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【三菱商事|面接攻略ガイド】採用傾向から実際に聞かれた質問まで徹底解説!

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面接攻略ガイド

商社の中でも「総合商社」は毎年学生から人気のある業界です。

給与水準が高く、グローバルにも活躍できるフィールドがあるのが人気の要因といえます。採用人数は、他の業界と比べると比較的多いといえます。

 

総合商社には、「三菱商事」「伊藤忠商事」「三井物産」が大手として名を連ねています。

その中でも、三菱商事は、三菱重工業、三菱UFJ銀行と並ぶ三菱グループの中核的存在です。

事業基盤や収益力、財務体質を背景に、2021年の売上高は総合商社の中でも群を抜いています。

 

総合商社の取り扱う商品やサービスは多岐に渡りますが、各社が強みとしているフィールドは異なります。

グローバルにも活躍できるフィールドに魅かれて、総合商社を志望するとしても、「なぜその総合商社なのか?」を言語化するために、まずは徹底した企業研究が重要です。

 

その上で、様々な商品やサービスを扱う総合商社で、「自分は将来的にどのように会社に貢献していきたいのか」、キャリアビジョンを明確にしておきましょう。

 

本記事では、「三菱商事の面接対策」として、傾向や過去に出題された質問などを解説しています。

総合商社業界の「業界研究」や「ESの書き方」などは、下記の記事を参考にしてください。

三菱商事の面接の傾向

面接の傾向

三菱商事では、WEBテストとESによる選考を通過した方に、面接を3回行うのが一般的な流れです。

中には、面接前に座談会や懇親会が行われるケースもあるようです。

 

面接は全て個人面接で行われます。面接官は1人の場合と、2人の場合があります。

 

一次面接ではESに基づいて、特に「学生時代に力を入れたこと」について、深掘りをされる傾向にあります。

表面的な内容では、上手く回答できない可能性があります。ES作成の段階から、深掘りをされても動じないテーマを選択するようにしておきましょう。

 

自らが「どのような意図をもって行動を起こしていくパーソナリティの持ち主なのか」を、アピールするチャンスとも言えます。

 

二次面接では主に「ケース面接」が行われます。「ケース面接」は、出されたテーマについて考える時間が1〜3分程度与えられ、その後1〜3分で発表を行います。

その後、面接官から質問をされるなどディスカッションを行い、結論を導き出すスタイルの面接です。

 

「幅広い視野を持った上で、柔軟にそして論理的に考えることができるかどうか」を見極められている面接だと考えられます。

 

最終面接では、再度ESに基づいた深掘りに加えて、「なぜ三菱商事なのか」「三菱商事でどんなことをやりたいのか」を問われます。

三菱商事の事業について企業研究を行い、自分が三菱商事でどのようにキャリアを積み上げていきたいのか、自信をもって答えられるように準備をしておきましょう。

三菱商事の求めている人材

求めている人材

<人材育成の基本方針>

・構想力

担当事業・機能の本質を見極め、内外環境の変化を想定、先を見据えた戦略を練り上げる

・実行力

チームプレーを基本とし、リーダーシップや人材育成力を発揮して人と組織を牽引し、最後までやり抜く

・倫理観

高い倫理観を備え、あらゆるステークホルダーから尊敬される人間力

引用:三菱商事HP/三菱商事の人材マネジメント/人材育成の基本方針

 

三菱商事は、国内外の様々な商品やサービスを扱う総合商社です。

その中で活躍していくためには広い視野をもって、新たな需要を掘り起こして事業化していが必要になります。

 

また、それらの事業は1人でやり遂げることはできないため、倫理観を持って様々な人や企業との連携を図る必要もあります。

 

新卒採用でも、これらの要素を満たす人材が求められているため、三菱商事が求める人材のハードルは極めて高いといえます。

三菱商事の求める人材にマッチした、自分自身の経験や実績について、より深く言語化しておきましょう。

三菱商事の面接の攻略法

面接攻略法

三菱商事は創業以来、世の中の変化を捉え、社会課題やニーズに向き合い、半歩先を見据えて新たな事業を継続的に創り上げることで、経済発展や生活の向上に取り組んできました。

このサイクルの絶え間ない積み重ねが、現在の三菱商事グループを構成しています。

引用:三菱商事 社長メッセージ

 

