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【キーエンス|面接攻略ガイド】採用傾向から実際に聞かれた質問まで徹底解説!

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面接攻略ガイド

メーカーは、日常生活の中でも触れる機会が多い業界であるため、学生から人気の高い業界といえます。

しかし、メーカーとひとくちにいっても、自動車、電機、機械、食品、日用品等々、多岐に渡ります。人気のある業界ではあるものの、採用人数は少ないのが一般的です。

 

そのため、「メーカー」とひとくくりにするのではなく、具体的にどのような商品を扱うメーカーを志望するのか、その中でも何故その会社を志望するのかについて、徹底した業界研究・企業研究をしておかなければ、選考突破には繋がりません。

 

メーカーの中でも、電子部品業界は様々な業界からの需要増大を受けている業界です。

IoTや5G関連のインフラ、人口減少に伴う生産効率化のためのオートメーション、次世代の自動車生産に伴うセンサーや小型電池など、電子部品業界に求められる需要はさらに広がっていく可能性があります。

 

売上やシェア率でみれば、「村田製作所」「日本電産」「京セラ」「TDK」大手4社といえますが、得意とする分野や注力している分野は大きく異なります。

 

そのため選考前の企業研究は非常に重要です。企業についての理解を深めたうえで、予めどのような選考ステップがあるのか、どのような人材を求めているのか、どのような質問がなされるのかなど、十分に対策を練っておきましょう。

 

本記事では、「キーエンスの面接対策」として、傾向や過去に出題された質問などを解説しています。

IT業界の「業界研究」「ESの書き方」などは、下記記事を参考にしてください。

キーエンスの面接の傾向

面接の傾向

キーエンスの面接は、1次面接から3次面接まであります。その全ての面接前にはFace sheetの記入を求められます。その後、面接ではFace sheetに記入した内容について深掘りが行われます。

 

Face sheetの深掘りの他に、「説得面接」「要素面接」も行われます。主に「説得面接」は1次面接、「要素面接」は2次面接で行われます。

 

「説得面接」は、様々なシチュエーションが用意されています。意見の異なる人を演じる面接官を、どのように説得するのか、そのプロセスを見られます。「説得面接」により、論理的な思考の瞬発性を見極めていると考えられます。

 

「要素面接」では、「〇〇に必要な要素を3つ答えなさい」といった質問が行われます。この質問により、伝えたいことを素早く言語化できる思考力を見極められると考えられます。

 

なお、2次面接の際には、キャリパーと呼ばれる性格診断も実施されます。キャリパーによる性格診断結果と面接でPRする人物像にギャップがないように、より深い自己分析が求められます。

 

最終面接(3次面接)では、キーエンスへの志望度や他社の選考状況などを中心に質問されます。それによって、入社の本気度を見極めているものと考えられますので、堂々と入社の意思を伝えましょう。

 

キーエンスの面接は、他の会社と比較すると独特です。より深い自己分析とともに、論理的思考力を高める練習を行っておくことが、キーエンスの面接突破のためには重要です。

キーエンスの求めている人材

求めている人材

キーエンスの求めている人材
  • 自分で考えて実践できる人
  • 責任感が強い人
  • 諦めない人

キーエンスでは、ほとんどが営業に配属されます。営業は「テリトリー制」を採用しており、入社して半年後から一定の地域を担当します。

そして、そのエリアのマーケット分析から戦略立案、実行に至るまで全てを任されます。

 

もちろん、お客様への訪問前には、先輩社員と「事前シミュレーション」を実施したり、 先輩社員の営業同行や、営業アドバイスをしてもらうこともできます。しかし、実力成果主義が浸透しているため、全てを先輩社員に頼ることはできません。

 

実力成果主義の中で、既存の取引先の対応だけでなく、新規開拓も求められるため、責任感をもって諦めずにやり遂げる力が求められています。

 

そのためには、「お客さまにとって価値ある提案とは何か?」「どのように仕事を進めていくのか?」を、自らとことん考えて、実践できる思考力も必要になります。

参考:キーエンス新卒採用サイト(若手営業の成長の軌跡)
キーエンス新卒採用サイト(キーエンスを知る)

キーエンスの面接攻略法

面接攻略法

 

1974年の会社設立以来、付加価値の創造こそが企業の存在意義であり、また、そのことによって社会へ貢献するという考えのもと、全社一丸となって事業活動に取り組んでまいりました。

世の中にない価値を生み出すことに取り組み続け、新商品の約70%が世界初、業界初の商品となっており、世界のさまざまな業界のお客様に当社商品をご採用いただいております。おかげさまで世界のグローバル企業の中でも有数の優良企業として高くご評価いただけるようになりました。

