新卒採用者数(男女別)
2020年 |
20名(男性13名、女性7名) |
2021年 |
21名(男性9名、女性12名) |
2022年 |
18名(男性11名、女性7名)※予定 |
東急エージェンシーの採用人数は、上記のとおり例年20名前後です。応募者数は数千人を超えるため、かなり狭き門であることが分かります。
徹底した対策を!東急エージェンシーの選考を有利に進めよう
「応募者には、自分なりの個性を、自らの言葉でアピールしてほしい」という採用担当者の言葉にあるように、東急エージェンシーの面接に臨むには「徹底的な自己分析」が必要です。
また、広告業界で働くためには欠かせない「トレンドへの興味」や「柔軟な発想力」をアピールできるよう、最新情報をチェックしてアンテナを張っておくことも大事になってきます。
万全な面接対策を講じて、難関といわれる東急エージェンシーの採用を勝ち取りましょう。