三菱商事の代表取締役社長、中西 勝也のメッセージからもわかるように、三菱商事は目の前に見えているニーズに向き合うことだけを考えていません。

三菱商事は、新たな社会課題やニーズをとらえて、事業を継続的に創り上げ続けていくことを目指しています。

 

そのためには、広い視野を持ちながら先を読む力を養い、変化の激しい不確実性を伴う、今という時代を切り拓いていくことができる姿勢が求められます。

 

面接での回答は、その姿勢や先にふれた三菱商事が求める人材を意識して、準備を進めましょう。

どのようなパーソナリティの持ち主なのかを明確にする

三菱商事の面接では、どのような思考プロセスを持って、今までの経験を積み上げてきた人なのかを、とても重要視していると考えられます。

だからこそ、ESに基づいて「学生時代に力を入れたこと」などについて、より深い質問が行われるのでしょう。

 

その面接を突破するためには、表面的ではなく、より深い自己分析を行い、まずは自らのパーソナリティを把握しましょう。

その上で、そのパーソナリティを活かしてどのように三菱商事で活躍をしていきたいのかまで、一貫性のある回答準備をしておく必要があります。

 

自己分析で把握したパーソナリティが、三菱商事が求める人材にマッチしているのか否かもあわせて確認をしておきましょう。

三菱商事でのキャリアビジョンを具体的にイメージする

三菱商事は、資源分野のみならず非資源分野にも強い万能型の総合商社です。

 

だからこそ、自らの思い描くキャリアビジョンを明確にした上で、「(志望しているのは)三菱商事である」と伝えていく必要があります。

 

そのためには三菱商事の事業について、徹底した企業研究を行う必要があります。

三菱商事の会社ホームページやパンフレットを確認するのはもちろんのこと、会社説明会やインターンシップ、OBOG訪問の機会も活用しながら、自分が取り組んでみたい事業を考えてみましょう。

 

そして、それを実現するために、どんなキャリアプロセスを辿っていきたいのか、明確に言語化しておくことも大切です。

三菱商事で実際に聞かれた質問

実際に聞かれた質問
  • 三菱商事の志望動機
  • 三菱商事でやりたいこと
  • 三菱商事の課題
  • 最近、気になる違和感を感じたニュース
  • コミュニケーションにおいて大切だと思うこと
  • 経験してきたことを仕事にどう活かすか
  • 自分の理想像に足りない点はなにか
  • ケース面接
    例「デジタル化が遅れていると思う産業を挙げて、デジタル化を進めるにはどうすればよいか考えよ」

面接での回答時間は1分程度が良いとされています。簡単な質問に対しては30秒程度を目安となります。

 

1分で話すことができる文字数は約300字程度。面接対策として文字に起こす場合は、300字を目安に考えると良いでしょう。

 

質問内容によっては、1分以上かけてしっかりと説明する必要がある質問も多くあります。

臨機応変に対応することはもちろん、面接対策を行う際には1分の時間感覚を身につけることも大切です。

 

実際に聞かれた質問の中から、今回は3つの質問について回答例と併せてポイントをご説明します。

学生時代がんばったこと

<回答例>

学生時代にがんばったことは、資格取得です。

大学で学ぶ中でより専門性を高めるために、派生分野の資格取得をしたいと考えるようになりました。しかし、大学のカリキュラムの中にはその資格取得ができるプログラムはなく、資格取得のできる専門学校を探し、ダブルスクールで資格取得を目指しました。その中で、通信学習も検討しましたが、より自分を追い込む環境をつくるため、通学型の専門学校を選択しました。

大学の授業や課題提出に加えて、専門学校での勉強を行うことは想定していたよりも大変でした。初めて目にする用語や考え方を理解するのに時間を要したからです。そこで、通学型のメリットを活かして講師に積極的に質問をしたり、専門誌に目を通したりと、専門知識に慣れ親しむ機会を作るようにしました。また、アルバイトやサークル活動とも両立するために、隙間時間を活用しながらコツコツと勉強を重ね、無事に試験に合格することができました。(398文字)

 

三菱商事では、特に一次面接において、ESに記載されている内容に沿って、「学生時代にがんばったこと」「学生時代に力を入れたこと」を深掘りされる傾向にあります。

これは、自律的に行動を起こし、最後までやり遂げる力の有無を見極めるために、行われているものと考えられます。

 

ES作成時から、「力を入れようと思った理由」「その取り組みにおける困難、苦労」「行った工夫」「なにがモチベーションとなったのか」等々、どんなに深掘りをされても、堂々と回答できるテーマを選択するように意識しておくとよいでしょう。