当社の経営において大切にしていることは、「経営にとって当たり前のことを当たり前に実践する」ということです。これを実践するうえで「目的意識」を持つことを常に意識しています。

たくさんの人数で仕事を進めると、その手段が目的となり、結果として当たり前のことが徹底できなくなってしまいます。

「何のためにその仕事を行っているのか、何に役立つのか」を考え、本来の目的を見失わないように心掛けることで、当たり前のことを当たり前に実践することが可能となります。

引用:キーエンス|メッセージ

 

キーエンスは、代表取締役社長 中田有のメッセージからもわかるように、「付加価値の創造」「目的意識」に重きを置いている企業です。

その想いをもつ社員が一丸となるからこそ、新たにつくり出した商品の約7割が世界初、業界初という偉業を成し遂げていると考えます。

 

上記を踏まえ、面接において大切なポイントを2点紹介します。

なぜキーエンスなのかを明確にする

キーエンスでは、志望動機を聞かれないとする声もあるようです。

直接的に志望動機は聞かれないとしても、何故キーエンスを志望するのか、その考えや自分の人物像がキーエンスで求められている人材像とマッチしているのかを、自分の言葉で整理できていなければ、様々な質問に対して的外れ、かつ一貫性のない回答となってしまう可能性もあります。

 

電子部品業界には、多くの企業があります。その中でも、徹底的な思考力と責任感を求められるキーエンスを志望するのは何故なのかについて、明確に伝えられるように企業研究を進めましょう。

論理的思考力を鍛える

キーエンスで求められるのは、徹底的な論理的思考力です。

お客様の話に耳を傾けて、どんなことに困っているのかを見極めて提案する力が必要になります。お客様の困り事は、必ずしも、明確な言葉になっていない可能性があります。

 

面接でキーエンス独特の「説得面接」「要素面接」が行われるのは、対応力を見極めているからだと考えます。

 

実際に仕事でお客様に接した際、明確な言葉になっていないお客様の困りごとを言語化する「頭の回転の速さ」が備わっていなければ新たな提案には繋がりません。

 

キーエンスの「説得面接」「要素面接」のテーマは都度変わります。日頃から、論理的思考力の瞬発力を鍛えておくことも、キーエンスの面接突破のためには重要と考えておきましょう。

キーエンスで実際に聞かれた質問

実際に聞かれた質問
  • 学生時代がんばったことを教えてください
  • サークルではどんなことをしていますか
  • 自分を最大限アピールしてください
  • 大切にしている言葉を教えてください
  • あなたは身近な人にどのように思われますか
  • 周りに影響を与えたと実感していることはなんですか
  • 私は外食が嫌いです。外食好きにしてください。
  • 初対面の人に信頼されるために必要なことを2つ挙げてください
  • キーエンスのイメージを教えてください
  • 企業研究で行ったことを教えてください

面接での回答時間は1分程度が良いとされています。簡単な質問に対しては30秒程度が目安となります。

 

1分で話すことができる文字数は約300字程度。面接対策として文字に起こす場合は、300字を目安に考えると良いでしょう。質問内容によっては、1分以上かけてしっかりと説明する必要がある質問も多くあります。

臨機応変に対応することはもちろん、面接対策を行う際には1分の時間感覚を身につけることも大切です。

 

実際に聞かれた質問の中から今回は3つ、回答例と併せてポイントをご説明します。

私は外食が嫌いです。外食好きにしてください。

<回答例>

学 生:外食がお嫌いなのは、何故なんですか?

面接官:人がいっぱいいるところで、食べるのが苦手なんです。

学 生:なるほど。わたしも、食事は清潔なところで、落ち着いてとりたいと考えています。

面接官:そうですね。人に見られていると思うと落ち着かないですから。

学 生:最近は、個室や半個室を用意している飲食店も多いことはご存知ですか?

面接官:そうなんですか?外食に興味がないので、知りません。

学 生:友人に連れられて、渋々ついていったことがあるのですが、周りの目が気にならないので、食事と友人との会話に集中できました。しかも、料理のひとつひとつが美味しくて、自宅で食事をつくるときの参考になりました。

面接官:自宅でも、料理をされるんですね。

学 生:はい。自分で作っていると、ついついマンネリ化してしまうんです。たまに外食にいくと、レシピのアイディアを見つけてワクワクします。〇〇さんも、お料理されるんですか?

