【HIS|面接攻略ガイド】採用傾向から実際に聞かれた質問まで徹底解説!
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HISは旅行業界のベンチャー企業として生まれ成長を遂げ、東証一部に上場するまでになった勢いある企業です。
しかし、旅行業界全体でコロナ禍の影響から不況が続き、2022年、2023年は新規採用の募集は中止されていました。(※2024年からは新卒採用も再開され、募集要項の案内が出ています。)
ただし、コロナ禍後の旅行需要の高まりは予想に難くありません。実際、2022年9月7日からワクチン接種完了を条件に入国時の陰性証明が免除され、海外旅行に出かけやすい状況となるため、予約の急増が期待されています。
2024年には好転している条件がそろってきているので、本記事の「HISの面接対策」を参考に、準備をしておきましょう。
旅行業界の「業界研究」や「ESの書き方」などは、下記記事を参考にしてください。
【旅行業界研究|2023年最新版】ESの書き方から面接対策まで徹底解説!
旅行業界を志望している学生必見!旅行業界の市場規模や課題、インターン情報、大手代理店の採用傾向が一目でわかります。業界研...
HISの面接の傾向
HISは2022年以降の採用がないため、2021年度の情報となります。
面接の流れは次のようになっています。
◆HIS説明会・セミナー → エントリーシート → WEBテスト → グループディスカッション → 1次面接 → 最終面接 ※上記どちらかで実施されます。 |
面接の雰囲気としては、明るく冗談を言って和ませてくれるような優しい雰囲気の面接官が多いようです。時間的には長くないため、てきぱきと要領よく答えアピールできるように準備が必要です。
グループディスカッションと面接のそれぞれに対する体験者からの印象や傾向を、以下にまとめました。
グループディスカッション
ある時のテーマは「HISが世界一を目指すためにするべきことは何か」でした。グループ人数は5~6名。複数の面接官が話し合いの様子を観察してグループ間を行き来しているスタイルです。
リーダーで話し合いを仕切るなどしなくても合格者がいることから、周りの様子をしっかり見極め協力できているかが重要視されているようです。
面接
1次面接は学生3人、面接官1人のグループ面接で、志望動機やガクチカなどの基本的な質問を3つほどされます。一人の回答時間は2分程度です。
2次面接も学生3人、面接官1人のグループ面接です。質問内容は「HISでなければならない理由」に関してじっくり時間をかけ深堀される傾向にあります。回答に一貫性を持たせ、入社への熱意を語れるようにしておくといいでしょう。
最終面接は、意思確認ではなく選考面接で通過率30%といわれているため、気が抜けません。
質問内容は自己PRなど自身に関することが多く、企業に見合った人材かどうかや総合職、一般職の適性を確認していると考えられます。(総合職希望でも一般職内定の可能性あり)
HISの求めている人材
- 嘘をつかず正々堂々としている人
- お客様や仲間を大切にできる人
- 困難なことも明るく元気に向き合い乗り越えられる人
- 広い視野を持ち、クリエイティブな発想力で問題を解決できる人
- 意欲的に新しいことに取り組む気概を持った人
HISの求める人材は上記のような人です。これは、社長からのメッセージに明記してあります。
私が求めるのは、優れた人間性と強い精神力。人間性というのは、嘘をつかずに正々堂々としていて、お客様や仲間を大切にし、周囲を惹きつける魅力のある人。そして精神力は、困難な問題に直面したり失敗した際にも、明るく元気に向き合い乗り越えられること、健康な肉体とのバランスに優れた力です。
(中略)
とにかく、HISグループで『誇りとやり甲斐を胸に新しいことに挑戦したいという気概』を持った人と働きたいです。
その昔には旅の経験が豊富であることを条件にしていた時期があったといいます。旅行の経験は視野を広げ、コミュニケーション能力を養い、クリエイティブな発想も磨かれるという理由からです。
今は旅行の経験が少ないからといって選考から外されることはありませんが、少なくともさまざまな経験をして新しい価値観にも柔軟に対応できることは求められています。
視野の広さや好奇心、興味を持ったことに取り組む姿勢などをアピールしましょう。
面接では自分が豊かな発想力で成し遂げたことや、広い視野を持って対応したことをアピールできると好印象です。新しいことに臆することない勇気のある行動も認められるポイントになります。
HISの面接攻略法
HISの面接攻略法のポイントは、3点あります。
- HISがここまで成長してきた軌跡を理解する
- コロナ禍が明けてからの戦略を理解する
- 他の旅行会社との違いを明確にする
HISの企業理解を深めるためにも、ここまで成長を遂げた理由を押さえましょう。そして、コロナで大打撃をうけたHISが、これからどういう戦略で立て直しを図ろうとしているかも理解しておく必要があります。