デジタル化が遅れていると思う産業を挙げて、デジタル化を進めるにはどうすればよいか考えよ

<回答例>

デジタル化が遅れている産業は、社会福祉業界であると考えます。社会福祉業界は、高齢者、障害者、児童など様々な分野があります。

いずれの分野についても、対象者が人そのものであるために、一律的な定量評価ができないためであると考えます。また、祖父の介護の様子を傍らで見ている中で、行政に提出する報告書等も紙媒体で行われていることが多いことも知りました。

一朝一夕に行政対応の変化を求めるのは困難であるため、まずは社会福祉の事業所および行政にヒアリングを行い、デジタル化ができるポイントを、ひとつひとつ見つけ出していく作業が必要不可欠です。

そして事業所の必要性や予算に応じてデジタル化できる要素を選択できるシステムを作ることによって、デジタル化を進めていくことができると思います。全国には高齢者施設だけでも、数万施設あると想定されます。それぞれの事業所規模は小さくても、そのビジネス規模は大きなものになると考えます。(401文字)

 

三菱商事の二次面接で良く聞かれる質問です。与えられるテーマは、都度異なります。

 

テーマについて考える時間が1〜3分程度与えられ、その後1〜3分間で発表を行います。その後、面接官から質問をされるなどディスカッションを行い、結論を導き出すスタイルです。

 

総合商社が扱う商品は多岐に渡ります。その商品を扱うプロジェクトの戦略を「国内外の環境変化を想定しながら、将来を見据えて練り上げていく能力があるかどうか」を見極めるための質問であると考えられます。

 

日頃から、新聞などで専門分野に限らず情報に触れる機会を持ち、それぞれの話題について自分なりの意見を持つ練習を行っておくことが必要です。

三菱商事でやりたいこと

私は、御社の仕事を通じて、人に豊かな生活を届けていきたいと考えています。

特に関心が高いのは、コンシューマー産業グループの事業です。その事業を通じて、世の中の需要を的確に理解するだけでなく、新たな需要創造に取り組んでいきたいと考えます。

ただ、豊かな生活と一口にいっても、人によって求めるモノやサービスは異なります。その中には、私の身近にないもの、国内にないものも含まれているでしょう。しかし、御社であれば幅広い商材に携わる可能性があるため、様々な面から人に豊かな生活を届けていけると確信しています。

御社の社員の方が、「自分の限界を超えているような仕事を任され、その中で自分の限界に挑戦することで能力が引き上げられ、それが私ならではのエキスパティーズの獲得につながったと感じます。」と話されていたのが印象に残っています。

私も御社で、専攻や経験にとらわれず、自らの限界を超える挑戦をし続けていきたいです。(399字)

 

三菱商事では、ESに記入された志望動機などの内容について深掘りが行われる傾向にあります。

「三菱商事でやりたいこと」を質問されるのも、志望動機や今までの経験などとの一貫性があるかどうかを見極めようとしていると考えられます。

 

表面的な志望動機では面接を突破することは難しいでしょう。

インターンシップや説明会、OBOG訪問等で三菱商事への理解を深め、具体的なキャリアビジョンを思い描き、堂々と回答できるようにESの段階から準備をしておく必要があります。

三菱商事の面接前にチェックすべきこと

面接前にチェックすべきこと

三菱商事の新卒情報

募集職種

総合職

募集人数

100~150人

採用フロー

ホームページよりエントリー
→会社説明会(Webにて実施)
→エントリーシート提出

筆記試験

あり

面接

個人面接

三菱商事の事業内容

  • 産業DX部門
  • 天然ガスグループ
  • 総合素材グループ
  • 石油・化学ソリューショングループ
  • 金属資源グループ
  • 産業インフラグループ
  • 自動車・モビリティグループ
  • 食品産業グループ
  • コンシューマー産業グループ
  • 電力ソリューショングループ
  • 複合都市開発グループ 

引用:三菱商事HP 事業紹介

 

三菱商事の2021年度(2021年4月1日~2022年3月31日)決算を見ると、収益17兆2,648億円(前年度比134%) 、売上総利益2兆1,508億円 (前年度比134%)。市況の好転による価格上昇および取引数量の増加などにより、増収増益となっています。

 