面接官:はい。毎日しています。レシピのアイディアが見つかるっていいですね。 外食に興味が湧いてきました。個室のお店を探してみたいと思います。

 

一次面接でよく行われる「説得面接」といわれる質問です。

 

今回取り上げた質問以外にも、「祭り嫌いな人を説得して祭りに行かせる」「最近夜寝られない人へのアドバイス」など、様々なシチュエーションにおける説得を求められます。時間は3分程度です。

回答例は、説得した終わらせ方になっていますが、実際のところは説得できないケースも少なくありません。

 

この「説得面接」では、説得できるか否かよりも、プロセスが重要なポイントになります。いかに相手の意向を引き出して、その場の状況に応じながら論理的に相手との話を進められるかを、見られていると考えます。

 

「説得面接」のお題は都度変わります。過去に出題されたお題を確認しても、対応が難しい可能性があります。

日頃から、友人等と意見の異なるシチュエーションに面した時に、「なぜ異なった意見を言うのか」「本音はどこにあるのか」「共通点はどこか」「妥協点はどこか」など、会話の掘り下げを意識する練習をして、論理的な瞬発力を鍛えておきましょう。

初対面の人に信頼されるために必要なことを2つ挙げてください

<回答例>

「身だしなみ」と「自分自身に自信をもつ」ことが必要であると考えます。初対面の人に信頼されるためには、第一印象が重要であるからです。

まず、身だしなみについてです。私が相手にとって、どれだけ有益な話題をもっていても、第一印象で信頼をされなければ、話を切り出すこともできません。初対面の人に、話を聴いてもらうための礼儀として、身だしなみには日頃から気を配っています。

次に、自信をもつことです。自らの意見に自信がなければ、その卑屈な気持ちは自然と表情に現れます。サークルの部長を務めたとき、当初サークルをまとめていく自信はありませんでした。しかし発言する際に堂々とすることを心がけていました。その結果、同期のみならず新入生からも、よく相談をもちかけられていました。

もちろん、相手の話を傾聴する謙虚な気持ちも大切です。その謙虚さをもちながらも、どんな局面に面しても動じない精神力を今後も鍛えていきたいと考えています。(409文字)

 

二次面接でよく行われる「要素面接」と言われる質問です。一次面接、最終面接でも問われることもあります。

 

この質問に、正解はありません。求められる要素を瞬時に考えて、その要素を挙げた理由について、論理的に堂々と話すことができるか否かが見られている質問です。

 

この質問に回答する際には、PREP法を心がけましょう。

まず、結論を伝え、簡潔に理由を述べましょう。その後、より具体的な内容について話していくと、分かりやすく相手に自分の考え方を伝えることができます。

 

具体的な内容について話す際、自ら経験したエピソードも盛り込むことができると、より説得力のある回答になります。

学生時代がんばったことを教えてください

<回答例>

学生時代にがんばったことは、英会話スキルの向上です。

私は大学入学時から留学準備を進めてきましたが、事情により留学は中止となりました。諦めたくなかった私は、留学をしなくても英会話スキルの向上は図れると思い直し、オンラインの英会話サークルを見つけました。

そのオンライン英会話サークルで、日常的に英語で話す生活がスタートしました。その交流の中で知り合った近隣に在住している外国人の方とは、実際に会って会話することもあります。その交流によって、リスニング力や会話の瞬発力は徐々に向上し、TOEICの点数は900点に達しました。

この経験を通じて、英会話スキルを得られただけでなく、困難な局面にあっても諦めずに試行錯誤することで目標達成できる可能性を知りました。貴社においても、この諦めずに立ち向かう気持ちを活かして、仕事に向き合っていきたいと考えています。(379文字)

 

学生時代にがんばったことは、キーエンスでよく聞かれる質問です。

人それぞれアルバイト、サークル、ゼミなど、「がんばったこと」のテーマは異なると思います。どのテーマでなければならないということはありません。

 

大切なのは「それぞれのエピソードの自分の強みへの落とし込み」と「仕事での強みの活かし方」を意識することです。

取りあげたテーマをなぜがんばろうと思ったのか、どのような学びを得て、今後にどのように活かしていくのかを、論理的に説明できるように準備をしておきましょう。

面接前にチェックすべきこと

面接前にチェックすべきこと

キーエンスの新卒情報

募集職種

ビジネス職 エンジニア職 S職

全職種併願可能。ただし、エンジニア職は理系のみ応募可能。

募集人数

150~200人

採用フロー

説明会→自己PR動画の提出およびSPI

1次面接→2次面接→座談会→最終面接

筆記試験

あり
SPI3のほか、2次面接の際にキャリパー(性格診断)の受験も求められる

面接

個人面接/集団面接
どちらもあるため、早い段階での準備が必要。

キーエンスの事業内容

・センサ

・測定器

・画像処理機器

・制御・計測機器

・研究・開発用 解析機器

・ビジネス情報機器

引用:キーエンス ホームページ(会社概要)

 