また、HISは旅行業界の中でも最大手のJTBとは違う路線で成長してきた企業です。その違いからHISでしか成し遂げられないことを探り、面接の回答を練っていきましょう。
HISの今までの軌跡
HISは、いわゆるベンチャー企業であり、旅行業界の常識を打ち破って成長をしてきました。
基盤となる思いとしては、「もっと多くの人に世界に飛び出してもらいたい」というものです。そうすることで、人種・国籍・宗教などが違えど相互理解がもたらされ、世界平和に寄与できると考えています。
また、旅行を通じて自然や平和を考え、未来を創造していくことに貢献するとしています。旅行の既成概念の壁を無くすためにHISが始めた「新しい試み」は次の通りです。
- 格安航空チケットの販売を始めた
- パッケージツアーをアレンジ可能にし、自由旅行の基盤を作った
- 1996年インターネット販売をいち早く始めた
- ハウステンボスを買収し、新しい観光都市を創造した
- ロボットホテルという新しいスタイルのホテル事業を展開
HISはここまで、変わらない旅への思いを持ちつつ、変化を恐れない姿勢で知名度を上げてきたということをしっかり押さえておきましょう。
HISのこれからの戦略
これからのHISは、基本精神「挑戦者であれ」を胸に「日本のHIS」から「世界のHIS」へ変貌を遂げようとしています。
2008年以降、その試みは徐々に始まっており、事業としてもよりグローバルに展開しています。
世界各地に海外拠点・海外法人を展開しており、日本のサービスを、日本のきめ細やかなおもてなしの心をどんな国でも提供することを目指しています。
よりグローバルに、ローカルに
HISは6大陸すべてに拠点を持っています。特にタイ、インドネシア(バリ島)、フィリピンでは、インバウンドチームを立ち上げ、各地域におけるローカルなお客様の獲得に力を入れています。
世界では65カ国に進出しており、204都市、374拠点を展開しています。(2021年1月末時点)
宇宙事業
HISは宇宙旅行の実現に向けても動き出しています。国内でただ一つの有人宇宙開発会社であるPDエアロスペースと提携を結び、2023年の12月の商業運航開始を目指しています。
それに先駆け、地球でも宇宙を感じることのできる、宇宙飛行士訓練が体験できるツアーなどを企画し、盛り上げています。
ロボット開発
HISが手掛ける「変なホテル」は、ロボットがサービスを行うホテルです。人件費削減、生産性の向上の観点からの発想で、旅行業とは畑違いながらも、ロボットの創造する未来の可能性を信じ研究開発を進めています。
それは世界規模の企業へという、大きなプランの一角をなしているとも考えらえます。
HISとJTBの比較
最後にJTBとの違いをまとめておくので、確認しておきましょう。
イメージ |
旅行の種類 |
価格設定 |
強み |
|
JTB |
旅行業界の老舗 |
国内旅行が強め |
高め |
・ウエディングやガイド、様々なシーンのスペシャリストとして資格を持っているスタッフが豊富 ・老舗のネットワークを活かした細やかなサービスが魅力 |
HIS |
旅行業界のベンチャー |
海外旅行が強め |
低価格 |
・昔は不安のあったサポート体制も強化されている ・ネット予約がしやすい ・旅行のアレンジ幅が広い |
JTBは旅行業界最大手であり、老舗の旅行会社です。国内旅行に強みをもっており、価格設定は比較的高めです。その分、安心したサービスやプランが充実しており、魅力的です。
一方で、HISは旅行業界においてはベンチャー的な立場の会社です。どちらかといえば海外旅行に強みを持っており、価格設定としては業界において低価格を自負しています。
ネット予約のしやすさも相まって、手軽に便利に旅行を自由に楽しむ工夫が多いことが魅力です。
HISで実際に聞かれた質問
- 志望動機
- 入社して取り組みたい仕事とその理由は何ですか。
- 新規事業を提案して下さい
- 友人にHISはどんな会社かと聞かれたらどう答えますか
- 業界が抱える問題は何ですか、それにどう対応しますか
- 旅行を一言で表すと何ですか
- 旅のエピソードについてなにかありますか
- 旅行は好きですか
- 計画はち密に建てますか
- 周りにどのような人といわれますか
- HISとJTBの違いはなんですか
面接での回答時間は1分程度が良いとされています。簡単な質問に対しては30秒程度が目安となります。
1分で話すことができる文字数は約300字程度。面接対策として文字に起こす場合は、300字を目安に考えると良いでしょう。質問内容によっては、1分以上かけてしっかりと説明する必要がある質問も多くあります。
臨機応変に対応することはもちろん、面接対策を行う際には1分の時間感覚を身につけることも大切です。
よく聞かれる質問の解答例を3つ挙げておきますので、参考にしてください。
入社して取り組みたい仕事とその理由は何ですか。
<回答例>
私が御社に入社して取り組みたい仕事は、年配の人が安心して楽しめる海外旅行の企画です。