1954年7月1日、新生三菱商事が発足しました。1954年後半には、立ち直りを見せ始めた米国経済の影響もあり、世界経済は好転しました。

日本でも、それまでに例を見ない好況・神武景気が到来し、三菱商事の業績は順調に拡大していきました。

 

日本経済の復興のために、輸出振興の先鋒として、さまざまな困難を乗り越え、海外進出の礎を築いてきた三菱商事は、現在、世界約90の国・地域に広がる拠点と約1,700の連結事業会社と協働しながらビジネスを展開しています。

 

その事業は、天然ガス、総合素材、石油・化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発10グループ体制で、幅広い産業を事業領域としています。

 

そして、貿易のみならず、パートナーと共に世界中の現場での開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。

 

現在、三菱商事の置かれているビジネス環境は地政学リスクの高まりによって不確実性が高まっています。

その環境に先見性をもった対応をするため、従来の事業グループに産業DX部門も新設しています。

 

さらには、エネルギートランスフォーメーション(EX)関連投資へ2030年までに2兆円を投じる方針も打ち出しており、今後も半歩先を歩んでいく姿勢の三菱商事の躍進に益々期待が高まります。

参考:三菱商事HP 1954年~ 第1話 高垣社長の第一声“万事正々堂々と” ~新生・三菱商事の発足
三菱商事 新卒採用サイト よくある質問 事業概要について
三菱商事 2021年度決算 公表資料

三菱商事の社風

「三綱領」は、1920年の三菱第四代社長岩崎小彌太の訓諭をもとに、1934年に旧三菱商事の行動指針として制定されたものです。旧三菱商事は1947年に解散しましたが、三菱商事においてもこの三綱領は企業理念となり、その精神は役職員一人一人の心の中に息づいています。

引用:三菱商事 企業理念

 

三菱商事は、企業理念である「三綱領」を重要視しています。

 

「三綱領」とは、下記3つの項目から成り立っています。

「所期奉公」
事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する

「処事光明」
公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する

「立業貿易」
全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る

 

求める人材でも触れた通り、三菱商事は社員に高い倫理観を求めています。これは企業理念に基づくものと考えられます。

その高い倫理観をもった社員が社内外の人とチームとなって、社会貢献につながる事業をやり遂げている様子は、社員インタビューを集めた「MEET OUR PEOPLE」に目を通すだけでも伝わってきます。

 

つまり、三菱商事には、スタンドプレーのリーダーシップが求められる風土ではなく、フェアプレーを重んじてチームで事業をやり遂げていく風土があるものと考えられます。

三菱商事の過去実績

採用倍率

三菱商事の採用人数は多い傾向にあります。しかし難関企業と考える学生が多いからか、倍率は10~12倍と低くなっています。

 

三菱商事に入社すれば、バックボーンも価値観も異なる様々な人とチームを組んで、難局を乗り越えながら事業を推し進めていく力も必要になります。

 

三菱商事を志望する気持ちがあるのであれば、チャレンジする前から難局を避けない気持ちも必要なのかもしれません。

 

採用大学

採用実績校は下記になります。

慶応大学、早稲田大学、東京大学、一橋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、立教大学、上智大学、滋賀大学、九州大学、東京外国語大学、明治大学、国際教養大学、関西学院大学、立命館大学、同志社大学、神戸市外国語大学、マイアミ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、エディンバラ大学、ブラウン大学、ボッコーニ大学、台湾大学、ニューヨーク大学 など

引用:学歴と年収の研究室|面接官のホンネ

 

例年MARCH以上の大学出身者が多く占めているため、三菱商事に学歴フィルターが存在する可能性は高いです。

ただし、学歴をカバーできるような経験や明確な志望理由があれば、選考を通過する可能性はあるはずなので、諦めずに対策に取り組みましょう。

より深い自己分析を行ってマッチング性を見極めよう

徹底した面接対策をしよう

三菱商事が重視するのは、「企業理念や求める人材像を満たし、活躍できるパーソナリティを持っているか否か」であると考えられます。

 

もちろん、総合商社で働くためには、幅広い視野と頭の回転の良さも求められるでしょう。

しかし、どれだけ知的に優秀でも、チームプレーを重んじず、スタンドプレーを行う人材を三菱商事は求めていません。

三菱商事が求めるパーソナリティがあることをアピールするためには、表面的ではない、深い自己分析が必要になります。

 

今までの経験を整理して、どのような角度で深掘りをされても、一貫性をもって堂々と回答できる準備を進めていきましょう。

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監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。