キーエンスの2021年度(2021年4月1日~2022年3月31日)決算(連結経営指標)を見ると、売上高は7,552億円前年度比140.3%、営業利益は4,180億円前年度比151.0%

新型コロナウイルスの影響緩和に伴い、国内外で設備投資や生産の持ち直しの動きが見られたことで、受注が増大して増収増益となっています。

 

キーエンスの前身はリード電機です。兵庫県伊丹市で1972年に創業されました。リード電機は「自動制御機器」「電子応用機器」の開発、製造販売を行っていました。

その後、株式会社に改組し、1986年に現在の社名である、株式会社キーエンスとなりました。

 

現在は、連結子会社28社、非連結子会社1社及び関連会社1社を有する、グローバルなキーエンスグループに成長しています。

主な事業内容は、電子応用機器の製造および販売ですが、子会社がソフトウェア開発、不動産業、広告・マーケティング業も行っています。

 

増収増益のほかにも、注目したいのが高い営業利益率です。2014年度決算から現在まで営業利益率は50%超を維持しており、2021年度(2021年4月1日~2022年3月31日)決算(連結経営指標)では55.4%になっています。

 

この高利益率を達成する背景には、「ファブレス経営(製造工場を自前で持たない経営)」に加えて、直販体制や高い商品開発力があるといえます。

参考:キーエンス ホームページ(経営情報)

 

☝️ポイント

キーエンスの事業はBtoBが主体です。事業内容は幅広く、半導体・液晶業界や自動車業界、金属・鉄鋼業界など、多岐にわたる業界で多くの製品を生み出しています。
競合他社と比較したキーエンスの強みを明確にし、企業理解を深めることが大切です。

 

キーエンスの社風は?

マイクロスコープ事業部 営業担当
近藤一路さん
(入社2年目)

キーエンスでは入社前に想像していた以上にフラットな風土が築かれており、年次が上でも後輩にアドバイスを求めることがあるほどです。活発に行われる事例共有や意見交換を通じて高め合える環境は、「現状維持は退化と同じ」だと考える私にとって、成長のヒントがたくさん得られるのでとても刺激的。この環境を活かして、独自の付加価値を提供できるビジネスパーソンを目指しています。

引用:キーエンス|新卒採用サイト|社員インタビュー

 

インタビューにもあるように、フラットな風土がキーエンスにはあります。前段でもふれましたが、キーエンスでは、入社半年後から責任の大きい仕事を任されます。

フラットでありながらも刺激的な風土の中で、年齢に関係なく活発な意見交換などを通じて、高めあっていくために求められるのは実績です。

 

まずは、自ら徹底的な思考力と責任をもって実績を積み上げなければ、環境を活かすことはできないと考えておきましょう。

キーエンスの過去実績

採用倍率

キーエンスの採用人数は、例年150~200名ほどとなっています。メーカーの中では採用人数も多いですが、倍率が非常に高い企業として有名です。

正確に公表はされていませんが、キーエンスの採用倍率は約150~200倍ともいわれています。

 

エントリーシートの提出が不要なうえ、特にビジネス職(営業)は、募集学科は全学部全学科となっており、多くの学生がエントリーしやすいことも採用倍率が高くなる理由といえます。

 

採用大学

2021年度の採用大学は下記になります。

北海道大学、筑波大学、青山学院大学、慶応義塾大学、上智大学、中央大学、東京大学、東京工業大学、都立大学、東京理科大学、日本大学、法政大学、明治大学、立教大学、早稲田大学、横浜国立大学、名古屋大学、同志社大学、龍谷大学、大阪大学、関西大学、近畿大学 など

参考:マイナビ2023(採用実績)

 

キーエンスに学歴フィルターは存在しないと考えられます。

偏差値が高くない大学からの採用も少なくはないので、徹底した対策と自分のやりたいことや志望度を十二分に伝えることができれば、選考を突破することも可能だと考えられます。

深い自己分析と論理的思考力が大切

徹底した面接対策をしよう

キーエンスでは、就職活動において大切なこととして「自分とキーエンスのマッチングを図ること」を挙げています。

そのためには、深い自己分析を行い、キーエンスの求めるものと自らの想いやスキルが一致しているのか徹底的に考える必要があります。就活は、内定および入社で終わりではありません。

 

特にキーエンスでは、早い段階から責任のある仕事を任され、スピード感をもってやり遂げていくスタンスが求められています。そのため、自ら主体的に成長し続けていく意識が必要です。

 

働き続けるために、一過性の勢いだけでなく、自分自身とキーエンスのマッチングについて、論理的に徹底的に考えておきましょう。

ぜひこの記事を参考に面接対策に取り組んでくださいね。

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監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。