私の祖父母は旅行が好きで温泉などによく出かけています。海外にいきたい気持ちがありながらも、シニアにはハードルが高いと二の足を踏んでいます。確かに年配の方が自由に海外旅行に行くには、難しいことがたくさんあります。足腰に不安もありつつ、ネットで手配をするということにも慣れていないため、レストラン一つ選ぶにも大変なことが多いのを身近に見てきました。
「行ってみたい」「やってみたい」そんな気持ちを年齢と金額で断念するのは悲しいことだと強く感じました。まだまだできることがあるはずです。
御社でなら、新しいことに挑戦するという土壌ができているため、年配の方が安心して旅行に出かけられる方法を探し、形にすることができると考え志望しました。(355文字)
HISは、新しい発想で失敗を恐れずに挑戦していく人材を欲しています。はっきりした自分の意志や意欲を語れる度胸が必要でしょう。
狙って奇抜なアイデアを用意する必要はありませんが、少し変わった発想なども興味を持たれるきっかけとなります。
旅のエピソードについてなにかありますか
<回答例>
中学生の時に行った家族での初海外旅行であるハワイが忘れられません。一番印象に残ったのは、星空ツアーです。
ハレイワまでの帰りに、星空のきれいな場所で天体観測をするというものでしたが、当日はあいにくの曇り。予定の場所は雷雲がかかっていました。すると、現地のガイドさんが雨雲を避けて移動してくれ、必死に雲の切れ間を探してくれたのです。その結果、とてもきれいな星空を見ることができました。
天候はどうすることもできないので、運が悪かったと諦めることもできたと思います。しかし、ガイドさんは私たち家族の思い出のために尽力してくれ、そのおかげで、ハワイの一番の思い出ができました。誰かの思い出作りのためになる仕事は魅力的だと感じた瞬間でした。
新しい挑戦ができるベンチャー精神のある御社でなら、よりパーソナライズされた企画が可能だと感じているので、私も誰かの思い出作りに貢献できる細やかなサービスを行いたいです。(398文字)
旅で経験したことから、自分の価値観が変わった、何かを学んだということまで示すことができるようにしましょう。
その成長した自分が、さらに入社後に会社に貢献できる存在だとアピールできればなおよいでしょう。
HISとJTBの違いはなんですか
<回答例>
JTBは老舗であり、HISはベンチャーという点が大きな違いだと考えます。
JTBは老舗ゆえ、旅行関連の業者や地域とのネットワークが広く、コネクションが強いメリットがあります。そのため安心感があり、特に年配の方に人気を博しています。しかしそれに見合った価格設定のため、誰でも気軽に利用できないところがあります。
対して御社は、ベンチャー精神のある旅行業界の革命児的な存在であるため、常に新しい企画を発信しており、自由度も高いため、旅行好きや若い人に人気です。予算で旅行を諦めるのではなく、予算に見合った旅行を一緒に作っていくスタンスが魅力です。
私はコロナ禍を経て、若い人が金銭的な理由で旅行を楽しめない状況を危惧しています。御社の常に新しいものに挑戦していくその姿勢に感銘を受け、ここでなら若い人にこれからも旅行を楽しんでもらえる企画を打ち出していけると思い、志望しました。(384文字)
他社との違いを聞かれた際、他社のマイナスな面ばかりを指摘しないよう気をつけましょう。
あくまで「違い」の解説を求められているので、フラットな視点で適切な回答をするよう心がけると良いでしょう。
冷静に分析し、自分なりの印象をまとめ、その上でHISが自分の志望企業であるという結論でまとめるのがおすすめです。
面接前にチェックすべきこと
HISの新卒情報
募集職種 |
旅行コンサルタント、法人営業、商品開発、海外営業、ES職、経理職 |
募集人数 |
2023年度 募集なし |
採用フロー |
HIS説明会・セミナー → エントリーシート → WEBテスト
→ グループディスカッション → 1次面接 → 最終面接。 |
募集学科 |
全学部・全学科 |
面接 |
最終面接含め2~3回の面接 |
HISの事業内容
旅行事業、ホテル事業、テーマパーク事業、九州産交グループ、エネルギー事業など
引用:HIS|会社概要
旅行業界は社会情勢に影響を受けやすい業界です。今回は新型コロナ感染拡大という事態に、伸び続けていたインバウンドもほぼゼロとなり、期待されていた東京オリンピック関連の旅行客の獲得もほぼ成果を上げることができませんでした。
そんな中、徐々に世界はアフターコロナ体制となり、旅行もかなり規制緩和され上向きになってきています。日本においても、まずは国内旅行需要が高まり、それから徐々に海外旅行も楽しめるようになっていくことが予想されています。
HISは、どちらかといえば海外に強い旅行会社です。海外旅行に踏み込みやすくするために、「新しい旅に、9つの安心を」を合言葉にコロナに対する不安なく旅行を楽しめるよう対策を打ち出しています。
また、「変なホテル」や「ハウステンボス」といった国内事業も好調です。
HISは、新しい事業展開を行っていくことを厭わない企業です。上記の他にも農業事業も手掛け始めています。
そこには本業の旅行と関係あるかないかという視点はなく、世界規模の企業となるべく、新しい挑戦が成長の原動力となっています。
HISの社風は?
HISには、ベンチャー企業である土台から、新しいことに挑戦する積極的な雰囲気があります。社長と人事担当者とのトークの中で下記のようなような会話がなされています。
代表取締役会長兼社長(CEO)
澤田秀雄さん
参考:CROSS TALK|HIS採用情報昨今の新卒の人はみなさん優秀なのですが、ある意味標準化されているように見えます。もう少し変わった人がいてもいいかもしれません。
本社人事本部採用チーム
月村将士さん
参考:CROSS TALK|HIS採用情報変わった人ですか? HISにはけっこう個性あふれる社員が多いような気がしますが、選考の際に心がけてみます。
インタビューの中での社長の言葉からも、新しい風を起こしてくれる人材への期待が大きいことを感じ、またそういった人を歓迎するムードが強いようです。
中部営業本部 豊橋営業所
セールスチーフ
横井文香さん
参考: HIS|人と仕事を知るHISのスタッフは皆、目標に対してのこだわりが強く、厳しく指導されることもありますが、遊ぶときにはとことん遊びます。
HISホテルホールディングス
ホテル開発担当
芝野紗矢香さん
引用:HIS|人と仕事を知るHISへの入社を決めたのは、部署間異動ができて選択肢が多いこと。営業や店舗勤務など特定の仕事だけをやり続けるのではなく、いろいろトライできる。好奇心旺盛な私は、自分の新たな可能性が見つけられるのではないかと気持ちが高ぶりました。新入社員の募集要項にそのようなことが書いてあったのはHISだけです。社員の自主性を第一に考えてくれる会社だと思いました。(中略)若手でありながら、多くの決定権を与えてもらい、本当にやりがいがあります。
上記は社員のインタビューの一部です。これを見ても、チャレンジ精神で楽しく前向きに仕事している個性的な社員の雰囲気が伝わります。実際に店舗に足を運び、雰囲気を感じてみましょう。
またインターンシップやOB・OG訪問などでは、より会社の雰囲気や業務についてを知ることができます。積極的に参加するようにしましょう。
HISの過去実績
採用倍率
近年の採用がないこともあり、倍率に関しての情報は確かなものがありません。
しかし、2年間採用がないことで、次回採用時にはそれなりの人数を募集してくることが考えられます。
採用大学
2021年の採用大学は下記になります。
名の知れた大学が並んでいますが、高学歴な大学のみが多いわけではありません。よって、学歴フィルターはないと考えられます。
自分の思いをしっかり伝えることで採用に結びつく可能性が高いので、徹底した対策で面接に臨みましょう。
徹底した対策を!HISの選考を有利に進めよう
旅行業界は、この2年ほど、新型コロナ感染拡大によって、思うように成長を遂げることができずにいます。
その中でも、HISは新しいロボットや宇宙などの分野で挑戦を続けてきました。また帰国や出国の規制緩和により本格的に海外旅行が元に戻ることを想定し、新しい試みも始めています。
今年から新卒採用の募集が再開したため、応募者が殺到することが予測されます。旅行業界全体の動向を把握し、自分なりに
は採用がありませんが、企業自体は力を弱めているわけではないため、さらなる余力を蓄え、2024年度は以前より採用枠の拡大が期待できるのではないかと考えられます。
旅行業界に興味のある人は、HISのホームページをこまめにチェックし、情報を逃さないようにしてくださいね。